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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート及びフルオロウラシルとの併用において、通常、成人には2週間に1回、アフリベルセプト ベータ(遺伝子組換え)として1回4mg/kg(体重)を60分かけて点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に本剤を休薬・減量・中止すること。
1,500/mm3以上に回復するまで休薬する。,
75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
程度
処置
Grade2の場合
投与を継続し、降圧剤による治療を行う。
Grade3の場合
150/100mmHg(高血圧を合併する場合は収縮期血圧180mmHg)以下に回復するまで休薬し、降圧剤による治療を行う。
Grade4又は高血圧に伴う臓器障害が認められた場合
投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE ver.3.0に準じる。
,,
今回の投与
今回投与後の尿蛋白量(最高値)
次回の投与(投与直近値で判断)
次々回の投与(投与直近値で判断)
1<UPCR≦2で、血尿が認められない場合
投与を継続する。
<3.5g/日
≦2g/日:投与を継続する。
>2g/日:休薬する。
≦2g/日:2mg/kgに減量する。
>2g/日:投与を中止する。
≧3.5g/日
>2g/日かつ≦3.5g/日:休薬する。
>3.5g/日:投与を中止する。
休薬する。
-
2mg/kgに減量しても再発した場合
ネフローゼ症候群血栓性微小血管症
投与前の尿中蛋白/クレアチニン比(UPCR)に基づき、上の表を参考に対応する。UPCRが1を超える場合、次回は1日尿蛋白量に基づき判断する。
軽度及び中等度
直ちに投与を中断し、回復した場合、投与を再開する。
重度
直ちに投与を中止する。
消化管穿孔があらわれるおそれがある。,
出血が増強されるおそれがある。,
出血があらわれるおそれがある。,
高血圧が悪化するおそれがある。,,
心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症等があらわれるおそれがある。
創傷治癒遅延による合併症があらわれるおそれがある。,
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギ胚胎児試験において、AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量から催奇形性及び胎児毒性が認められている1)。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。また、非臨床試験等のデータがなく、ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高齢者では下痢及び脱水の発現について十分に観察を行うこと。海外臨床試験において、65歳未満の患者と比較し、65歳以上の患者では下痢、浮動性めまい、無力症、体重減少及び脱水の発現率が高かった。
抗凝固剤
ヘパリン
ワルファリン等
出血があらわれるおそれがある。
出血リスクを増強させるおそれがある。
消化管出血(6.2%)、血尿(0.7%)、術後出血(頻度不明)、鼻出血(25.7%)、頭蓋内出血(頻度不明)、肺出血(頻度不明)、喀血(0.9%)等があらわれることがあり、死亡に至る例も報告されている。,,
死亡に至る例も報告されている。,
,
気管支痙攣、呼吸困難、血管浮腫及びアナフィラキシー等のinfusion reactionがあらわれることがある。
創離開、縫合不全(いずれも頻度不明)等の創傷治癒遅延による合併症があらわれることがあるので、創傷治癒遅延による合併症が認められた場合には創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣発作、頭痛、精神状態変化、視覚障害等)があらわれることがある。
**一過性脳虚血発作(0.3%)、脳卒中(0.1%)、狭心症(0.3%)、心臓内血栓(0.1%)、心筋梗塞(0.1%)、動脈塞栓症(0.1%)等があらわれることがある。
深部静脈血栓症(2.1%)、肺塞栓症(3.6%)等があらわれることがある。
破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
*大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある2) 。
5%以上
5%未満
頻度不明
血液
血小板減少症、白血球減少症
神経系障害
頭痛
呼吸器
発声障害
口腔咽頭痛、鼻漏
消化器
上腹部痛、食欲減退、下痢、口内炎、腹痛
アフタ性口内炎、肛門周囲痛、歯痛、虚血性大腸炎、痔核
皮膚
手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚色素過剰
泌尿器
血清クレアチニン上昇
肝臓
AST上昇、ALT上昇
心臓
心不全
駆出率低下
感染症
上気道感染、肺炎、カテーテル留置部位感染、歯感染、尿路感染、鼻咽頭炎
その他
無力症、脱水、体重減少、疲労
顎骨壊死
調製前にバイアル内を目視検査し、溶液に変色あるいは微粒子が認められた場合は使用しないこと。
海外臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
*サルを用いた6ヵ月間反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量の約1.3倍に相当する用量から、椎骨(頸椎、胸椎及び腰椎)等の骨軟骨性外骨腫が認められるとともに、雌雄の受胎能に影響を及ぼす可能性が示唆された3),4) 。
日本人患者にFOLFIRIとの併用で本剤2及び4mg/kgを点滴静注で単回投与したとき注9)の遊離形の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す5)。
2mg/kg(n=3)
4mg/kg(n=13)
Cmax(μg/mL)
40.5(18)
69.7(28)
tmax注7)(day)
0.0868(0.084, 0.0882)
0.0833(0.0382, 0.170)
AUC(14days)(μg・day/mL)
139(17)
251(36)
t1/2(day)
4.81(28)
5.54(14)注8)
Vss(L)
4.38(17)
4.68(20)注8)
CL(L/day)
0.713(24)
0.655(19)注8)
幾何平均(CV%)
