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処方箋医薬品注)
通常、成人にはタモキシフェンとして1日20mgを1~2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増量できるが、1日最高量はタモキシフェンとして40mgまでとする。
白血球減少、血小板減少を悪化させるおそれがある。
遺伝性血管浮腫の症状を誘発又は悪化させるおそれがある。
妊婦及び妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。外国において、本剤を投与された患者で自然流産、先天性欠損、胎児死亡が報告されており、また、本剤は、動物実験で妊娠及び分娩への影響並びに胎仔への移行が認められている。,,,,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
クマリン系抗凝血剤
抗凝血作用が増強することがあるので、抗凝血剤を減量するなど、慎重に投与すること。
タモキシフェンがワルファリンの肝臓での代謝を阻害する可能性が考えられている。
リトナビル
本剤のAUCが上昇することが予想される。
リトナビルのチトクロームP-450に対する競合的阻害作用により、本剤のAUCが上昇することが予想される。
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。
リファンピシンにより、CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される可能性がある。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により乳癌による死亡リスクが増加したとの報告がある。
CYP2D6阻害作用により本剤の活性代謝物の血漿中濃度が低下したとの報告がある。
視力異常、また、角膜の変化、白内障、網膜症、網膜萎縮、視神経症、視神経炎、視神経萎縮等の視覚障害があらわれることがあるので、視力低下、かすみ目等があらわれた場合には眼科的検査を行い、異常があれば投与を中止すること。
本剤の投与により、肺塞栓症、下肢静脈血栓症、脳血栓症、下肢血栓性静脈炎等の血栓塞栓症、静脈炎があらわれることがある。なお、細胞毒性を有する抗癌剤との併用で血栓塞栓症の危険性を増大させるおそれがあるので、投与にあたっては十分に観察すること。
劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞等の重篤な肝障害があらわれることがある。また、肝不全に至ることがある。
骨転移のある患者で投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。
不正出血等の異常な婦人科学的症状がみられた場合には直ちに検査を行うなど適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー、血管浮腫等の過敏症状があらわれることがある。
血清トリグリセライド上昇によると考えられる膵炎があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
肝臓
肝機能異常、脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)
生殖器
無月経、性器出血
月経異常、腟分泌物、卵巣嚢腫、卵巣嚢胞、陰部そう痒、子宮頸管ポリープ、腟ポリープ
消化器
悪心・嘔吐
食欲不振、下痢
腹痛
精神神経系
頭痛、眩暈・めまい、不眠、抑うつ状態、感覚異常(錯感覚、味覚異常を含む)
皮膚
発疹、発汗、脱毛
皮膚血管炎、皮膚エリテマトーデス、晩発性皮膚ポルフィリン症、放射線照射リコール反応
筋・骨格系
筋肉痛
その他
ほてり・潮紅
体重増加、浮腫、骨痛、腫瘍部の疼痛・発赤、倦怠感、疲労、頻尿、高トリグリセライド血症、下肢痙攣
タモキシフェン錠20mg「明治」とノルバデックス錠20mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(タモキシフェンとして20mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中タモキシフェン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-170hr(ng・hr/mL)
タモキシフェン錠20mg「明治」
43.8±7.0
4.9±1.1
95.8±18.2
2097±417
ノルバデックス錠20mg
44.2±7.5
100.9±25.7
2079±369
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健常者、乳癌患者における主要代謝物はN-デスメチルタモキシフェンであり、未変化体と同様の薬理作用を示す8),9)(外国人のデータ)。タモキシフェンを乳癌患者に連日投与した場合、この代謝物の血中濃度は、8週間目で未変化体の約1.4倍であった6)。
未変化体からN-デスメチルタモキシフェンへの脱メチル化には主にCYP3A4が関与し、それに続く活性代謝物エンドキシフェン(4-OH-N-デスメチルタモキシフェン)への水酸化には主にCYP2D6が関与すると考えられている10),11)。
