当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
関節リウマチ
通常、成人にはレフルノミドとして1日1回100mg錠1錠の3日間経口投与から開始し、その後、維持量として1日1回20mgを経口投与する。また、1日1回20mgの経口投与から開始することもできる。なお、維持量は、症状、体重により適宜1日1回10mgに減量する。
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。
血液障害の発現が増加するおそれがある。
本剤の投与開始にあたっては、リスクとベネフィットの両面から慎重に考慮すること。副作用の発現を助長するおそれがある。,,
免疫機能を抑制し、感染症を増悪させるおそれがある。
間質性肺炎が増悪し致死的な経過をたどる例が報告されている。,
胸部X線検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意すること。結核を活動化させるおそれがある。
本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。
本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、C型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。C型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。
副作用の発現を助長するおそれがある。
投与しないこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)で催奇形性作用が報告されている。,,,
授乳中の女性には投与しないこと。ラットにおいて、乳汁中に移行すること及び授乳期間中に出生児に毒性が発現することが報告されている。
18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
プロトロンビン時間が延長したとの報告症例がある。血中プロトロンビン活性を基に、ワルファリンを減量する。
A771726がワルファリンの主代謝酵素であるCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの血中濃度が上昇するおそれがある。
A771726の体内からの消失を促進し、本剤の作用を減弱させることがある。
コレスチラミン(陰イオン交換樹脂)は本剤の活性代謝物A771726を吸着する。A771726は体内で腸肝循環しているため、腸管内でA771726を吸着し、血中濃度を低下させる。薬用炭についても、同様の作用機序と考えられる。
免疫抑制作用が増強され、感染症を誘発する可能性がある。
共に免疫抑制作用を有するため。
骨髄抑制、肝障害の副作用が増強される可能性がある。
共に骨髄抑制、肝障害の副作用を有するため。
外国人健康成人を対象に行った併用試験(単回経口投与)において、A771726のCmaxが上昇したとの報告がある。
リファンピシンがCYP3A4を誘導することによりレフルノミドからA771726への代謝が促進されると考えられる。
本剤の投与中はアルコール摂取を避けることが望ましい。
アルコールによる肝障害を助長させるおそれがある。
*本剤の投与を中止すること。なお、薬物除去法を施行することが望ましい。
初期症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し血液検査を行うなど適切な処置を行うこと。薬物除去法を施行することが望ましい。,
致死的な肝不全、急性肝壊死が報告されている。ALTが基準値上限の2〜3倍に持続的に上昇した場合又は3倍以上に上昇した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。薬物除去法を施行することが望ましい。,,
重篤な感染症(肺炎(カリニ肺炎を含む)(0.29%)、敗血症(0.06%)等)があらわれることがある。致死的な感染症、敗血症、日和見感染が報告されており、また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化も報告されているので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。薬物除去法を施行することが望ましいが、その場合、経口の抗生物質製剤は吸収が阻害されるおそれがあるため、注射剤を使用すること。,,
致死的な間質性肺炎が報告されているので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL-6、CRP、LDH等の検査値に十分に注意すること。異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査、動脈血酸素分圧(PaO2)の検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにカリニ肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ、薬物除去、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,
