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劇薬
処方箋医薬品注)
インスリン療法が適応となる2型糖尿病
本剤は食事療法・運動療法に加え、糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合に使用を検討すること。
通常、成人には、5~20ドーズ(インスリン グラルギン/リキシセナチドとして5~20単位/5~20μg)を1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回5~10ドーズから開始し、患者の状態に応じて増減するが、1日20ドーズを超えないこと。なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン グラルギン1単位及びリキシセナチド1μgが含まれる。
使用経験がなく、胃腸障害の症状が悪化するおそれがある。
,,
,
低血糖の自覚症状が明確でないことがある。
低血糖を起こすおそれがある。重度の腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。末期腎不全の患者は臨床試験では除外されている。
低血糖を起こすおそれがある。重度の肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。リキシセナチドのヒトにおける潜在的なリスクは不明である。リキシセナチドにおける動物実験では、生殖発生毒性が報告されている。胚・胎児発生に関する試験において、ラットではヒトにリキシセナチドを1回20μg、1日1回投与時の血漿中曝露量(AUC)の少なくとも約4.6倍で胎児の成長遅延、骨格異常及び骨化遅延、ウサギでは約32倍で骨化遅延が認められた。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、微量のリキシセナチドが乳汁中へ移行することが認められている。授乳を継続する場合、授乳期にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、胃腸障害及び低血糖が発現しやすい。,
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。また、低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること。特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量を検討すること。
血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
クロラムフェニコール
機序不明
サルファ剤
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
フィブラート系薬剤
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
レセルピン
低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
アドレナリン
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
グルカゴン
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬
ニコチン酸
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
ダナゾール
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
フェニトイン
インスリン分泌抑制作用を有する。
ブセレリン酢酸塩
機序不明耐糖能を悪化させることがある。
フェノチアジン誘導体
機序不明であるが、動物実験(ラット)において、インスリン分泌が低下したとの報告がある。
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
ペンタミジンイセチオン酸塩
膵臓のβ細胞に作用し、初期に低血糖、それに引き続いて高血糖を起こすことがある。
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。また、インスリン感受性は薬剤により増強あるいは減弱することが報告されている。
炭酸リチウム
機序不明インスリン分泌が減少したとの報告、逆に低血糖が発現したとの報告がある。
クロニジン
機序不明血糖値が低下したとの報告、逆に血糖値を上昇させたとの報告がある。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用が、併用する経口剤の吸収に影響を与えるおそれがある。血中濃度が一定の閾値に達することにより有効性を示す経口剤を併用する場合は、本剤投与の1時間以上前、又は11時間以上後にそれらの薬剤を服用すること。
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用による。
