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処方箋医薬品注)
通常、成人にはジエノゲストとして1日1mgを2回に分け、月経周期2~5日目より経口投与する。
治療に際しては妊娠していないことを確認し、必ず月経周期2~5日目より投与を開始すること。また、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。,
出血症状が増悪し、まれに大量出血を起こすおそれがある。
更年期障害様のうつ症状があらわれるおそれがある。
本剤投与に際し、本剤投与による骨密度の減少の可能性や将来的な骨粗鬆症等の発症リスクを考慮した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、定期的に骨塩量検査を実施するなど患者の状態に十分注意し、治療上の有益性と骨密度減少のリスクを考慮した上で投与継続の可否を慎重に判断し、漫然と投与しないこと。12歳~18歳を対象とした海外臨床試験において、ジエノゲストを1日2mg注2)、52週間投与後の骨密度変化率は-1.2%であった1)。
代謝能の低下により、本剤の作用が増強することがある。重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)において、受胎阻害、胚死亡率の増加及び流産等が認められている。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(本剤とクラリスロマイシンの併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ単独投与時の20%及び86%増加した。)
これらの薬剤が本剤の薬物代謝酵素であるCYP3A4を阻害することによると考えられる。
本剤の血中濃度が低下することにより本剤の有効性が減弱するおそれがある。
これらの薬剤が本剤の薬物代謝酵素であるCYP3A4を誘導することによると考えられる。
本剤の効果が減弱する可能性がある。
エストロゲン依存性の疾患については、卵胞ホルモン含有製剤の投与により本剤の治療効果が減弱する可能性がある。
プロゲステロン作用が増強する可能性がある。
ともにプロゲステロン受容体に対するアゴニスト活性を示すことから、プロゲステロン作用が相加的に増強する可能性がある。
本剤投与後に不正出血があらわれ、重度の貧血に至ることがある。出血量が多く持続日数が長い場合や一度に大量の出血が認められた場合には、必要に応じて血液検査を実施し、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には、鉄剤の投与又は本剤の投与中止、輸血等の適切な処置を行うこと。,
アナフィラキシー(呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹、そう痒感等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3%以上
3%未満
頻度不明
低エストロゲン症状
頭痛
ほてり、めまい、不眠、動悸
不安、抑うつ、発汗
子宮
不正出血(93.8%)
腹痛
乳房
乳房緊満感
乳房痛
乳汁分泌
皮膚
外陰部かぶれ・かゆみ注3)
ざ瘡、脱毛
皮膚乾燥
精神神経系
傾眠
いらいら感、しびれ感
片頭痛
過敏症
発疹等
そう痒感
肝臓
AST・ALT・γ-GTP・ビリルビン上昇等の肝機能検査値異常
消化器
悪心、腹痛、便秘、胃部不快感、下痢、口内炎
腹部膨満感、嘔吐
血液
貧血、白血球減少
筋骨格系
関節痛
背部痛、肩こり、骨塩量低下
その他
倦怠感
浮腫、耳鳴、体重増加
疲労、発熱、血糖値上昇、コレステロール上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人女性にジエノゲスト0.5mg、1mg、2mgを絶食単回経口投与注4)したときのジエノゲストの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、血漿中濃度は、投与後0.9~1.3時間で最高血漿中濃度に達した。Cmax及びAUC0-∞は用量に依存して増大し、半減期は6.65~7.66時間であった2)。
投与量
Cmax(ng/mL)
tmax(hr)
t1/2α(hr)
t1/2β(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
0.5mg
17.5±2.2
0.9±0.2
0.749±0.201
7.06±1.00
154.9±34.2
1mg
34.7±3.1
1.3±0.6
0.772±0.364
6.65±1.49
320.4±56.7
2mg
76.1±14.6
1.2±0.4
0.580±0.209
7.66±1.22
695.1±114.2
(Mean±S.D.,n=6)
健康成人女性にジエノゲスト0.5mg、1mg、2mgを1日2回12時間毎に11回(6日間)反復経口投与注4)したところ、血漿中濃度は投与回数に従い徐々に上昇し、いずれの用量においても投与回数6回でほぼ定常状態に達した3),4)。ジエノゲスト0.5mgを1日2回反復経口投与したときのジエノゲストの薬物動態パラメータは以下のとおりである3)。
投与回数
AUCa)(ng・hr/mL)
1回目
12.4±0.4
2.3±1.0
8.82±1.48
166.5±39.5
11回目
22.3±4.9
2.3±0.5
9.97±3.21
187.4±47.2
a)1回目のAUCは無限大時間まで外挿した値。11回目は投与12時間後までの値。
健康成人女性にジエノゲスト0.5mg、1mg、2mgを単回経口投与注4)したとき、摂食による吸収の遅延は認められるものの、吸収率及び消失速度には影響せず、食事の影響は少ないと考えられた2),3),4)。
投与条件
絶食下
非絶食下
