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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、再生不良性貧血、造血幹細胞移植又は臓器移植に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
最重症
好中球200/μL未満に加えて、以下の1項目以上を満たす網赤血球 20,000/μL未満血小板 20,000/μL未満
重症
以下の2項目以上を満たす網赤血球 20,000/μL未満好中球 500/μL未満血小板 20,000/μL未満
やや重症
以下の2項目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする網赤血球 60,000/μL未満好中球 1,000/μL未満血小板 50,000/μL未満
中等症
以下の2項目以上を満たす網赤血球 60,000/μL未満好中球 1,000/μL未満血小板 50,000/μL未満
軽症
それ以外のもの
注)定期的な赤血球輸血とは毎月2単位以上の輸血が必要なときを指す。
通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして2.5〜3.75mgを、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液500mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は5日間とする。
通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして2.5mgを、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液500mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は造血幹細胞移植5日前より4日間とする。
腎移植の場合通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして1.5mgを、1バイアル(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして25mg)あたり、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液50mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は7〜14日間とする。
肝移植、肺移植、膵移植及び小腸移植の場合通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして1.5mgを、1バイアル(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして25mg)あたり、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液50mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は最大14日間とする。
心移植の場合通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして1.5〜2.5mgを、1バイアル(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして25mg)あたり、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液50mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は最大14日間とする。
ショックを起こすおそれがある。
本剤の免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。
心機能を悪化させるおそれがある。
免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
投与量及び投与速度を出来るだけ低くすることが望ましい。
腎機能を悪化させるおそれがある。
肝機能を悪化させるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
弱毒生ワクチンおたふくかぜ、麻疹、風疹及びこれらの混合ワクチン等
本剤投与後、弱毒生ワクチンを接種する場合には、発病するおそれがある。
本剤の免疫抑制作用による。
他の免疫抑制剤シクロスポリン等
過度の免疫抑制による感染症あるいはリンパ増殖性疾患を惹起する危険性があるので、併用する場合には慎重に投与すること。
相加的に免疫抑制作用が増強される可能性がある。
呼吸困難、血圧低下、頻脈等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な心障害や肺障害(心筋梗塞、急性呼吸窮迫症候群、肺水腫)に至ることがあるので、発熱、悪寒、呼吸困難、悪心、嘔吐、下痢、頻脈、低血圧、高血圧、倦怠感、発疹、頭痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ウイルス(アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペス等)、細菌、真菌(アスペルギルス等)等による重篤な感染症があらわれることがある。また、免疫抑制剤を投与されたB型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。,
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線検査異常等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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脳出血(1.7%)、下血、胃腸出血(いずれも1.2%)、くも膜下出血、肺出血、肺胞出血(いずれも0.4%)等の出血があらわれることがある。
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発熱、リンパ節腫大等が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
40%以上
10~40%未満
10%未満
過敏症注3)
発疹、そう痒症
筋痛、紅斑、血清病注5)
発熱及びインフルエンザ様症状注4)
発熱、熱感
頭痛、関節痛、悪寒
胸痛
血液
好中球減少、リンパ球減少、血清総蛋白減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、高カリウム血症