プロトロンビン時間国際標準比(INR)の延長がリキシセナチドの類薬(エキセナチド)で報告されている。本剤と併用する場合には、併用開始時あるいは終了時にINR値を測定するなど、観察を十分に行うこと。
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。臨床試験で報告された重篤な低血糖の発現割合は、0.1%(1/676例)であった。,,,,,,,
GLP-1受容体作動薬の使用は、急性膵炎のリスクの増加に関連している。急性膵炎に特徴的な症状(嘔吐を伴う持続的な腹痛等)が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。また急性膵炎と診断された場合には、本剤の再投与は行わないこと。,,
全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止すること。
*
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
悪心
腹部不快感、下痢、嘔吐、消化不良、便秘、胃腸炎、食欲不振
腹部膨満、腹痛
*肝胆道
胆石症
皮膚
多汗症
蕁麻疹
精神神経系
めまい、振戦
傾眠
頭痛
注射部位
注射部位反応(内出血、紅斑、浮腫、そう痒等)
リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、皮膚アミロイドーシス
感染
上咽頭炎、上気道感染
その他
疲労
倦怠感、空腹感
投与量
N
Cmax(pg/mL)
tmaxa(hr)
t1/2z(hr)
AUCb(pg・hr/mL)
CL/Fb(L/hr)
5単位/5μg
20
51.6±22.1
2.50(1.00, 5.00)
2.50±0.843
286±101
19.9±7.99
10単位/10μg
110±54.9
2.00(1.00, 5.00)
2.73±0.747
630±225
18.2±7.76
平均値±標準偏差、CL/F:見かけの全身クリアランスa:中央値(最小値, 最大値)、b:N=17
Cmax(μU/mL)
tmaxa(h)
AUC0-24hb(μU・h/mL)
0.4単位/kg・0.264μg/kg
13.8±6.99
10.00(0.25, 16.00)
221±87.3
平均値±標準偏差a:中央値(最小値, 最大値)、b:N=19
健康成人男子12例に、125I-インスリン グラルギン0.2単位/kgを上腕部、大腿部及び腹部に単回皮下投与したとき、血清中インスリン濃度、血清中外因性インスリン濃度並びに血糖値の推移に差はみられなかった。また、血清中インスリン濃度及び外因性インスリン濃度のAUC及びCmax、血糖値のAUC及び最大降下度に投与部位間で有意な差は認められなかった。これらのことから本剤の薬理作用に投与部位による差はないと考えられた4) (外国人データ)。
過体重及び肥満被験者43例の異なる部位(腹部、上腕部、大腿部)にリキシセナチド10μgを単回皮下投与したとき、腹部投与に対する相対的バイオアベイラビリティ(AUClast比[90%信頼区間])は、上腕部で1.06[0.93, 1.21]及び大腿部で1.00[0.88, 1.14]であった5) (外国人データ)。
リキシセナチドのヒト血漿たん白質への結合は、約500~50,000pg/mLの濃度において、55%であった(in vitro)。
リキシセナチドは、CYP分子種(CYP1A、CYP2B6、CYP2C9、CYP3A)に対する誘導作用を示さなかった。また、CYP分子種(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A)に対する阻害作用を示さなかった(in vitro)。リキシセナチドのヒト血漿中における代謝は非常に緩徐(半減期約35時間)であった(in vitro)。
ペプチドであるリキシセナチドは、標準的なたん白分解過程によって小さなペプチド及びアミノ酸に分解され、ペプチド(平均分子量50kDa未満)は腎ろ過後の尿細管再吸収と代謝により消失すると考えられる。リキシセナチドは、ヒトトランスポーター(hOCT2、hOATP1B1)に対する阻害作用を示さなかった(in vitro)。
リキシセナチド5μg注2) を腎機能正常被験者(クレアチニンクリアランス(CLCR):>80mL/min)、軽度腎機能障害患者(CLCR:50mL/min以上80mL/min以下)、中等度腎機能障害患者(CLCR:30mL/min以上50mL/min未満)及び重度腎機能障害患者(CLCR:30mL/min未満)各8例に単回皮下投与したとき、リキシセナチドのCmaxは腎機能正常被験者と比較して、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者でそれぞれ約1.0、1.0及び1.3倍であり、AUC∞は1.1、1.2及び1.5倍であった。また、腎機能正常被験者、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者のt1/2zはそれぞれ2.62、2.41、2.62及び2.87時間であった6) (外国人データ)。
