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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の投与によりinfusion reaction、アナフィラキシーがあらわれる可能性がある。緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。重篤なinfusion reaction、アナフィラキシーが発現した場合には、速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,,
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者,,
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症
通常、オリプダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、以下の用量漸増法に従い、本剤の開始用量及びその後の用量を隔週点滴静脈内投与する。維持用量は、通常、1回体重1kgあたり3mgとする。
初回投与(初日)
0.1mg/kg
2回目投与(2週目)
0.3mg/kg
3回目投与(4週目)
4回目投与(6週目)
0.6mg/kg
5回目投与(8週目)
6回目投与(10週目)
1mg/kg
7回目投与(12週目)
2mg/kg
8回目以降の投与(14週目以降)
3mg/kg
0.03mg/kg
8回目投与(14週目)
9回目以降の投与(16週目以降)
投与量(mg/kg)
投与時間(おおよその時間(分))
投与速度(mL/hr)
0.1
35
ステップ1:20mL/hr 15~25分間ステップ2:60mL/hr 10~20分間
0.3~3
220
ステップ1:3.33mL/hr 15~25分間ステップ2:10mL/hr 15~25分間ステップ3:20mL/hr 15~25分間ステップ4:33.33mL/hr 155~165分間
投与速度(mg/kg/hr)
0.03
18
0.1mg/kg/hr
ステップ1:0.1mg/kg/hr 15~25分間ステップ2:残りの投与は0.3mg/kg/hr
0.3
60
ステップ1:0.1mg/kg/hr 15~25分間ステップ2:0.3mg/kg/hr 15~25分間ステップ3:残りの投与は0.6mg/kg/hr
0.6
80
ステップ1:0.1mg/kg/hr 15~25分間ステップ2:0.3mg/kg/hr 15~25分間ステップ3:0.6mg/kg/hr 15~25分間ステップ4:残りの投与は1mg/kg/hr
1
100
2
160
3
休薬回数
次回の投与量
1回休薬した場合
忍容性が認められた最後の投与量
2回連続して休薬し、かつ0.3mg/kgの投与をこれまでに受けている場合
忍容性が認められた最後の投与量から1段階減量した投与量(ただし、最小用量は0.3mg/kgとする)
2回以上連続して休薬し、かつ、これまでに0.3mg/kgの投与を受けていない場合
初回投与量
3回以上連続して休薬し、かつ0.3mg/kgの投与をこれまでに受けている場合
いずれの場合でも投与再開以降は用量漸増法に従って投与すること。また、投与量が0.3mg/kg又は0.6mg/kgである場合は、用量漸増法に従って当該用量を2回投与すること。
維持用量(3mg/kg)
2回連続して休薬した場合
2mg/kgで投与を再開し、その後は維持用量(3mg/kg)を投与する。
3回以上連続して休薬した場合
0.3mg/kgで投与を再開し、投与再開以降は用量漸増法に従って投与する(0.3mg/kg及び0.6mg/kgについては当該用量を2回投与する)。
,,
,
ALT又はASTが上昇する可能性がある。,
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後14 日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本薬を投与した動物試験(マウス)において胎児に外脳症が認められている。また、スフィンゴミエリンの異化代謝産物の一つであるセラミドが、ニワトリ胚の神経管の発生に影響を及ぼしたとの報告がある1) 。
*治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、本薬を投与した動物実験(マウス)において乳汁中に移行することが認められている。
1歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
本剤の作用が減弱する可能性がある。
酸性スフィンゴミエリナーゼの活性を阻害する可能性がある2),3) 。
本剤投与中又は投与終了後24時間以内に、頭痛、蕁麻疹、発熱、悪心、嘔吐等のinfusion reaction及びアナフィラキシーがあらわれることがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、解熱鎮痛剤、抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。,,,,,
