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劇薬
処方箋医薬品注)
根治切除不能な甲状腺髄様癌
通常、成人にはバンデタニブとして1回300mgを1日1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
休薬・減量基準
投与量調節
QT間隔延長
500msecを超えるQTcB
QTcBが480msec以下に軽快するまで本剤を休薬し、再開する場合には休薬前の投与量から減量すること。本剤を休薬し、6週間以内に480msec以下に軽快しない場合には、本剤の投与を中止すること。
その他の副作用
グレード3以上
回復又はグレード1に軽快するまで本剤を休薬し、再開する場合には休薬前の投与量から減量すること。
グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)ver.4に準じる。
間質性肺疾患が増悪又は発現するおそれがある。,,
QT間隔延長が起こるおそれがある。,,,,
症状が増悪するおそれがある。,
高血圧が増悪するおそれがある。,
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児死亡、胎児発育遅延、心血管系の奇形等が報告されている。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下していることが多い。
QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがあるので、QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤と併用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
CYP3A誘導剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、左記薬剤のようなCYP3A誘導剤との併用で、本剤の代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。
OCT2基質との併用により、OCT2基質の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
本剤はOCT2の阻害剤であるため、OCT2基質との併用によりOCT2基質の血漿中濃度が増加する可能性がある。
P-糖蛋白基質との併用により、P-糖蛋白基質の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
本剤はP-糖蛋白の阻害剤であることから、本剤とP-糖蛋白基質との併用によりP-糖蛋白基質の血漿中濃度が増加する可能性がある。
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群等)があらわれることがある。,,
,,,,,
頻脈性不整脈(心房細動、頻脈等)、心不全等の心障害があらわれることがある。,
脱水、電解質異常等の異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。
光線過敏反応、発疹、皮膚潰瘍等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
高血圧(27.3%)、血圧上昇(1.2%)、高血圧クリーゼ(1.2%)等があらわれることがある。必要に応じて降圧剤の投与等を行うとともに、重症、持続性又は通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合には本剤の休薬を行うこと。また、高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
痙攣、頭痛、視覚障害、錯乱、皮質盲等が認められた場合には投与を中止し、血圧のコントロール等の適切な処置を行うこと。
腎不全(0.4%)、蛋白尿(9.8%)等があらわれることがある。
異常が認められた場合には、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
ALT増加(3.3%)、AST増加(3.7%)、血中ビリルビン増加(頻度不明)等があらわれることがある。
鼻出血(4.9%)、血尿(0.4%)、くも膜下出血(頻度不明)等があらわれることがある。
小腸穿孔(0.4%)等があらわれることがある。
*大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある1) 。
10%以上
1~10%未満
1%未満
皮膚
皮膚症状(発疹、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚炎、そう痒症等)
手掌・足底発赤知覚不全症候群、脱毛症、爪の障害
長睫毛症、擦過傷、メラノサイト性母斑、毛髪成長異常、毛質異常、多汗症、寝汗
消化器
下痢、悪心、食欲減退
消化不良、嘔吐、腹痛、便秘、嚥下障害、口内炎、口内乾燥
膵炎、腹部膨満、唾液欠乏、放屁、胃腸音異常
呼吸器
咳嗽、呼吸困難、発声障害
鼻乾燥
筋・骨格系
無力症、関節炎、筋骨格系胸痛、筋痙縮
筋力低下
血液
ヘモグロビン増加、リンパ球減少症
貧血
内分泌
甲状腺機能低下症
精神神経系
頭痛、睡眠障害(不眠症、嗜眠等)、うつ病、味覚異常、聴力低下、ニューロパチー、めまい、錯感覚、振戦、神経過敏、注意力障害、不安、性欲減退
口の感覚鈍麻、知覚過敏、感覚鈍麻
眼
角膜混濁
結膜炎、眼乾燥、視力障害、霧視
眼の障害、眼瞼浮腫、緑内障、羞明、光視症、マイボーム腺機能不全
その他
疲労
体重減少、脱水、体重増加、疼痛、ほてり、潮紅、全身健康状態低下、低カリウム血症、低マグネシウム血症、尿意切迫、発熱、浮腫
