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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
寒冷凝集素症
*本剤は、古典的補体経路を阻害するため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症が発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌及び肺炎球菌に対するワクチンを接種すること。,,,,,
通常、成人にはスチムリマブ(遺伝子組換え)として、1回6.5g又は7.5gを点滴静注する。初回投与後は、1週後に投与し、以後2週間の間隔で投与する。
髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなるおそれがある。,,
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症が悪化するおそれがある。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgGモノクローナル抗体は胎盤関門を通過することが知られている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
肺炎球菌、インフルエンザ菌等による重篤な感染症があらわれることがある。,,
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化し、死亡に至るおそれもあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,,
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
10%以上
10%未満
*血管障害
高血圧、先端チアノーゼ、レイノー現象
全身及び投与局所
注入に伴う反応
*胃腸障害
腹痛、悪心
腹部膨満
*感染症
尿路感染、気道感染、上咽頭炎、胃腸炎、ヘルペス感染、鼻炎
筋骨格
腱炎
呼吸器
鼻漏
*神経系障害
頭痛
健康日本人被験者にスチムリマブ30mg/kg、60mg/kg又は100mg/kgを単回静脈内投与した注1) 。血漿中スチムリマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示した5) 。
投与量(mg/kg)
例数
Cmax(μg/mL)
tmax注2)(h)
t1/2(h)
AUC(μg・h/mL)
CL(mL/h)
Vss(mL)
30
6
804.13±166
4.00
84.5±51.7
93400±36425
21.47±5.16
2287.86±795
60
1783.47±351
1.18
74.9±15.8
212607±39051
20.24±3.43
2258.63±301
100
2590.75±450
1.17
172.5±52.9
583164±184143
13.27±3.06
3021.63±275
平均値±SD
健康日本人被験者を体重で層別化し、1日目、8日目及び22日目にスチムリマブ6.5g(体重75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を静脈内投与した。薬物動態パラメータを以下に示した6) 。
投与量(g)
6.5
1日目
2383
137.37
408207
16.23
3137
22日目
3823
234.80
1146864
6.46
1931
7.5
2540
98.68
322679
24.8
3267
3378
162.36
693302
11.3
2645
平均値
*寒冷凝集素症患者にスチムリマブ6.5g(体重75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を初回、1週後、以降2週間の間隔で26週間静脈内投与した。2つの国際共同第III相試験(BIVV009-03[CARDINAL]及びBIVV009-04[CADENZA])における定常状態の総暴露量を以下に示した7) 。
Cmin(μg/mL)
AUCss(μg・h/mL)
6.5(51例)
1397±721
697449±256234
7.5(15例)
1107±661
576017±253776
平均値±SD、Cmin:定常状態におけるトラフ濃度(次回投与の1時間前時点と定義)、AUCss:定常状態に達した後の投与間の曲線下面積
スチムリマブ投与開始後7週目で定常状態に達し、蓄積比は2未満であった。
母集団薬物動態解析により本剤の寒冷凝集素症患者での定常状態における分布容積は約5.8Lであった8) 。
本剤は抗体であるため、タンパク質分解によって小さなペプチド及び各アミノ酸に分解される。
*スチムリマブの半減期は血漿中濃度に依存する。総クリアランス(線形クリアランス及び非線形クリアランス)に基づく定常状態におけるスチムリマブの消失半減期は16日であった。
*18歳以上の試験登録前6ヵ月以内に輸血歴のある特発性寒冷凝集素症患者24例(日本人患者3例を含む)を対象とした多施設共同非盲検単群試験が実施された。なお、試験登録前5年以内の接種歴がない場合には髄膜炎菌、肺炎球菌及びインフルエンザ菌b型に対するワクチン接種を必須とした(国内においては、インフルエンザ菌b型に対する推奨されているワクチンの適応年齢は5歳未満であることから、ワクチンの接種を不要とした)。用法・用量は、スチムリマブ6.5g(体重39kg以上75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を初回、1週後、以後は2週間の間隔で静脈内投与した。本試験のパートA(26週)の投与期間の後、被験者は長期投与時の安全性及び奏効の持続性を検討するパートB(パートAの全ての被験者の観察終了後24ヵ月間)で本剤の投与を受けた。パートAにおいて、主要評価項目である以下のすべての基準(レスポンダー基準)を達成した患者の割合[95%信頼区間]は、54.2[32.8, 74.4]%(13/24例)であり、95%信頼区間の下限が事前に設定した閾値30%を上回った9),10) 。