10%以上
2%以上10%未満
血液及びリンパ系
リンパ節痛
免疫系
過敏症
神経系
頭痛
浮動性めまい、嗜眠、片頭痛
心臓
動悸
血管
潮紅、低血圧
呼吸器
呼吸困難、咳嗽
消化器
悪心、嘔吐、腹痛
上腹部痛、下痢、腹部不快感、下腹部痛、アフタ性潰瘍、消化不良、鼓腸
肝胆道系
肝臓痛
皮膚
蕁麻疹、そう痒症
発疹、紅斑、斑状皮疹、斑、丘疹
骨格筋系
筋肉痛
関節痛、筋骨格系胸痛、背部痛、関節腫脹、頸部痛、四肢痛、骨痛、筋痙縮、筋骨格不快感
腎及び尿路
腎臓痛
全身及び局所反応
発熱
疲労、悪寒、無力症、非心臓性胸痛、疼痛
臨床検査
C-反応性蛋白増加
ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、血清フェリチン増加、体温上昇、プロトロンビン時間延長、体重増加
**小児において、本剤の用量漸増期間中に成人患者における用量漸増法で投与され、肝機能検査値上昇、消化管出血を発現した症例や、投与開始から24 時間以内に呼吸不全、低血圧を発現し死亡に至った症例が報告されている。
**特異的な解毒剤は知られていない。過量に投与した場合は、直ちに投与を中止し、患者の状態を注意深く観察すること。
体重3kg以上10kg未満
体重10kg以上20kg未満
体重20kg以上(18歳未満の小児)
成人(18歳以上)
容量(mL)
実体重に基づく
5
-
10
20
50
75
200
250
本剤はタンパク質製剤であり、本剤に対するIgG抗体が産生される可能性がある。臨床試験において、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症患者では42.4%(25/59例:成人患者13/39例、小児患者12/20例)に抗オリプダーゼ アルファ抗体の産生が認められ、そのうち28.0%(7/25例:成人患者3/13例、小児患者4/12例)で中和抗体の産生が認められた。
酸性スフィンゴミエリナーゼノックアウトマウスに本薬を用量漸増法を用いずに投与したところ、スフィンゴミエリンの急速な分解に伴うセラミド等の異化代謝産物の蓄積に起因すると考えられる毒性所見(心拍数低下、血圧低下、炎症誘発性サイトカインの上昇、肝細胞及び副腎の炎症、変性、壊死及びアポトーシス等)や、死亡した個体も認められたが、用量漸増法を用いて投与した場合、忍容性が認められた。
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症患者に維持用量として本剤3mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの本薬の薬物動態パラメータは以下のとおりであった4),5),6) 。
年齢
18歳以上
12歳以上18歳未満
6歳以上12歳未満
6歳未満
測定時点
投与66ヵ月時
投与210週時
投与158週時
投与104週時
例数
4
Cmax(μg/mL)
35.6±9.49
33.5±3.82
31.7±5.48
28.1±6.76
AUC0-τ(μg・h/mL)
763±119
721±78.3
716±41.8
623±93.2
tmax(h)
4.12[3.82, 4.97]
3.88[3.67, 4.02]
4.17[3.75, 7.63]
4.02[3.80, 4.75]
t1/2Z(h)
26.2±2.59
25.6±4.10
25.3±1.17
26.9±3.96
Vss(mL/kg)
127±26.2
128±27.8
116±15.4
136±34.8
CL(mL/h/kg)
4.02±0.68
4.20±0.46
4.20±0.25
4.88±0.67
平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]
酸性スフィンゴミエリナーゼノックアウトマウスに本薬を投与したところ、肝臓、脾臓、腎臓及び肺に分布した7) 。
成人酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(慢性内臓型及び慢性内臓神経型)患者(18歳~65歳)36例(日本人患者1例を含む)を対象に、本剤(18例)又はプラセボ(18例)を隔週で52週間点滴静脈内投与した。本剤は0.1mg/kgから投与開始し、維持用量である3mg/kgまで漸増して投与した。主要評価項目とした一酸化炭素肺拡散能の予測正常値に対する割合(予測%一酸化炭素肺拡散能)及び脾容積(正常値に対する倍数[MN])のベースラインから52週までの変化率の結果、並びに副次評価項目とした肝容積(MN)及び血小板数のベースラインから52週までの変化率は表2のとおりであり、主要評価項目についていずれも本剤群のプラセボ群に対する優越性が示された。
項目
本剤群(18例)
プラセボ群(18例)
予測%一酸化炭素肺拡散能:主要評価項目
49.44±10.99
48.45±10.77
59.35±12.51