14C-タモキシフェン20mgを患者に単回経口投与した場合、13日間で投与量の約65%が糞尿中に排泄され、このうち約1/5は尿中より、約4/5は糞中より回収された。なお、タモキシフェンの極めて緩徐な排泄は、腸肝循環によるものと推測された12),13)(外国人のデータ)。
世界21カ国で実施した閉経後早期乳癌患者の術後補助療法大規模比較試験において14),15)、追跡期間の中央値約47カ月時点でのアナストロゾール・タモキシフェン併用群(アナストロゾール1mg/日+タモキシフェン20mg/日)(3,125例)とタモキシフェン群(タモキシフェン20mg/日+プラセボ)(3,116例)との比較では、無病期間のハザード比1.04(95%信頼区間0.92-1.19、p=0.5)であり、アナストロゾールの併用による追加効果は認められなかった。アナストロゾール・タモキシフェン併用群で安全性評価対象症例3,097例中1,979例(63.9%)に副作用が認められた。また、タモキシフェン群3,094例中1,962例(63.4%)に副作用が認められた。
タモキシフェンは乳癌組織等のエストロゲンレセプターに対しエストロゲンと競合的に結合し、抗エストロゲン作用を示すことによって抗乳癌作用を発揮するものと考えられる。
タモキシフェンはヌードマウス可移植性ヒト乳癌組織(Br-10)の増殖をタモキシフェン投与開始と同時に停止させ、対照群と比較し腫瘍重量を有意に低下させる16)。また、DMBA(7,12-Dimethylbenz[a]anthracene)によるラット乳癌の発生を抑制し、更に確立したDMBA誘発ラット乳癌を退縮させる17)。
摘出ヒト乳癌組織におけるタモキシフェンのエストロゲンレセプターとの結合能は、エストラジオールの約0.7%である18)。また、未成熟ラット子宮組織を用いた試験において、タモキシフェンはエストラジオールの約300倍の濃度でエストラジオールのエストロゲンレセプターに対する結合を50%阻止する19)。なお、エストロゲンレセプター陰性の腫瘍に対しても臨床的効果が認められている20)。
タモキシフェンクエン酸塩(Tamoxifen Citrate)
2-{4-[(1Z)-1,2-Diphenylbut-1-en-1-yl]phenoxy}-N,N-dimethylethylamine monocitrate
C26H29NO・C6H8O7
563.64
タモキシフェンクエン酸塩は白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
アルミピロー包装開封後は、遮光して保存すること。
PTP:100錠(10錠×10)
1) Fisher, B. et al.:J. Natl. Cancer Inst., 1994;86(7):527-537
2) Wickerham, D. L. et al.:J. Clin. Oncol., 2002;20(11):2758-2760
3) Lahti, E. et al.:Obestet. Gynecol., 1993;81(5):660-664
4) Neven, P. et al.:Lancet, 1989;1:375-376
5) Ismail, S. M. et al.:Histopathology, 1997;30(2):187-191
6) 和田富雄他:薬理と治療, 1980;8(2):415-422
7) 社内資料:生物学的同等性試験
8) Adam, H. K. et al.:Biochem. Pharmacol., 1979;27:145-147
9) Wilkinson, P. et al.:Cancer Chemother. Pharmacol., 1980;5(2):109-111
10) Jacolot, F. et al.:Biochem. Pharmacol., 1991;41(12):1911-1919
11) Stearns, V. et al.:J. Natl. Cancer Inst., 2003;95(23):1758-1764
12) Fromson, J. M. et al.:Xenobiotica, 1973;3(11):711-714
13) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-3098-3101
14) The ATAC(Arimidex, Tamoxifen Alone or in Combination)Trialists' Group:Cancer, 2003;98(9):1802-1810
15) The ATAC(Arimidex, Tamoxifen Alone or in Combination)Trialists' Group:Lancet, 2002;359(9324): 2131-2139
16) 久保田哲朗他:癌と化学療法, 1980;7(2):257-264
17) Jordan, V. C.:Eur. J. Cancer, 1976;12(6):419-424
18) Tanaka, M. et al.:Jpn. J. Clin. Oncol., 1978;8(2):141-148
19) 斉藤一史他:薬理と治療, 1979;7(8):2305-2310
20) Patterson, J. et al.:Breast Cancer Res. Treat., 1982;2:363-374
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