リキシセナチド20μgを高齢健康被験者(65~79歳、CLCR:50.5~91.8mL/min)及び若年健康被験者(24~44歳、CLCR:82.4~163.9mL/min)各18例に単回皮下投与したとき、Cmaxは同様であったものの、高齢健康被験者群ではAUC∞が約1.3倍増加し、t1/2zは約1.6倍延長した7) (外国人データ)。
健康被験者15例にリキシセナチド10μg投与の1時間後又は4時間後にアセトアミノフェン1,000mgを単回投与したとき、リキシセナチド非投与時と比較して、アセトアミノフェンのtmax(中央値)はそれぞれ4.50時間及び2.00時間に延長し、Cmaxはそれぞれ71%及び69%に低下したが、AUC∞に対する影響は認められなかった。リキシセナチド投与の1時間前にアセトアミノフェンを投与したとき、アセトアミノフェンの薬物動態に変化はみられなかった8) (外国人データ)。また、リキシセナチド10μgと経口避妊薬、リキシセナチド20μgとワルファリン、ラミプリル、アトルバスタチン又はジゴキシンを併用した相互作用試験の結果を下表に示す。リキシセナチド投与後に下表の経口薬を投与したとき、各経口薬のCmaxは低下しtmaxは遅延した。一方、リキシセナチド投与の1時間前に経口避妊薬を投与したとき、経口避妊薬の薬物動態に変化は見られなかった。なお、リキシセナチドとワルファリンを併用した相互作用試験において、INRの延長は認められなかった9),10),11),12),13) (外国人データ)。
経口薬
投与時期(分)
Cmax比[90%信頼区間]
AUC比[90%信頼区間]
tmax差(範囲)
アセトアミノフェン(1,000mg)
-60
15
0.97[0.78, 1.19]
0.97[0.93, 1.02]
0(-1.50, 1.75)
+60
0.71[0.57, 0.87]
0.95[0.90, 0.99]
2.00(-2.00, 4.50)
アセトアミノフェン(1,000mg)a
+240
0.69[0.56, 0.85]
0.96[0.91, 1.01]
1.75(0, 3.25)
エチニルエストラジオール(0.03mg)
25
0.93[0.84, 1.02]
1.01[0.90, 1.14]
0(-1.50, 1.03)
0.48[0.43, 0.53]
0.96[0.85, 1.09]
2.00(-0.07, 10.00)
レボノルゲストレル(0.15mg)
1.01[0.89, 1.16]
1.01[0.85, 1.20]
0(-1.03, 1.03)
0.54[0.48, 0.62]
1.00[0.84, 1.19]
3.00(-0.50, 7.03)
ワルファリン(25mg)
+30
S-ワルファリン
16
0.81[0.68, 0.96]
1.01[0.85, 1.21]
7.00(-0.02, 11.00)
ラミプリル(5mg)
ラミプリル
26
0.37[0.29, 0.46]
1.21[1.06, 1.39]
2.27(0.10, 5.75)
ラミプリラート
1.02[0.92, 1.14]
1.11[1.06, 1.16]
2.99(-1.34, 5.00)
アトルバスタチン(40mg)
36
0.69[0.55, 0.86]
1.08[0.99, 1.18]
3.25(-0.97, 9.00)
約12時間後
1.66[1.36, 2.03]
1.27[1.18, 1.36]
-0.36(-2.98, 2.52)
ジゴキシン(0.25mg)
24
0.74[0.64, 0.86]
0.94[0.87, 1.01]
1.24(-4.98, 3.52)
投与時期:リキシセナチド投与前後の経口薬の投与時期、AUC:AUClast又はAUCτ、比:リキシセナチド併用投与時/リキシセナチド非投与時、差:リキシセナチド併用投与時(中央値)-リキシセナチド非投与時(中央値)a:アセトアミノフェン単回投与(プラセボ投与の1時間前)との比較
食事・運動療法に加えて、経口血糖降下薬で血糖コントロール不十分なインスリン未治療の2型糖尿病患者321例を対象に、本剤(161例)又はリキシセナチド(160例)を1日1回朝食前に投与した。本剤の開始用量は、5ドーズとした。本剤の投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づき、週1回調節した。用量の調節幅は、+2から-3ドーズ以上とした。本剤の最高用量は、20ドーズとした。リキシセナチドは10μgから開始し、1週間の間隔で5μgずつ漸増し、20μgまで増量した。治験薬投与期間中、基礎治療薬として、経口血糖降下薬(メトホルミン、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、SGLT2阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、又はチアゾリジン系薬剤)1剤又は2剤を併用できることとした。投与26週時(LOCF)の本剤の1日投与量(平均値±標準偏差)は、16.69±4.19ドーズであった。主要評価項目である投与開始時から投与26週時(LOCF)までのHbA1cの変化量において本剤群はリキシセナチド群と比較して統計的に有意に低下した(p<0.0001)。
