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サイビスクディスポ関節注2mL

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

サイビスクディスポ関節注2mL

添付文書番号

3999428G1023_2_05

企業コード

780069

作成又は改訂年月

2023年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤

承認等

サイビスクディスポ関節注2mL

販売名コード

YJコード

3999428G1023

販売名英語表記

SYNVISC intra-articular injection

販売名ひらがな

さいびすくでぃすぽかんせつちゅう2mL

承認番号等

承認番号

22200AMX00877

販売開始年月

2010年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

一般的名称

ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー及びヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はヒアルロン酸ナトリウム、鳥類のたんぱく質、羽毛、卵に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

サイビスクディスポ関節注2mL

有効成分1シリンジ(2mL)中
ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー   14.4mg
1シリンジ(2mL)中
ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体   1.6mg
添加剤塩化ナトリウム  
リン酸二水素ナトリウム  
リン酸水素二ナトリウム  

3.2 製剤の性状

サイビスクディスポ関節注2mL

pH6.9~7.5
浸透圧比1.05~1.15(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明又はわずかに混濁したゲル

4. 効能又は効果

保存的非薬物治療及び経口薬物治療が十分奏効しない疼痛を有する変形性膝関節症の患者の疼痛緩和

6. 用法及び用量

通常、成人1回2mL(ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマーとして14.4mg及びヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体として1.6mg)を1週間ごとに連続3回、膝関節腔内に投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤の使用は、1週間ごとに連続3回投与を1クールとし、原則1クールとする。
  2. 7.2 複数回クールでの有効性・安全性は確立していない。本剤は初回クールに比較して、2クール目以降では有害事象が増加するとの報告がある。
  3. 7.3 本剤と非ステロイド性抗炎症薬との併用による有効性は確立していない。また、他の関節内注入療法との併用は、原則避けること。
  4. 7.4 疼痛の軽減が認められない場合は、使用を中止すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 変形性膝関節症で関節に炎症が著しい場合は、本剤の投与により局所炎症症状の悪化を招くことがあるので炎症症状を抑えてから本剤を投与することが望ましい。
  2. 8.2 関節腔外に漏れると疼痛や肉芽腫を起こすおそれがあるので、関節腔内に確実に投与すること。
  3. 8.3 投与後15分間は、医療機関にて過敏反応の徴候の有無を観察すること。
  4. 8.4 本剤の投与により、局所痛を起こすおそれがあるので、投与後の局所安静を指示するなどの措置を講ずること。関節内投与後は、長時間体重負荷のかかる活動や激しい運動を避けさせること。
  5. 8.5 患者に対し、発熱、疼痛、水腫を伴う関節炎があらわれた場合には、主治医に連絡するよう説明すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 治療対象の関節側の下肢に静脈血又はリンパ液のうっ滞が認められる患者

    血液循環の低下と注射部位の感染による合併症を起こすおそれがある。

  2. 9.1.2 投与関節部に皮膚疾患又は感染がある患者

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝障害又はその既往歴のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
  2. 11.1.2 関節炎(頻度不明)

    発熱、疼痛、水腫を伴う関節炎があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

5%以上

5%未満

頻度不明

投与関節

疼痛

腫脹、こわばり、しびれ感、灼熱感、不快感

関節滲出液、血腫、紅斑

その他
全身症状等

発疹、そう痒感、腓腹筋痙攣、痔核、足首の浮腫、筋痛、扁桃炎、頻脈性不整脈、静脈炎、腰部の捻挫

蕁麻疹、発熱、悪心、頭痛、浮動性めまい、悪寒、錯感覚、末梢性浮腫、倦怠感、呼吸困難、潮紅、顔面腫脹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意

