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セファランチン注10mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

セファランチン注10mg

添付文書番号

2900400A2034_2_02

企業コード

780075

作成又は改訂年月

2023年9月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87290

薬効分類名

タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド製剤

承認等

セファランチン注10mg

販売名コード

YJコード

2900400A2034

販売名英語表記

Cepharanthin Injection

販売名ひらがな

せふぁらんちんちゅう

承認番号等

承認番号

21300AMZ00648000

販売開始年月

1957年3月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

セファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

セファランチン注10mg

1アンプル(2mL)中
有効成分セファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)   10mg
添加剤ベンジルアルコール   40mg
塩化ナトリウム   20mg
塩酸   適量
pH調節剤  

3.2 製剤の性状

セファランチン注10mg

pH2.5~3.5
浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)
剤形・性状微黄色澄明な水性注射液

4. 効能又は効果

  • 放射線による白血球減少症
  • 円形脱毛症・粃糠性脱毛症
  • 滲出性中耳カタル
  • まむし咬傷

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈まむし咬傷〉

    重症化が予想される場合には、まむし抗毒素血清を使用することが望ましい。

6. 用法及び用量

  • 〈白血球減少症〉

    通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回5~10mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈脱毛症〉

    通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回10mgを1週間に2回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈滲出性中耳カタル〉

    通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回2~5mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈まむし咬傷〉

    通常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回1~10mgを1日1回静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

ショックの報告があるので問診を十分に行い、投与後は観察を十分に行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症又はその既往歴のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

授乳中の女性には治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有しているため、低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。
  3. 9.7.3 小児に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重に投与すること。

9.8 高齢者

減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    顔面潮紅、じんま疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

発疹、皮疹

消化器

悪心、食欲不振

その他

注射部位の疼痛・血管痛、発熱、頭痛、硬結

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

静脈内注射時に熱感、血管痛を伴うことがあるので、注入はできるだけ緩徐に行うこと。必要に応じ生理食塩液、糖液等で希釈して注入すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子にセファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)として25~100mgを静脈内単回投与したときの血中濃度の推移は、半減期が31.8±0.8から36.9±3.6時間と比較的長く、なだらかに低下した1)

血中濃度パラメータ

投与量
(mg)

Cmax
(ng/mL)

t1/2
(hr)

AUC0~∞
(ng・hr/mL)

25
(n=5)

187±14

35.8±3.2

158.8±15.8

50
(n=5)

433±25

36.9±3.6

377.8±22.7

100
(n=5)

1,464±364

31.8±0.8

962.5±101.6

(mean±SE)

16.5 排泄

  • 健康成人男子におけるセファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)の尿中排泄を検討した。
    25~100mg投与後48時間までに5.1±0.6~6.0±0.3%が尿中に検出された1)


    注)本剤の承認された用法及び用量
    白血球減少症:1回5~10mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。
    脱毛症:1回10mgを1週間に2回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。
    滲出性中耳カタル:1回2~5mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。
    まむし咬傷:1回1~10mgを1日1回静脈内に注射する。
    いずれも年齢、症状により適宜増減する。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 放射線による白血球減少症に対する効果

    放射線による白血球減少症162例に対する有効率は、「有効」以上で55.6%(90/162)、「やや有効」以上で82.1%(133/162)であった2)

  2. 17.1.2 円形脱毛症・粃糠性脱毛症に対する効果

    円形脱毛症・粃糠性脱毛症40例に対する有効率は、「有効」以上で50.0%(20/40)、「やや有効」以上で65.0%(26/40)であった2)

  3. 17.1.3 滲出性中耳カタルに対する効果

    滲出性中耳カタル465例に対する有効率は、「有効」以上で62.4%(290/465)、「やや有効」以上で77.2%(359/465)であった2)

  4. 17.1.4 まむし咬傷に対する効果

    まむし咬傷101例に対する有効率は、「有効」以上で78.2%(79/101)、「やや有効」以上で93.1%(94/101)であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

  1. 18.1.1 生体膜安定化作用(in vitro

    本剤はコラーゲン、ADP、まむし毒などの種々の要因により生じる膜のホスホリパーゼA2の活性化並びにアラキドン酸の遊離を抑え、血小板凝集、Kの遊出を抑制することから、生体膜の安定化作用が認められた3),4)

  2. 18.1.2 まむし毒による致死の抑制作用(マウス)

    本剤はまむし毒による致死作用を用量依存的に抑制することが認められた5)

  3. 18.1.3 血液幹細胞増加作用(マウス)

    本剤は放射線による造血機能障害に対し、血液幹細胞に働き、造血機能の回復を促進することが認められた6),7)

  4. 18.1.4 抗アレルギー作用(in vitro

    本剤は抗原抗体反応による肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制することが認められた8)

  5. 18.1.5 副腎皮質ホルモン産生増強作用(ラット)

    本剤は下垂体を介し、血中のACTHを上昇させることにより、副腎および血中のコルチコステロンの産生を高めることが認められた9)

  6. 18.1.6 末梢循環改善作用(ウサギ)

    本剤は末梢循環独自の周期的血管運動を損なうことなく、末梢血管の拡張並びに血流を促進し、末梢循環障害を改善することが認められた10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

性状

タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、淡黄色粉末で、メタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
主として下記の4成分からなる。

19.1 セファランチン

一般的名称

セファランチン(Cepharanthine)

化学名

6',12'-Dimethoxy-2,2'-dimethyl-6,7-[methylenebis(oxy)]oxyacanthan

分子式

C37H38N2O6

分子量

606.71

化学構造式

19.2 イソテトランドリン

一般的名称

イソテトランドリン(Isotetrandrine)

化学名

6,6',7,12-Tetramethoxy-2,2'-dimethylberbaman

分子式

C38H42N2O6

分子量

622.75

化学構造式

19.3 シクレアニン

一般的名称

シクレアニン(Cycleanine)

化学名

7,7'-O,O-Dimethylisochondodendrine

分子式

C38H42N2O6

分子量

622.75

化学構造式

19.4 ベルバミン

一般的名称

ベルバミン(Berbamine)

化学名

6,6',7-Trimethoxy-2,2'-dimethylberbaman-12-ol

分子式

C37H40N2O6

分子量

608.72

化学構造式

22. 包装

10アンプル(2mL/アンプル)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

化研生薬株式会社 医薬情報室

〒535-0005 大阪市旭区赤川2丁目7-4

TEL:0120-391-623 FAX:06-6924-7556

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

メディサ新薬株式会社

大阪市淀川区宮原5丁目2-27

26.2 発売元

化研生薬株式会社

大阪市旭区赤川2丁目7-4

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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