本剤群(n=161)
リキシセナチド群(n=160)
群間差b[95%信頼区間]
開始時a
終了時a
変化量b
HbA1c(%)
8.39(0.64)
6.73(0.75)
8.38(0.63)
7.79(1.00)
-1.07(0.092)[-1.251:-0.889]
-1.58(0.072)
-0.51(0.073)
FPG(mg/dL)
177.12(29.01)
131.44(30.86)
173.74(30.73)
170.83(37.84)
-41.23(3.422)[-47.968:-34.501]
-42.89(2.575)
-1.65(2.638)
a:平均値(標準偏差)、b:調整平均(標準誤差)
52週時までの血糖値70mg/dL以下の症候性低血糖の発現は次表のとおりであった。重症低血糖は、両群ともに認められなかった。
発現例数(割合)
29(18.0%)
7(4.4%)
発現件数(人・年)
0.80
0.10
副作用発現割合(52週間)は、本剤群31.7%(51/161例)、リキシセナチド群48.1%(77/160例)であり、主な副作用は、悪心〔本剤群12.4%(20/161例)、リキシセナチド群26.9%(43/160例)〕であった14) 。
食事・運動療法に加えて、経口血糖降下薬で血糖コントロール不十分なインスリン未治療の2型糖尿病患者521例を対象に、本剤(260例)を1日1回朝食前、又はインスリン グラルギン(261例)を1日1回朝食前又は就寝前に投与した。本剤及びインスリン グラルギンの開始用量は、5ドーズ及び5単位とした。本剤及びインスリン グラルギンの投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づき、週1回調節した。用量の調節幅は、+2から-3ドーズ以上及び+2から-3単位以上とした。本剤及びインスリン グラルギンの最高用量は、20ドーズ及び20単位とした。治験薬投与期間中、基礎治療薬として、経口血糖降下薬(メトホルミン、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、SGLT2阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、又はチアゾリジン系薬剤)1剤又は2剤を併用できることとした。主要評価項目である投与開始時から投与26週時(LOCF)までのHbA1cの変化量において、本剤群はインスリン グラルギン群と比較して統計的に有意に低下した(p<0.0001)。
本剤群(n=260)
インスリン グラルギン群(n=260)
8.08(0.51)
6.66(0.68)
8.01(0.44)
7.26(0.77)
-0.63(0.060)[-0.749:-0.514]
-1.40(0.042)
-0.76(0.043)
156.93(24.90)
125.79(25.37)
158.34(23.61)
133.35(30.50)
-7.09(2.376)[-11.756:-2.422]
-31.84(1.693)
-24.75(1.687)
インスリン投与量c(単位/日)
5.00(0.00)
15.10(5.01)
17.30(4.21)
-2.20(0.407)[-3.004:-1.406]
10.11(0.289)
12.31(0.290)
a:平均値(標準偏差)、b:調整平均(標準誤差)c:本剤は、持効型溶解インスリンアナログ(インスリン グラルギン)とGLP-1受容体作動薬(リキシセナチド)を1単位:1μgの比率で含有する。
26週時までの血糖値70mg/dL以下の症候性低血糖は次表のとおりであった。重症低血糖は、両群ともに認められなかった。
インスリン グラルギン群(n=261)
37(14.2%)
32(12.3%)
0.73
0.54
副作用発現割合(26週間)は、本剤群26.5%(69/260例)、インスリン グラルギン群6.1%(16/261例)であり、主な副作用は、悪心〔本剤群7.7%(20/260例)、インスリン グラルギン群0.8%(2/261例)〕であった15) 。
基礎インスリン製剤及び経口血糖降下薬で血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者512例を対象に、本剤(255例)を1日1回朝食前、又はインスリン グラルギン(257例)を1日1回朝食前又は就寝前に投与した。導入期に基礎インスリンとしてインスリン グラルギンを12週間投与した後、本剤又はインスリン グラルギンが投与された。無作為割付け前直近の3日間に算出したインスリン グラルギンの平均投与量が5単位/日以上15単位/日未満の患者が割り付けられた。本剤の開始用量は、無作為割付け前日のインスリン グラルギンの1日投与量が10単位以下の場合には同じ用量のインスリン グラルギンが含まれる投与量(5ドーズ以上10ドーズ以下)、10単位超の場合には10ドーズ、インスリン グラルギンの開始用量は、無作為割付け前日のインスリン グラルギンと同単位とした。