49.86±11.08
21.97±3.34
2.96±3.38
19.01[9.32, 28.70]
p=0.0004
脾容積(MN):主要評価項目
11.70±4.92
11.21±3.84
7.16±3.57
11.20±4.18
-39.45±2.43
0.48±2.50
-39.93[-47.05, -32.80]
p<0.0001
肝容積(MN)
1.44±0.32
1.62±0.50
0.97±0.31
1.60±0.54
-28.06±2.49
-1.47±2.54
血小板数(×109/L)
107.18±26.93
115.58±36.27
123.08±25.82
120.20±43.15
16.82±3.96
2.49±4.19
95%信頼区間及びP値:反復測定混合モデル
本剤群での副作用は52週までに66.7%(12/18例)に認められ、主な副作用は頭痛44.4%(8/18例)、悪心11.1%(2/18例)、腹痛11.1%(2/18例)、筋骨格系胸痛11.1%(2/18例)、筋肉痛11.1%(2/18例)及び発熱11.1%(2/18例)であった。プラセボ群での副作用は52週までに33.3%(6/18例)に認められ、主な副作用は頭痛16.7%(3/18例)、悪心16.7%(3/18例)、嘔吐11.1%(2/18例)、疲労11.1%(2/18例)、熱感11.1%(2/18例)、血中ビリルビン増加11.1%(2/18例)であった4) 。
小児酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(慢性内臓型及び慢性内臓神経型)患者(1歳~17歳)20例を対象に、本剤を0.03mg/kgから投与開始し、維持用量である3mg/kgまで隔週で漸増して64週間点滴静脈内投与した。投与52週時の予測%一酸化炭素肺拡散能、脾容積、肝容積、血小板数及び身長Zスコアは表3のとおりであり、投与前に対して改善する傾向が認められた。
本剤投与(20例)
予測%一酸化炭素肺拡散能 注4)
54.79±14.23
32.94±8.27
脾容積(MN)
18.98±8.77
-49.21±1.99
2.65±0.74
-40.56±1.67
137.74±62.32
34.03±7.63
身長Zスコア
-2.19±0.83
0.56±0.39
本剤投与による副作用は64週までに65.0%(13/20例)に認められ、主な副作用は発熱40.0%(8/20例)、嘔吐35.0%(7/20例)、頭痛25.0%(5/20例)、悪心20.0%(4/20例)、蕁麻疹20.0%(4/20例)、C-反応性蛋白増加20.0%(4/20例)であった5) 。
本剤は、ヒト酸性スフィンゴミエリナーゼの遺伝子組換え製剤であり、脾臓、肝臓、骨髄、肺、腎臓等の単核-マクロファージ系細胞に蓄積するスフィンゴミエリンを加水分解する8) 。本剤は血液脳関門を通過せず、中枢神経系症状の改善は期待されない。
本薬を酸性スフィンゴミエリナーゼノックアウトマウスに静脈内投与したところ、肝臓、脾臓、肺、腎臓に蓄積していたスフィンゴミエリンが減少した9) 。
オリプダーゼ アルファ(遺伝子組換え) Olipudase Alfa(Genetical Recombination)
オリプダーゼ アルファは遺伝子組換えヒトスフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ類縁体であり、ヒトスフィンゴミエリンホスホジエステラーゼの14~583番目のアミノ酸に相当する。オリプダーゼ アルファは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される、570個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質(分子量:約76,000)である。
1バイアル
1) *Micah M Ross, et al. :Developmental Dynamics. 2019;248:979-96
2) Gulbins E, et al.:Nat Med. 2013;19(7):934-8
3) Kornhuber J, et al.:Cell Physiol Biochem. 2010;26(1):9-20
4) 社内資料:第II/III相二重盲検プラセボ対照試験(DFI12712)
5) 社内資料:第I/II相非盲検試験(DFI13803)
6) 社内資料:海外第II相長期継続投与試験(LTS13632)
7) 社内資料:非臨床薬物動態試験(2022年3月28日承認、CTD2.6.4.6)
8) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(2022年3月28日承認、CTD2.6.1.1)
9) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(2022年3月28日承認、CTD2.6.2.2)
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