  1. 14.1.1 関節液の貯留がある場合には、あらかじめ関節液を除去する。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤は関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行うこと。
  2. 14.2.2 本剤の投与にあたっては18~23ゲージの適切な注射針を使用すること。
  3. 14.2.3 関節外、滑膜組織内及び関節包内に本剤を投与しないこと。
  4. 14.2.4 *本剤を血管内へ投与しないこと。関節腔外漏出が明らかでない場合においても、投与部位周囲の皮膚に壊死が生じる可能性があるので、観察を十分に行い、皮膚壊死の徴候があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。

14.3 薬剤投与後の注意

  1. 14.3.1 開封後は速やかに使用し、使用後は残液を廃棄すること。

16. 薬物動態

16.3 分布

本剤標識化合物をウサギ膝関節内に単回注入後、関節組織への分布を検討した結果、28日間以上関節腔内に滞留することが認められた。関節内組織以外への分布は認められなかった1)

16.5 排泄

可溶化したヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体の標識化合物をラットに静脈内投与後の動態を検討した結果、投与後1時間以内に尿中に約75%が排泄された2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外臨床試験(生理食塩液対照二重盲検比較試験)

    他の保存療法及び薬物療法が無効で日常的に疼痛を有する変形性膝関節症患者110例を対象とし、生理食塩液投与を対照群として、無作為比較試験を実施した。12週目及び26週目の体重負荷時痛、夜間痛、膝の運動の改善及び活動性の低下の評価において、本剤投与群は対照群より有意な疼痛の改善を示した(p<0.05)。12週目及び26週目の無症状患者の割合は、本剤投与群の方が対照群より高かった(p<0.05)3)
    本剤投与群の副作用発現頻度は7.1%(4/56例)で、皮膚のそう痒感、腓腹筋痙攣、痔核、足首の浮腫が各1.8%(1/56例)であった。

  2. 17.1.2 海外臨床試験(非ステロイド性抗炎症薬対照多施設無作為化比較試験)

    非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)によって疼痛の軽減の得られなかった変形性膝関節症患者102例を対象とし、本剤単独群、本剤とNSAID併用群、及びNSAID単独群の3群で比較検討した26週間の無作為比較臨床試験において、本剤単独群は、疼痛の程度が治療前よりも有意に改善し(p<0.05)、NSAID単独群と同様であった4)
    本剤投与群の副作用発現頻度4.4%(3/68例)のうち、本剤単独群では疼痛及び腫脹が6.5%(2/31例)、NSAID併用群では疼痛及び腫脹が2.7%(1/37例)であり、いずれも注入部位に発現した副作用であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

サイビスクは、異なる分子量、架橋構造を持つ2種のヒアルロン酸ナトリウム架橋体を混合することにより、健康成人の膝関節液に含まれるヒアルロン酸と類似の分子量分布、及び膝関節液と類似の弾性、粘性を示すように調整されており、変形性膝関節症の患者の関節液の機能を一時的に高め、衝撃吸収機能等を改善し、疼痛を緩和する。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 ネコの正常膝関節及び炎症膝関節において、痛覚受容求心神経線維からの神経応答が低下し、疼痛軽減作用が認められた5)
  2. 18.2.2 ラットの正常膝関節及び炎症膝関節において、疼痛誘発性神経活動を低減し疼痛軽減作用が認められた6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー
(Sodium Hyaluronate Crosslinked Polymer)

分子量

約6,000,000

本質

本品は、健康なニワトリのトサカ由来のヒアルロン酸誘導体で、ヒアルロン酸及びタンパク質がホルムアルデヒド処理により架橋されている。

一般的名称

ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体
(Sodium Hyaluronate Crosslinked Polymer Crosslinked with vinylsulfone)

分子量

6,000,000以上

本質

本品は、ヒアルロン酸誘導体で、ヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマーがジビニルスルホン処理により架橋されている。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 再滅菌して使用しないこと。
  2. 20.2 使用前に本剤の包装が開封されたり、破損している際は使用しないこと。

22. 包装

2mL×1シリンジ

24. 文献請求先及び問い合わせ先

サノフィ株式会社
コールセンター くすり相談室

〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号

フリーダイヤル 0120-109-905

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

サノフィ株式会社

〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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