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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはエスシタロプラムとして10mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行い、1日最高用量は20mgを超えないこととする。
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自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
精神症状が増悪することがある。,,
痙攣発作を起こすことがある。
出血傾向が増強するおそれがある。
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
用量に留意して、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められている。,
セロトニン症候群があらわれることがある。MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をあけること。
セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。
本剤のラセミ体であるシタロプラムとピモジドとの併用により、QT延長が発現したとの報告がある。
機序は不明である。
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、セロトニン作用が増強することがある。
メチルチオニニウム塩化物水和物はMAO阻害作用を有するため、セロトニン作用が増強される。
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、これらの薬剤を減量するなど注意すること。
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。
メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、メトプロロールを減量するなど注意すること。
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。
シメチジンが本剤の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
これらの薬剤が本剤の代謝酵素であるCYP2C19を阻害することによると考えられる。
本剤のラセミ体であるシタロプラムとワルファリンとの併用により、ワルファリンのプロトロンビン時間が軽度延長(約5%)したとの報告がある。本剤の投与を開始もしくは中止する場合は、プロトロンビン時間を慎重にモニターすること。
出血傾向が増強することがある。
SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。
本剤服用中は飲酒を避けることが望ましい。
他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。
QT延長を起こすおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強するおそれがある。
低ナトリウム血症、頭痛、集中力の欠如、記憶障害、錯乱、幻覚、痙攣、失神等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
不安、焦燥、興奮、振戦、ミオクローヌス、高熱等のセロトニン症候群があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。,,
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5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
全身症状
倦怠感
異常感
無力症、浮腫、熱感、発熱、悪寒、疲労、体重増加、体重減少
過敏症
発疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒
アナフィラキシー反応、血管浮腫
精神神経系
傾眠(22.6%)、浮動性めまい、頭痛
あくび、不眠症、体位性めまい、感覚鈍麻、易刺激性(いらいら感、焦燥)
アカシジア、睡眠障害、異常夢(悪夢を含む)、激越、不安、錯乱状態、躁病、落ち着きのなさ、錯感覚(ピリピリ感等)、振戦、リビドー減退、歯ぎしり
パニック発作、精神運動不穏、失神、幻覚、神経過敏、離人症、ジスキネジー、運動障害、無オルガズム症
消化器
悪心(20.7%)、口渇
腹部不快感、下痢、食欲減退、腹痛、嘔吐、便秘
腹部膨満、胃炎、食欲亢進、消化不良
循環器
動悸
起立性低血圧、QT延長
頻脈、徐脈
血液
赤血球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、白血球増加、血小板増加、血小板減少、鼻出血
出血傾向(斑状出血、消化管出血等)
肝臓
AST・ALT・Al-P・γ-GTP・ビリルビンの上昇等の肝機能検査値異常
肝炎
筋骨格系
関節痛、筋肉痛、肩こり、こわばり
泌尿器・生殖器
排尿困難、尿蛋白陽性、射精障害
頻尿、尿閉、不正出血、勃起不全、射精遅延
持続勃起症、月経過多
その他
回転性めまい、耳鳴、多汗症
副鼻腔炎、味覚異常、脱毛、コレステロール上昇、血中ナトリウム低下、乳汁漏出、胸部不快感、寝汗、羞明、霧視、過換気、尿糖陽性
視覚異常、散瞳、高プロラクチン血症
海外において、本剤1000mgを超える過量投与が報告されている。また、本剤を過量投与した患者において、死亡例が海外で報告されている。主な症状として、中枢神経障害(めまい、振戦、不安、焦燥、興奮、セロトニン症候群、痙攣、昏睡)、胃腸障害(悪心・嘔吐等)、心血管障害(低血圧、頻脈、QT延長、不整脈)、電解質及び水分バランス異常(低カリウム血症、低ナトリウム血症)等が報告されている。
