当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の対象は、未治療例の場合、原疾患の進展に起因する貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病患者(Rai分類でハイリスク群又はBinet分類でB又はC期)であり、既治療例の場合、少なくとも一種類の標準的なアルキル化剤を含む治療に無効又は進行性の慢性リンパ性白血病患者である。
通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、1日量20mg/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注(約30分)し、23日間休薬する。これを1クールとし、投薬を繰り返す。なお、患者の状態により適宜増減する。
フルダラビンリン酸エステルとして、1日量30mg/m2(体表面積)を6日間連日点滴静注(約30分)する。なお、患者の状態により、投与量及び投与日数は適宜減ずる。
再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。
*他の抗悪性腫瘍剤等との併用において、通常、フルダラビンリン酸エステルとして、1日量30mg/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注(約30分)する。なお、患者の状態により、投与量及び投与日数は適宜減ずる。
クレアチニンクリアランス(mL/分)
投与量(mg/m2)
70
18
50
14
30
12
骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。,,,
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがある。B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うこと。,
投与しないこと。本剤は腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。,
症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。胎児毒性及び催奇形性が報告されている。また、妊娠中に本剤の投与を受けた患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある。,
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
*小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分検討し確認すること。投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること。一般に生理機能が低下している。
ペントスタチン(コホリン),
致命的な肺毒性が発現することがある。
機序は不明
シタラビン
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。
in vivo試験及びin vitro試験において、シタラビンの活性代謝物であるara-CTPの細胞内濃度の上昇が認められている。
他の抗悪性腫瘍剤
ともに骨髄抑制作用を有する。
汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少等があらわれる又は増悪することがある。,,
呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速やかにX線検査を行い、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、失明、末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがある。
初期症状として、側腹部痛、血尿があらわれることがある。この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全を伴うことがある。本剤の治療効果が投与開始後1週間であらわれることがあるので、この合併症の危険性のある患者では予防措置を講じること。
敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスによる肝炎の増悪又は劇症肝炎を認めることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与等適切な処置を行うこと。,,,,
致命的な自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。,,
血尿が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上注2)
0.1~5%未満注2)
頻度不明
呼吸器
咳、喘鳴、呼吸障害、呼吸困難、低酸素(症)
上気道炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、アレルギー性鼻炎
消化器
悪心、嘔吐
便秘、口唇疱疹
食欲不振、下痢、口内炎、胃部不快感、腹痛、消化不良
精神神経系
脱力感
下肢知覚異常、手指感覚異常
視力障害、視神経炎、視神経障害、下垂手、頭痛、不眠、めまい、感覚減退(しびれ)、錯感覚
循環器
不整脈、脈拍数増加
浮腫、動悸
代謝異常
代謝性アシドーシス、膵酵素変化
肝臓
LDH上昇、AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇
黄疸、ALP上昇、γ-GTP上昇、血清総蛋白減少、血清アルブミン低下
ウロビリン尿
皮膚
皮膚そう痒症
発疹、表皮剥離
腎臓
BUN上昇、蛋白尿
クレアチニン上昇
高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、高カリウム血症、低ナトリウム血症
泌尿器
尿中結晶
その他
発熱、疲労
疼痛、水痘、体重減少
悪寒、倦怠感、腰痛、CRP上昇、筋肉痛、神経痛、味覚異常、多汗、潮紅、無力症、インフルエンザ様症状、末梢性浮腫、四肢痛、粘膜障害
日本人の慢性リンパ性白血病(CLL)及び成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)患者に本剤15、20、25mg/m2注3) を1日1回30分点滴静注5日間連日投与したとき、投与1日目の血漿中代謝物(2F-ara-A)濃度は半減期0.6〜0.8時間及び11〜20時間の2相性で消失した。最高血漿中濃度及びAUCは用量依存的に増加した。また、投与5日目のAUCは1日目の約2倍に増加した2) 。
米国人白血病患者に本剤20〜125mg/m2注3) を30分点滴静注したとき、白血病細胞内の活性代謝物(2F-ara-ATP)濃度は投与3.5時間後に最高値を示した後、半減期14〜15時間で消失した3) 。
最終添加濃度0.2〜5μg/mLでの2F-ara-Aのヒト血漿との蛋白結合率は19.3〜29.4%であり、濃度によらずほぼ一定であった4) 。また、2F-ara-A(最終添加濃度0.285μg/mL)のヒト血清アルブミンとの結合率は9.1%であった5) (in vitro)。
