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劇薬
処方箋医薬品注)
ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善
通常、CYP2D6 Extensive Metabolizer及びIntermediate Metabolizerの成人にはエリグルスタット酒石酸塩として1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注1)
併用なし
弱い阻害作用を有する薬剤を併用
中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用
CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注1)
1日2回
1日1回
禁忌
投与を避けることが望ましい。本剤の血中濃度が大幅に上昇した場合、QT間隔、PR間隔、QRS間隔の延長のおそれがある。,,
腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
以下の場合は本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがあるため、投与しないこと。,,,
CYP2D6の活性が通常(EM)であっても、本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがあるため、投与しないこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)において、胎児の骨格異常及び脳室拡張が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
薬剤名
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
CYP3A阻害作用を有する薬剤
注1)強い阻害作用を有する薬剤:典型基質のAUCを5倍以上上昇又はクリアランスを1/5以下に減少させると考えられる薬剤
注2)中程度の阻害作用を有する薬剤:典型基質のAUCを2倍以上5倍未満に上昇又はクリアランスを1/5から1/2以下に減少させると考えられる薬剤
注3)弱い阻害作用を有する薬剤:典型基質のAUCを1.25倍以上2倍未満に上昇又はクリアランスを1/2から1/1.25以下に減少させると考えられる薬剤
併用により本剤の血中濃度が上昇することによりQT延長等を生じるおそれがある。
これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
これらの薬剤のCYP2D6及びCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。本剤の服用中はグレープフルーツジュースを飲用しないよう注意する。
グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3A誘導薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン等)
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
セントジョーンズワート
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。本剤の服用中はセントジョーンズワートを摂取しないよう注意する。
セントジョーンズワートの肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
P糖タンパク質の基質薬(ジゴキシン、コルヒチン、ダビガトラン、フェニトイン等)
本剤の併用によりジゴキシンの血中濃度が上昇することが報告されている。併用する場合は、これらの薬剤の用量に注意すること。
本剤がP糖タンパク質を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP2D6の基質薬(メトプロロール、三環系抗うつ剤(ノリトリプチリン、アミトリプチリン、イミプラミン)、フェノチアジン系薬剤、クラスIc抗不整脈薬(プロパフェノン、フレカイニド)等)
本剤の併用によりメトプロロールの血中濃度が上昇することが報告されている。併用する場合は、これらの薬剤の用量に注意すること。
本剤がCYP2D6を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤(CYP2D6阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)
これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
弱いCYP3A阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤
5%以上
1~5%
頻度不明
消化器
下痢、消化不良、便秘、悪心、上腹部痛、腹痛、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、鼓腸
精神神経系
頭痛
浮動性めまい
全身障害
疲労
筋骨格系
関節痛
*呼吸器
咳嗽
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
動物実験において、ラット雄性生殖能への影響がみられている。
日本人ゴーシェ病I型患者にエリグルスタット酒石酸塩50mgを単回経口投与注2) したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。T1/2z(平均値±標準偏差)はCYP2D6の活性が低い患者(IM)及び通常の患者(EM)で、それぞれ7.62±0.299及び8.18±3.91時間であった1) 。