評価項目
全集団(24例、うち日本人3例)
レスポンダー割合[95%信頼区間]注3) (%)
54.2[32.8,74.4](13例)
70.8[48.9,87.4](17例)
62.5[40.6, 81.2](15例)
37.5[18.8, 59.4](9例)
91.7[73.0, 99.0](22例)
本試験(パートA及びB)の完了までの副作用は、58.3%(14/24例)に認められた。主な副作用は、チアノーゼ、高血圧及び注入に伴う反応(各2名[8.3%])であった11) 。
*18歳以上の輸血歴(スクリーニング前6ヵ月以内に1回以上又はスクリーニング前12ヵ月以内に2回以上の輸血)がない特発性寒冷凝集素症患者42例(日本人患者5例を含む)を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験が実施された。なお、被験者にはBIVV009-03試験(CARDINAL)と同じ基準でワクチン接種を必須とした。用法・用量は、スチムリマブ6.5g(75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を初回、1週後、以後は2週間の間隔で静脈内投与した。本試験のパートA(26週)の投与期間の後、スチムリマブ群・プラセボ群のいずれの被験者も長期投与時の安全性及び奏効の持続性を検討するパートB(パートAの全ての被験者の観察終了後12ヵ月間)で本剤の投与を受けた。パートAにおいて、主要評価項目である以下のすべての基準(レスポンダー基準)を達成した患者の割合[95%信頼区間]は、スチムリマブ群で72.7[49.8, 89.3]%(16/22 例)、プラセボ群で15.0[3.2, 37.9]%(3/20例)、両群のオッズ比[95%信頼区間]は15.94[2.88, 88.04;p<0.001]であり、統計学的な有意差が認められた12),13) 。
プラセボ群(20例、うち日本人2例)
本剤群(22例、うち日本人3例)
レスポンダー割合[95%信頼区間]注5) (%)
15.0[3.2, 37.9](3例)
72.7[49.8, 89.3](16例)
80.0(16例)
81.8(18例)
15.0(3例)
72.7(16例)
100.0(20例)
86.4(19例)
パートAで本剤群に登録され、パートBでも本剤の投与を受けた被験者(パートAの途中で試験を中止した被験者3例を含む)において、副作用は54.5%(12/22例)に認められた。主な副作用は、チアノーゼ及び高血圧(各3名[13.6%])であった。パートAでプラセボ群に登録され、パートBで本剤の投与を受けた被験者(全例がパートBに移行した)では、副作用は50.0%(10/20例)に認められた。主な副作用は、頭痛(3名[15.0%])であった。
スチムリマブはヒト古典的補体経路C1sに対する遺伝子組換えヒト化IgG4モノクローナル抗体であり、C1sのC4への開裂を阻害することで、寒冷凝集素症患者における古典的補体経路を介した溶血を抑制する14) 。なお、レクチン経路及び代替経路には作用しない。
スチムリマブ(遺伝子組換え)Sutimlimab(Genetical Recombination)(JAN)
重鎖 C2171H3345N573O672S17軽鎖 C1047H1615N277O336S6
スチムリマブは、遺伝子組換え抗ヒト補体C1s(C1s)モノクローナル抗体であり、H鎖はマウス抗C1s抗体の相補性決定部、ヒトフレームワーク部及びヒトIgG4の定常部からなり、L鎖はマウス抗C1s抗体の可変部及びヒトκ鎖の定常部からなる。H鎖の226と233番目のアミノ酸残基はそれぞれProとGluに置換されている。スチムリマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。スチムリマブは、445個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び216個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約145,000)である。
エジャイモ点滴静注1.1g 22mL[1バイアル]
1) Kallel-Sellami M, et al.:Expert Rev Clin Immunol. 2008 Sep;4(5):629-37
2) Mayilyan KR.:Protein Cell. 2012 Jul;3(7):487-96
3) Leffler J, et al.:Ann Rheum Dis. 2014 Sep;73(9):1601-6
4) Macedo AC, et al.:Front Immunol. 2016 Feb 24;7:55
5) 社内資料:日本人被験者対象単回投与第I相試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.2)
6) 社内資料:日本人被験者対象反復投与第I相試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.2)
7) 社内資料:母集団薬物動態解析(POH0951)
8) 社内資料:母集団薬物動態解析(2022年6月20日承認、CTD2.7.2)
9) 社内資料:国際共同第III相試験(BIVV009-03試験、2022年6月20日承認、CTD2.7.6)
10) *Roth A, et al.:N Engl J Med. 2021 Apr 8;384(14):1323-34
11) *社内資料:国際共同第III相試験(BIVV009-03試験)
12) *社内資料:国際共同第III相試験(BIVV009-04試験)
13) *Roth A, et al.:Blood. 2022 Sep 1;140(9):980-91
14) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.2)
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