虚血性脳血管障害、狭心症、治癒不良、粘膜の炎症、低ナトリウム血症、意識消失、頻尿、末梢冷感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
ラット反復投与毒性試験において、ヒトにおける曝露量よりも低い曝露量で、肺、肝臓、腎臓、脾臓等にリン脂質症に関連する所見(ミエリンの渦状形成による細胞質の空胞化)が認められた。
日本人固形癌患者18例において本剤100、200、300及び400mg注4)を単回経口投与したとき、最高血漿中濃度は投与4~6時間後に認められ、その後、血漿中濃度は2相性の消失を示した。Cmax及びAUC0-∞は100~400mgの用量範囲で、ほぼ用量に比例して増加した2)。
用量注4)(mg/日)
症例数
Cmax(ng/mL)
tmax注1)(h)
AUC0-∞(μg・h/mL)
t1/2(h)
100
3
103±42.0
6
10.1±3.53
115±46.0
200
186±91.6
4
16.8±6.94
101±14.1
300
392±198
5
29.4±11.8
90.2±13.7
400
447±240
32.1±4.66
114±44.7
日本人固形癌患者において本剤100、200、300及び400mg注4)を1日1回28日間反復経口投与したとき、血漿中バンデタニブ濃度は投与開始後28日以降に定常状態に到達すると考えられた2)。
tmax注2)(h)
AUC0-24(μg・h/mL)
累積係数注3)
1200±583
20.5±5.00
14.2±1.8
922±259
18.3±5.71
6.2±1.9
1580±302
29.9±4.60
5.3±1.2
1
2050
44.6
6.5
健康被験者16例を対象に、本剤300mgを食後に投与したとき、本剤のAUCには食事による影響は認められなかった。本剤のCmaxには、空腹時投与に比べ、食後投与で僅かな(11%)減少が認められた3)(外国人データ)。
本薬はヒト血清アルブミン及びヒトα1-酸性糖蛋白に結合し、蛋白結合率は約90%である4)(in vitro)。
健康男性被験者4例に14C標識バンデタニブ800mgを単回経口投与したとき、血漿、尿及び糞中に、バンデタニブのN-オキシド体及びN-脱メチル体が検出された。尿及び糞中には少量のグルクロン酸抱合体も認められた3)(外国人データ)。N-脱メチル体は主にCYP3A4により生成し、N-オキシド体はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)により生成した5),6)(in vitro)。
健康男性被験者4例に14C標識バンデタニブ800mgを単回経口投与したとき、投与後21日までの総放射能排泄率は約69%であった。糞及び尿中にはそれぞれ投与した放射能の約44%及び25%が排泄された3)(外国人データ)。
クレアチニンクリアランス(CrCL)に基づく軽度(CrCL:50mL/min以上80mL/min以下)、中等度(CrCL:30mL/min以上50mL/min未満)及び重度(CrCL:30mL/min未満)の腎機能障害者、並びに健康被験者(CrCL:80mL/min超)の計32例を対象に、本剤800mg注4)を単回経口投与した。軽度、中等度及び重度腎機能障害者では、腎機能が正常な健康被験者に比べ、バンデタニブのAUCはそれぞれ46%(軽度)、62%(中等度)及び79%(重度)と高値を示した。一方、バンデタニブのCmaxは軽度、中等度及び重度腎機能障害者では、腎機能が正常な健康被験者に比べ、それぞれ7%(軽度)、9%(中等度)及び11%(重度)高値を示したが、明らかな差異は認められなかった7)(外国人データ)。
軽度(Child-Pugh分類A)、中等度(Child-Pugh分類B)及び重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害者並びに健康被験者の計30例に、本剤800mg注4)を単回経口投与した。バンデタニブのAUCには、健康被験者といずれの肝機能障害者との間で差は認められなかった。一方、バンデタニブのCmaxには、健康被験者と軽度あるいは中等度肝機能障害者の間に差は認められなかったものの、健康被験者に比べ、重度肝機能障害者ではCmaxは29%低かった8)(外国人データ)。
健康被験者16例を対象に、バンデタニブ300mg及びリファンピシン600mg/日を併用投与したとき、バンデタニブ単独投与に比べ、バンデタニブのAUCは40%減少した。バンデタニブのCmaxには、リファンピシン併用による影響は認められなかった9)(外国人データ)。
健康被験者14例を対象に、メトホルミン1000mg及びバンデタニブ800mg注4)を併用投与したとき、メトホルミン単独投与に比べ、メトホルミンのAUC及びCmaxはそれぞれ74%及び50%増加し、メトホルミンの腎クリアランスは52%減少した10)(外国人データ)。
健康被験者14例を対象に、ジゴキシン0.25mg及びバンデタニブ300mgを併用投与したとき、ジゴキシン単独投与に比べ、ジゴキシンのAUC及びCmaxはそれぞれ23%及び29%増加した10)(外国人データ)。
健康被験者15例を対象に、バンデタニブ300mg及びイトラコナゾール200mg/日を併用投与したとき、バンデタニブ単独投与時に比べ、バンデタニブのAUCは9%増加した。バンデタニブのCmaxには、イトラコナゾール併用による影響は認められなかった9)(外国人データ)。
健康被験者17例を対象に、バンデタニブ800mg注4)及びミダゾラム7.5mgを併用投与したとき、バンデタニブはミダゾラムの曝露量に影響を及ぼさなかった10)(外国人データ)。
CYP1A2及び2C9に対するバンデタニブの誘導作用を評価した結果、バンデタニブはCYP1A2及び2C9を誘導することが示された(in vitro)。CYP1A2及びCYP2C9に対する誘導作用は、陽性対照で認められた誘導作用のそれぞれ28%及び38%(いずれも最大値)である11)。
