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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
**多発性骨髄腫
**,*臨床試験に組み入れられた患者の状態等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。また、再発又は難治性の多発性骨髄腫の場合、デキサメタゾンとの併用による投与及び本剤単独投与については、他の治療の実施についても慎重に検討すること。,,,,
**,*他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法又はB法の投与間隔で点滴静注する。デキサメタゾンのみとの併用投与又は単独投与の場合(再発又は難治性の場合に限る)、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回20mg/kgを、以下のA法の投与間隔で点滴静注する。A法:1週間間隔、2週間間隔の順で投与する。B法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
投与時期
投与速度(mL/時)
初回投与*1
2回目投与*2
3回目投与以降
希釈液量
250mL
250mL×2
投与開始0~30分
25
50
200
投与開始30~60分
100
投与開始60~90分
投与開始90~120分
75
−
投与開始120~150分
投与開始150~180分
125
投与開始180分以降
150
*1:静脈内投与60分後までにInfusion reactionが認められなかった場合、以降は30分ごとに25mL/時ずつ、最大150mL/時まで投与速度を上げることができる、*2:静脈内投与30分後までにGrade 2のInfusion reactionが認められなかった場合、100mL/時に投与速度を上げ、さらに30分後には200mL/時に投与速度を上げることができる。
Grade 1注1)以下に回復するまで休薬すること。回復後、投与開始速度の半分の投与速度(初回投与では12.5mL/時、2回目投与では25mL/時、3回目投与以降は100mL/時)で患者の状態を観察しながら、投与を再開することができる。投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合には、以下の表に従って投与速度を上げることができる。
3回目投与以降*3
投与再開0~30分
12.5
投与再開30~60分
投与再開60分以降
50~150
100~200
*1:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、25mL/時に投与速度を上げ、以降は30分ごとに25mL/時ずつ、最大150mL/時まで投与速度を上げることができる、*2:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、50mL/時に投与速度を上げ、以降は30分ごとに50mL/時ずつ、最大200mL/時まで投与速度を上げることができる、*3:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、150mL/時に投与速度を上げ、さらに30分後には200mL/時に投与速度を上げることができる。
本剤の投与を中止し、本剤を再投与しないこと。
**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られている。また、CD38遺伝子欠損マウスで免疫系及び骨に対する影響が報告されており、本剤の妊娠中の曝露により胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
**,*アナフィラキシー、呼吸困難、咳嗽、悪寒、気管支痙攣、鼻閉、高血圧、嘔吐、悪心等のInfusion reaction(35.4%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められている。異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。,
**,*好中球減少症(21.3%)、血小板減少症(8.0%)、発熱性好中球減少症(2.9%)、貧血(3.0%)、リンパ球減少症(0.4%)等の骨髄抑制があらわれることがある。,
**,*肺炎(12.4%)、敗血症(1.4%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
10%以上
10%未満5%以上
5%未満
*精神障害
不眠症
**,*神経系障害
末梢性感覚ニューロパチー
*血管障害
高血圧
*呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難
咳嗽
**,*胃腸障害
下痢便秘
悪心
嘔吐
*筋骨格系および結合組織障害
背部痛
**,*一般・全身障害および投与部位の状態
疲労
末梢性浮腫無力症
**眼障害
白内障
**感染症および寄生虫症
気管支炎上気道感染
COVID-19感染
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、本剤10mg/kg又は20mg/kgを単剤で週1回4週間反復静脈内投与した後、2週に1回反復静脈内投与したときの初回投与後の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。
投与量
10mg/kg
20mg/kg
例数
3
4
Cmax(μg/mL)
124±22.9
280±64.4
AUC1W(μg・h/mL)
9300±3010
21300±5520
