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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
成人:通常、成人にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回静注又は点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる。小児:通常、小児にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる。
通常、成人にはグラニセトロンとして1回40μg/kgを点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日2回投与までとする。
通常、成人にはグラニセトロンとして1回1mgを静注又は点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日3mgまでとする。
本剤投与後観察を十分に行うこと。本剤の投与により消化管運動の低下があらわれることがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠前及び妊娠初期投与(ラット、0.1~6.0mg/kg皮下)、胎児の器官形成期投与(ラット、0.3~9.0mg/kg静注、ウサギ、0.3~3.0mg/kg静注)、周産期及び授乳期投与(ラット、0.1~6.0mg/kg皮下)の各試験において、雌雄の生殖能、次世代児の発育・生殖能に影響はなく、催奇性もみられなかった。1),2)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳中のラットに14C標識グラニセトロン塩酸塩3mg/kgを静脈内投与し、乳児に哺乳させた際の乳児の胃(乳汁を含む内容物)中の放射能を測定したところ、投与量の0.5%以下であった。3)
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。
セロトニン作用薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。
セロトニン作用が増強するおそれがある。
ショック、アナフィラキシー(瘙痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれるとの報告がある。
0.1~2%未満
頻度不明
過敏症
発疹
発赤
精神神経系
不眠
めまい、頭痛
循環器
頻脈
消化器
便秘、胃もたれ感
下痢、腹痛
肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等の肝機能検査値異常
その他
発熱、全身倦怠感
顔面潮紅
マウス及びラットに1、5、50mg/kgを2年間経口投与し対照群と比較した。マウスでは50mg/kg群の雄で肝細胞がん、50mg/kg群の雌で肝細胞腺腫の増加がみられた。また、ラットでは5mg/kg以上群の雄及び50mg/kg群の雌で肝細胞腫瘍の増加がみられた。しかし、1mg/kg群(臨床用量の25倍に相当する)では、マウス及びラットとも肝細胞腫瘍の増加は認められなかった。
健康成人男子6例にグラニセトロンとして40μg/kgを30分かけて静脈内点滴投与した。血漿中濃度は点滴終了時に最高値を示し、以後2相性に消失した。
投与量(μg/kg)
Cmax(ng/mL)
t1/2β(hr)
AUC(ng・hr/mL)
Vd(L/kg)
40
19.48±6.05
3.14±1.20
63.06±36.54
3.30±1.22
mean±SD
健康成人男子11例にグラニセトロンとして40μg/kgを2分間かけて静脈内投与した。血漿中濃度は投与後5分で最高値に達し、以後2相性に消失した。
t1/2(hr)
42.77±22.33
3.18±1.57
64.99±39.60
欧米人小児癌患者(2~16歳、36例)にグラニセトロンとして40μg/kgを30分かけて静脈内点滴投与した。血漿中濃度は点滴終了時に最高値を示した(各患者の採血時間が異なるため、薬物動態学的パラメータは中央値と最小-最大で示した)。
43.1(14.3-276)n=36
5.63(0.9-21.1)n=27
185(43.7-781)n=22
1.34(0.541-2.71)n=22
中央値(最小-最大)
グラニセトロンは水酸化及び脱メチル化の代謝を受け、主な代謝は芳香環7位の水酸化である。ヒト肝ミクロゾームを用いて行なったin vitro試験の結果では、グラニセトロンの芳香環7位の水酸化及びN-脱メチル化の代謝にはP450(CYP3A)の関与が報告されている。
尿中代謝物は、7-hydroxy体の遊離型及び抱合型が主であり、N9'-desmethyl体及びN1-desmethyl体も認められた。
主な排泄経路は腎臓。
健康成人男子6例に、グラニセトロンとして40μg/kgを30分かけて静脈内点滴投与した際の尿中排泄を検討した。その結果、グラニセトロンの平均排泄率は以下のとおりであった。
時間(hr)
0~2
2~4
4~6
6~12
12~24
24~48
排泄率
7.6%
2.1%
1.9%
1.8%
1.0%
健康成人男子11例にグラニセトロンとして40μg/kgを約2分間かけて静脈内投与した際の48時間後までの尿中グラニセトロン排泄率は11.04%であった。
二重盲検比較試験10)及び一般臨床試験11),12)の概要は次のとおりである。抗悪性腫瘍剤(主としてシスプラチン)投与により発現した悪心、嘔吐に対しグラニセトロンとして40μg/kgを点滴静注したところ、有効率(有効以上)は86.6%(71/82例)であった。また、抗悪性腫瘍剤(主としてシスプラチン)投与30分前にグラニセトロンとして40μg/kgを点滴静注した場合の有効率(有効以上)は83.3%(100/120例)であった。