バンデタニブはBCRPを若干阻害する(IC50値:11.9μg/mL)ことが示された12)(in vitro)。
根治切除不能な甲状腺髄様癌の日本人患者14例を対象として、本剤300mg/日注5)の安全性及び忍容性を検討する非盲検による第1/2相試験を実施した。有効性解析対象集団13例における客観的奏効率は38.5%(5/13例)であった。副作用は100%(14例全例)に認められ、主な副作用は、下痢71.4%(10例)、高血圧64.3%(9例)及び発疹42.9%(6例)であった13)。
根治切除不能な甲状腺髄様癌患者(本剤群231例、プラセボ群100例)を対象として、本剤300mg/日の有効性及び安全性をプラセボと比較する二重盲検無作為化比較第3相試験を実施した。主要評価項目である画像中央判定に基づく無増悪生存期間の最終解析結果(中央値[95%信頼区間])は、本剤群でNE注6)[24.9~NE]カ月、プラセボ群で19.3[15.1~NE]カ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.46、95%信頼区間0.31~0.69、p=0.0001[ログランク検定]、2009年7月31日データカットオフ)。副作用は本剤群96.1%(222/231例)に認められ、主な副作用は、下痢46.8%(108例)、発疹42.4%(98例)、高血圧24.7%(57例)、悪心23.4%(54例)、ざ瘡18.6%(43例)及び疲労18.6%(43例)であった14),15)。
健康被験者24例を対象に、バンデタニブ700mg注7)を単独投与したときQT間隔の延長(11.4ms)が認められた。また、バンデタニブと5HT3拮抗薬であるオンダンセトロン32mgを併用投与したとき、バンデタニブ単独投与に比べてさらにQT間隔が延長(10.8ms)することが示された16)(外国人データ)。
RET遺伝子変異を有するヒト甲状腺髄様癌由来TT及びMZ-CRC-1細胞株(それぞれC634W及びM918T変異)の増殖を抑制した17)。
TT細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて腫瘍増殖を抑制した17)。
バンデタニブ(Vandetanib)(JAN)
N- (4-bromo-2-fluorophenyl) -6-methoxy-7- [(1-methylpiperidin-4-yl) methoxy] quinazolin-4-amine
C22H24BrFN4O2
475.35
本品は白色の粉末である。
50錠[10錠(PTP)×5]
1) *NDBを用いた調査結果の概要(VEGF/VEGFR阻害作用を有する薬剤の動脈解離に関するリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000266521.pdf
2) Tamura T, et al.:J Thorac Oncol. 2006;1(9):1002-9
3) Martin P, et al.:Clin Ther. 2012;34(1):221-37
4) 社内資料:血漿蛋白結合率、2000(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:チトクロームP450による代謝、2004(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2)
6) 社内資料:フラビン含有モノオキシゲナーゼによる代謝、2004(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2)
7) 社内資料:腎機能障害者における薬物動態試験、2009(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.3)
8) 社内資料:肝機能障害者における薬物動態試験、2009(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.3)
9) Martin P, et al.:Drugs R D. 2011;11(1):37-51
10) Johansson S, et al.:Clin Pharmacokinet. 2014;53:837-47
11) 社内資料:チトクロームP450に及ぼす本薬の酵素誘導作用、2007(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.3)
12) 社内資料:各種トランスポーターに及ぼす本薬の阻害作用、2008(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.2)
13) 社内資料:甲状腺髄様癌患者を対象とした国内第1/2相臨床試験(2015年9月28日承認、CTD2.7.6.2)
14) Wells SA, et al.:J Clin Oncol. 2012;30(2):134-41
15) 社内資料:甲状腺髄様癌患者を対象とした海外第3相臨床試験(2015年9月28日承認、CTD2.7.6.2)
16) 社内資料:本薬及びオンダンセトロンによる心筋の再分極に対する薬力学的作用、2004(2015年9月28日承認、CTD2.7.2.3)
17) Vitagliano D, et al.:Endocrine-Related Cancer. 2011;18:1-11
18) Brave SR, et al.:Int J Oncol. 2011;39:271-8
19) Wedge SR, et al.:Cancer Res. 2002;62:4645-55
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