特異的な解毒剤は知られていない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人(CYP2C19のPM(Poor Metabolizer)及びEM(Extensive Metabolizer)各6例)に絶食下で本剤5mg、10mg、20mgを単回経口投与した。CYP2C19EM群では投与後3.8~4.3時間で最高血漿中濃度(Cmax)に達し、消失半減期(t1/2)は24.6~27.7時間であり、Cmax及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)は投与量にほぼ比例して増加した。CYP2C19PM群における最高血漿中濃度到達時間及びCmaxはCYP2C19EM群と同程度であったが、AUC及びt1/2はCYP2C19EM群の約2倍であった4)。,,
CYP2C19遺伝子型注2)
投与量(mg)
Cmax(ng/mL)
tmax(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
EM
5
5.7±0.8
3.8±1.3
183±70
24.6±9.9
10
10.8±2.1
3.8±0.4
418±153
27.7±7.5
20
23.0±4.3
4.3±1.4
807±282
27.4±7.2
PM
5.5±0.6
4.2±1.5
384±109
55.8±16.4
12.9±2.3
4.8±1.8
885±384
51.2±16.9
24.7±4.7
5.2±1.8
1595±356
55.3±8.7
(Mean±S.D.,n=6)
健康成人(CYP2C19のPM及びEM各5例)に本剤10mgを1日1回21日間反復経口投与した。CYP2C19EM群、CYP2C19PM群のいずれにおいても血漿中濃度は投与回数に従い徐々に上昇し、CYP2C19EM群では投与15日目までに、CYP2C19PM群では投与19日目までにほぼ定常状態に達した。CYP2C19PM群の21日間反復投与後におけるCmax、AUC及びt1/2のいずれも、CYP2C19EM群と比較して約2倍高値であった4)。,,
CYP2C19遺伝子型注3)
AUC0-24(ng・hr/mL)
26.8±6.1
3.0±1.0
506±132
37.7±7.5
53.9±12.9
6.4±3.3
1094±266
57.8±14.7
(Mean±S.D.,n=5)
健康成人(17例)に絶食下又は高脂肪食摂取後に本剤20mgを単回経口投与したとき、Cmax及びAUCは両群で統計学的有意差は認められず、食事の影響は認められなかった5)(外国人データ)。
本剤のラセミ体であるシタロプラム40mgを健康成人12例に単回経口投与したときの生物学的利用率は79.5%であった6)(外国人データ)。
健康成人(CYP2C19のPM及びEM各6例)に本剤5mg、10mg、20mgを単回経口投与したときのみかけの分布容積(Vz/F)は872~1053Lであった4)。
ヒト血漿にエスシタロプラム(20~100ng/mL)を添加したとき、検討した濃度範囲における血漿蛋白結合率はほぼ一定であり、その平均値は55.4%であった7)(in vitro、外国人データ)。
健康成人(CYP2C19のPM及びEM各6例)に本剤5mg、10mg、20mgを単回経口投与したとき、投与後168時間後までのエスシタロプラムの尿中排泄率は、CYP2C19EM群では投与量の12.9~13.2%、CYP2C19PM群では21.2~21.9%であった。また、健康成人(CYP2C19のPM及びEM各5例)に本剤10mgを1日1回21日間反復経口投与したとき、最終回投与後24時間までのエスシタロプラムの尿中排泄率は、CYP2C19EM群では投与量の17.4%、CYP2C19PM群では30.7%であった4)。,,
本剤のラセミ体であるシタロプラム20mgを腎機能が低下(糸球体濾過量:10~53mL/min)した患者7例に単回経口投与したとき、健康成人と比較してt1/2は1.35倍延長し、AUC(投与量で補正)は1.24倍に上昇したが、Cmax(投与量で補正)、tmax及びVz/Fはほぼ同程度であった12)(外国人データ)。
本剤20mgを軽度~中等度(Child-Pugh分類のA又はB)の肝機能低下患者8例に単回経口投与したとき、肝機能障害の程度に応じてAUCが上昇し、軽度、中等度の肝機能低下患者におけるAUCは、健康成人のそれぞれ1.37倍、1.61倍であった13)(外国人データ)。,
本剤10mg、20mg及び30mg注4)を絶食下単回経口投与したときの高齢者(14例、65~73歳)におけるCmaxは非高齢者(15例、19~35歳)と同程度であったが、AUC及びt1/2は非高齢者と比較してそれぞれ1.29~1.35倍、1.48~1.53倍上昇あるいは延長した14)。また、本剤10mgを1日1回21日間反復経口投与したときの高齢者(18例、64~80歳)におけるエスシタロプラムのCmax及びAUCは、非高齢者(18例、23~35歳)のそれぞれ1.34倍、1.50倍に上昇した15)(外国人データ)。,
本剤を健康成人に経口投与あるいは静脈内投与注4)したとき、CYP2D6PMにおけるCmax及びAUCは、8例中1例でCYP2D6EMにおける値のそれぞれ1.2倍及び1.3倍であったが、他の7例ではCYP2D6EMと同程度であった16)(外国人データ)。
健康成人(16例)にオメプラゾール30mgを1日1回6日間反復経口投与し、5日目に本剤20mgを併用経口投与したとき、本剤のCmaxには影響は認められなかったが、AUCが1.51倍に上昇した17)(外国人データ)。
健康成人(16例)にシメチジン400mgを1日2回5日間反復経口投与し、4日目に本剤20mgを併用経口投与したとき、本剤のCmaxには影響は認められなかったが、AUCが1.72倍に上昇した17)(外国人データ)。
健康成人(15例)に本剤を反復経口投与(10mg/日を1週間、引き続き20mg/日を3週間)し、最終投与日(28日)にメトプロロール100mgを併用経口投与したとき、メトプロロールのCmax及びAUCがそれぞれ1.75倍、2.27倍に上昇した17)(外国人データ)。