重篤な膵炎が報告されている。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
消化器
下痢
嘔気、腹痛、口内炎、胃腸障害、嘔吐、口腔内潰瘍形成、食欲不振、消化不良
大腸炎、便秘、胃炎、腹部膨満
顕微鏡的大腸炎
肝臓
ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、血中アルカリホスファターゼ増加
血中ビリルビン増加、血中乳酸脱水素酵素増加
循環器
高血圧
胸痛
血液
白血球減少症
貧血、好酸球増加症、血小板減少症
精神神経系
頭痛、めまい
口内乾燥、多汗症、不安
感覚異常
皮膚
脱毛症、発疹、そう痒症、爪の障害、皮膚乾燥
蕁麻疹
皮膚エリテマトーデス、膿疱性乾癬
代謝
低カリウム血症、高脂血症
呼吸器系
上気道感染、咳嗽、気管支炎
鼻炎
泌尿器・生殖器系
蛋白尿、尿沈渣異常
尿路感染、月経障害
その他
発熱、体重減少、無力症
味覚異常、血管炎、末梢性ニューロパシー
過量投与(初期投与量の2〜3倍量、又は通常の維持量の2〜10倍量を数週〜数ヵ月間等)により、腹痛、下痢、軟便、嘔気・嘔吐、口内炎、ALP上昇、γ-GTP上昇、白血球減少症、貧血、頭痛、そう痒、湿疹、蕁麻疹、体重減少、無力症が発現したとの報告がある。また、外国人健康成人男子における1日1回100mg、14日間反復経口投与試験において、10例中2例に肝機能検査値上昇が報告された。
薬物除去法を施行する。
血漿中A771726の体外排泄を促進させるためには、本剤の投与を中止し、コレスチラミン無水物4gを1日3回、17日間を目安として反復経口投与する。投与期間に関しては、患者の症状及び検査所見を参考に調節する。また、薬用炭の反復経口投与により血漿中A771726の消失半減期を短縮させたとの報告がある。絶飲食の病態にある患者に対しては、経鼻胃管による薬用炭の投与を考慮すること。,,,,,,
血漿中A771726の除去効率を高めるために、コレスチラミン無水物8gを1日3回、11日間を目安として反復経口投与することを考慮する。なお、臨床症状に応じて、コレスチラミンの投与期間を調節する。,,,,,,
コレスチラミン無水物4gを1日3回、17日間反復経口投与する。コレスチラミンによる薬物除去法施行後、少なくとも2回、血漿中A771726濃度を測定し、2回の測定値が胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満であることを確認する。血漿中A771726濃度の測定間隔は、14日間以上とする。血漿中A771726濃度が0.02μg/mL以上であった場合、コレスチラミンの投与を継続する。(薬物除去法を実施しない場合は、本剤投与中止後、血漿中A771726濃度を胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満に低下させるためには、最長2年間の待機期間が必要な場合があることを説明し、確実な避妊を行うよう注意を与えること。2年間の待機期間が実際的でないと思われる場合は、薬物除去法を行うことが望ましい。),
ラットにおける雄性生殖能試験において胎児に影響はみられなかったが、リスクを最小限にするために、挙児を希望する男性には、本剤の投与の中止及び薬物除去を考慮すること。
肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する他の薬物に切り替える際は、薬物除去を行うことにより、副作用発現のリスクを軽減できる可能性がある。
本剤とメトトレキサートを併用した際の有効性及び安全性は確立していない。なお海外で、一定量のメトトレキサート(10〜20mg/週)で治療中だが、活動性が高く、かつ肝酵素が上昇していないRA患者263例を対象とした24週間の二重盲検プラセボ対照併用試験と、それに続く24週間の非盲検併用試験が行われた。初期投与量として本剤100mg錠1日1錠を2日間、その後維持量として本剤1日10mgを投与した。ただし、症状に基づいて10mgを2日に1回に減量、又は1日20mgに増量した注1) 。二重盲検相での成績では、肝炎、黄疸等の肝疾患は報告されなかったが、ALTが基準値上限の3倍、もしくは2〜3倍に上昇した例は本剤併用群で130例中5例(3.8%)及び8例(6.2%)、プラセボ併用群で133例中1例(0.8%)及び2例(1.5%)にそれぞれ認められた。2〜3倍のALT上昇は、本剤の減量もしくは投与中止により正常値に回復した。2倍までの軽度の上昇は多くの場合本剤を減量することなく回復したが、減量又は投与中止後に回復しない症例もわずかにあった。
日本人健康成人男子17例にレフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したとき、速やかに吸収され活性代謝物A771726に代謝された。A771726の半減期は14.9±5.7〜16.3±3.4日であった(下表参照)1) 。
