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日本薬局方
イコサペント酸エチルカプセル
適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
イコサペント酸エチルとして、通常、成人には1回2gを1日1回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセリド高値の程度により、1回4g、1日1回まで増量できる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
*ミフェプリストン・ミソプロストールによる子宮出血の程度が悪化するおそれがある。
*イコサペント酸エチルの抗血小板作用により出血が増強するおそれがある。
出血傾向をきたすおそれがある。
イコサペント酸エチルは抗血小板作用を有するので、抗凝固剤、血小板凝集を抑制する薬剤との併用により相加的に出血傾向が増大すると考えられる。
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
**イコサペント酸エチル(4g/日)の海外臨床試験において、入院を要する心房細動又は心房粗動のリスク増加が認められたとの報告がある1)。また、イコサペント酸エチルを含むオメガ-3脂肪酸の国内外臨床試験において、心房細動のリスク増加が認められたとの報告がある2),3)。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹等
そう痒感
出血傾向
鼻出血、歯肉出血
皮下出血、血尿、眼底出血、消化管出血等
血液
貧血等
消化器
下痢、腹部不快感
悪心、便秘、腹部膨満感、腹痛、口内炎
胸やけ、嘔吐、食欲不振、口渇、鼓腸等
肝臓
AST・ALT・Al-P・γ-GTP・LDH・ビリルビンの上昇等の肝機能障害
腎臓
BUN・クレアチニンの上昇
呼吸器
咳嗽、呼吸困難
精神神経系
頭痛・頭重感、めまい、ふらつき、眠気、不眠、しびれ
筋骨格系
関節痛、筋肉痛、四肢痛、筋痙攣(こむら返り等)
その他
CKの上昇
顔面潮紅、ほてり、発熱、動悸、浮腫、頻尿、尿酸上昇、全身倦怠感、血圧上昇、女性化乳房、耳鳴、発汗、ざ瘡
本剤は噛まずに服用させること。
コントロール不良の高血圧症を有し、他の抗血小板剤を併用した症例において、脳出血があらわれたとの報告がある。
健康成人男性に本剤0.5g、1g、2g又は4gを朝食直後に単回経口投与注1)したときのEPAの薬物動態パラメータを以下に示す。Cmax及びAUC0-∞は用量依存的に増加した4)。
投与量
Cmaxa)(µg/mL)
tmaxb)(hr)
t1/2a)(hr)
AUC0-∞a)(µg・hr/mL)
0.5g(n=8)
21.72±5.58
3.00(3.0、12.0)
29.27±15.48
669.50±298.95
1g(n=8)
48.08±18.05
3.00(2.0、5.0)
44.57±17.27
1721.11±493.53
2g(n=8)
94.45±33.47
40.29±18.07
2587.56±826.93
4g(n=7)
208.84±44.36
5.00(3.0、5.0)
33.93±9.47
4274.67±1078.51
a)平均値±標準偏差
b)中央値(最小値、最大値)
健康成人男性に本剤0.5g、1g、2g若しくは4gを1日1回(朝)又はエパデールS900を1回0.9g、1日2回(朝・夕)、食直後に11日間反復経口投与注1)したところ、本剤の投与において、血漿中EPAの濃度は、投与6~8日以降上昇幅が小さくなり、投与11日目にはほぼ定常状態に達した。本剤2g若しくは4g/日又はエパデールS900 1.8g/日を11日間反復経口投与したときのEPAの薬物動態パラメータを以下に示す4)。
投与日
Css,maxa)(µg/mL)
AUC0-24hra)(µg・hr/mL)
本剤2g/日(n=7)
11
239.93±60.57
3.00(3.0、5.0)
44.87±9.12
3409.86±629.05
本剤4g/日(n=8)
450.89±145.83
4.50(3.0、5.0)
53.83±10.34
5707.02±1552.23
エパデールS9001.8g/日(n=8)
139.56±16.84
5.00
(5.0、10.0)
48.92±9.44
2536.38±216.87
健康成人男性に本剤2g又は4gを1日1回、朝空腹時又は朝食直後に単回経口投与したときのEPAのCmax及びAUC0-72hrは、食直後投与と比較して、空腹時投与で、本剤2g投与ではそれぞれ30%及び28%、本剤4g投与ではそれぞれ34%及び26%減少した4)。
雌雄ラットに14C標識EPA-Eを単回経口投与したときの組織内分布率は、観察期間を通じて肝、白色脂肪、筋肉及び皮膚で高値であった5)。
雄ラット及び雄イヌに14C標識EPA-Eを単回経口投与したときの血漿蛋白結合率は、86.7~98.8%及び96.7~98.7%であった5)。
EPA-Eは小腸において脱エチル化を受けた後、トリグリセリドやリン脂質等の構成脂肪酸として取り込まれ、リンパ及び血漿を経由して各組織へ移行後、肝又は各組織の主としてミトコンドリアにおいてβ酸化によりアセチルCoAにまで代謝され、TCA回路によって炭酸ガス及び水となって体外に排泄されるものと推定される6)(ラット)。
雄ラットに14C標識EPA-Eを経口投与したところ、投与168時間までの尿中への排泄は2.7%、糞中へは16.7%であった。なお、呼気中へ放射活性の44.4%が排泄された5)。
