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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者,,
ポンペ病
通常、アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、遅発型の患者には1回体重1kgあたり20mgを、乳児型の患者には1回体重1kgあたり40mgを隔週点滴静脈内投与する。
日局注射用水で溶解し、日局ブドウ糖注射液5%を用いて希釈した後に投与すること。初回点滴速度は1mg/kg/時で開始し、infusion reactionの発現がない場合は表1に従い、30分ごとに点滴速度を上げること。なお、乳児型の患者は状態に応じて5段階投与とすることも可能である。点滴速度を上げる前には、都度バイタルサイン等を確認すること。患者の体重に基づく総点滴量は表2を参照すること。
点滴速度(mg/kg/時)
総点滴時間(時間)
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階
第5段階
遅発型の患者
1
3
5注4)
7注4)
4~5
乳児型の患者
4段階投与
5
7
5段階投与注5)
6
8
10注5)
体重範囲(kg)
投与量20mg/kgに対する総点滴量(mL)
投与量40mg/kgに対する総点滴量(mL)
1.25-5
50
5.1-10
100
10.1-20
200
20.1-30
150
300
30.1-35
400
35.1-50
250
500
50.1-60
600
60.1-100
1000
100.1-120
1200
,,
過敏症の発現に注意すること。
,
重度のinfusion reactionを引き起こす可能性がある。また、水分制限の適応となる患者では、本剤投与中は、適切な医学的処置とモニタリング手段がとれるように準備しておくこと。点滴投与中に水分過負荷により心機能又は呼吸状態の重篤な増悪を起こす可能性がある。
本剤投与時にinfusion reactionが発現する危険性が高くなる可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
6ヵ月未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、悪寒、頭痛、悪心、そう痒症、発疹、蕁麻疹等のinfusion reactionがあらわれることがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。,,,,,
2%以上
2%未満
神経系
頭痛、浮動性めまい
振戦
呼吸器
咳嗽、呼吸困難
呼吸窮迫
消化器
悪心、下痢
口唇腫脹、舌腫脹、嘔吐
皮膚
そう痒症、発疹、蕁麻疹、紅斑
皮膚変色、紅斑性皮疹、手掌紅斑、多汗症
骨格筋系
筋痙縮、筋肉痛
四肢痛
全身及び局所反応
疲労、悪寒、胸部不快感、疼痛
インフルエンザ様疾患、発熱
臨床検査
血圧上昇、酸素飽和度低下、体温上昇、心拍数増加
眼
眼充血
心臓
頻脈
酵素補充療法(ALGLU)の治療歴のない遅発型ポンペ病患者(16歳~78歳)に本剤20mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの本薬の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。
測定時点
例数
Cmax(μg/mL)
AUClast(μg・h/mL)
tmax(h)
t1/2注6)(h)
初回投与時
49
259±72.3
1290±420
4.02[2.53, 6.33]
1.34±0.561注7)
投与49週時
48
242±81.4
1250±433
4.03[2.20, 7.33]
1.55±0.887
平均±SD、tmaxは中央値[範囲]
酵素補充療法(ALGLU)既治療の乳児型ポンペ病患者(1歳~12歳)に本剤20又は40mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの本薬の薬物動態パラメータは以下のとおりであった2) 。
投与群
t1/2注10)(h)
コホート1注8)本剤20mg/kg
189±56.7
923±352
4.43[3.90, 5.33]
0.703±0.291
投与25週時
175±65.9
805±295
3.97[3.77, 4.75]
0.601±0.256
コホート2注8)本剤40mg/kg
4
403±171
2630±972
7.00[6.00, 7.25]
1.15±0.523
297±60.1
1930±348
7.13[5.67, 7.98]
1.04±0.248
コホート3注9)本剤40mg/kg
250±45.1
1720±255
6.83[6.65, 7.22]
0.806±0.248
356±84.7
2200±533
6.87[5.03, 7.43]
1.19±0.472
酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスへ本剤を投与したところ、肝臓で最も高く分布し、肝臓と比較すると少量であるが心臓及び骨格筋にも分布した3) 。遅発型ポンペ病患者75例から得られた血漿中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、本剤の見かけの中心コンパートメントにおける分布容積は3.4Lと推定された4) 。また、本剤20又は40mg/kgを隔週静脈内投与したときの乳児型ポンペ病患者における定常状態での平均分布容積は3.5~5.4Lであった。
酵素補充療法の治療歴のない遅発型ポンぺ病患者(16歳~78歳)を対象に、本剤(51例、日本人1例を含む)又はALGLU(49例)20mg/kgを隔週に1回、49週間点滴静脈内投与した。主要評価項目である努力肺活量の予測正常値に対する割合(以下、%予測努力肺活量)の投与前から投与49週時までの変化量は表5のとおりであり、ALGLU群に対する本剤群の非劣性が示された(非劣性マージン:-1.1%)。
項目
本剤群(51例)
ALGLU群(49例)
投与前注11)
62.55±14.39
61.56±12.40
投与49週時注11)
65.49±17.42
61.16±13.49
投与前からの変化量注12)