FOLFIRIとの併用で本剤4mg/kgを反復投与したとき、遊離形アフリベルセプト ベータのトラフ濃度は5サイクルで定常状態(18.4μg/mL)に達した。母集団薬物動態解析に基づくと、本剤4mg/kgを2週に1回反復投与したとき、初回投与時に対する定常状態のAUCの比は1.2と推定された6)(外国人データ)。
ラットに125I標識-アフリベルセプト ベータ1mg/kgを単回静脈内投与したところ、大部分の放射能が循環血中に限定された。組織内放射能は肝臓(11.4%)、腎臓(1.33%)、脾臓(0.42%)、肺(0.34%)、及び心臓(0.19%)の順であり、組織内に著しく蓄積する可能性は低いことが示唆された7)。
腎摘出雌ラット及びシャムオペ雌ラットにアフリベルセプト ベータ1mg/kgを単回静脈内投与した結果、アフリベルセプト ベータの腎排泄はわずかであることが示唆された8)。
オキサリプラチンを含む化学療法歴を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者62例を対象に、非盲検下でイリノテカン塩酸塩水和物・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(FOLFIRI注10))と本剤4mg/kgを併用投与した。その結果、主要評価項目である標的病変を有する患者集団における奏効率は8.3%(5/60例)[95%信頼区間:1.3-15.3]であった。安全性評価対象例62例中62例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は好中球減少症48例(77.4%)、食欲減退46例(74.2%)、下痢42例(67.7%)、疲労38例(61.3%)、悪心36例(58.1%)等であった9)。
オキサリプラチンを含む化学療法歴を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者1,226例を対象に二重盲検比較試験を実施し、FOLFIRI注10)と本剤4mg/kg又はプラセボを併用投与した。その結果、主要評価項目である全生存期間の中央値は本剤/FOLFIRI群で13.5ヵ月[95%信頼区間:12.5-14.9]、プラセボ/FOLFIRI群で12.1ヵ月[95%信頼区間:11.1-13.1]であり、本剤/FOLFIRI群で全生存期間の有意な延長が認められた(ハザード比0.817、95.34%信頼区間:0.713-0.937、p値=0.0032、層別ログランク検定)。
安全性評価対象例611例中584例(95.6%)に副作用が認められた。主な副作用は下痢383例(62.7%)、悪心295例(48.3%)、口内炎286例(46.8%)、疲労254例(41.6%)、好中球減少症239例(39.1%)等であった10),11)。
アフリベルセプト ベータは、ヒト血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1の第2免疫グロブリン(Ig)様C2ドメイン及びヒトVEGFR2の第3Ig様C2ドメインを、ヒトIgG1のFcドメインに融合した組換えタンパク質であり、血管内皮増殖因子(VEGF)-A、VEGF-B及びVEGFファミリーに属する胎盤増殖因子(PlGF)とVEGFRとの結合を阻害することにより、腫瘍における血管新生を阻害し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる12)。
ヒト結腸・直腸癌由来HT-29、COLO 205及びHCT 116細胞株を皮下移植したマウスにおいて、アフリベルセプト ベータは腫瘍増殖抑制作用を示した13)。
アフリベルセプト ベータ(遺伝子組換え)Aflibercept Beta(Genetical Recombination)
アフリベルセプト ベータは、遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1~104番目はヒト血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1の第2免疫グロブリン(Ig)様C2ドメイン、105~205番目はヒトVEGFR2の第3 Ig様C2ドメイン、また206~432番目はヒトIgG1のFcドメインからなる。アフリベルセプト ベータは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。アフリベルセプト ベータは、432個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約115,000)である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
4mL×1バイアル
8mL×1バイアル
1) 社内資料:ウサギ胚・胎児発生に関する試験(2017年3月30日承認、CTD2.6.6.6)
2) *NDBを用いた調査結果の概要(VEGF/VEGFR阻害作用を有する薬剤の動脈解離に関するリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000266521.pdf
3) 社内資料:サル反復投与毒性試験(2017年3月30日承認、CTD2.6.6.3)
4) 社内資料:カニクイザル受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験(2017年3月30日承認、CTD2.6.6.6)
5) Yoshino T, et al.:Invest New Drugs. 2013;31(4):910-7
6) 社内資料:母集団薬物動態解析(外国人データ)(2017年3月30日承認、CTD2.7.2.3)
7) 社内資料:ラットに静脈内投与後のアフリベルセプト ベータの分布(2017年3月30日承認、CTD2.6.4.4)
8) 社内資料:ラットに静脈内投与後のアフリベルセプト ベータの腎排泄(2017年3月30日承認、CTD2.6.4.6)
9) 社内資料:国内第2相臨床試験(2017年3月30日承認、CTD2.7.6.2)
10) Van Cutsem E, et al.:J Clin Oncol. 2012;30(28):3499-506
11) 社内資料:海外第3相試験(2017年3月30日承認、CTD2.7.6.2)
12) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(作用機序)(2017年3月30日承認、CTD2.6.2.1)
13) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(薬理作用)(2017年3月30日承認、CTD2.6.2.2)
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