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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応は抑制されるため、感染症に伴う症状が抑制される。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。,,,,
既存治療で効果不十分な関節リウマチ
通常、成人にはサリルマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを2週間隔で皮下投与する。なお、患者の状態により1回150mgに減量すること。
感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること。感染症が悪化するおそれがある。,,,,
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最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。
投与を避けることが望ましい。なお、リンパ球数減少が遷延化した場合(目安として500/μL)は、投与を開始しないこと。日和見感染を含む感染症を誘発するおそれがある。
定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
白血球減少、好中球数減少、血小板減少が更に悪化するおそれがある。,
トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
十分な観察を行い、感染症等の副作用に留意すること。高齢者において重篤な有害事象の発現率の上昇が認められている。一般に生理機能(免疫機能等)が低下している。
CYP3A4基質の薬剤の血中濃度が減少するおそれがある。
リウマチ患者ではIL-6値の上昇に伴いCYP活性が下方制御を受け、CYPにより代謝を受ける薬剤の血中濃度が上昇する。本剤などのIL-6Rα受容体阻害剤によりIL-6シグナル伝達が抑制されると、CYP活性が非炎症状態のレベルに回復し、その結果、CYPにより代謝を受ける薬剤の血中濃度が減少する可能性がある。
肝機能障害を起こす可能性のある薬剤
肝機能障害があらわれるおそれがある。
機序不明
*蜂巣炎(1.2%)、肺炎(0.6%)、憩室炎(頻度不明)等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。,,,,
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消化管穿孔(頻度不明)が報告されている。本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。
血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等があらわれることがあるので、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。また、投与終了後も症状のないことを確認すること。
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、CT及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。
AST(1.2%)、ALT(3.4%)の上昇等の肝機能障害があらわれることがある。,,,
5%以上
1~5%未満
1%未満
感染症
鼻咽頭炎
上気道感染、口腔ヘルペス
尿路感染
代謝
高コレステロール血症
高トリグリセリド血症
肝臓
肝機能異常、ALT増加
循環器
高血圧
消化器
口内炎
その他
注射部位紅斑
注射部位そう痒感
日本人関節リウマチ患者にサリルマブ150mg(単剤投与)又は200mg(メトトレキサート併用投与)を単回皮下投与した。血清中サリルマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示した1),2) 。
投与量(mg)
例数
Cmax(mg/L)
tmax注4)(day)
t1/2z(day)
AUClast(mg・day/L)
AUC(mg・day/L)
CL/F(L/day)
Vss/F(L)
150注5)
15
15.4±6.17
3.91
2.34±0.334
164±84.8
167±84.7
1.46±1.58
8.90±6.81
200注6)
6
27.7±12.6
3.00
3.49±1.35注7)
339±173
409±126注7)
0.536±0.194注7)
5.02±1.47注7)
平均値±SD
日本人関節リウマチ患者にメトトレキサート併用下でサリルマブ150mg又は200mgを2週に1回皮下投与したとき、24週時までの血清中サリルマブのトラフ濃度推移を以下に示した。初回投与24週後の血清中サリルマブ濃度は16.1±10.6mg/L(150mg皮下投与、67例)及び30.5±16.9mg/L(200mg皮下投与、57例)であった3) 。
シンバスタチンはCYP3A4代謝を受ける基質である。17名の外国人関節リウマチ患者に本剤200mg単回皮下投与後の1週後にシンバスタチンを投与したとき、シンバスタチン及びシンバスタチン酸の曝露量はそれぞれ45%及び36%減少した4) 。(外国人データ)
メトトレキサートにより十分な効果が得られなかった関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート併用下で実施したプラセボ対照二重盲検比較試験における24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)注8) を以下に示す。24週時のACR20改善率は、プラセボ群14.8%に対し、本剤150mg q2w群67.9%及び200mg q2w群57.5%といずれも有意に高かった(P<0.0001注9) )5) 。
24週時
プラセボ+MTX(81例)
本剤+MTX
150mg q2w(81例)
200mg q2w(80例)
ACR20
12(14.8%)
55(67.9%)
46(57.5%)
プラセボ群との改善率の差[95%信頼区間]注10)
-
52.9%[40.9%, 64.9%]
42.6%[29.5%, 55.8%]
P値注9)
<0.0001
ACR50
8(9.9%)
35(43.2%)
31(38.8%)
ACR70
3(3.7%)
15(18.5%)
12(15.0%)
MTX=メトトレキサート q2w=2週に1回投与
投与24週時までの副作用は、本剤150mg q2w群81例中42例(51.9%)、本剤200mg q2w群80例中39例(48.8%)及びプラセボ群81例中22例(27.2%)にみられた。主な副作用としては、本剤150mg q2w群、200mg q2w群に、それぞれ鼻咽頭炎9例(11.1%)/3例(3.8%)、好中球減少症6例(7.4%)/9例(11.3%)、注射部位紅斑6例(7.4%)/7例(8.8%)、肝機能異常5例(6.2%)/6例(7.5%)、注射部位そう痒感4例(4.9%)/4例(5.0%)がみられた。投与52週時までの副作用は、本剤150mg q2w群では81例中57例(70.4%)に、本剤200mg q2w群では80例中47例(58.8%)にみられた。本剤の主な副作用として、本剤150mg q2w群及び200mg q2w群に、それぞれ鼻咽頭炎15例(18.5%)/6例(7.5%)、好中球減少症10例(12.3%)/9例(11.3%)、注射部位紅斑7例(8.6%)/7例(8.8%)、肝機能異常7例(8.6%)/5例(6.3%)、注射部位そう痒感5例(6.2%)/4例(5.0%)がみられた6) 。
