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処方箋医薬品注)
生物由来製品
血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、数分かけて緩徐に静脈内に投与する。通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。定期的に投与する場合、通常、1日目に体重1kg当たり25国際単位、4日目に体重1kg当たり50国際単位から開始し、以降は患者の状態に応じて、投与量は1回体重1kg当たり25~65国際単位、投与間隔は3~5日の範囲で適宜調節する。週1回の投与を行う場合は、体重1kg当たり65国際単位を投与する。
個々の患者における薬物動態(消失半減期、上昇値等)及び本剤に対する臨床効果は異なるため、必要量は以下の計算式に基づいて算出すること。
必要量(国際単位)=体重(kg)×血液凝固第VIII因子の目標上昇値(%又は国際単位/dL)×0.5[(国際単位/kg)/(国際単位/dL)]
出血の程度
必要な血液凝固第VIII因子レベル(%又は国際単位/dL)
投与量(国際単位/kg)及び投与頻度(時間)
軽度及び中等度例:関節出血、神経血管障害を伴わない表在筋出血(腸腰筋除く)、深い裂傷及び腎出血、表在性軟組織出血、粘膜出血
40~60
20~30国際単位/kg出血所見が認められる場合、24~48時間毎に追加投与すること。
重度例:生命を脅かす出血
80~100
40~50国際単位/kg出血所見が認められる場合、12~24時間毎に追加投与すること。
手術の種類
必要な初回血液凝固第VIII因子レベル(%又は国際単位/dL)
小手術(合併症のない抜歯を含む)
50~80
25~40国際単位/kg通常、単回投与で十分であるが、必要に応じ、24時間毎に追加投与を行う。
大手術(腹腔内手術、人工関節置換術を含む)
80~120
初回投与40~60国際単位/kg。初回投与後、目標とする血液凝固第VIII因子レベルを維持できるように、8~24時間後、及び24時間毎に40~50国際単位/kgの追加投与を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。本剤はFc領域を有するため、胎盤を通過する可能性がある。また、動物実験(マウス)において胎盤通過が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳継続又は中止を検討すること。
12歳未満の小児では、通常よりも高い投与量及び頻回の投与が必要となる可能性があるため、投与量及び投与頻度の調整について適宜検討すること。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
じん麻疹、悪寒、血管浮腫、呼吸困難、血圧低下、頻脈等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%未満
頻度不明
一般・全身障害および投与部位の状態
倦怠感、胸痛、冷感、熱感
神経系障害
頭痛、浮動性めまい、味覚異常
筋骨格系および結合組織障害
関節痛、背部痛、筋肉痛、関節腫脹
胃腸障害
下腹部痛
血管障害
血管障害注1) 、ほてり、高血圧
心臓障害
徐脈
傷害、中毒および処置合併症
処置による低血圧
呼吸器、胸郭および縦隔障害
咳嗽
皮膚および皮下組織障害
発疹
血管およびリンパ系障害
第VIII 因子抑制
本剤はvon Willebrand因子を含んでいない。
15歳以上の血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性が1%未満)を対象に、50国際単位/kgの本剤及びルリオクトコグ アルファを単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤の平均消失半減期は、対照薬であるルリオクトコグ アルファと比較して1.53倍であった1) 。
薬物動態パラメータ平均値(95%信頼区間)注2)
本剤
ルリオクトコグ アルファ
ルリオクトコグ アルファに対する本剤の比
N=28
t1/2(時間)
19.0(17.0, 21.1)
12.4(11.1, 13.9)
1.53(1.36, 1.71)
CL(mL/時間/kg)
1.95(1.71, 2.22)
3.04(2.71, 3.41)
0.64(0.60, 0.69)
Vss(mL/kg)
49.1(46.6, 51.7)
51.2(47.2, 55.5)
0.96(0.90, 1.02)
上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)]
2.24(2.11, 2.38)
2.35(2.21, 2.50)
0.95(0.91, 0.99)
Time 1%(日)
4.918(4.434, 5.455)
3.298(2.985, 3.645)
1.49(1.41, 1.57)
t1/2(消失相半減期)、CL(クリアランス)、Vss(定常状態分布容積)、Time 1%(FVIII活性がベースラインの1%以上を維持した期間)
また、日本人及び外国人に50国際単位/kgの本剤を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
薬物動態パラメータ平均値(95%信頼区間)注3)
日本人
外国人