CYP2D6
N
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)a)
AUC(ng・h/mL)
IM
3
19.2±16.0
1.53(1.50, 6.00)
150±140
EM
6
7.58±4.22
1.25(0.500, 1.50)
40.0±24.2
平均±標準偏差
a)中央値(最小値, 最大値)
日本人ゴーシェ病I型患者にエリグルスタット酒石酸塩50、100又は150mg注2) を1日2回反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。
投与量a)(mg)
測定時期(週)
Tmax(h)b)
AUC0-12(ng・h/mL)
50
2
22.6±4.07
1.50(1.47, 4.00)
152±45.9
12.1±9.81
1.24(1.00, 4.03)
60.4±43.2
100
13
1
36.8
1.00
277
150
4
66.2±55.1
1.98(0.50, 3.00)
310±258
a)1回あたりの投与量
b)中央値(最小値, 最大値)
外国人健康成人(24例)にエリグルスタット酒石酸塩300mgを絶食下又は高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下に対する高脂肪食摂取後の血漿中未変化体濃度のCmax及びAUC0-lastの幾何平均値の比(食後/絶食下)とその90%信頼区間は、0.85[0.68, 1.07]及び1.05[0.89, 1.23]であった。絶食下及び高脂肪食摂取後におけるTmax(中央値(最小値, 最大値))は2.00(0.95, 4.00)及び3.00(1.00, 6.00)時間であった2) (外国人データ)。
ゴーシェ病I型患者における薬物動態について母集団薬物動態解析を用いて検討した結果、エリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したとき、CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)におけるCmax及びAUC0-12hは活性が通常の患者(EM)と比較してそれぞれ9.3及び11.2倍高く、活性が低い患者(IM)ではEMと比較してそれぞれ2.7及び2.8倍高くなると推定された。活性が過剰な患者(URM)ではいずれもEMの約47%程度と推定された。また、生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、PMにエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日1回反復投与したときのAUC0-24hはIMにエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのAUC0-24hと同程度と推定された。,,,,,,
注)CYP2D6遺伝子型URM:CYP2D6*1/*1X2、CYP2D6*1/*2X2EM:CYP2D6*1/*1、CYP2D6*1/*10、CYP2D6*1/*10X2、CYP2D6*1/*2、CYP2D6*1/*21、CYP2D6*1/*4、CYP2D6*1/*5、CYP2D6*2X2/*5、CYP2D6*2/*10、CYP2D6*2/*5IM:CYP2D6*10/*10、CYP2D6*10/*10X2、CYP2D6*5/*10PM:CYP2D6*5/*14
外国人健康成人(10例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与又は50mgを1時間かけて単回静脈内投与したとき、AUC0-∞から算出された絶対的バイオアベイラビリティ(平均値±標準偏差)は4.49±4.13%であった5) (外国人データ)。
ヒトにおけるエリグルスタット(0.01~1μmol/L)の血漿タンパク結合率(平均値、迅速平衡透析法)は、76.4~82.9%であった6) (in vitro)。
エリグルスタット酒石酸塩の代謝には主にCYP2D6及びCYP3A4が関与し、エリグルスタット酒石酸塩はCYP2D6及びCYP3Aに対する阻害作用(エリグルスタットのKiはそれぞれ5.8及び27.0μmol/L)が認められた。エリグルスタット酒石酸塩はP糖タンパク質の基質であり、P糖タンパク質に対する阻害作用(エリグルスタットのIC50は22μmol/L)が認められた。血漿中において21種類の代謝物が確認され、そのうち血漿中総放射能の曝露量(AUC)に対する代謝物の曝露量の割合が10%以上の代謝物は6-カルボキシ体(15.9%)であった5) (in vitro、外国人データ)。
外国人健康成人(10例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回5日間反復経口投与後に、14C-エリグルスタット酒石酸塩100mg(約100μCi)を単回経口投与したとき、投与放射能に対する総放射能の回収率は93.2%であり、尿中及び糞中排泄率(平均値±標準偏差)は41.8±5.12及び51.4±3.96%であった5) (in vitro、外国人データ)。
CYP2D6の活性が通常(EM)である肝機能正常者、軽度肝機能障害者(Child-pugh分類A)、及び中等度肝機能障害者(Child-pugh分類B)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった3) (外国人データ)。
患者集団
肝機能正常者
7
10.4±7.40
69.0±49.1
軽度肝機能障害者
22.4±30.2
172±293
肝機能正常者との幾何平均値の比[90%信頼区間]
1.22[0.46-3.23]
1.15[0.41-3.19]
中等度肝機能障害者
