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毒薬
処方箋医薬品注)
皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス
通常、ヒドロキシクロロキン硫酸塩として200mg又は400mgを1日1回食後に経口投与する。ただし、1日の投与量はブローカ式桂変法により求められる以下の理想体重に基づく用量とする。女性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.85男性患者の理想体重(kg)=(身長(cm)-100)×0.9
身長(理想体重)
1回投与量
136cm以上154cm未満(理想体重31kg以上46kg未満)
1錠(200mg)
154cm以上173cm未満(理想体重46kg以上62kg未満)
1錠(200mg)と2錠(400mg)を1日おき
173cm以上(理想体重62kg以上)
2錠(400mg)
134cm以上151cm未満(理想体重31kg以上46kg未満)
151cm以上169cm未満(理想体重46kg以上62kg未満)
169cm以上(理想体重62kg以上)
皮膚反応のリスクが高くなることがある。
溶血を起こすおそれがある。
症状が増悪することがある。
皮膚症状が増悪することがある。
これらの症状が増悪することがある。
本剤投与による有益性と危険性を慎重に評価した上で、使用の可否を判断し、投与する場合は、より頻回に眼科検査を実施すること。,,
*本剤は尿中に未変化体が排泄されることから、腎機能に障害がある場合には血中ヒドロキシクロロキン濃度が上昇する可能性がある。,,
本剤は代謝を受けることから、肝機能に障害がある場合には血中ヒドロキシクロロキン濃度が上昇する可能性がある。,
妊娠可能な女性に対しては、催奇形性・胎児毒性のリスクを有する可能性があること、及びそのために避妊を行うことが望ましいことを十分に説明し理解を得た上で投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、催奇形性・胎児毒性のリスクを有する可能性があることを十分に説明し理解を得た上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤と化学構造及び薬理学的作用が類似しているクロロキンでは、生殖発生毒性が示唆されており、本剤においても催奇形性・胎児毒性(出生児の発育遅延等)が発現する可能性は否定できない。また、分布試験において、妊娠有色マウスにクロロキンの標識体を静脈内投与したとき、クロロキンは胎盤を速やかに通過し、マウス胎児の網膜に選択的に放射能が認められた。また、放射能は5ヵ月間残存した。
授乳を避けさせること。ヒドロキシクロロキンはヒト乳汁中へ移行することが報告されている。4-アミノキノリン化合物の毒性作用は乳児に対して極めて感受性が高いことが知られている。
投与しないこと。4-アミノキノリン化合物の毒性作用に感受性が高い。,,
眼科検査を頻回に実施すること。腎機能等の生理機能が低下していることが多く、ヒドロキシクロロキンの排泄遅延により網膜障害があらわれるおそれがある。,
本剤との併用により、ジゴキシンの血中濃度を上昇させるとの報告がある。併用する場合には血中ジゴキシン濃度をモニターするなど慎重に投与すること。
in vitro試験で本剤のP糖蛋白阻害作用が報告されている。
本剤との併用により、シクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
本剤との併用により、これらの糖尿病用薬の血糖降下作用が強くあらわれる可能性があるため、必要に応じインスリン又は糖尿病用薬の投与量の減量を考慮すること。
糖尿病用薬の併用の有無を問わず、本剤の投与により重度の低血糖を起こすことがある。
心室性不整脈のリスクが増大するおそれがある。
共にQT延長を引き起こすおそれがあるため。
併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤と類似の構造を有するクロロキンと、CYP2C8、CYP3A4等のCYP分子種の阻害作用を有するシメチジンを併用したとき、クロロキンの血中濃度が2倍になったとの報告がある。
痙攣閾値を低下させる抗マラリア薬を併用すると痙攣のリスクが上昇することがある。
本剤は痙攣閾値を低下させるとの報告がある。
本剤との併用により、抗てんかん薬の作用が減弱する可能性がある。
機序不明