N=13注4)
19.04(15.70, 23.09)
18.24(16.31, 20.40)
2.381(1.927, 2.942)
2.065(1.797, 2.374)
64.27(61.54, 67.13)
51.42(48.36, 54.67)
1.6810(1.5383, 1.8369)
2.2156(2.0773, 2.3631)
18歳未満の血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性が1%未満)を対象に、50国際単位/kgの本剤を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。,
薬物動態パラメータ平均値(95%信頼区間)注5)
12歳未満を対象とした試験
12歳以上を対象とした試験
6歳未満(1-5歳)
6-12歳未満(6-11歳)
12歳-18歳未満(12-17歳)
N=23
N=31
N=11
12.3(11.0, 13.7)
13.5(11.4, 15.8)
16.0(13.9, 18.5)
3.46(3.06, 3.91)
2.61(2.26, 3.01)
2.62(2.33, 2.94)
57.9(54.1, 62.0)
49.5(44.1, 55.6)
59.4(52.7, 67.0)
1.90(1.79, 2.02)
2.30(2.04, 2.59)
1.81(1.56, 2.09)
12~65歳の治療歴のある血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性が1%未満)165例を対象に、2種類の定期的な投与時の有効性、急性出血時及び周術期の止血効果を検討した2) 。本試験に組み入れられた日本人被験者は14例であった。
定期的に本剤を投与する群として、Arm1及びArm2が設定された。Arm1の被験者は、1日目に25国際単位/kg、4日目に50国際単位/kgの週2回投与から開始した。その後、トラフ値を1~3%、又は臨床所見に応じてより高いトラフ値を維持できるように、個別に投与量は25~65国際単位の範囲で、投与間隔は3~5日の範囲で適宜調節された。Arm2の被験者は65国際単位/kgを7日間毎に本剤の投与を受けた。定期的に本剤を投与する群(Arm1及びArm2)の年間出血エピソード回数は以下のとおりであり、出血時に本剤を投与する群(Arm3)と比較して、年間出血エピソード回数が減少した。
Arm1(117例)
Arm2(24例)
Arm3(23例)
年間出血エピソード回数注6)[95%信頼区間]
2.91[2.30, 3.68]
8.92[5.48, 14.51]
37.25[24.03, 57.74]
年間出血エピソード回数の群間比(減少率)注6)[95%信頼区間]
0.08[0.05, 0.13]
0.24[0.12, 0.46]
-
757件の出血のうち97.7%(740/757件)が、本剤1回又は2回の投与により止血した。また、本剤の初回投与での止血効果が評価された745件の出血のうち、78.1%(582/745件)が著効又は有効であった。
9例の患者において、9件の大手術が実施された。すべての大手術において、止血効果は著効又は有効と評価された。
安全性評価対象例164例(日本人14例を含む)中9例(5.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、倦怠感2例(1.2%)及び関節痛2例(1.2%)等であった。
本剤は、内在性血液凝固第VIII因子と類似の機能的特性を有しており、第VIII因子欠乏を一時的に補正し出血傾向を補正する。また、本剤に含まれるヒト免疫グロブリンG1のFc領域は、血液中の免疫グロブリンの再循環に関与するNeonatal Fc受容体と結合し、血液凝固第VIII因子活性の長時間の維持に寄与すると考えられる。
血友病Aマウス(尾出血モデル)において、本剤の定期補充療法及び急性出血の補充療法に関する止血効果が認められている。また、血友病Aマウス及び血友病Aイヌにおいて、本剤の血漿中薬物動態と相関して血漿中第VIII因子活性の延長が認められている。
エフラロクトコグ アルファ(遺伝子組換え)Efraloctocog Alfa(Genetical Recombination)〔JAN〕
エフラロクトコグ アルファは、遺伝子組換えFc-ヒト血液凝固第VIII因子(FVIII)融合糖タンパク質(分子量:約225,000)であり、754個のアミノ酸残基からなるA鎖、911個のアミノ酸残基からなるB鎖、及び227個のアミノ酸残基からなるC鎖で構成される。A鎖はFVIIIの1~743番目及び1638~1648番目のアミノ酸に相当する。B鎖の1~684番目のアミノ酸はFVIIIの1649~2332番目のアミノ酸に相当する。B鎖の685~911番目のアミノ酸及びC鎖は、ヒトIgG1のFcドメインに相当する。エフラロクトコグ アルファは、ヒト胎児由来腎細胞により産生される。
*外箱開封後は、遮光して保存すること。
1) 社内資料:日本人および外国人における薬物動態試験(2014年12月26日承認, CTD2.7.2)
2) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(2014年12月26日承認, CTD2.7.3)
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