精神神経系
感覚減退、筋硬直、めまい
消化器
悪心、嘔吐、下痢、腹痛
肝臓
AST増加、ALT増加、LDH増加
Al-P増加、ビリルビン増加
循環器
動悸、血圧上昇
血圧低下、頻脈
血管
静脈炎
その他
CRP増加
脱力、疼痛、末梢性浮腫
耳鳴、呼吸困難、無力症、倦怠感、投与部位反応(疼痛、腫脹、紅斑)
本剤はウサギ抗体を用いたイムノアッセイなどの検査結果に影響を及ぼす可能性がある。
本剤の過量投与により、白血球減少、血小板減少が発現することがあるので、用法及び用量に定められている投与量を超えて投与しないこと。
本剤の過量投与が疑われた場合は、輸血、血液造血因子、抗感染症薬の投与等の支持療法を行うこと。また、必要に応じ無菌管理を考慮し、血液学的検査を頻回に行い、患者の状態を十分に観察すること。
海外市販後の自発報告において本剤投与後の核酸増幅検査でB型肝炎ウイルスが陽性であった症例が1例報告されている。
2週間反復静脈内投与試験(サル)において赤血球パラメータ(赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン)の減少がみられた。
中等症以上の再生不良性貧血患者を対象とした国内第II相臨床試験において、サイモグロブリン2.5mg/kg/日及び3.75mg/kg/日を、5日間、12時間以上かけて点滴静注したときの薬物動態を検討した結果は以下のとおりであった。各投与量におけるCmaxは、投与量の増加に伴った上昇が認められた。血中サイモグロブリン濃度は、投与期間中徐々に上昇し、最終投与終了後から緩やかに消失した。また、サイモグロブリン投与後、両投与群の11症例において14日目以降から抗体の出現が認められた2) 。
投与群
Cmax(μg/mL)
T1/2(day)
2.5mg/kg/日群(n=6)
平均
119.0
8.1注6)
最小-最大
46.7-234.0
3.9-14.3注6)
3.75mg/kg/日群(n=9)
173.5
7.8
52.0-500.0
2.0-16.0
中等症以上の再生不良性貧血患者を対象とした国内第II相臨床試験(登録症例数:41例)における有効性解析対象は28例であり、6ヵ月目の有効率(「著効」+「有効」/症例数)は、2.5mg/kg/日群が13.3%(2/15例)、3.75mg/kg/日群が23.1%(3/13例)であり、全体では17.9%(5/28例)であった。
骨髄移植患者を対象とした国内第II相臨床試験(登録症例数:再登録2例を含む107例)における急性GVHD抑制の有効性解析対象は71例、生着の有効性解析対象は70例であった。急性GVHDの抑制効果は、グレードII以上の急性GVHD発症率は2.5mg/kg/日投与で18.3%(13/71例)であった。グレードIII以上の急性GVHD発症率は2.5mg/kg/日投与で9.9%(7/71例)であった。生着率は2.5mg/kg/日投与で81.4%(57/70例)であった。
骨髄移植後の移植片対宿主病(GVHD)患者を対象とした国内第II相臨床試験(登録症例数:40例)における有効性解析対象は既存療法無効例と考えられた急性GVHD患者24例であり、有効率(「著効」+「有効」/症例数)は2.5mg/kg/日群が61.5%(8/13例)、3.75mg/kg/日群が72.7%(8/11例)であり、全体では66.7%(16/24例)であった。
外国における腎移植後の急性拒絶反応の治療を目的とした二重盲検比較試験において、腎移植後に急性拒絶反応が発生した患者に、免疫抑制剤併用下、本剤1.5mg/kgを1日1回静脈内投与した結果、血清クレアチニン値を指標とした寛解率は87.8%(72/82例)であった。なお、本剤の投与日数(中央値[最小値、最大値])は10日[3日、14日]であった3) 。安全性評価対象症例のうち本剤が投与された82例中82例(100%)に940件の副作用(関連性がunlikelyのものを含む)が認められた。主な副作用は、悪寒40例(48.8%)、疼痛38例(46.3%)、白血球減少32例(39.0%)、腹痛31例(37.8%)、高血圧30例(36.6%)、末梢性浮腫28例(34.1%)、無力症、血小板減少症、高カリウム血症各22例(26.8%)、発熱20例(24.4%)、貧血19例(23.2%)等であった。
腎移植後にステロイド抵抗性の急性拒絶反応が発現した患者に、免疫抑制剤併用下、本剤1.5mg/kgを1日1回静脈内投与した結果、投与終了14日後の血清クレアチニン値が投与前値よりも低い患者の割合は85.7%(6/7例)であった。なお、本剤の投与日数(中央値[最小値、最大値])は7日[5日、10日]であった。
本剤は、T細胞表面抗原(CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD25、TCRαβ)並びに白血球表面抗原(CD11a)に対し親和性を示した4),5) 。また、ヒトリンパ球細胞傷害性試験において補体存在下リンパ球を溶解させた6) 。以上のことから、本剤は、ヒトT細胞表面抗原に結合し、補体依存性の細胞傷害を惹起させることにより、再生不良性貧血並びにGVHDに関与しているT細胞を減少させ、その結果これらの疾患に対して効果を示すと考えられる。
ヒトリンパ球に対する補体依存性の細胞傷害性を検討した結果、本剤約20μg/mLは陰性対照と比較してリンパ球の溶解を25%増加させた6) 。
ヒトリンパ球を用いたE-ロゼット形成阻止作用を検討した結果、本剤約15μg/mLは陰性対照と比較してE-ロゼット形成を50%抑制した6) 。
本剤(25mg/匹)は、サルにおける皮膚移植片が拒絶されるまでの日数を延長させ、in vivoでの拒絶反応を抑制した6) 。
抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン(Anti-human Thymocyte Immunoglobulin, Rabbit)
約160,000
ヒトの胸腺細胞を抗原とし、ウサギを免疫して得られた抗血清から分離精製されたポリクローナル抗体で、免疫グロブリンGに属するたん白質
外箱開封後は遮光して保存すること。
1バイアル
1) 中尾眞二 他:臨床血液.2006;47(1):27-46
2) 社内資料:再生不良性貧血患者での薬物動態(2008年7月16日承認、申請資料概要ヘ.(2) 1))
3) Gaber A O, et al.:Transplantation. 1998;66:29-37
4) 社内資料:ヒトT細胞表面抗原親和性(2008年7月16日承認、申請資料概要ホ.(1) 2))
5) Tsuge I, et al.:Current Therapeutic Research. 1995;56(7):671-7
6) 社内資料:効力薬理試験(2008年7月16日承認、申請資料概要ホ.(1) 1))
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