39.5±43.4
575±696
2.81[1.10-7.17]
5.16[1.93-13.74]
平均値±標準偏差
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、CYP2D6 EMの軽度肝機能障害患者にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのエリグルスタットのCmax及びAUC0-12hは2.38倍及び2.85倍、1日1回反復投与したときのエリグルスタットのCmax及びAUC0-24hは1.84倍及び2.40倍、CYP2D6 EMの肝機能正常患者に比べ高くなると推定された。また、CYP2D6 EMの中等度肝機能障害患者にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのエリグルスタットのCmax及びAUC0-12hは6.41倍及び8.86倍、1日1回反復投与したときのCmax及びAUC0-24hは4.66倍及び8.72倍、CYP2D6 EMの肝機能正常患者に比べ高くなると推定された。,,
CYP2D6の活性が通常(EM)である腎機能正常者(クレアチニンクリアランス80mL/min超)及び重度腎機能障害者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった4) (外国人データ)。
腎機能正常者
17.6±13.2
118±71.1
重度腎機能障害者
12.7±4.85
107±42.1
腎機能正常者との幾何平均値の比[90%信頼区間]
0.88[0.46-1.67]
0.99[0.61-1.60]
外国人健康成人(36例、CYP2D6 EM:33例、IM:1例、URM:2例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回とパロキセチン30mgを1日1回併用投与したとき、エリグルスタットのCmax及びAUC0-12hの幾何平均値の比(併用投与時/エリグルスタット酒石酸塩単独投与時)とその90%信頼区間は、7.31[5.85,9.13]及び8.93[7.15, 11.10]であった7) (外国人データ)。
外国人健康成人(36例、CYP2D6 EM:34例、URM:2例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回とケトコナゾール400mgを1日1回併用投与したとき、エリグルスタットのCmax及びAUC0-12hの幾何平均値の比(併用投与時/エリグルスタット酒石酸塩単独投与時)とその90%信頼区間は、3.84[3.41, 4.33]及び4.27[3.87, 4.71]であった8) 。
外国人健康成人にエリグルスタット酒石酸塩と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は以下のとおりであった9),10),11),12),13) 。,
エリグルスタット酒石酸塩の用法・用量注2)
被併用薬とその用量
血漿中における測定対象(例数:単独投与/併用投与)
単独投与時と併用投与時の血漿中薬物動態パラメータの比較幾何平均値の比(90%信頼区間)
Cmax
AUC
100mg1日1回
リファンピシンb)600mg i.v.
エリグルスタット(6例/6例)
0.97[0.86, 1.10]
0.95h)[0.88, 1.03]
150mg1日1回
リファンピシンc)600mg i.v.
エリグルスタット(19例/19例)
1.19[0.98, 1.44]
1.19[0.98, 1.45]
100mg1日2回
リファンピシンb)600mg p.o.
エリグルスタット(6例/5例)
0.05[0.04, 0.06]
0.04i)[0.03, 0.05]
150mg1日2回
リファンピシンc)600mg p.o.
エリグルスタット(19例/16例)
0.16[0.11, 0.22]
0.15[0.11, 0.21]
100mg又は150mg1日2回a)
ジゴキシンd)0.25mg
ジゴキシン未変化体(28例/27例)
1.70[1.56, 1.84]
1.49j)[1.33, 1.66]
メトプロロール酒石酸塩e)50mg
メトプロロール未変化体(14例/14例)
1.53[1.31, 1.79]
2.08h)[1.82, 2.38]
経口避妊薬f)(エチニルエストラジオール0.035mg、ノルエチンドロン1.0mg)
エチニルエストラジオール未変化体(29例/29例)
1.04[1.00, 1.08]
1.02k)[0.99, 1.06]
ノルエチンドロン未変化体(29例/29例)
1.03[0.96, 1.11]
0.99k)[0.96, 1.03]
制酸薬g)(水酸化アルミニウム1600mg、水酸化マグネシウム1600mg、シメチコン160mg)
エリグルスタット(24例/23例)
1.15[0.99, 1.32]
1.14h)[0.99, 1.30]
制酸薬g)(炭酸カルシウム1000mg)
エリグルスタット(24例/21例)
1.12[0.96, 1.30]
1.09h)[0.94, 1.26]
パントプラゾールg)40mg
1.08[0.91, 1.27]
1.09h)[0.92, 1.28]
a)CYP2D6 PMには100mg、EM、IM、URMには150mgを投与b)CYP2D6 PM:6例c)CYP2D6 EM:12例、IM:2例、URM:5例d)CYP2D6 EM:19例、IM:1例、PM:4例、URM:4例e)CYP2D6 EM:8例、IM:5例、URM:1例f)CYP2D6 EM:24例、PM:3例、URM:2例g)CYP2D6 EM:22例、IM:2例h)AUC0-∞、i)AUC0-12h、j)AUC0-last、k)AUC0-24h