本剤と類似の構造を有するクロロキンとの併用により、プラジカンテルの生物学的利用率が低下するとの報告がある。このため、本剤との併用においても同様にプラジカンテルの生物学的利用率を低下させる可能性がある。
本剤との併用により、α-ガラクトシダーゼの作用が減弱する可能性がある。
併用により網膜障害のリスクが増大するおそれがある。
共に網膜障害を引き起こす可能性があるため。
部分的な視野の喪失、一時的に発現する傍中心暗点あるいは輪状暗点及び色覚異常といった異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。,,,,,,,,,
血小板減少症、無顆粒球症、白血球減少症、再生不良性貧血等があらわれることがある。
*心不全に至り、致死的転帰をたどる心筋症があらわれることがある。
*脱力が発現した場合には投与を中止すること。,
意識障害に至る重度の低血糖があらわれることがある。低血糖症状がみられた場合には、血糖値を確認し、適切な処置を行うこと。また、本剤服用中に低血糖症状がみられた場合には、投与継続の可否を慎重に判断すること。,
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
5%以上
5%未満
頻度不明
消化器
下痢
腹痛、便秘、胃腸炎、口唇炎、鼓腸、胃食道逆流性疾患
嘔吐、嘔気
精神障害
感情不安定、神経過敏、精神症状
神経系障害
頭痛、神経痛、傾眠、肋間神経痛
浮動性めまい、痙攣、ジストニア・ジスキネジア・振戦等の錐体外路障害
眼
網脈絡膜萎縮、硝子体浮遊物、結膜炎、眼乾燥
視野欠損、網膜色素沈着、色覚異常、角膜浮腫、角膜混濁、霧視、光輪視、羞明
過敏症
蕁麻疹、発疹、全身性皮疹、そう痒症
血管浮腫、気管支痙攣、光線過敏症
皮膚
中毒性皮疹、薬疹、色素沈着障害、皮膚潰瘍、帯状疱疹、爪囲炎
毛髪の変色、脱毛症
呼吸器
気管支炎、口腔咽頭痛
循環器
伝導障害、脚ブロック、房室ブロック、心室肥大
筋・骨格系
腱反射減退、感覚運動障害、神経伝導検査異常
代謝
食欲減退
*腎臓
蛋白尿、血尿
肝臓
肝機能検査異常
その他
発熱、腎盂腎炎、蜂巣炎、限局性感染
回転性めまい、耳鳴、難聴
過量投与時に報告された症状は頭痛、視覚障害、心血管虚脱、痙攣、低カリウム血症並びに心肺停止により突然死に至る可能性のあるQT間隔延長、Torsade de pointes、心室頻拍、心室細動などのリズム伝導異常などであった。これらの症状は過量投与後すぐにあらわれることがあるので、異常が認められた場合は、直ちに適切な処置を行うこと。なお、乳幼児では4-アミノキノリン化合物の過量投与は特に危険であり、1~2gでも致死的であることが報告されている。,,
胃洗浄後、過量投与から30分以内に胃管で投与量の最低5倍の活性炭を投与すれば、それ以上の吸収を妨げる可能性がある。心毒性の緩和にはジアゼパムが有効であるとの報告があることから、ジアゼパムの非経口投与を検討すること。必要に応じ、呼吸補助及びショック対処法を実施すること。
外国人健康成人5例にヒドロキシクロロキン155mg注1) を単回経口投与したとき、終末相の消失半減期は全血及び血漿で、それぞれ約50日及び32日であった1) 。
皮膚エリテマトーデスと診断された日本人患者90例(全身性エリテマトーデスの合併の有無を問わない)に本剤を1日1回200~400mg(理想体重当たり6.5mg/kgを超えない)反復経口投与したときの定常状態における全血中ヒドロキシクロロキン濃度を用い、母集団薬物動態解析により求めた薬物動態パラメータを以下に示す2) 。
投与量(mg/day)(理想体重の範囲)
200mg(31kg以上46kg未満)
200mgと400mgを1日おき(46kg以上62kg未満)
400mg(62kg以上)
Cmax(μg/mL)
0.63±0.22
0.94±0.19
0.85±0.17
tmax(hr)
4.0±0.1
AUC(μg・hr/mL)
13.2±5.3
16.6±4.8
16.5±4.2
Ctrough(μg/mL)
0.46±0.22
0.50±0.19
0.52±0.17
t1/2(hr)
41.4±16.6
34.7±10.0
25.9±6.6
CL/F(L/hr)
17.5±7.9
19.8±6.9
25.6±6.1
健康成人にヒドロキシクロロキンを経口投与したときの全血中ヒドロキシクロロキンに基づく絶対的バイオアベイラビリティは約70%であった3),4) (外国人データ)。
健康成人にヒドロキシクロロキンを空腹時及び食後に単回経口投与したとき、全血中ヒドロキシクロロキンのCmaxはそれぞれ223.5及び214.4ng/mL、絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ0.67及び0.64であった4) (外国人データ)。