投与量
Cmax(μg/mL)
Tmax(h)
AUC0-t(μg・h/mL)
t1/2β(day)
CL(mL/min)
10mg
1.07±0.14
1.8±0.7
361±93
15.9±3.0
0.49±0.16
20mg
2.10±0.13
2.3±1.3
741±188
16.3±3.4注2)
0.48±0.12
100mg
10.61±1.17
3.2±0.8
3530±1423
14.9±5.7注2)
0.52±0.16
2-コンパートメントモデルによる解析平均±S.D., n=6、100mg投与群のみn=5
日本人関節リウマチ患者を対象に、レフルノミドを初期投与量として100mg1日1回3日間(10mg投与群では100mg1日1回2日間)、その後維持量として20mg1日1回(10mg投与群では10mg1日1回)約28週間反復経口投与したとき、血漿中A771726は10mg群では2週時以降ほとんど安定した濃度を示していたが、20mg群では投与後約16週以降、定常状態に達し、定常状態の血漿中A771726濃度は10mg群及び20mg群でそれぞれ約23.9μg/mL及び約43.0μg/mL(28週時の平均値)を示した2) 。
患者の背景因子別に定常状態血漿中A771726濃度の層別解析を行った。対象は国内試験の20mg群(78例)及び海外の2試験(133例及び501例)とし、それぞれの結果を下表に示した3) 。
要因
Css(μg/mL)
喫煙注3)
非喫煙者 (N=386)喫煙者 (N=145)
41.8±26.528.8±21.0
性別
女性 (N=437)男性 (N=173)
41.8±27.232.3±21.7
肝機能障害の既往歴・合併症
なし (N=584)あり (N=26)
38.6±25.049.3±43.2
高脂血症の既往歴・合併症
なし (N=593)あり (N=17)
38.6±25.254.6±47.1
体重
80kg以上 (N=138)70~80kg未満 (N=153)60~70kg未満 (N=143)50~60kg未満 (N=123)50kg未満 (N=42)
35.8±24.439.8±27.639.3±23.240.5±29.243.8±25.3
平均±S.D.
外国人健康成人男子にA771726を経口投与したときのバイオアベイラビリティが95.8%と高かったことより4) 、胆汁中に排泄されたA771726が腸管から再吸収を受けること(腸肝循環)が示唆された。
日本人健康成人男子5例にレフルノミド20mgをクロスオーバー法にて空腹時及び食後に単回経口投与したとき、食後投与でTmaxが2.1時間から6.4時間へ、Lag timeが0.1時間から1.1時間に延長したが、Cmax及びAUCには有意な差が認められなかった5) 。
A771726(100μg/mL)の健康成人における蛋白結合率は99.38%であった。結合蛋白はアルブミンであることが示唆された6) 。A771726と他剤とのヒト血漿蛋白結合における競合について検討した結果、臨床的血漿中濃度の範囲においてワルファリン、イブプロフェン及びジクロフェナクはA771726の結合率にほとんど影響を及ぼさなかったが、トルブタミドでは400μg/mL添加時にA771726の非結合率が約3倍に増加した7) 。
日本人健康成人男子にレフルノミドを単回又は反復経口投与した結果、速やかに代謝され、血漿中には大部分が活性代謝物A771726として存在した。また、極めて微量の中間代謝物4-TFMA(4-trifluoromethylaniline)が測定されたが、未変化体はほとんど検出されなかった1) 。
外国人健康成人男子3例に14C-レフルノミド100mgを単回経口投与した結果、投与後28日までの尿中累積放射能回収率は42.8%であり、糞便中からは48.2%回収された8) 。尿中及び糞便中に未変化体は存在しなかった。日本人健康成人男子にレフルノミド投与後コレスチラミンを経口投与することによって血漿中A771726の消失半減期が1/10以下(22.5時間)に短縮したことから9) 、A771726が胆汁中に排泄され、腸管から再吸収される過程で、コレスチラミンに吸着され糞便中に排泄されるものと考えられた。
外国人肝機能障害患者(Child-pugh分類でA又はB)20例を対象にレフルノミド100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の薬物動態パラメータ(平均±S.D.)は、Cmax9.9±2.9(μg/mL)、AUC3319±1561(μg・h/mL)、消失半減期11.8±5.0(day)であった10) 。
日本人関節リウマチ患者を対象として実施された二重盲検用量反応性試験における高齢者の薬物動態パラメータは、非高齢者とほぼ同様であった11) 。
対象
Vd(L)
CL(mL/h)
t1/2(day)
高齢者(51例)
10.5±8.4
32.1±17.9
13.5±13.1
非高齢者(176例)
9.7±5.7
23.9±12.3
15.0±9.8
1-コンパートメントモデルによる解析Vd:体内分布容積 CL:クリアランス t1/2:消失半減期 平均±S.D.