本剤及びインスリン グラルギンの投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づき、週1回調節した。用量の調節幅は、+2から-3ドーズ以上及び+2から-3単位以上とした。本剤及びインスリン グラルギンの最高用量は、20ドーズ及び20単位とした。治験薬投与期間中、基礎治療薬として、メトホルミンを併用した。本剤の投与開始時の1日投与量(平均値±標準偏差)は、9.08±1.69ドーズであった。主要評価項目である投与開始時から投与26週時(LOCF)までのHbA1c変化量において、本剤群はインスリン グラルギン群と比較して統計的に有意に低下した(p<0.0001)。
本剤群(n=255)
インスリン グラルギン群(n=257)
8.25(0.51)
7.05(0.77)
8.27(0.49)
7.81(0.81)
-0.74(0.063)[-0.865:-0.617]
-1.27(0.059)
-0.53(0.058)
139.67(27.36)
129.73(32.46)
142.75(29.72)
131.36(34.32)
-0.76(2.833)[-6.325:4.808]
-14.54(2.541)
-13.79(2.519)
インスリン投与量c, d(単位/日)
11.84(2.88)
16.78(4.07)
11.54(3.01)
17.03(4.18)
-0.49(0.304)[-1.084:0.111]
5.26(0.273)
5.75(0.273)
a:平均値(標準偏差)、b:調整平均(標準誤差)c:本剤は、持効型溶解インスリンアナログ(インスリン グラルギン)とGLP-1受容体作動薬(リキシセナチド)を1単位:1μgの比率で含有する。d:開始時のインスリン投与量は無作為割付け前直近3日間のインスリン グラルギン平均投与量を示している。
26週時までの血糖値70mg/dL以下の症候性低血糖は次表のとおりであった。重症低血糖は、インスリン グラルギン群の1例に認められ、本剤群では認められなかった。
48(18.8%)
43(16.7%)
1.64
0.95
副作用発現割合(26週間)は、本剤群29.0%(74/255例)、インスリン グラルギン群2.3%(6/257例)であり、主な副作用は、悪心〔本剤群16.9%(43/255例)、インスリン グラルギン群0%(0/257例)〕であった16) 。,
本剤は、持効型溶解インスリンアナログ製剤のインスリン グラルギンとGLP-1受容体作動薬のリキシセナチドを含有する配合剤である。インスリン グラルギンは中性のpH領域で低い溶解性を示すように設計されたヒトインスリンアナログであり、約pH4の無色澄明な溶液であるが、皮下に投与すると直ちに生理的pHにより微細な沈殿物を形成する。皮下に滞留したこの沈殿物からインスリン グラルギンが緩徐に溶解し、皮下から血中に移行することから、24時間にわたりほぼ一定の濃度で明らかなピークを示さない血中濃度推移を示す。インスリン及びインスリン グラルギンを含むその誘導体の主要な活性は、グルコース代謝の調節にある。インスリン及びその誘導体は、末梢におけるグルコースの取り込み、特に骨格筋及び脂肪による取り込みを促進し、また肝におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。更に、たん白分解を阻害し、たん白合成を促進するとともに、脂肪細胞における脂肪分解を阻害する。リキシセナチドは44個のアミノ酸で構成されるペプチドであり、トカゲ(Heloderma Suspectum)由来のエキセンディン-4(Exendin-4)と類似した合成GLP-1受容体作動薬である。N末端を変換することにより、DPP-4による分解に抵抗性を示すことに加え、C-末端を伸張することによりGLP-1よりも安定性が増していると考えられる。リキシセナチドは、GLP-1受容体に結合することにより細胞内cAMPを上昇させ、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を刺激する17),18),19) 。
インスリン グラルギンとリキシセナチドとの併用投与により、2型糖尿病マウスの血糖値の低下及び糖負荷後の血糖値上昇の抑制が認められ、正常血糖イヌを用いた経口糖負荷試験において血糖値上昇が抑制された20) 。
リキシセナチドでの灌流ラット膵標本を用いたin vitroインスリン分泌能試験において、リキシセナチドは低グルコース濃度下では作用を示さず、高グルコース濃度下ではインスリン分泌を対照と比較して有意に増加させた18) 。
2型糖尿病患者にリキシセナチドを1日1回、計28日間(第1~14日目:10μg、第15~28日目:20μg)皮下投与した場合に、第28日目における食事負荷時のグルカゴン血漿中濃度AUC0:30-4:30h注3) は、投与開始前に比べ低下した21) (外国人データ)。
リキシセナチドでのマウスを用いたin vivo試験において、リキシセナチドは用量依存的に胃内容排出を抑制した22) 。