健康成人(20例)に本剤を反復経口投与(10mg/日を1週間、引き続き20mg/日を3週間)し、最終投与日(28日)にデシプラミン50mg(国内販売中止)を併用経口投与したとき、デシプラミンのCmax及びAUCがそれぞれ1.41倍、2.07倍に上昇した17)(外国人データ)。
健康成人(18例)に本剤20mgとリトナビル600mgを併用経口投与したとき、本剤及びリトナビルの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人(8例)にシタロプラム40mgを1日1回10日間反復経口投与し、7日目にレボメプロマジン50mgを併用経口投与したとき、シタロプラム及びレボメプロマジンの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人(17例)にシタロプラムを反復経口投与(20mg/日を7日間、引き続き40mg/日を23日間)し、最終投与日(30日)にトリアゾラム0.25mgを併用経口投与したとき、シタロプラム及びトリアゾラムの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人(12例)にカルバマゼピンを反復経口投与(100mgを2回/日を3日間、引き続き200mgを2回/日を3日間、400mg/日を29日間)し、22日目よりシタロプラム40mgを1日1回14日間反復併用経口投与したとき、カルバマゼピンの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人(26例)にシタロプラム40mgを1日1回11日間反復経口投与し、最終投与日(11日)にピモジド2mgを併用経口投与したとき、ピモジドの薬物動態に影響は認められなかった。一方、併用時のQTcはピモジド単独投与時と比べ有意に延長した(QTcのベースラインからの変化量:併用時9.6~14.1msec、単独投与時2.1~2.3msec)17)(外国人データ)。,
健康成人(17例)にシタロプラム40mg及びケトコナゾール(経口剤は国内未発売)200mgを併用経口投与したとき、シタロプラムの薬物動態に影響は認められなかった。また、ケトコナゾール単独投与時と比べ、ケトコナゾールのtmaxは遅延(併用時2.4時間、単独投与時1.9時間)し、Cmaxが0.79倍に低下したが、AUC及びt1/2は同程度であった17)(外国人データ)。
健康成人(12例)にシタロプラム40mgを1日1回21日間反復経口投与し、15日目にワルファリン25mgを併用経口投与したとき、S-ワルファリン及びR-ワルファリンの薬物動態に影響は認められなかった。また、併用時のプロトロンビン時間の最大値(Rmax)及びプロトロンビン時間-時間曲線下面積(AUCPT)はワルファリン単独投与時に比べ有意に増加したがその増加の程度は軽度であった(Rmax及びAUCPT:併用時26.7sec及び3260sec・hr、単独投与時25.1sec及び3098sec・hr)17)(外国人データ)。
健康成人(11例)にシタロプラム40mgを1日1回29日間反復経口投与し、22日目にジゴキシン1mgを併用経口投与したとき、シタロプラム及びジゴキシンの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。
健康成人(8例)にシタロプラム40mgを1日1回10日間反復経口投与し、3日目から7日目までリチウム30mmolを1日1回5日間反復併用経口投与したとき、シタロプラム及びリチウムの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。
大うつ病性障害患者を対象として、本剤(エスシタロプラムとして1日10mg又は20mg)、プラセボ又はパロキセチン塩酸塩水和物(パロキセチンとして1日20~40mg)を8週間投与した結果、主要評価項目であるMontgomery Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計点の変化量は下表のとおりであり、本剤(10mg及び20mg併合群)のプラセボに対する優越性が示された。観察期及び後観察期の副作用発現頻度は、エスシタロプラム10mg投与群で63.3%(76/120例)、エスシタロプラム20mg投与群で75.6%(90/119例)であった。主な副作用は、10mg投与群では傾眠15.0%(18/120例)、悪心13.3%(16/120例)、浮動性めまい9.2%(11/120例)、20mg投与群では傾眠20.2%(24/119例)、悪心21.0%(25/119例)、浮動性めまい10.1%(12/119例)であった18)。
投与群
例数
MADRS合計点注5)
変化量
ベースライン
最終評価時
ベースラインからの変化量注5)
プラセボ群との対比較注6)
群間差注7)[95%信頼区間]
p値
プラセボ群
124
29.0±5.6
18.3±10.1
-10.7±9.5
-
本剤
10mg群
120
29.4±5.8
15.6±11.0
-13.7±10.0
-3.0[-5.4, -0.5]
0.018注8)
20mg群
119
29.8±6.0
16.2±10.1
-13.6±8.8
-2.7[-5.0, -0.4]
0.021注8)
併合群
239
29.6±5.9
15.9±10.5
-13.7±9.4
-2.8[-4.9, -0.8]
0.006注8)
パロキセチン群
121
29.8±5.9
15.6±10.0
-14.2±9.9
-3.2[-5.6, -0.8]
0.009注8)
大うつ病性障害患者を対象として、本剤(エスシタロプラムとして1日10mg又は20mg)を最大52週間投与した結果、52週まで有効性は維持された。観察期及び後観察期の副作用発現頻度は、エスシタロプラム10mg又は20mg投与群では80.4%(74/92例)であった。主な副作用は、傾眠30.4%(28/92例)、悪心23.9%(22/92例)、頭痛19.6%(18/92例)、浮動性めまい15.2%(14/92例)であった19)。
評価時期
MADRS合計点注9)
変化量注9)
92
31.3±5.5
8週時
87
15.0±9.3
-16.5±8.5
24週時
79
10.8±9.1
-20.3±8.6
52週時
66
8.0±7.4