外国人健康成人男子を対象に、レフルノミド100mgを単独経口投与したときと、リファンピシン600mgを1日1回12日間反復投与しその8日目にレフルノミド100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の濃度推移を比較した。その結果、併用投与時のCmax及びAUCは、単独投与時の8.17μg/mL及び732μg・h/mLから11.4μg/mL及び810μg・h/mLにそれぞれ上昇した12) 。
外国人健康成人女性32例を対象に、レフルノミドと経口避妊薬併用投与時の血清中プロゲステロン濃度に及ぼす影響を検討した。レフルノミドと経口避妊薬併用時において、排卵を認めなかった13) 。,,
ヒトP450分子種の遺伝子発現系及び肝組織標本を用いたin vitro試験系において、レフルノミドからA771726への変換活性はCYP3A4が最も高かったが、他のP450分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19及びCYP2D6)も活性を有すること、及びA771726の代謝においてもCYP3A4が関与することが確認された14) 。また、A771726がCYP2C9による代謝反応(トルブタミド4-水酸化酵素活性及びジクロフェナク4'-水酸化酵素活性)を阻害することが示されたが、それらのIC50値(それぞれ17.7及び63.7μmol/L)はin vivoにおけるヒト血漿中のA771726遊離濃度に比べて高かった15) 。
日本人健康成人男子12例にレフルノミド100mgを3日間反復経口投与し、その後コレスチラミン無水物として4g1日3回、8g1日3回を10日間反復投与した。その結果、A771726濃度は速やかに低下し、消失半減期は通常の約14日間からそれぞれ35.7±8.7時間及び22.5±2.8時間(平均±S.D.)に短縮した9) 。
外国人健康成人にレフルノミド投与後、薬用炭(50g×3回)を投与したとき、血漿中A771726濃度は速やかに低下した(消失半減期が240時間から29時間に短縮)16) 。
国内で関節リウマチ患者256例(解析対象235例)を対象とした二重盲検用量反応性試験(28週間投与)を実施した2),17) 。
関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善をACR20反応率で評価した結果を下表に示す。
ACR指標
レフルノミド投与量
5mg/日注5)
10mg/日
20mg/日
最終評価時のACR20反応率(%)注4)[反応患者数/総患者数]
27.2%[22/81]
47.4%[36/76]
52.6%[41/78]
MHAQ調査票を用いて患者の日常生活の身体機能に関するQOLを評価した結果を下表に示す。
項目
群
例数
開始時平均±S.D.
最終評価時平均±S.D.
変化度平均±S.D.
機能評価
5mg群注7)
77
1.13±0.61
1.00±0.65
-0.13±0.41
10mg群
74
1.11±0.57
0.86±0.61
-0.25±0.50
20mg群
73
1.07±0.58
0.80±0.55
-0.27±0.50
解析対象235例中、副作用は5mg群42例(51.9%)、10mg群51例(67.1%)及び20mg群54例(69.2%)に発現した。主な副作用は下痢24例(10.2%)、発疹21例(8.9%)、脱毛症20例(8.5%)、γ-GTP上昇17例(7.2%)、肝機能検査異常(尿酸値又はBUN低下)17例(7.2%)であった。
関節リウマチ患者359例(有効性解析対象353例)を対象とした二重盲検比較(本剤初期投与量を3日間の後、維持量として本剤20mg/日を24週間投与)を実施した18),19) 。
レフルノミド
プラセボ
プラセボとの比較(p値)注9)
最終評価時のACR20反応率(%)注8)
130
55
91
29
0.0001
X線像による手・足の関節破壊の進行度をLarsenスコアで評価した結果を下表に示す。
評価スコア
平均スコア±S.D.
