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処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤は甲状腺全摘又は準全摘術を施行された患者以外の患者には有効性及び安全性は確立していないのでそれらの患者には投与しないこと。
本品1バイアルに日局注射用水1.2mLを加えて溶解し、その1mL(ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)として0.9mg)を臀部筋肉内に24時間間隔で2回投与する。
放射性ヨウ素の投与は、本剤最終投与24時間後とする。スキャニングは、放射性ヨウ素投与48時間~72時間後に行う。ただし術後アブレーションの際のスキャニングは、放射線量の減衰を考慮して適切な時期に行うこと。Tg試験を実施する時の血清検体の採取は、本剤最終投与72時間後とする。
腫瘍の増大による局所的な浮腫や出血の可能性がある。(局所的な腫瘍の拡大が患者の生死に関わる場合には、本剤の投与に先立ち、副腎皮質ステロイド剤を前もって投与することを推奨する。)
血清中の甲状腺ホルモン濃度が上昇することがある。また、ごく稀に甲状腺機能亢進症や心房細動を発現するとの報告がある。
過敏症状発現の可能性を上昇させるおそれがある。
放射性ヨウ素の服用量は、核医学医師によって注意深く使用すること。透析を必要とする末期腎不全患者では、本剤の排泄が遅くなり、高い血中濃度の延長をもたらす。
投与経験が少なく安全性が確立していない。
投与しないこと。動物での生殖試験は実施されていない。
授乳を避けさせること。ヒトの母乳中へ移行するかは不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下している。
10%以上
1~10%
1%未満
頻度不明
消化器
悪心
嘔吐
食欲不振、消化不良、腹痛、下痢、口喝
腹部不快感
精神神経系
頭痛、浮動性めまい、異常感覚
錯感覚、情動不安定
血液
白血球減少
血管系
血管拡張
循環器
高血圧
筋・骨格系
骨痛、頸痛
呼吸器
呼吸困難
発声障害
泌尿器
頻尿
皮膚
発疹注3) 、蕁麻疹、脱毛症、発汗、紅斑性丘疹
眼
眼球炎
その他
無力症、疲労、悪寒
インフルエンザ様症状注4) 味覚消失、疼痛、発熱、投与部位反応、味覚異常、浮腫、高コレステロール血症
倦怠感、異常感、胸部不快感
海外における臨床試験3例及び一般試験1例が、推奨されたものより高用量の本剤が投与された。臨床試験の2例は2.7mgの筋肉内投与後に悪心が発現し、うち1例は、脱力、浮動性めまい及び頭痛を併発した。残りの1例は3.6mgの筋肉内投与後に悪心、嘔吐及びほてりが発現した。また、一般試験では、甲状腺摘出術が施されていない77歳の患者が、6日間で本剤0.9mgの4回投与を受け、2日後に心房細動、心代償不全及び致命的な心筋梗塞を発現した。さらに、海外における臨床試験で1例が、本剤0.3mgを単回静脈内投与され、15分後に重度の悪心、嘔吐、発汗、低血圧及び頻脈が発現した。
過量投与及び静脈内投与された患者に対する治療法として、体液バランスの調整及び制吐薬の投与が考えられる。
本剤は筋肉内注射にのみ使用すること。
分化型甲状腺癌により甲状腺全摘術を施行された患者(日本人9例)及び全摘又は準全摘術を施行された患者(外国人3例)に本剤を24時間間隔で2回投与した国内1) 及び海外2) 臨床試験における血中濃度パラメータ(平均値±標準偏差)を表に、国内臨床試験における血清中TSH濃度の推移(平均値±標準偏差)を図に示した。
Tmax(時間)
Cmax(μIU/mL)
日本人(9例)
28.75±14.21
240.8±65.9
外国人(3例)
28.0(3例とも28.0)
220.3±45.6
3施設において合計10例の分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)により甲状腺を全摘し、その後の残存甲状腺組織、分化型甲状腺癌及び転移癌の有無を診断する予定の患者を対象とした臨床試験では、放射性ヨウ素シンチグラムの評価において、本剤投与法と甲状腺ホルモン投与中止法を比較すると、「同等」以上が70%となった。また、甲状腺ホルモン中止法における陽性患者に対する本剤投与法でのTg試験単独及び放射性ヨウ素シンチグラフィとの併用に関して、それぞれの感度は100%(3/3例)及び90%(9/10例)となった1) 。
放射性ヨウ素シンチグラムの優劣評価(10例)
優れている(本剤投与>甲状腺ホルモン投与中止法)
0例(0%)
同等(本剤投与=甲状腺ホルモン投与中止法)
7例(70%)
劣っている(本剤投与<甲状腺ホルモン投与中止法)
3例(30%)
同等以上(本剤投与≧甲状腺ホルモン投与中止法)
10例中7例(70.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。副作用としては、白血球減少3例(30%)、眼瞼浮腫1例(10%)、悪心1例(10%)、嘔吐1例(10%)、食欲減退1例(10%)、呼吸困難1例(10%)、白血球増加1例(10%)、尿中ブドウ糖陽性1例(10%)、血中乳酸脱水素酵素増加1例(10%)が認められた。