健康成人におけるヒドロキシクロロキンのヒト血漿タンパク結合率及びヒト血清アルブミン結合率はそれぞれ、約52%及び約40%であった5) (外国人データ)。
ヒドロキシクロロキンはデスエチルヒドロキシクロロキン及びデスエチルクロロキンに代謝され、さらにビスデスエチルクロロキンに代謝された。これらの代謝にはクロロキンの代謝よりCYP2C8及びCYP3A4の関与が示唆された。
健康成人にヒドロキシクロロキンを単回静脈内投与したときの未変化体の累積尿中排泄率は23〜25%であった6) (外国人データ)。
活動性皮膚病変を有する皮膚エリテマトーデス患者(全身性エリテマトーデスの合併の有無を問わない)103例を対象に、ステロイド剤併用又は非併用下で、理想体重46kg未満の患者は本剤200mgを毎日、理想体重46kg以上62kg未満の患者は本剤200mgと本剤400mgを隔日、理想体重62kg以上の患者は本剤400mgを毎日、1日1回経口投与したときの有効性及び安全性を検討することを目的とした国内多施設共同第III相試験を実施した。本剤投与後16週時点で得られた皮膚症状に対する有効性及び全身性エリテマトーデス患者での症状及び筋骨格系症状に対する有効性はそれぞれ下表のとおりであった2) 。
本剤群(n=72)
プラセボ群(n=24)
ベースライン
13.5±8.0
13.6±7.5
投与16週後
8.9±6.0
10.4±7.3
ベースラインからの変化量[95%信頼区間]
-4.6±6.4[-6.1, -3.1]
-3.2±4.5[-5.1, -1.3]
プラセボ群との差[95%信頼区間]
-1.6※[-4.29, 1.11]
平均値±標準偏差※本試験では本剤のプラセボに対する優越性を検証するための検出力は考慮されていない。
RAPID3合計スコア
倦怠感VASスコア
本剤群(n=42)
プラセボ群(n=12)
7.14±4.37
7.93±5.30
4.07±2.24
4.63±2.59
5.47±4.07
8.11±6.88
2.96±2.31
3.92±3.27
ベースラインからの変化量
-1.67±3.94
0.18±4.51
-1.11±2.48
-0.71±3.14
平均値±標準偏差
副作用の発現率は、本剤群24.7%(19/77例)であり、主な副作用は下痢7.8%(6/77例)、頭痛3.9%(3/77例)であった。
ヒドロキシクロロキンの皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスに対する薬効には、主にリソソーム内へのヒドロキシクロロキンの蓄積によるpHの変化とそれに伴うリソソーム内の種々の機能の抑制が関与しているものと推察される。
ヒドロキシクロロキン硫酸塩(Hydroxychloroquine Sulfate)
2-[{(4RS)-4-[(7-Chloroquinolin-4-yl)amino]pentyl}(ethyl)amino]ethanol monosulfate
C18H26ClN3O・H2SO4
433.95
白色〜帯黄白色の粉末である。本品は水に溶けやすく、クロロホルム、エタノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品はラセミ体であり、旋光性はない。
約240℃
84錠[14錠(PTP)×6]
1) Tett S E, et al.:Br J Clin Pharmacol. 1989;27(6):771-9
2) 社内資料:国内第III相試験(2015年7月3日承認、CTD2.7.6)
3) Tett S E, et al.:J Pharm Sci. 1992;81(2):155-9
4) McLachlan A J, et al.:Br J Clin Pharmacol. 1993;36(5):405-11
5) McLachlan A J, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1993;44(5):481-4
6) Tett S E, et al.:Br J Clin Pharmacol. 1988;26(3):303-13
7) Shimomatsu T, et al.:J Invest Dermatol. 2013;133:S34
8) Gomez-Guzman M, et al.:Hypertension. 2014;64(2):330-7
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