プラセボとの比較(p値)注11)
開始時
最終変化度
Larsen
1.48±0.65
0.01±0.03
60
1.49±0.60
0.05±0.09
0.0012
HAQ調査票を用いて患者の日常生活の身体機能に関するQOLを評価した結果を下表に示す。
プラセボとの比較(p値)注13)
変化度
116
1.1±0.6
-0.50±0.5
81
-0.04±0.5
安全性評価対象症例358例中、本剤投与群88例(66.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢21例(15.8%)、嘔気12例(9.0%)、発疹10例(7.5%)、脱毛症10例(7.5%)、頭痛8例(6.0%)であった。
関節リウマチ患者485例(有効性解析対象480例)を対象とした二重盲検比較(本剤初期投与量を3日間の後、維持量として本剤10-20mg/日を52週間投与)を実施した20),21) 。
プラセボとの比較(p値)注15)
最終評価時のACR20反応率(%)注14)
178
52
118
26
≦0.001
X線像による手・足の関節破壊の進行度をSharpスコアで評価した結果を下表に示す。
プラセボとの比較(p値)注17)
Sharp
131
23.11±34.0
0.53±4.5
83
25.37±31.3
2.16±4.0
プラセボとの比較(p値)注19)
0.8±0.6
-0.3±0.5
0.9±0.5
0.1±0.5
<0.05
安全性評価対象症例482例中、重篤な副作用は本剤群で2例(1.1%)、プラセボ群で2例(1.7%)認められた。本剤投与群182例中、138例(75.8%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢(26.9%)、肝機能検査異常(14.8%)、頭痛(11.5%)、嘔気(11.5%)、発疹(11.0%)であった。
海外で、DMARD使用経験のない初期のRA患者121例を対象に、二重盲検期として本剤20mg/日又は100mg/日を3日間投与し、その後、非盲検期として20mg/日を3ヵ月間投与する試験を実施した。本試験における有害事象発現率を下表に示す。なお、本試験で認められた有害事象のうち、胃腸障害及び肝酵素上昇の発現率は100mg/日で投与を開始した群で高い傾向が認められた。
ローディングドーズ注20)
有
無
有害事象発現率(%)[有害事象発現患者数/総患者数]
53.7%[29/54]
49.3%[33/67]
観察期間24週間の国内使用成績調査における、副作用発現率を下表に示す。なお、本調査で認められた副作用のうち、肝機能障害、血球減少及び下痢の発現率は100mg/日で投与を開始した群で高かった。
全症例
ローディングドーズ注21)
オッズ比注22)95%信頼区間p値
副作用発現率(%)[副作用発現患者数/総患者数]
51.9%[3,571/6,878]
57.4%[2,383/4,154]
43.6%[1,188/2,724]
2.964[2.433-3.612]p<0.0001
本剤の活性代謝物A771726は、de novoピリミジン生合成に関与する酵素ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)を標的分子とし、同酵素活性を阻害する22),23),24) 。また、in vitro試験において、A771726は、フィトヘマグルチニン(PHA)刺激によるヒト末梢血T細胞のピリミジンヌクレオチド濃度の上昇25) 、リポ多糖(LPS)刺激によるマウス脾細胞の増殖を抑制する22) 。以上のことから、本剤の関節炎モデルにおける薬効や免疫異常を改善する作用には、DHODH活性阻害によりde novoピリミジン生合成が抑制され、de novo経路からのピリミジンヌクレオチドの供給に依存している活性化リンパ球の増殖が抑制されるという機序が関与していると考えられる。
マウスII型コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、レフルノミドは、予防的又は治療的に投与した場合に、それぞれ発症又は症状の進行を抑制した26) 。ラットアジュバント関節炎モデルにおいて、レフルノミドは足浮腫の増加を抑制した27) 。
マウスII型コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、レフルノミドは、予防的又は治療的に投与した場合に、遅延型過敏反応及び抗II型コラーゲンIgG産生を抑制した26),28) 。
マウスII型コラーゲン誘発関節炎モデル及びラットアジュバント関節炎モデルにおいて、レフルノミドは関節破壊を抑制した26),29) 。ラットアジュバント関節炎モデルにおいて、レフルノミドは、骨密度及び力学的強度の低下、骨の構造破壊、骨吸収の増加及び骨形成の低下を抑制した29) 。ウサギ全骨細胞及び単離破骨細胞を用いたin vitro試験において、活性代謝物A771726は骨吸収を抑制した30) 。また、関節リウマチ患者由来滑膜組織を用いたin vitro試験においても、A771726は骨吸収を抑制した31) 。マウス骨髄細胞を用いたin vitro試験において、A771726は破骨細胞の形成を抑制した32) 。
レフルノミド(leflunomide)[JAN]
N-(4-trifluoromethylphenyl)-5-methylisoxazole-4-carboxamide
C12H9F3N2O2
270.21
白色の結晶性の粉末である。アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