関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート以外のDMARDs併用下で本剤を投与したとき、又は本剤を単剤投与したときの安全性及び有効性を検討した二重盲検試験における24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)を以下に示す7) 。
本剤
単剤投与
DMARDs併用投与
150mg q2w(30例)
200mg q2w(31例)
150mg q2w+DMARDs(15例)
200mg q2w+DMARDs(15例)
22(73.3%)
20(64.5%)
12(80.0%)
11(73.3%)
14(46.7%)
14(45.2%)
10(66.7%)
8(53.3%)
9(30.0%)
8(25.8%)
6(40.0%)
5(33.3%)
DMARDs=疾患修飾性抗リウマチ薬 q2w=2週に1回投与
投与52週までの副作用は、単剤投与時で150mg q2w群30例中18例(60.0%)及び200mg q2w群31例中23例(74.2%)に、DMARDs併用投与時で150mg q2w群及び200mg q2w群ともに、それぞれ15例中9例(60.0%)にみられた。主な副作用として、単剤投与時で本剤150mg q2w群及び200mg q2w群に、それぞれ鼻咽頭炎4例(13.3%)/6例(19.4%)、高コレステロール血症0例/2例(6.5%)、注射部位紅斑1例(3.3%)/6例(19.4%)、口内炎3例(10.0%)/4例(12.9%)、好中球減少症1例(3.3%)/3例(9.7%)、好中球数減少2例(6.7%)/1例(3.2%)及び肝機能異常0例/2例(6.5%)、DMARDs併用投与時では本剤150mg q2w群/200mg q2w群で好中球減少症5例(33.3%)/3例(20.0%)がみられた8) 。
メトトレキサートにより十分な効果が得られなかった関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート併用下で実施したプラセボ対照二重盲検比較試験(MOBILITY)における24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)を以下に示す。24週時のACR20改善率は、プラセボ群33.4%に対し、本剤150mg q2w群58.0%及び200mg q2w群66.4%といずれも有意に高かった(P<0.0001注11) )9) 。
プラセボ+MTX(398例)
150mg q2w(400例)
200mg q2w(399例)
133(33.4%)
232(58.0%)
265(66.4%)
プラセボ群との改善率の差[95%信頼区間]注12)
24.6%[18.0%, 31.3%]
33.0%[26.5%, 39.5%]
P値注11)
66(16.6%)
148(37.0%)
182(45.6%)
29(7.3%)
79(19.8%)
99(24.8%)
16週時のHAQ-DIのベースラインからの変化量は、プラセボ群-0.29±0.028(最小二乗平均値±SE注13) )に対し、本剤150mg q2w群-0.53±0.029及び200mg q2w群-0.55±0.029といずれも有意に高かった(P<0.0001注13) )。
投与52週間までの副作用は、本剤150mg q2w群431例中164例(38.1%)、本剤200mg q2w群424例中197例(46.5%)及びプラセボ群427例中102例(23.9%)にみられた。主な副作用として、本剤150mg q2w群、200mg q2w群に、それぞれ好中球減少症36例(8.4%)/52例(12.3%)、注射部位紅斑24例(5.6%)/27例(6.4%)、ALT増加24例(5.6%)/25例(5.9%)がみられた10) 。
IL-6高値は関節リウマチ患者の滑液にみられ、関節リウマチの特徴である病的炎症及び関節破壊の両方に重要な役割を果たしている。IL-6は、関節リウマチ患者の全身性炎症、滑膜炎及び骨びらんにつながるT細胞、B細胞、単核細胞及び破骨細胞の遊走や活性化などの多様な生理的プロセスに関与している。本剤は可溶性及び膜結合型IL-6受容体αサブユニット(IL-6Rα)に特異的に結合し、IL-6を介するシグナル伝達を阻害する。
サリルマブ(遺伝子組換え)Sarilumab(Genetical Recombination)
サリルマブは、ヒトインターロイキン-6受容体のαサブユニットに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体である。サリルマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。サリルマブは、446個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約150,000)である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1.14mL×1シリンジ
1.14mL×1本
1) 社内資料:国内第1相単回投与試験(メトトレキサート併用試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:国内第1相単回投与試験(単剤投与試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
3) 社内資料:国内第2/3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
4) 社内資料:海外第1相薬物相互作用試験(シンバスタチン)(2017年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:国内第2/3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.3.2)
6) 社内資料:国内第2/3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.6.2)
7) 社内資料:国内第3相二重盲検試験(メトトレキサート以外のDMARDs併用又は単剤投与試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.3.2)
8) 社内資料:国内第3相二重盲検試験(メトトレキサート以外のDMARDs併用又は単剤投与試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.6.2)
9) 社内資料:海外第3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.3.2)
10) 社内資料:海外第3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.6.2)
*旭化成ファーマ株式会社 くすり相談窓口
〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
ケブザラ専用ダイヤル 0120-764-221(9:00~17:45/土日祝・休業日を除く)
サノフィ株式会社
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
旭化成ファーマ株式会社
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