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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の対象は、未治療例の場合、原疾患の進展に起因する貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病患者(Rai分類でハイリスク群又はBinet分類でB又はC期)であり、既治療例の場合、少なくとも一種類の標準的なアルキル化剤を含む治療に無効又は進行性の慢性リンパ性白血病患者である。
通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、40mg/m2(体表面積)を1日1回5日間連日経口投与し、23日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、体表面積により、次の投与量を1日用量とする。ただし、患者の状態により適宜減量する。
体表面積注1) (m2)
1日用量(1日あたりの錠数)
0.89-1.13
40mg(4錠)
1.14-1.38
50mg(5錠)
1.39-1.63
60mg(6錠)
1.64-1.88
70mg(7錠)
1.89-2.13
80mg(8錠)
2.14-2.38
90mg(9錠)
クレアチニンクリアランス(mL/分)
70
50
30
体表面積(m2)
0.45-0.73
0.53-0.86
0.65-1.05
20mg(2錠)
0.74-1.01
0.87-1.20
1.06-1.47
30mg(3錠)
1.02-1.30
1.21-1.54
1.48-1.88
1.31-1.58
1.55-1.88
1.89-2.30
1.59-1.87
1.89-2.21
2.31-2.71
1.88-2.16
2.22-2.55
2.72-3.13
2.17-2.44
2.56-2.89
3.14-3.54
骨髄機能の回復の指標
投与量の調節
好中球数1,200/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上
次クール開始にあたり、好中球数及び血小板数が左記の指標に回復するまで休薬する。
好中球数1,000/mm3以上及び血小板数100,000/mm3以上
骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。,,
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがある。B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うこと。,
投与しないこと。本剤は腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。,
症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。胎児毒性及び催奇形性が報告されている。また、妊娠中に注射剤の投与を受けた患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある。,
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分に検討し確認すること。投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること。一般に生理機能が低下している。
ペントスタチン(コホリン),
致命的な肺毒性が発現することがある。
機序は不明
シタラビン
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。
in vivo試験及びin vitro試験において、シタラビンの活性代謝物であるara-CTPの細胞内濃度の上昇が認められている。
他の抗悪性腫瘍剤
ともに骨髄抑制作用を有する。
汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少等があらわれる又は増悪することがある。,,,
呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速やかにX線検査を行い、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、失明、末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがある。
初期症状として、側腹部痛、血尿があらわれることがある。この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全を伴うことがある。本剤の治療効果が投与開始後1週間であらわれることがあるので、この合併症の危険性のある患者では予防措置を講じること。
敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスによる肝炎の増悪又は劇症肝炎を認めることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与等適切な処置を行うこと。,,,,
致命的な自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。,,
血尿が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上注2)
5%未満注2)
頻度不明
呼吸器
上気道炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、咳
アレルギー性鼻炎、喘鳴、呼吸困難
呼吸障害、低酸素(症)
消化器
悪心、食欲不振、下痢、便秘、胃部不快感、口内炎
腹痛、消化不良、嘔吐
口唇疱疹
精神神経系
頭痛、不眠、めまい、感覚減退(しびれ)
脱力感、下肢知覚異常、手指感覚異常、視力障害、視神経炎、視神経障害、下垂手、錯感覚
循環器
不整脈、動悸
浮腫
脈拍数増加
代謝異常
代謝性アシドーシス、膵酵素変化
肝臓
ALT上昇、AST上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、血清アルブミン低下、血清総蛋白減少、ウロビリン尿
黄疸
皮膚
発疹、表皮剥離
皮膚そう痒症
腎臓
高尿酸血症、蛋白尿、高カリウム血症、低ナトリウム血症、クレアチニン上昇
BUN上昇、低カルシウム血症
高リン酸血症
泌尿器
尿中結晶
その他
CRP上昇、疲労、発熱、体重減少
腰痛、筋肉痛、神経痛、味覚異常、倦怠感、多汗、潮紅
疼痛、水痘、悪寒、無力症、インフルエンザ様症状、末梢性浮腫、四肢痛、粘膜障害
日本人の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者(計12例)に本剤30、40及び50mg/m2注3) を1日1回5日間連日経口投与したとき、投与1日目及び5日目の血漿中主代謝物(2F-ara-A)濃度は、30mg/m2の投与5日目の1例を除き、投与1〜2時間後に最高値に達した後、二相性に消失し、最終相半減期は8〜14時間であった。また、投与5日目のAUCは1日目の1.3〜1.4倍に増加した1) 。
最終添加濃度0.2〜5μg/mLでの2F-ara-Aのヒト血漿との蛋白結合率は19.3〜29.4%であり、濃度によらずほぼ一定であった2) 。また、2F-ara-A(最終添加濃度0.285μg/mL)のヒト血清アルブミンとの結合率は9.1%であった3) (in vitro)。
本剤は経口投与後消化管で吸収され、血液中で速やかに2F-ara-Aに代謝される(マウス、イヌ)。
本剤は経口投与後消化管で吸収され、血液中で速やかに2F-ara-Aに代謝された後、2F-ara-Aとして主に尿中に排泄される(マウス、イヌ)。日本人の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者に本剤30、40及び50mg/m2/日注3) を1日1回5日間連日投与したとき、いずれの投与群においても投与5日後までに累積投与量の約33.1〜39.0%が2F-ara-Aとして尿中に排泄された1) 。