3.49(水-オクタノール系)
100錠[10錠(PTP)×10]
15錠[3錠(PTP)×5]
1) 百々秀彦 他:新薬と臨牀. 2003;52(7):876-90
2) 市川陽一 他:新薬と臨牀. 2003;52(7):891-931
3) 社内資料:患者背景因子による血漿中代謝物濃度
4) 社内資料:代謝物の安全性及び薬物動態に関する試験(2003年4月16日承認)
5) 社内資料:食事の影響(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.3-1.(3)1))
6) 社内資料:動物及びヒトにおける血漿蛋白結合に関する要約(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.2.(3)1))
7) 社内資料:蛋白結合率における相互作用(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.2.(3)2))
8) 社内資料:健康成人における薬物動態及び代謝(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.3-1.(1)3))
9) 保田国伸 他:新薬と臨牀. 2003;52(7):959-68
10) 社内資料:肝機能障害患者における安全性及び薬物動態に関する予備的検討(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.3-3.2))
11) 社内資料:関節リウマチ患者における有効性、安全性及び薬物動態(2003年4月16日承認、申請資料概要ト.II.5.(1))
12) 社内資料:リファンピシンとの薬物動態学的相互作用に関する試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.3-2.2))
13) 社内資料:低用量経口避妊薬との相互作用(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.3-2.4))
14) 社内資料:in vivoならびにin vitroでの代謝に関する追加試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.2.(4)7))
15) 社内資料:代謝に関する研究(2003年4月16日承認、申請資料概要ヘ.2.(4)8))
16) 社内資料:薬物動態に対する薬用炭の作用(2003年4月16日承認、申請資料概要ト.I.9.(5)3))
17) 社内資料:国内二重盲検用量反応試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ト.I.7.(1)2101)
18) Smolen J S, et al.:Lancet. 1999;353(9149):259-66
19) 社内資料:第III相二重盲検無作為試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ト.I.4.(2)MN301)
20) Strand V, et al.:Arch Intern Med. 1999;159(22):2542-50
21) 社内資料:第III相二重盲検無作為試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ト.I.4.(1)US301)
22) Williamson R A, et al.:J Biol Chem. 1995;270(38):22467-72
23) Bruneau J-M, et al.:Biochem J. 1998;336:299-303
24) Knecht W, et al.:Biochem Pharmacol. 1998;56(9):1259-64
25) Rückemann K, et al.:J Biol Chem. 1998;273(34):21682-91
26) 社内資料:マウスII型コラーゲン誘発関節炎におけるレフルノミドの作用(2003年4月16日承認、申請資料概要ホ.1.(1)1)、ホ.1.(2)1)、ホ.1.(3)1))
27) 社内資料:ラットにおける骨破壊に対する効果(2003年4月16日承認、申請資料概要ホ.1.(1)4)、ホ.1.(3)3)-4))
28) 社内資料:マウスII型コラーゲン誘発関節炎における抗体産生の亢進に対する作用(2003年4月16日承認、申請資料概要ホ.1.(2)2))
29) 社内資料:レフルノミドで治療されたアジュバント関節炎ラットのX線評価(2003年4月16日承認、申請資料概要ホ.1.(3)2))
30) 社内資料:ウサギ全骨細胞及び単離破骨細胞を用いたin vitro試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ホ.1.(3)5)-6))
31) 社内資料:関節リウマチ患者由来滑膜組織を用いたin vitro試験(2003年4月16日承認、申請資料概要ホ.1.(3)8))
32) Kobayashi Y, et al.:J Bone Miner Metab. 2004;22(4):318-28
サノフィ株式会社コールセンター くすり相談室
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
フリーダイヤル 0120-109-905
サノフィ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.