一般臨床試験13)の概要は次のとおりである。抗悪性腫瘍剤(主としてシスプラチン)投与30分前にグラニセトロンとして40μg/kgを点滴静注したところ、著効率(嘔吐なし)は73.0%(119/163例)であり、また、有効率(嘔吐2回以内)は85.3%(139/163例)であった。副作用は、GOT上昇3件、GPT上昇2件、肝機能異常、ビリルビン値上昇、発疹及び便秘が各1件であった。
一般臨床試験14)の概要は次のとおりである。放射線全身照射30分前にグラニセトロンとして40μg/kgを点滴静注したところ、著効率(嘔吐なし)は54.4%(37/68例)であり、また、有効率(嘔吐2回以内)は77.9%(53/68例)であった。副作用は、血中ナトリウム低下、好酸球増多、リンパ球減少、単球減少、GOT上昇、GPT上昇及びビリルビン値上昇が各1件であった。
ラット又はモルモット脳標本を用いて、各種受容体に対するグラニセトロン塩酸塩の親和性を検討したところ、グラニセトロンは5-HT3受容体に対しては極めて高い親和性を示したが(Ki値=0.26nM)、5-HT1(5-HT1A、5-HT1B/C、5-HT1C)、5-HT2、ドパミンD2、アドレナリンα1、α2及びβ、ベンゾジアゼピン、ピクロトキシン並びにヒスタミンH1、オピオイドμ、κ及びδの各受容体に対する親和性はほとんど認められなかった(Ki値>1000nM)。
5-HTによる5-HT3受容体を介した一過性の徐脈(von Bezold-Jarisch reflex)に対する作用を麻酔ラットで検討したところ、グラニセトロン塩酸塩はこの反射を用量依存的に抑制した。
フェレットにグラニセトロン塩酸塩を静注し、15分後にシスプラチン10mg/kgを静注したところ、グラニセトロン塩酸塩0.5mg/kg以上で嘔吐回数の有意な減少及び嘔吐潜伏時間の有意な延長が認められた。
フェレットにシスプラチン10mg/kgを静注し、嘔吐を生じさせて、グラニセトロン塩酸塩0.5mg/kgを静注したところ、嘔吐は投与後30秒以内に抑制された。
フェレットにドキソルビシン6mg/kgとシクロホスファミド80mg/kgを静注する30分前及び30分後の2回、グラニセトロン塩酸塩0.5mg/kgを静注したところ、嘔吐回数の減少及び嘔吐潜伏時間の延長が認められた。
フェレットにグラニセトロン塩酸塩を静注し、15分後に放射線全身照射を行ったところ、グラニセトロン塩酸塩0.05mg/kg以上で嘔吐回数の有意な減少及び嘔吐潜伏時間の有意な延長が認められた。
グラニセトロン塩酸塩(Granisetron Hydrochloride)
1-Methyl-N-(endo-9-methyl-9-azabicyclo[3.3.1]non-3-yl)-1H-indazole-3-carboxamide hydrochloride
C18H24N4O・HCl
348.87
白色~微黄色の粉末又は塊のある粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくい。
約291℃(分解)
5アンプル(1mL/アンプル)
5アンプル(3mL/アンプル)
5シリンジ(1mL/シリンジ)
5シリンジ(3mL/シリンジ)
1) Baldwin, J. A. et al.:基礎と臨床, 1990;24:5043-5053
2) Baldwin, J. A. et al.:基礎と臨床, 1990;24:5055-5069
3) Haddock, R. E. et al.:基礎と臨床, 1990;24:6821-6843
4) 熊倉博之他:臨床医薬, 1990;6(Suppl.5):25-34
5) 小柳純子他:臨床医薬, 1990;6(Suppl.5):3-24
6) 小柳純子他:臨床医薬, 1990;6(Suppl.5):35-47
7) 血中濃度(外国人における成績)(カイトリル注:2000年7月3日承認、申請資料概要へ.2.2-1)
8) Bloomer, J. C. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1994;38(6):557-566
9) Clarke, S. E. et al.:Xenobiotica, 1994;24(11):1119-1131
10) 古江尚他:臨床医薬, 1990;6(Suppl.5):63-86
11) 仁井谷久暢他:臨床医薬, 1990;6(Suppl.5):87-105
12) 町田豊平他:臨床医薬, 1990;6(Suppl.5):107-120
13) 小児領域での検討(カイトリル注:2000年7月3日承認、申請資料概要ト.1)
14) 岡本真一郎他:今日の移植, 1999;12:437-444
15) Blower, P. R.:Eur. J. Cancer, 1990;26(Suppl.1):8-11
16) Sanger, G. J. et al.:Eur. J. Pharmacol., 1989;159:113-124
17) Bermudez, J. et al.:Br. J. Cancer, 1988;58:644-650
18) シスプラチン誘発嘔吐の抑制(カイトリル注:2000年7月3日承認、申請資料概要ホ.1.1-1)
19) 放射線全身照射誘発嘔吐に対する作用(カイトリル注:2000年7月3日承認、申請資料概要ホ.1.1-1)
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