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)Insulin Glargine(Genetical Recombination)
C267H404N72O78S6
6062.89
本品は白色の粉末である。本品は水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は0.01mol/L塩酸試液にやや溶けにくい。本品は吸湿性である。本品は光により徐々に分解する。
約pH6.7
リキシセナチドLixisenatide
C215H347N61O65S
4858.49
白色の粉末である。水に溶けやすい。吸湿性である。
His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Ser-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-NH2
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
3mL×2本
1) Herings R.M.C., et al.: Lancet. 1995; 345(8959): 1195-1198
2) 社内資料:日本人2型糖尿病患者対象臨床薬理試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
3) 社内資料:外国人1型糖尿病患者対象生物薬剤学試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
4) 社内資料:インスリン グラルギン健康成人における投与部位による比較
5) 社内資料:リキシセナチド 過体重及び肥満被験者 投与部位の検討(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
6) 社内資料:リキシセナチド 腎機能障害を有する非糖尿病被験者 単回皮下投与試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
7) 社内資料:リキシセナチド 高齢健康被験者 単回皮下投与試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
8) 社内資料:リキシセナチドとアセトアミノフェンとの相互作用試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
9) 社内資料:リキシセナチドと経口避妊薬との相互作用試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
10) 社内資料:リキシセナチドとワルファリンとの相互作用試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
11) 社内資料:リキシセナチドとラミプリルとの相互作用試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
12) 社内資料:リキシセナチドとアトルバスタチンとの相互作用試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
13) 社内資料:リキシセナチドとジゴキシンとの相互作用試験(2013年6月28日承認、CTD2.7.6.2)
14) 社内資料:インスリン未治療例を対象とした国内第3相試験(GLP-1受容体作動薬との比較)(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
15) 社内資料:インスリン未治療例を対象とした国内第3相試験(基礎インスリン製剤との比較)(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
16) 社内資料:インスリン既治療例を対象とした国内第3相試験(基礎インスリン製剤との比較)(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
17) 社内資料:リキシセナチド 薬理試験 GLP-1受容体結合試験(in vitro)(2013年6月28日承認、CTD2.6.2.2)
18) 社内資料:リキシセナチド 薬理試験 グルコース依存性インスリン分泌促進作用(in vitro)(2013年6月28日承認、CTD2.6.2.2)
19) Drucker DJ.: Cell Metab., 3(3), 2006, 153-165
20) 社内資料:薬理試験 血糖降下作用(マウス及びイヌ)(2020年3月25日承認、CTD2.6.2.2)
21) Kapitza, C., et al.: Diabetes. Obes. Metab., 2013, 15(7), 642-649
22) 社内資料:リキセナチド 薬理試験 胃内容物排出遅延作用(マウス)(2013年6月28日承認、CTD2.6.2.2)
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