分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)で甲状腺全摘、準全摘術を施行された患者(113例)を対象とした臨床試験では、放射性ヨウ素シンチグラムの評価において、本剤投与法と甲状腺ホルモン投与中止法と比較すると、「同等」以上が92.0%となった。また、甲状腺ホルモン中止法における陽性患者に対する本剤投与法でのTg試験単独及び放射性ヨウ素シンチグラフィとの併用に関して、それぞれの感度は72%(41/57例)及び88%(50/57例)となった3) 。
放射性ヨウ素シンチグラムの優劣評価(113例)
3例(2.7%)
101例(89.4%)
9例(8.0%)
104例(92.0%)
117例中34例(29.1%)に副作用が認められた。主な症状として、頭痛12例(10.3%)、悪心8例(6.8%)、無力症6例(5.1%)等が認められた。
甲状腺全摘又は準全摘術を施行された低危険度の分化型甲状腺癌患者(63例)を対象とし、術後の残存甲状腺組織のアブレーションに、本剤を用いた群と甲状腺ホルモン中止法を用いた群を比較し評価した。アブレーション後の「甲状腺床への放射性ヨウ素の目視的取込みなし又は取込みが0.1%未満」を奏効基準とした奏効率は、解析対象症例60例において、両群とも100%を示した。また、「甲状腺床への放射性ヨウ素の目視的取込みなし」を奏効基準とした場合、解析対象症例60例において本剤投与法の75%(24/32例)、甲状腺ホルモン中止法の86%(24/28例)の患者がアブレーションは奏効したと評価された4) 。
群
平均年齢(歳)
性別(女性:男性)
癌タイプ(乳頭:濾胞)
アブレーション奏効基準(8ヵ月後測定)
0.1%未満の取込み
目視的取込みなし
本剤投与群
44
26:7
30:3
32/32(100%)
24/32(75%)
甲状腺ホルモン中止法
43
24:6
29:1
28/28(100%)
24/28(86%)
本試験参加患者(63例)のうち追跡調査可能な48例を対象に、本剤を用いた頸部/全身シンチグラフィを用いたフォローアップ試験を3.4~4.4年後に実施した。その結果、解析対象43例において両群とも100%の奏効率が示された5) 。
甲状腺床への取込み
本剤投与法(n=25)
甲状腺ホルモン中止法(n=18)
目視的取込みなし及び0.1%未満の取込み
25例(100%)
18例(100%)
62例中18例(29.0%)に副作用が認められた。主な症状として、悪心7例(11.3%)、疲労5例(8.1%)、味覚消失3例(4.8%)、骨痛3例(4.8%)等が認められた。
本剤は、甲状腺由来細胞へのヨウ素摂取促進作用や甲状腺ホルモン及びTg産生促進作用を示す、ヒト型甲状腺刺激ホルモンの遺伝子組換え製剤である。
ウシ甲状腺のミクロゾーム分画を用いたin vitro試験において、本剤による用量依存的なcAMPの産生作用が認められた。
マウスに甲状腺ホルモンであるトリヨードチロニン(T3)をあらかじめ経口又は皮下投与して甲状腺機能を低下させた後、ヒトチロトロピン アルファを腹腔内に投与すると、血漿中テトラヨードチロニン(T4)が用量依存的に増加した。また、カニクイザルにヒトチロトロピン アルファを筋肉内投与すると、用量依存的に血漿中T3及びT4の増加が認められた。
アカゲザルにヒトチロトロピン アルファの筋肉内投与を行い、続いて放射性ヨウ素(123I)を静脈内投与したところ、頸部への123I摂取率増加が認められた。
ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)Thyrotropin human alfa(genetical recombination)
ヒト下垂体細胞に由来するヒトTSH-cDNAの発現により、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される210個のアミノ酸残基(C1039H1602N274O307S27;分子量:23,708)からなる糖たん白質
約40,000
外箱開封後は遮光して保存すること。
2バイアル
1) 小西淳二 他:核医学. 2010;47(4):479-96
2) Meier C A, et al.:J Clin Endoclinol Metab. 1994;78(1):188-96
3) Haugen B R, et al.:J Clin Endoclinol Metab. 1999;84(11):3877-85
4) Pacini F, et al.:J Clin Endoclinol Metab. 2006;91(3):926-32
5) Elisei R, et al.:J Clin Endoclinol Metab. 2009;94(11):4171-9
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