-23.0±7.6
高齢の大うつ病性障害患者を対象として、本剤(エスシタロプラムとして1日10mg又は20mg)を最大52週間投与した結果、52週まで有効性は維持された。観察期及び後観察期の副作用発現頻度は、エスシタロプラム10mg又は20mg投与群では81.8%(18/22例)であった。主な副作用は、口渇、傾眠及び悪心各22.7%(5/22例)であった20)。
MADRS合計点注10)
変化量注10)
22
31.4±8.6
19
17.1±9.9
-13.7±9.0
14
11.5±8.5
-18.6±7.6
13
7.4±6.4
-23.3±6.6
社会不安障害患者を対象として、本剤(エスシタロプラムとして1日10mg又は20mg)又はプラセボを12週間投与した結果、主要評価項目であるLiebowitz Social Anxiety Scale-J(LSAS-J)合計点の変化量は下表のとおりであった。観察期及び後観察期の副作用発現頻度は、エスシタロプラム10mg投与群で51.5%(102/198例)、エスシタロプラム20mg投与群で57.5%(111/193例)であった。主な副作用は、10mg群では傾眠18.7%(37/198例)、悪心14.6%(29/198例)、20mg投与群では傾眠22.3%(43/193例)、悪心17.6%(34/193例)であった21)。
LSAS-J合計点注11)
投与12週時
ベースラインからの変化量注11)
プラセボ群との対比較注12)
群間差注13)[95%信頼区間]
196
95.3±18.5
72.2±27.4
-23.1±21.4
198
94.5±18.2
67.6±29.0
-26.9±23.3
-3.9[-8.3, 0.6]
0.089
193
93.4±17.8
60.7±28.0
-32.6±25.6
-9.8[-14.5, -5.2]
-注14)
社会不安障害患者を対象として、本剤(エスシタロプラムとして1日10mg又は20mg)を最大52週間投与した結果、52週まで有効性は維持された。観察期及び後観察期の副作用発現頻度は、エスシタロプラム10mg又は20mg投与群では60.1%(95/158例)であった。観察期の主な副作用は、傾眠24.7%(39/158例)、悪心19.0%(30/158例)であった。後観察期において発現率が10%以上の副作用は認められなかった22)。
LSAS-J合計点注15)
変化量注15)
158
95.3±19.5
12週時
141
69.0±25.1
-26.6±21.5
138
59.9±28.7
-35.6±27.2
126
49.9±28.0
-44.8±28.8
健康成人117例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(Thorough QT試験)において、QTcFのベースラインからの変化量(プラセボ補正)は、本剤1日10mg投与において4.3msec、1日30mg投与注16)において10.7msecであった23)(外国人データ)。
薬剤
QTcF(90%信頼区間)(msec)
エスシタロプラム 10mg/日
4.3(2.2, 6.4)
エスシタロプラム 30mg/日注16)
10.7(8.6, 12.8)
モキシフロキサシン 400mg/日
9.2(7.7, 10.7)
エスシタロプラムは選択的なセロトニン(5-HT)再取り込み阻害作用を示し、脳内での細胞外5-HT濃度を持続的に上昇させることにより5-HT神経系を賦活化し抗うつ作用を示すと考えられる。
エスシタロプラムシュウ酸塩(Escitalopram Oxalate)
(1S)-1-[3-(Dimethylamino)propyl]-1-(4-fluorophenyl)-1,3-dihydroisobenzofuran-5-carbonitrile monooxalate
C20H21FN2O・C2H2O4
414.43
白色~淡黄色の粉末である。メタノールに溶けやすく、水及びエタノール(95)にやや溶けにくい。
P T P:28錠(14錠×2)、100錠(10錠×10)、140錠(14錠×10)、500錠(10錠×50)
ボトル:500錠(バラ)
P T P:100錠(10錠×10)
1) Chambers, C. D. et al.:N. Engl. J. Med. 2006;354(6):579-587
2) Källén, B. et al.:Pharmacoepidemiol. Drug Saf. 2008;17(8):801-806
3) Wagner, K. D. et al.:J. Am. Acad. Child Adolesc. Psychiatry. 2006;45(3):280-288
4) 持田製薬社内資料:国内第I相試験-エスシタロプラムの単回及び反復投与試験-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.4.1)
5) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-エスシタロプラムの薬物動態に及ぼす食事の影響-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.3.2)
6) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-シタロプラムの生物学的利用率-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.2.1)
7) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-エスシタロプラムの蛋白結合の検討-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.4.4.3、2.6.5.6.2)
8) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-エスシタロプラムのin vitro代謝の検討-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.4.5.2)