トリグリセリドが高値の患者580例を対象として、本剤2g若しくは4gを1日1回(朝)、又はエパデールカプセル300を1回0.9g、1日2回(朝・夕)若しくは1日3回(朝・昼・夕)、食直後に12週間経口投与した無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。検定の多重性を調整するため、閉検定手順を用いて、本剤2g/日群のエパデールカプセル1.8g/日群に対する非劣性が検証された場合に限り、本剤4g/日群の本剤2g/日群に対する優越性を検証することとした。投与終了時における投与前値からの血清トリグリセリド変化率(主要評価項目)を以下に示す。投与終了時の血清トリグリセリド変化率において、本剤2g/日群のエパデールカプセル1.8g/日群に対する非劣性が示された(非劣性限界値は7%)。また、本剤4g/日群の本剤2g/日群に対する優越性が示された。
投与群
投与前値a)(mg/dL)
変化率a)(%)
エパデールカプセル1.8g/日との差b,c)(%)
本剤2g/日との差b,c)(%)
本剤2g/日(1日1回)(n=145)
257.3±71.7
-10.09±22.34
-0.42
[-5.76, 4.91]
-
本剤4g/日(1日1回)(n=145)
252.5±72.4
-15.51±20.60
-5.74
[-10.59, -0.89]
エパデールカプセル1.8g/日(1日2回)(n=145)
252.3±68.1
-9.30±24.70
エパデールカプセル2.7g/日(1日3回)(n=145)
251.1±65.2
-8.80±28.19
b)調整平均値[両側95%信頼区間]
c)投与群を説明変数、血清トリグリセリドの投与前値を共変量とした共分散分析
副作用の発現頻度は本剤2g/日群で9.0%(13/145例)、本剤4g/日群で10.3%(15/145例)、エパデールカプセル1.8g/日群で7.6%(11/145例)、エパデールカプセル2.7g/日群で9.0%(13/145例)であった。本剤群では2%以上に認められた副作用はなかった7)。
トリグリセリドが高値の患者122例を対象として、本剤2g又は4gを1日1回(朝)、食直後に52週間経口投与した無作為化非盲検試験を行った。投与前値からの血清トリグリセリド変化率の推移を以下に示す。いずれの群においても、血清トリグリセリドは投与4週時から低下が認められ、投与52週時まで効果が持続した。
投与4週時
投与12週時
投与24週時
投与52週時
投与終了時
本剤2g/日
280.6±71.4(n=60)
-6.10±26.86(n=60)
-14.48±24.61(n=57)
-12.39±23.81(n=57)
-16.71±36.27(n=54)
-17.54±34.90(n=60)
本剤4g/日
281.1±71.8(n=61)
-8.37±25.53(n=60)
-17.53±22.68(n=59)
-17.37±32.78(n=58)
-21.01±25.10(n=54)
-17.30±29.01(n=61)
副作用の発現頻度は本剤2g/日群で9.8%(6/61例)、本剤4g/日群で8.2%(5/61例)であった。2%以上に認められた副作用は本剤2g/日群で下痢3.3%(2/61例)、本剤4g/日群で軟便3.3%(2/61例)であった8)。
EPA-Eは小腸で脱エチル化を受けてEPAに代謝された後、以下の作用を示す6),9),10)。
イコサペント酸エチル(Ethyl Icosapentate)
Ethyl(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-icosa-5,8,11,14,17-pentaenoate
C22H34O2
330.50
無色~微黄色の澄明な液で、僅かに特異なにおいがある。エタノール(99.5)、酢酸(100)、ヘキサンと混和する。水又はエチレングリコールにほとんど溶けない。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
スティック包装:56包、280包
1) Bhatt, D. L. et al.:N. Engl. J. Med. 2019;380(1):11-22
2) **Miyauchi, K. et al.:Circulation. 2024;150(6):425-434
3) **Nicholls, S. J. et al.:JAMA. 2020;324(22):2268-2280
4) 持田製薬社内資料:第Ⅰ相単回・反復投与試験(エパデールEMカプセル:2022年6月20日承認、CTD 2.7.6.2)
5) 石黒淳三 他:薬物動態. 1987;2(6):683-702
6) 持田製薬社内資料:EPAEの生体内動態(2)-14C-EPAEのラットにおける代謝-
7) 持田製薬社内資料:第Ⅲ相試験(エパデールEMカプセル:2022年6月20日承認、CTD 2.7.6.4)
8) 持田製薬社内資料:第Ⅲ相長期投与試験(エパデールEMカプセル:2022年6月20日承認、CTD 2.7.6.5)
9) Mizuguchi, K. et al.:Eur. J. Pharmacol. 1993;231(1):121-127
10) Mizuguchi, K. et al.:Eur. J. Pharmacol. 1993;235(2-3):221-227
11) Mizuguchi, K. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 1992;59(3):307-312
12) 水口 清 他:動脈硬化. 1990;18(5):471
13) 矢野 崇 他:動脈硬化. 1990;18(5):535
14) 水口 清 他:動脈硬化. 1990;18(5):536
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