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、CYP2D6の活性が通常の患者(EM)にエリグルスタット酒石酸塩100mgとテルビナフィン(250mg)及びフルコナゾール(400mg(負荷用量)+200mg)を併用投与したとき、エリグルスタットのCmax及びAUC0-12hはエリグルスタット酒石酸塩100mgを単独投与時と比べて、8.85及び11.7倍高くなると推定された14) 。
外国人健康成人(47例)に本剤200、800mg注3) 、モキシフロキサシン400mg及びプラセボを二重盲検クロスオーバー法により単回投与した。QTcF間隔のベースラインからの変化(プラセボとの差)の片側95%信頼区間の上限は本剤200mgで3.5msec、本剤800mgで9.3msecであった。同じデータを用いた線形混合効果モデルの結果、血中本薬未変化体濃度とPR、QRS及びQTcF間隔の平均変化の間に正の相関が認められた15) (外国人データ)。,,,,
日本人を含む酵素補充療法の治療歴を問わない18~75歳のゴーシェ病I型患者170例(CYP2D6 EMは131例、IMは23例、PMは7例、URMは3例、不明は6例)を対象に、本剤を26~78週間経口投与した。本剤の用法・用量は1回50mgを1日2回(日本人では投与1日目は1回50mgを1日1回、投与2日目以降は1回50mgを1日2回)投与から開始し、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50、100又は150mgを1日2回に用量調節注4) された。165例中137例が5項目(骨クリーゼ、ヘモグロビン値、血小板数、脾容積及び肝容積)からなる有効性複合評価項目を達成した。日本人10例(CYP2D6 EMは6例、IMは3例、不明は1例)はいずれも酵素補充療法の治療歴がある患者であり、全例で有効性複合評価項目を達成した。本剤の主な副作用は、浮動性めまい11例(6.5%)、頭痛8例(4.7%)、便秘、消化不良 各6例(3.5%)、上腹部痛、下痢、悪心 各5例(2.9%)であった1) 。
酵素補充療法の治療歴のない16~62歳の外国人ゴーシェ病I型患者を対象に、本剤(20例)又はプラセボ(20例)を1日2回39週間経口投与した。本剤群(CYP2D6 EMは18例、IMは1例、URMは1例)の用法・用量は1回50mgを1日2回投与から開始し、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50又は100mgを1日2回に用量調節注4) された。主要評価項目である脾容積の変化率について、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示された(p<0.0001)。本剤群とプラセボ群との群間差(調整済み平均値[両側95%信頼区間])について、脾容積のベースラインからの変化率は-30.03[-36.82, -23.24]%、ヘモグロビン値のベースラインからの変化量は1.22[0.57, 1.88]g/dL、血小板数のベースラインからの変化率は41.06[23.95, 58.17]%、肝容積のベースラインからの変化率は-6.64[-11.37, -1.91]%であった。本剤投与群における主な副作用は、下痢、鼓腸 各2例(10.0%)であった16) 。
酵素補充療法の治療歴のない18~60歳の外国人ゴーシェ病I型患者に、第1日目は本剤50mgを1日1回経口投与、第2~19日目は本剤50mgを1日2回経口投与とし、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50又は100mgを1日2回に用量調節注4) された。本剤を48ヵ月間投与したとき(19例:CYP2D6 EMは18例、PMは1例)、ヘモグロビン値のベースラインからの変化量は2.27[1.57, 2.97]g/dL(平均値[両側95%信頼区間]、以下同様)、血小板数のベースラインからの変化率は95.0[50.7, 139.4]%、脾容積のベースラインからの変化率は-62.5[-68.3, -56.7]%、肝容積のベースラインからの変化率は-28.0[-34.9, -21.2]%であり、改善がみられた。本剤の主な副作用は、腹痛、下痢、神経伝導検査異常 各2例(7.7%)であった17) 。
酵素補充療法で治療中の18~69歳の外国人ゴーシェ病I型患者を対象に、本剤(106例)を1日2回52週間経口投与又は酵素補充療法(イミグルセラーゼ)(53例)を2週間に1回52週間点滴静脈内投与した。本剤群(CYP2D6 EMは84例、IMは12例、PMは4例、URMは4例、不明は2例)の用法・用量は1回50mgを1日2回投与から開始し、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50、100又は150mgを1日2回に用量調節注4) された。4項目(ヘモグロビン値、血小板数、脾容積及び肝容積)の複合評価項目を満たした患者の割合について、本剤群83.8%(83/99例)、イミグルセラーゼ群93.6%(44/47例)、群間差とその両側95%信頼区間は-9.8[-18.6, 3.3]%であり、本剤群のイミグルセラーゼ群に対する非劣性が認められた。本剤の主な副作用は、下痢5例(4.7%)、頭痛、疲労、関節痛 各4例(3.8%)であった18) 。
ゴーシェ病はライソゾーム酵素であるグルコセレブロシダーゼの活性が低下することにより、グルコシルセラミドが主にマクロファージのライソゾームに蓄積し、肝及び脾の腫大、貧血及び血小板減少症、骨痛や骨の異常及び変形をもたらす。本剤はグルコシルセラミド合成酵素を選択的に阻害し、グルコシルセラミドの生成を抑制する19),20),21),22) 。
ヒトメラノーマ細胞株から調製したミクロソームにおいて、グルコシルセラミド合成酵素を濃度依存的に阻害した(IC50値:19.6±0.68nmol/L)20) (in vitro)。