9) Olesen, O. V. et al.:Pharmacology. 1999;59(6):298-309
10) Rochat, B. et al.:Biochem. Pharmacol. 1998;56(1):15-23
11) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-シタロプラムのマスバランス-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.4.5)
12) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-腎機能障害患者におけるシタロプラムの薬物動態-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.5.5)
13) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-肝機能障害患者におけるエスシタロプラムの薬物動態-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.5.4)
14) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-高齢者におけるエスシタロプラムの薬物動態(単回投与)-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.5.1)
15) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-高齢者におけるエスシタロプラムの薬物動態(反復投与)-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.5.2)
16) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-エスシタロプラムの薬物動態に及ぼすCYP2D6遺伝子多型の影響-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.2.3)
17) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-エスシタロプラム及びシタロプラムの薬物相互作用試験-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.6)
18) 持田製薬社内資料:用量反応非劣性試験-大うつ病性障害患者におけるプラセボ及び塩酸パロキセチンを対照とした有効性及び安全性の検討-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.8.2)
19) 持田製薬社内資料:長期投与試験-大うつ病性障害患者における長期投与の安全性及び有効性の検討-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.9.1)
20) 持田製薬社内資料:高齢者長期投与試験-大うつ病性障害患者における長期投与の安全性、有効性及び薬物動態の検討-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.9.2)
21) 持田製薬社内資料:社会不安障害に対するプラセボ対照試験(2015年11月20日承認、CTD 2.7.6.1.1)
22) 持田製薬社内資料:社会不安障害に対する長期投与試験(2015年11月20日承認、CTD 2.7.6.2.1)
23) 持田製薬社内資料:海外Thorough QT試験-エスシタロプラムの心臓再分極に及ぼす影響-(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.7.4)
24) 持田製薬社内資料:薬理試験-うつ病モデル及び不安障害モデルにおける有効性-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.2.2.1、2.6.2.3.1)
25) Sánchez, C. et al.:Psychopharmacology. 2003;167(4):353-362
26) Montgomery, S. A. et al.:Pharmacol. Toxicol. 2001;88(5):282-286
27) Sánchez, C. et al.:Behav. Pharmacol. 2003;14(5-6):465-470
28) 持田製薬社内資料:薬理試験-ラット社会的ストレスモデルの行動様式に及ぼす影響-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.2.2.1)
29) 持田製薬社内資料:薬理試験-ラット脳シナプトソームの5-HT取り込み(in vitro)及びテトラベナジン誘発によるマウスの行動(in vivo)に及ぼす影響-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.2.2.2、2.6.2.3.2)
30) Mørk, A. et al.:Neuropharmacology. 2003;45(2):167-173
31) Owens, M. J. et al.:Biol. Psychiatry. 2001;50(5):345-350
32) Hyttel, J. et al.:J. Neural Transm. Gen. Sect. 1992;88(2):157-160
33) 持田製薬社内資料:薬理試験-エスシタロプラム及び代謝物のモノアミン取り込みに及ぼす影響(in vitro及びin vivo)-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.2.2.2、2.6.2.3.2)
34) 持田製薬社内資料:薬理試験-各種受容体及びトランスポータに対するリガンドの結合に及ぼす影響-(2011年4月22日承認、CTD 2.6.2.2.2、2.6.2.3.2)
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