**,*再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、28日間を1サイクルとして本剤5~20mg/kg注2)をポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復静脈内投与した後、2週に1回反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。また、未治療の多発性骨髄腫患者に、42日間を1サイクルとして本剤10mg/kgをボルテゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用で最初のサイクルは5回(1、8、15、22、29日目)、2~4サイクルは2週間間隔(1、15、29日目)で反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
初回投与後(サイクル1、1日目)
5mg/kg
5
18
6
91.3±19.8
141±18.8
297±16.7
AUC注3)(μg・h/mL)
6100±2840
12800±2430注4)
27000±5620
Ctrough注3)(μg/mL)
17.2±14.6
43.1±15.3注4)
110±41.1
7回目投与後(サイクル3、1日目)
24
167±34.5
403±163
648±246
30900±10900
71000±34600注5)
156000±91000注7)
60.1±39.8
154±94.6注6)
308±240注7)
32
179±61.6
14300±4460注8)
9回目投与後(サイクル3、1日目)
28
401±115
86100±32600注9)
母集団薬物動態解析に基づき、本薬10mg/kgをポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復静脈内投与した後、2週に1回反復静脈内投与したときの、最高血漿中濃度及び血漿中トラフ濃度に基づく蓄積係数は、それぞれ1.8及び3.1と推定された5)。また、母集団薬物動態解析に基づき、定常状態における半減期は28日と推定された5)。
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注10)307例(日本人患者13例を含む)を対象に、ポマリドミド注11)及びデキサメタゾン注12)の併用療法(Pd療法)とPd療法に本剤注13)を上乗せしたIsaPd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaPd群では11.5ヵ月(95%信頼区間:8.9~13.9)、Pd群では6.5ヵ月(95%信頼区間:4.5~8.3)であり、IsaPd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.44~0.81、p=0.001[層別log-rank検定]、2018年10月11日データカットオフ)6)。
IsaPd群152例中138例(90.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少66例(43.4%)、Infusion reaction 57例(37.5%)、上気道感染30例(19.7%)、肺炎23例(15.1%)、下痢17例(11.2%)、血小板減少17例(11.2%)、発熱性好中球減少16例(10.5%)、気管支炎13例(8.6%)、悪心10例(6.6%)、呼吸困難8例(5.3%)、嘔吐6例(3.9%)、貧血5例(3.3%)等であった。,
*1~3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注14) 302例(日本人患者19例を含む)を対象に、カルフィルゾミブ注15) 及びデキサメタゾン注16) の併用療法(Cd療法)とCd療法に本剤注17) を上乗せしたIsaCd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaCd群では到達せず、Cd群では19.2ヵ月(95%信頼区間:15.8~推定不能)であり、IsaCd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.53、99%信頼区間:0.32~0.89、p=0.0013[層別log-rank検定]、2020年2月7日データカットオフ)7) 。
IsaCd群177例中153例(86.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction 79例(44.6%)、高血圧42例(23.7%)、疲労38例(21.5%)、不眠症36例(20.3%)、呼吸困難33例(18.6%)、下痢24例(13.6%)、肺炎21例(11.9%)、上気道感染20例(11.3%)、気管支炎15例(8.5%)、嘔吐10例(5.6%)、好中球減少9例(5.1%)、咳嗽5例(2.8%)、血小板減少5例(2.8%)、貧血4例(2.3%)、背部痛2例(1.1%)等であった。,
*第2相パートのステージ2において、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注18) 164例を対象に、本剤注19) 及びデキサメタゾン注20) 併用療法、並びに本剤単独療法注19) の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照試験を実施した。主要評価項目である奏効率注21) は、本剤及びデキサメタゾン併用群では43.6%(95%信頼区間:30.3~57.7%)(24/55例)、本剤単独群では23.9%(95%信頼区間:16.2~33.0%)(26/109例)であった(2019年1月21日データカットオフ)8) 。本剤及びデキサメタゾン併用群55例中41例(74.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction 22例(40.0%)、不眠症12例(21.8%)、呼吸困難6例(10.9%)、咳嗽6例(10.9%)、悪心6例(10.9%)、消化不良4例(7.3%)、肺炎3例(5.5%)、高血糖3例(5.5%)、頭痛3例(5.5%)、咽喉刺激感3例(5.5%)、嘔吐3例(5.5%)等であった。本剤単独群109例中67例(61.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction 44例(40.4%)、呼吸困難14例(12.8%)、咳嗽12例(11.0%)、悪心11例(10.1%)、疲労8例(7.3%)、頭痛8例(7.3%)、嘔吐7例(6.4%)等であった。,