健康成人男性20例にジエノゲスト2mgを絶食単回経口投与(錠剤)及び静脈内投与注4)したとき、生物学的利用率は90.55%であった5)(外国人データ)。
健康成人女性6例にジエノゲスト0.5mgを絶食単回経口投与したときのみかけの分布容積(Vdβ/F)は、33.79Lであった2)。
健康成人女性の血漿を用いたin vitro試験におけるジエノゲスト(100ng/mL)の蛋白結合率は94.5%であった6)。結合蛋白質は主にアルブミンと考えられた7)。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験の結果より、ジエノゲストの代謝には、主にCYP3A4が関与すると考えられた8),9)。また、健康成人女性6例にジエノゲスト2mgを1日2回、計11回(6日間)反復経口投与注4)したときの定常状態におけるCmaxの368倍の濃度(100µmol/L)においても、ジエノゲストはCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4活性をほとんど阻害しなかった10),11)。
健康成人女性6例にジエノゲスト2mgを絶食単回経口投与注4)した場合、尿中に未変化体は検出されず、尿中の代謝物として主に水酸化体及びグルクロン酸抱合体が排泄された2)。
健康成人女性10例にクラリスロマイシン200mgを1日2回、3日間経口投与し、翌日、ジエノゲスト1mg注4)とクラリスロマイシン200mgを1回併用したとき、ジエノゲストのCmax及びAUC0-∞はジエノゲスト1mg単独投与時に比し、それぞれ1.20倍、1.86倍に上昇した12)。
月経困難症患者94例(平均32.8歳、21~47歳)を対象としたランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験(本剤1mg/日、12週間投与)では、「子宮体部の最大径が10cm以上又は子宮筋層最大厚4cm以上の患者」及び「ヘモグロビン値8.0g/dL未満の患者」を除外し、「ヘモグロビン値8.0g/dL以上11.0g/dL未満の患者」は本剤投与前に貧血に対する治療を実施し、ヘモグロビン値11.0g/dL以上に改善した症例のみを登録した。有効性の評価には、疼痛の程度及び鎮痛剤の使用状況を指標とした月経困難症スコア13)を用いた。その結果、「投与12週時の月経困難症スコアのベースラインからの変化量(LOCF)」において、本剤1mg/日群のプラセボ群に対する優越性が示された。副作用発現頻度は、93.6%(44/47例)であった。主な副作用は、不正出血93.6%(44/47例)であった14)。
項目
程度
内容
スコア
疼痛の程度
なし
痛みなし
0
軽度
仕事(学業・家事)に若干の支障あり
1
中等度
横になって休憩したくなるほど仕事(学業・家事)への支障をきたす
2
重度
1日以上寝込み、仕事(学業・家事)ができない
3
鎮痛剤の使用状況
調査期間中の最も程度の重い疼痛の発現期間中に鎮痛剤を1日使用した
調査期間中の最も程度の重い疼痛の発現期間中に鎮痛剤を2日使用した
調査期間中の最も程度の重い疼痛の発現期間中に鎮痛剤を3日以上使用した
プラセボ群(47例)
本剤1mg/日群(47例)
ベースラインa)
4.6±1.1
4.3±1.0
投与12週時a)
3.6±1.7
1.0±1.5
変化量a)
-1.0±1.8
-3.3±1.6
変化量b,c)
-1.0[-1.4, -0.5]
-3.4[-3.8, -2.9]
変化量のプラセボ群との差b,c)
-2.4[-3.1, -1.8]
p値c)
<0.001
a)平均値±標準偏差
b)調整済み平均値[両側95%信頼区間]
c)投与群及び診断分類(機能性月経困難症、器質性月経困難症)を説明変数、投与前の月経困難症スコアを共変量とした共分散分析
ジエノゲストはプロゲステロン受容体に対する選択的なアゴニスト作用を示し、卵巣機能抑制及び子宮内膜細胞の増殖抑制により月経困難症に対する有効性を示すと考えられる。
ヒトステロイドホルモン受容体遺伝子を導入した細胞を用いたin vitro試験で、プロゲステロン受容体に対する選択的なアゴニスト活性を示した15),16),17),18)。
ラット及びウサギを用いたin vivo試験において、子宮に対してプロゲステロン作用を示した19),20),21)。一方、アンドロゲン作用22)、グルココルチコイド作用23)及びミネラルコルチコイド作用24)は示さなかった。
健康成人女性にジエノゲスト1日2mgを2回に分け21日間経口投与注5)したとき、通常の月経周期にみられる血清中エストラジオール及びプロゲステロン濃度の上昇の抑制、血清中LH及びFSH濃度の一過性の上昇の消失が認められた25)。
月経困難症患者にジエノゲスト1日0.5~2mg又はプラセボを2回に分け12週間経口投与注5)した。1mg/日群における投与3週時の血清中プロゲステロン濃度は、プラセボ群に比し有意に低下し(Wilcoxon 2標本検定、p<0.05)、1日1mg投与時の排卵抑制作用が示唆された26)。
ヒト子宮内膜間質細胞を用いたin vitro試験で、細胞増殖の抑制が認められた27)。
ジエノゲスト(Dienogest)
17-Hydroxy-3-oxo-19-nor-17α-pregna-4,9-diene-21-nitrile
C20H25NO2
311.42
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にはほとんど溶けない。
210~218℃
PTPシートからの取り出し後は、遮光して保存すること。
PTP:140錠(14錠×10)
1) Ebert, A. D. et al.:J. Pediatr. Adolesc. Gynecol. 2017;30(5):560-567
2) 持田製薬社内資料:第Ⅰ相試験-単回投与試験-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.6.3)