本剤は静脈内投与後血液中で速やかに2F-ara-Aに代謝される(マウス、イヌ)。
本剤は静脈内投与後血液中で速やかに2F-ara-Aに代謝され、2F-ara-Aとして主に尿中に排泄される(マウス、イヌ)。日本人のCLL及びATL患者に本剤15、20、25mg/m2注3) を1日1回30分点滴静注5日間連日投与したとき、投与1日後までに投与量の29〜42%が2F-ara-Aとして尿中に排泄された。また、5日間連日投与したとき、2F-ara-Aの尿中排泄率は1日当りの投与量の29〜64%であった2) 。
腎機能低下患者(米国人癌患者、血清クレアチニン濃度≧1.5mg/dL又はクレアチニンクリアランス<70mL/分)に本剤80〜260mg/m2注3) を単回静脈内投与したとき、血漿中2F-ara-A濃度の全身クリアランスは腎機能の正常な患者に比して低下した6) 。さらに、腎機能低下患者(米国人白血病患者、クレアチニンクリアランス<70mL/分)に5日間連日点滴静注したとき、血漿中2F-ara-A濃度の全身クリアランスとクレアチニンクリアランスには正の相関関係が認められた。また、AUCは、腎機能低下度がより大きい患者では腎機能の正常な患者に比して最大約2倍まで増加した7) 。,
総症例26例を対象に本剤20mg/m2/日5日間投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大6クール実施する国内臨床試験が行われた。奏効率(完全寛解及び部分寛解)は40%(10/25例;95%信頼区間:21.1-61.3%)であった。主な副作用は、発熱15.4%(4/26例)、悪心、疲労、脱力感、手指感覚異常が各7.7%(2/26例)であった。
総症例47例を対象に本剤25mg/m2/日注4) 5日間投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとし、奏効後にさらに2クール繰り返して最大10クールを実施する海外臨床試験が行われた。奏効率(完全寛解及び部分寛解)は55.3%(26/47例;90%信頼区間:42.3-67.8%)であった。また、無増悪生存期間(治療開始から増悪が記録された日までの期間)の中央値は10.9ヵ月(95%信頼区間[8.8-19.3ヵ月])であった。主なグレード3以上の有害事象は、白血球減少23.4%(11/47例)、好中球減少21.3%(10/47例)、血小板数減少及び感染が各10.6%(5/47例)であった。
DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼなどを阻害し、DNA及びRNA合成並びにDNA修復を阻害することにより、増殖細胞及び静止細胞のいずれにも抗腫瘍効果を発揮する。また、リンパ球減少に伴う免疫抑制作用を有する8),9),10),11),12),13) 。
種々の培養ヒト白血病細胞株を用いた腫瘍選択性試験において、骨髄性白血病細胞に比べ慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病及び成人T細胞白血病・リンパ腫細胞で強い増殖阻害作用を示した14) 。非ホジキンリンパ腫については、患者由来細胞及び株化細胞に対して増殖抑制作用を示し、マントル細胞リンパ腫患者から採取した細胞においてアポトーシス増強作用を示した15),16),17) (in vitro)。マウスL1210白血病細胞又はヒトJOK-1白血病細胞を腹腔内移植したマウスにおいて、静脈内投与(L1210、JOK-1)、経口投与(JOK-1)ともに延命効果を示した18),19),20) (in vivo)。
フルダラビンリン酸エステル(Fludarabine Phosphate)(JAN)
(+)-2-Fluoro-9-(5-O-phosphono-β-D-arabinofuranosyl)-9H-purin-6-amine
C10H13FN5O7P
365.21
本品は白色の結晶性の粉末である。本品はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水又は0.1mol/L塩酸試液に溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
1バイアル
1) *医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:フルダラビンリン酸エステル(再発又は難治性の急性骨髄性白血病)
2) 有馬直道 他:癌と化学療法. 1999;26:619-29
3) Danhauser L, et al.:Cancer Chemother Pharmacol. 1986;18(2):145-52
4) 社内資料:国内第I相試験(2007年1月26日承認、CTD2.5.3.1、2.7.2.3)
5) Reichelova V, et al.:J Liq Chromatogr. 1995;18:1123-35
6) Malspeis L, et al.:Semin Oncol. 1990;17:18-32
7) 社内資料:腎機能低下患者における試験(1999年9月29日承認、申請資料概要へ-3.4)
8) Huang P, et al.:J Biol Chem. 1990;265:16617-25
9) Huang P, et al.:Molecular Pharmacology. 1991;39:449-55
10) Tseng W-C, et al.:Molecular Pharmacology. 1982;21:474-7
11) Sandoval A, et al.:Clin Cancer Res. 1996;2:1731-41
12) Rao V, et al.:Clin Cancer Res. 2003;9:3204-12
13) Yamauchi T, et al.:Clin Cancer Res. 2001;7:3580-9
14) 社内資料:in vitro抗腫瘍効果(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.1)
15) Clodi K, et al.:Br J Haematol. 1998;103:217-9
16) Di Gaetano N, et al.:Br J Haematol. 2001;114:800-9
17) Lathan B, et al.:Eur J Cancer Clin Oncol. 1988;24:1891-5
18) 社内資料:in vivo抗腫瘍効果(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.1)
19) Bai L, et al.:Oncol Rep. 2000;7:33-8
20) 社内資料:in vivo抗腫瘍効果(2007年1月26日承認、CTD2.6.2.2)
サノフィ株式会社コールセンター くすり相談室
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
フリーダイヤル 0120-109-905
サノフィ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.