*日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注22) 36例を対象に、本剤単独療法注23) の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照試験を実施した。本剤20mg/kgが投与された33例において、主要評価項目である奏効率注24) は、36.4%(95%信頼区間:20.4~54.9%)であった(2019年12月10日データカットオフ)9) 。本剤20mg/kgが投与された33例中19例(57.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction 13例(39.4%)、肺炎2例(6.1%)、背部痛2例(6.1%)、血小板減少2例(6.1%)、白血球減少2例(6.1%)等であった。
**自家造血幹細胞移植が適応とならない注25) 未治療の多発性骨髄腫患者446例(日本人患者25例を含む)を対象に、ボルテゾミブ注26) 、レナリドミド注27) 、及びデキサメタゾン注28) の併用療法(BLd療法)とBLd療法に本剤注29) を上乗せしたIsaBLd療法を、それぞれ2:3の割合で割付け、比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値はIsaBLd群では到達せず、BLd群では54.34ヵ月(95%信頼区間:45.207~推定不能)であり、IsaBLd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.596、98.5154%信頼区間:0.406~0.876、p=0.0005[層別log-rank検定]、2023年9月26日データカットオフ)10) 。
IsaBLd群263例中257例(97.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパチー142例(54.0%)、下痢96例(36.5%)、好中球減少症80例(30.4%)、疲労65例(24.7%)、便秘62例(23.6%)、Infusion reaction 61例(23.2%)、白内障55例(20.9%)、不眠症44例(16.7%)、無力症38例(14.4%)、肺炎37例(14.1%)、血小板減少症36例(13.7%)、末梢性浮腫36例(13.7%)、上気道感染33例(12.5%)、気管支炎21例(8.0%)、貧血12例(4.6%)、背部痛4例(1.5%)、COVID-19感染1例(0.4%)等であった。,
イサツキシマブは、ヒトCD38に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性並びにアポトーシスを誘導すること等により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている11),12)。
イサツキシマブは、ヒト多発性骨髄腫由来MOLP-8細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した11),12)。
イサツキシマブ(遺伝子組換え)Isatuximab (Genetical Recombination)
約148,000
遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトCD38抗体の可変部及びヒトIgG1定常部からなる。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。450個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
5mL×1バイアル
25mL×1バイアル
1) Cockayne D A, et al.:Blood. 1998;92(4):1324-33
2) Sun L, et al.:FASEB J. 2003;17(3):369-75
3) 社内資料:国内第1/2相試験(TED14095)(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2)
4) 社内資料:海外第1b相試験(TCD14079パートA)(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:母集団薬物動態解析(POH0503)(2020年6月29日承認、CTD2.7.2.2)
6) 社内資料:国際共同第3相試験(EFC14335/ICARIA-MM)(2020年6月29日承認、CTD2.7.6.2)
7) *社内資料:国際共同第3相試験(EFC15246/IKEMA)(2021年11月25日承認、CTD2.7.6.2)
8) *社内資料:海外第1/2相試験(TED10893)(2021年11月25日承認、CTD2.7.6.2)
9) *社内資料:国内第1/2相試験(TED14095)(2021年11月25日承認、CTD2.7.6.2)
10) **社内資料:国際共同第3相試験(EFC12522/IMROZ)(2025年2月20日承認、CTD2.7.6.2)
11) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(2020年6月29日承認、CTD2.6.2)
12) Deckert J, et al.:Clin Cancer Res. 2014;20:4574-83
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