腎機能低下患者(米国人癌患者、血清クレアチニン濃度≧1.5mg/dL又はクレアチニンクリアランス<70mL/分)に80〜260mg/m2注3) の用量で単回静脈内投与したとき、血漿中2F-ara-A濃度の全身クリアランスは腎機能の正常な患者に比して低下した4) 。さらに、腎機能低下患者(米国人白血病患者、クレアチニンクリアランス<70mL/分)に5日間連日点滴静注したとき、血漿中2F-ara-A濃度の全身クリアランスとクレアチニンクリアランスには正の相関関係が認められた。また、AUCは、腎機能低下度がより大きい患者では腎機能の正常な患者に比して最大約2倍まで増加した5) 。 ,
治療歴を有する低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者において、総症例52例を対象に、本剤40mg/m2/日を5日間連日単独経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大6クール実施した国内第II相臨床試験での有効性は以下のとおりであった。平均投与クールは4.7クールであった6) 。
評価症例
完全寛解
部分寛解
奏効率(95%信頼区間)
TTFの中央値(95%信頼区間)
Lg-NHL
46例
14例
16例
65%(50-79%)
8.6ヵ月(6.6-12.0ヵ月)
MCL
6例
0例
1例
17%(0-64%)
6.1ヵ月(4.6-8.7ヵ月)
Lg-NHL:低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫MCL:マントル細胞リンパ腫完全寛解:不確定完全寛解を含む、奏効率:部分寛解以上、TTF:治療成功期間
副作用は52例全例にみられ、主な副作用はリンパ球数減少52例(100.0%)、好中球数減少51例(98.1%)、白血球数減少50例(96.2%)、ヘモグロビン減少37例(71.2%)、その他の血液/骨髄毒性37例(71.2%、赤血球輸血1例を含む)、血小板数減少31例(59.6%)、その他の感染28例(53.8%)等であった。
治療歴を有するB-CLL患者78例を対象とした海外第II相臨床試験での有効性は以下のとおりであった。なお、本剤40mg/m2/日を5日間連日経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大8クール実施した。
投与クール最大(平均)
既治療例
78例
26例
51%(40-63%)
8クール(5クール)
奏効率:部分寛解以上[米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)規準による全有効性評価対象例での解析]
主なグレード3以上の有害事象の発現率は、顆粒球数減少53.8%(42/78例)、白血球数減少28.2%(22/78例)、血小板数減少25.6%(20/78例)及びヘモグロビン減少24.4%(19/78例)であった。
未治療のB-CLL患者81例を対象とした海外第II相臨床試験での有効性は以下のとおりであった。なお、本剤40mg/m2/日を5日間連日経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大8クール実施した。
未治療例
81例
10例
55例
80.2%(70-88%)
8クール(5.9クール)
主なグレード3以上の有害事象の発現率は、顆粒球数減少32.1%(26/81例)、白血球数減少18.5%(15/81例)であった。
DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼなどを阻害し、DNA及びRNA合成並びにDNA修復を阻害することにより増殖細胞及び静止細胞のいずれにも抗腫瘍効果を発揮する7),8),9),10),11),12) 。
種々の培養ヒト白血病細胞株を用いた腫瘍選択性試験において、骨髄性白血病細胞に比べ慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病及び成人T細胞白血病・リンパ腫細胞で強い増殖阻害作用を示した13) 。非ホジキンリンパ腫については、患者由来細胞及び株化細胞に対して増殖抑制作用を示し、マントル細胞リンパ腫患者から採取した細胞においてアポトーシス増強作用を示した14),15),16) (in vitro)。マウスL1210白血病細胞又はヒトJOK-1白血病細胞を腹腔内移植したマウスにおいて、静脈内投与(L1210、JOK-1)、経口投与(JOK-1)ともに延命効果を示した17),18),19) (in vivo)。
フルダラビンリン酸エステル(Fludarabine Phosphate)(JAN)
(+)-2-Fluoro-9-(5-O-phosphono-β-D-arabinofuranosyl)-9H-purin-6-amine
C10H13FN5O7P
365.21
本品は白色の結晶性の粉末である。本品はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水又は0.1mol/L塩酸試液に溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
10錠[5錠(PTP)×2]
1) 社内資料:国内第I相試験(2007年1月26日承認、CTD2.5.3.1、2.7.2.2)
2) 社内資料:国内第I相試験(2007年1月26日承認、CTD2.5.3.1、2.7.2.3)
3) Reichelova V, et al.:J Liq Chromatogr. 1995;18:1123-35
4) Malspeis L, et al.:Semin Oncol. 1990;17:18-32
5) 社内資料:腎機能低下患者における海外臨床試験(2007年1月26日承認、CTD2.7.2.2)
6) Tobinai K, et al.:J Clin Oncol. 2006;24:174-80
7) Huang P, et al.:J Biol Chem. 1990;265:16617-25
8) Huang P, et al.:Molecular Pharmacology. 1991;39:449-55
9) Tseng W-C, et al.:Molecular Pharmacology. 1982;21:474-7
10) Sandoval A, et al.:Clin Cancer Res. 1996;2:1731-41
11) Rao V, et al.:Clin Cancer Res. 2003;9:3204-12
12) Yamauchi T, et al.:Clin Cancer Res. 2001;7:3580-9
13) 社内資料:in vitro抗腫瘍効果(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.1)
14) Clodi K, et al.:Br J Haematol. 1998;103:217-9
15) Di Gaetano N, et al.:Br J Haematol. 2001;114:800-9
16) Lathan B, et al.:Eur J Cancer Clin Oncol. 1988;24:1891-5
17) 社内資料:in vivo抗腫瘍効果(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.1)
18) Bai L, et al.:Oncol Rep. 2000;7:33-8
19) 社内資料:in vivo抗腫瘍効果(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.2)
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