本剤はD409V/nullゴーシェ病I型モデルマウスにおいて、ゴーシェ病に典型的な活性化した腫大マクロファージ(ゴーシェ細胞)の数を低下させた28) 。
エリグルスタット酒石酸塩 Eliglustat Tartrate
N-[(1R,2R)-1-(2,3-Dihydrobenzo[b][1,4]dioxin-6-yl)-1-hydroxy-3-(pyrrolidin-1-yl)propan-2-yl]octanamide hemi-(2R,3R)-tartrate
(C23H36N2O4)2・C4H6O6
959.17
白色~微黄褐色の粉末である。
168℃
14カプセル[14カプセル(PTP)×1]
1) 社内資料:酵素補充療法の治療歴を問わないゴーシェ病I型患者における国際共同治験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2及びCTD2.7.6.2)
2) 社内資料:食事の影響試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.1.2)
3) 社内資料:肝機能障害患者におけるPK及び忍容性試験
4) 社内資料:腎機能障害患者におけるPK及び忍容性試験
5) 社内資料:マスバランス試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2及びCTD2.7.2.3)
6) 社内資料:タンパク結合試験(2015年3月26日承認、CTD2.6.4.4)
7) 社内資料:パロキセチンとの併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
8) 社内資料:ケトコナゾールとの併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
9) 社内資料:リファンピシンとの併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
10) 社内資料:ジゴキシンとの併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
11) 社内資料:メトプロロールとの併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
12) 社内資料:経口避妊薬との併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
13) 社内資料:制酸薬及びプロトンポンプ阻害薬との併用試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
14) 社内資料:PKデータのモデル解析(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
15) 社内資料:QT/QTc評価試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.4.4)
16) 社内資料:未治療ゴーシェ病I型患者における臨床第III相試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.6.2)
17) 社内資料:未治療ゴーシェ病I型患者における臨床第II相試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.3.5及びCTD2.7.6.2)
18) 社内資料:酵素補充療法からの切り替えゴーシェ病I型患者における海外臨床第III相試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.6.2)
19) 社内資料:イヌ及びヒト由来赤血球産生細胞株におけるGM1蓄積抑制試験(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
20) 社内資料:in vitroグルコシルセラミド合成酵素阻害試験(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
21) 社内資料:β-グルコシダーゼとの薬力学的相互作用試験(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.5)
22) McEachen KA, et al. Mol Genet Mrtab 2007; 91:259-67[CD_0001]
23) 社内資料:健康成人PK及び初期忍容性二重盲検試験(2015年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
24) 社内資料:ラットを用いた有効性の検討(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
25) 社内資料:イヌを用いた有効性の検討(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
26) 社内資料:D409V/nullゴーシェ病マウスを用いた有効性評価 (2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
27) 社内資料:D409V/nullゴーシェ病マウスを用いたGL-1蓄積予防作用の評価(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
28) 社内資料:D409V/nullゴーシェ病マウスを用いた有効性比較試験(2015年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
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