2.89±0.88
0.46±0.93
群間差注13)
2.43[-0.13, 4.99]
非劣性のp値
p=0.0074
副次評価項目である6分間歩行距離、最大吸気圧、最大呼気圧、ハンドヘルドダイナモメトリー検査複合スコア及び簡易運動機能検査総スコアの結果は表6のとおりであった。
評価項目
6分間歩行距離(m)
32.21±9.93
2.19±10.40
%予測最大吸気圧注14)
8.70±2.09
4.29±2.19
%予測最大呼気圧注14)
10.89±2.84
8.38±2.96
ハンドヘルドダイナモメトリー検査複合スコア
260.69±46.07
153.72±48.54
簡易運動機能検査総スコア
3.98±0.63
1.89±0.69
調整平均±SE
本剤群での副作用は投与49週時までに45.1%(23/51例)に認められ、主な副作用はそう痒症7.8%(4/51例)、頭痛5.9%(3/51例)、悪心5.9%(3/51例)、蕁麻疹5.9%(3/51例)及び疲労5.9%(3/51例)であった。ALGLU群での副作用は投与49週時までに49.0%(24/49例)に認められ、主な副作用は頭痛12.2%(6/49例)、悪心10.2%(5/49例)、そう痒症8.2%(4/49例)、発疹6.1%(3/49例)及び疲労6.1%(3/49例)であった1) 。
酵素補充療法(ALGLU)で治療中の乳児型ポンぺ病患者(1歳~12歳)を対象とした非盲検試験が実施された。酵素補充療法で臨床的悪化を示した患者を対象に、本剤20mg/kg(6例、日本人1例を含む)又は40mg/kg(5例、日本人1例を含む)を隔週に1回25週間点滴静脈内投与した。また、酵素補充療法で不十分な臨床反応を示した患者を対象に、本剤40mg/kgを隔週に1回25週間点滴静脈内投与又は本試験に参加する前に投与されていた用量(20mg/kgを隔週に1回から40mg/kgを毎週1回の範囲)でALGLUを25週間点滴静脈内投与した(本剤群5例、ALGLU群6例)。その結果、有効性評価項目である粗大運動能力尺度-88、簡易運動機能検査、Pompe-Pediatric Evaluation of Disability Inventory及び眼瞼位置測定(IPFD left non-flash)の結果は、表7のとおりであった。
第1期臨床的悪化を示した患者
本剤20mg/kg群(6例)
本剤40mg/kg群(5例)
粗大運動能力尺度-88総%スコア
1.68[-7.7, 19.4](6例)
0.83[-0.8, 12.8](5例)
-0.50[-7.0, 6.0](6例)
2.00[-2.0, 10.0](5例)
Pompe-PEDI機能的スキル尺度の移動ドメイン
1.97[-2.1, 25.9](6例)
0.00[0.0, 9.3](5例)
IPFD left non-flash(mm)
-0.50[-3.0, 1.5](6例)
1.50[-0.5, 3.5](5例)
第2期不十分な臨床反応を示した患者
ALGLU群(6例)
3.55[0.1, 9.6](4例)
7.68[0.8, 9.9](6例)
4.50[0.0, 8.0](4例)
4.00[1.0, 13.0](6例)
3.09[0.7, 4.0](3例)
1.77[1.0, 12.9](6例)
1.00[0.5, 2.5](5例)
-0.50[-1.5, 0.5](6例)
中央値[範囲]
酵素補充療法で臨床的悪化を示した患者を対象に投与25週時以降も継続して本剤40mg/kgを隔週に1回投与した結果、GMFM-88総%スコアのベースラインから投与49週時までの変化量(中央値[範囲])は3.54[-1.4, 22.1](4例)であった。本剤40mg/kgを隔週に1回投与での副作用は投与25週時までに30.0%(3/10例)に認められ、主な副作用は発疹20.0%(2/10例)であった2) 。
本剤はALGLUを改変した遺伝子組換えヒト酸性α-グルコシダーゼであり、マンノース-6-リン酸[M6P]受容体を介した横隔膜及び他の骨格筋への取込みの増大を目的として、ALGLU上の酸化シアル酸残基にM6Pを結合させたものである。細胞内に取込まれた本剤はライソゾーム中グリコーゲンのα-1,4-及びα-1,6-グリコシド結合を加水分解することにより、グリコーゲンを分解し、組織損傷を改善する。
本剤の静脈内投与により、ポンぺ病動物モデルである酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスにおける心臓、横隔膜、骨格筋等のグリコーゲン量が低下した5) 。
アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)Avalglucosidase Alfa(Genetical Recombination)
アバルグルコシダーゼ アルファはアルグルコシダーゼ アルファ糖鎖改変体(分子量:約124,000)であり、アルグルコシダーゼ アルファが酸化され、糖鎖の平均5~9個のN-アセチルノイラミン酸部分が5-アセトアミド-3,5,7-トリデオキシ-7-[(E)-(2-オキソ-2-{2-[4-({O-(6-O-ホスホノ-α-D-マンノピラノシル)-(1→2)-O-α-D-マンノピラノシル-(1→6)-O-α-D-マンノピラノシル-(1→6)-O-[O-(6-O-ホスホノ-α-D-マンノピラノシル)-(1→2)-O-α-D-マンノピラノシル-(1→3)]-β-D-マンノピラノシル}オキシ)ブタノイル]ヒドラジニル}エトキシ)イミノ]-β-L-arabino-2-ヘプツロ-2,6-ピラノシロン酸基に化学的に変換されている。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内資料:酵素補充療法の治療歴のない遅発型ポンぺ病患者における国際共同試験[第III相試験]総括報告書
2) 社内資料:酵素補充療法から切り替えた乳児型ポンぺ病患者における国際共同試験[第II相試験]総括報告書
3) 社内資料:非臨床薬物動態試験(2021年9月27日承認、CTD2.6.4.5)
4) 社内資料:臨床薬物動態(2021年9月27日承認、CTD2.7.2.3)
5) 社内資料:非臨床薬理試験(2021年9月27日承認、CTD2.6.2.2)
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