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デソパン錠60mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

デソパン錠60mg

添付文書番号

2499008F1034_1_05

企業コード

790005

作成又は改訂年月

2021年10月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872499

薬効分類名

副腎皮質ホルモン合成阻害剤

承認等

デソパン錠60mg

販売名コード

YJコード

2499008F1034

販売名英語表記

DESOPAN Tablets 60mg

販売名ひらがな

でそぱんじょう60mg

承認番号等

承認番号

22000AMX02192000

販売開始年月

1986年2月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

トリロスタン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性

3. 組成・性状

3.1 組成

デソパン錠60mg

有効成分1錠中 トリロスタン   60mg
添加剤結晶セルロース、乳糖水和物、カルメロースカルシウム、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

デソパン錠60mg

識別コードMO231
性状微黄白色の素錠
外形(mm)
重量(mg)125

4. 効能又は効果

  • 特発性アルドステロン症
  • 手術適応とならない原発性アルドステロン症及びクッシング症候群
  • 上記疾患におけるアルドステロン及びコルチゾール分泌過剰状態の改善並びにそれに伴なう諸症状の改善

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈手術適応とならないクッシング症候群〉

    下垂体性ACTH過剰分泌によるクッシング症候群(クッシング病)の患者には、原疾患に対する治療も考慮すること。

6. 用法及び用量

通常、成人には初期投与量として1日240mg(4錠)を3~4回に分割投与する。維持量として1日240mg~480mg(4~8錠)を3~4回に分割投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 血中コルチコステロイド等の濃度をモニターすることが望ましい。
  2. 8.2 本剤の投与により副腎不全が起こる可能性がある。このような場合には、副腎ステロイド補充を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 副腎皮質機能の低下している患者

    副腎皮質機能の低下を助長するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎障害のある患者

    代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強されるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強されるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

本剤の投与に際しては、妊娠していないことを十分確認して投与すること。また、投与中は適切な非ホルモン法による避妊を行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ヒト(妊婦)において血中プロゲステロンの低下をきたすとの報告がある。また、動物実験で胎児毒性及び母獣の妊娠維持能の低下が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
    • ミトタン

    副腎皮質機能抑制作用の増強がみられることがある。

    ミトタンは副腎皮質細胞毒作用及びステロイド合成阻害作用を有する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    0.5~10%未満

    肝臓

    AST・ALT・Al-P・γ-GTPの上昇等

    過敏症

    発疹・紅斑、潮紅、そう痒感等

    消化器

    悪心・嘔吐、食欲不振、胃・腹部不快感、胸やけ、下痢、口渇等

    その他

    倦怠感、眠気、脱毛、関節痛

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    初回投与時に大量投与した場合、副作用発生の可能性が高いとの報告がある1)

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人男性3例に本剤を単回経口投与(90及び150mg投与1例、120及び180mg投与1例、180mg投与1例)したところ、血中濃度は投与1ないし2時間後に最高値を示し、投与8時間後には血中から消失した。

    16.3 分布

    ラットにトリロスタンを10mg/kg投与したところ、副腎が最も高濃度であり、特に皮質に多く分布していた。

    16.5 排泄

    ラットにトリロスタンを10mg/kg投与したところ、投与後48時間までに総投与量の27~35%が尿中に、60~65%が糞中に排泄された。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験

      コン症候群及び類縁疾患並びにクッシング症候群の患者130例を対象として、本剤を投与初期の約1週間240mg/日、次いで維持量240~480mg/日を1日3~4回に分割経口投与(効果及び副作用に応じて投与量を増減し、投与期間を決定)した結果、有用性は下表のとおりであった。

      疾患名

      有用率

      コン症候群
      及び
      類縁疾患

      原発性アルドステロン症

      56%(15/27例)

      特発性アルドステロン症

      57%(12/21例)

      その他

      100%(2/2例)

      58%(29/50例)

      クッシング症候群

      副腎腺腫

      38%(6/16例)

      クッシング病

      35%(17/49例)

      その他

      30%(3/10例)

      35%(26/75例)

      副作用発現頻度は、17.7%(23/130例)であった。主な副作用は、食欲不振及び悪心・嘔吐各6.2%(8/130例)、発疹及び肝機能検査異常各4.6%(6/130例)であった2)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    トリロスタンはアルドステロン及びコルチゾールの生合成過程における酵素の1つである3β-hydroxysteroid脱水素酵素を特異的かつ競合的に阻害することにより、アルドステロン分泌過剰及びコルチゾール分泌過剰を抑制するものと考えられる。

    18.2 副腎皮質ステロイドホルモン生合成阻害作用

    副腎皮質ステロイドホルモン生合成過程における3β-hydroxysteroid脱水素酵素を特異的かつ競合的に阻害することが認められ、その作用は可逆的である(in vitro3),4)
    ラットでの低ナトリウム食及びACTH誘発の血中アルドステロン及びコルチコステロンの上昇を有意に抑制した3)。さらに、モルモットでのACTH誘発の血中コルチゾールの上昇を有意に抑制した。
    また、アルドステロン分泌過剰によると考えられる高血圧及び尿中電解質異常を示す副腎再生性高血圧ラット等の病態動物において、血圧低下や尿中カリウム排泄の抑制等が認められた5)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    トリロスタン(Trilostane)

    化学名

    4α,5-Epoxy-3,17β-dihydroxy-5α-androst-2-ene-2-carbonitrile

    分子式

    C20H27NO3

    分子量

    329.43

    性状

    白色~微黄白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシド又はピリジンに溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、ギ酸、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、クロロホルム又はジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

    化学構造式

    融点

    約260℃(分解)

    22. 包装

    PTP:100錠(10錠×10)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    持田製薬株式会社 くすり相談窓口

    東京都新宿区四谷1丁目7番地 〒160-8515

    TEL 03-5229-3906  0120-189-522
    FAX 03-5229-3955

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    持田製薬株式会社

    東京都新宿区四谷1丁目7番地

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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