3) 持田製薬社内資料:第Ⅰ相試験-反復投与試験-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.6.3)
4) 持田製薬社内資料:第Ⅰ相試験-反復投与追加試験-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.6.3)
5) 持田製薬社内資料:海外臨床薬物動態試験-健康成人男性における生物学的利用率の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.6.1)
6) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-ヒト血漿たん白結合(1)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.4.4)
7) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-ヒト血漿たん白結合(2)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.2.2)
8) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-代謝に関与するCYP分子種の検討(1)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.4.5)
9) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-代謝に関与するCYP分子種の検討(2)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.4.5)
10) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-CYP分子種に対する阻害作用の検討(1)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.4.7)
11) 持田製薬社内資料:薬物動態試験-CYP分子種に対する阻害作用の検討(2)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.4.7)
12) 持田製薬社内資料:臨床薬物動態試験-クラリスロマイシン併用の薬物相互作用-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.6.4)
13) Harada, T. et al.:Fertil. Steril. 2008;90(5):1583-1588
14) 持田製薬社内資料:第Ⅲ相試験-月経困難症患者における有効性および安全性の検討-(2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.2)
15) 持田製薬社内資料:薬理試験-ヒトプロゲステロン・アンドロゲンおよびグルココルチコイド受容体に対するアゴニスト活性の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
16) 持田製薬社内資料:薬理試験-ヒトエストロゲン受容体に対するアゴニスト活性の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
17) 持田製薬社内資料:薬理試験-ヒトミネラルコルチコイド受容体に対するアゴニスト活性およびアンタゴニスト活性の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
18) 持田製薬社内資料:薬理試験-ヒトアンドロゲンおよびグルココルチコイド受容体に対するアンタゴニスト活性の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
19) 持田製薬社内資料:薬理試験-エストロゲンを投与したラットの子宮重量増加に及ぼす影響-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
20) 持田製薬社内資料:薬理試験-エストロゲンを投与したラットにおける子宮重量増加抑制作用の機序検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
21) 持田製薬社内資料:薬理試験-ウサギ子宮腺の発達に及ぼす影響(McPhail試験)-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
22) 持田製薬社内資料:薬理試験-ラットを用いたアンドロゲン作用の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.3)
23) 持田製薬社内資料:薬理試験-ラットを用いたグルココルチコイド作用の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.3)
24) 持田製薬社内資料:薬理試験-ラットを用いたミネラルコルチコイド作用の検討-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.3)
25) 持田製薬社内資料:臨床薬理試験-健康成人女性におけるホルモン動態試験-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.7.6.5)
26) 持田製薬社内資料:第Ⅱ相試験-機能性月経困難症患者における有効性および安全性の検討-(2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.1)
27) 持田製薬社内資料:薬理試験-ヒト子宮内膜間質細胞の増殖に及ぼす影響-(ディナゲスト錠1mg、2007年10月19日承認、CTD 2.6.2.2)
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