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パルタンM注0.2mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2子宮収縮作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

パルタンM注0.2mg

添付文書番号

2531401A1118_1_12

企業コード

790005

作成又は改訂年月

**2024年1月改訂(第4版)
2023年3月改訂(第3版)

日本標準商品分類番号

872531

薬効分類名

子宮収縮止血剤

承認等

パルタンM注0.2mg

販売名コード

YJコード

2531401A1118

販売名英語表記

PARTAN M Injection 0.2mg

販売名ひらがな

ぱるたんMちゅう0.2mg

承認番号等

承認番号

21900AMX01387000

販売開始年月

1994年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

2年

一般的名称

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  2. 2.2 児頭娩出前[子宮収縮作用により子宮破裂、胎児死亡が起こるおそれがある。]
  3. 2.3 本剤又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者
  4. 2.4 重篤な虚血性心疾患又はその既往歴のある患者[冠動脈の攣縮により狭心症、心筋梗塞が誘発されることがある。]
  5. 2.5 敗血症の患者[血管収縮に対する感受性が増大する可能性がある。]
  6. 2.6 **,*HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル含有製剤、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、ダルナビル エタノール付加物含有製剤)、エファビレンツ、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール)、コビシスタット含有製剤、ニルマトレルビル・リトナビル、レテルモビル、エンシトレルビル フマル酸、レナカパビルナトリウム、5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン臭化水素酸塩、リザトリプタン安息香酸塩、ナラトリプタン塩酸塩)、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリンを投与中の患者

3. 組成・性状

3.1 組成

パルタンM注0.2mg

(1管中)
有効成分日局 メチルエルゴメトリンマレイン酸塩   0.2mg
添加剤塩化ナトリウム   9mg
塩酸   適量
水酸化ナトリウム   適量

3.2 製剤の性状

パルタンM注0.2mg

pH2.8~3.8
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液(水性注射剤)

4. 効能又は効果

  • 子宮収縮の促進ならびに子宮出血の予防および治療の目的で次の場合に使用する。
    • 胎盤娩出前後、弛緩出血、子宮復古不全、帝王切開術、流産、人工妊娠中絶

6. 用法及び用量

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩として、通常成人1回0.1~0.2mgを静脈内注射するか、又は0.2mgを皮下、筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

静脈内注射は血圧等に注意しながら徐々に行うこと(特に麻酔剤、昇圧剤等を併用する場合)。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高血圧症、妊娠高血圧症候群又は子癇の患者、心疾患又は閉塞性血管障害のある患者

    血管収縮作用により、これらの疾患が増悪するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎疾患のある患者

    代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝疾患のある患者

    代謝、排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。子宮収縮作用により子宮内胎児死亡、流産のおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。

10. 相互作用

  • 本剤は主にCYP3A4で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • HIVプロテアーゼ阻害剤
    • *リトナビル含有製剤
      • ノービア
      • *カレトラ
    • アタザナビル硫酸塩
      • レイアタッツ
    • ホスアンプレナビルカルシウム水和物
      • レクシヴァ
    • *ダルナビル エタノール付加物含有製剤
      • プリジスタ
      • プリジスタナイーブ
      • *プレジコビックス
      • *シムツーザ
  • エファビレンツ
    • ストックリン
  • アゾール系抗真菌薬
    • イトラコナゾール
      • イトリゾール
    • ボリコナゾール
      • ブイフェンド
    • ポサコナゾール
      • ノクサフィル
  • コビシスタット含有製剤
    • *ゲンボイヤ
    • *プレジコビックス
    • *シムツーザ
  • ニルマトレルビル・リトナビル
    • パキロビッド
  • レテルモビル
    • プレバイミス
  • *エンシトレルビル フマル酸
    • *ゾコーバ
  • **レナカパビルナトリウム
    • **シュンレンカ

本剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。

これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害されるおそれがある。

  • 5-HT1B/1D受容体作動薬
    • スマトリプタン
      • イミグラン
    • ゾルミトリプタン
      • ゾーミッグ
    • エレトリプタン臭化水素酸塩
      • レルパックス
    • リザトリプタン安息香酸塩
      • マクサルト
    • ナラトリプタン塩酸塩
      • アマージ
  • エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
    • クリアミン

血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与すること。

これらの薬剤との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • ブロモクリプチンメシル酸塩

血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。

機序は明確ではないが、相互に血管収縮作用、血圧上昇作用を増強すると考えられる。

  • マクロライド系抗生物質
    • エリスロマイシン
    • クラリスロマイシン
  • シメチジン
  • スチリペントール
  • グレープフルーツジュース

本剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。

これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害されるおそれがある。

  • ネビラピン
  • リファンピシン

本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。

これらの薬剤はCYP3A4を誘導することから本剤の代謝が促進されると考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

    血圧低下、悪心・嘔吐、チアノーゼ、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 心筋梗塞、狭心症、冠動脈攣縮、房室ブロック(いずれも頻度不明)

11.2 その他の副作用

頻度不明

循環器

胸痛、胸部圧迫感、血圧上昇、血圧低下、頻脈、徐脈、動悸等

血管系

静脈血栓、末梢循環障害、血管痙攣

精神神経系

頭痛、眠気、めまい、口渇、耳鳴、興奮、幻覚、痙攣、錯感覚等

過敏症

発疹等

消化器

悪心・嘔吐、腹痛、下痢等

筋・骨格系

筋痙攣

投与部位

疼痛、発赤、硬結等

その他

胎盤嵌頓、多汗

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    悪心・嘔吐、腹痛、しびれ感、手足の刺痛感、血圧上昇、血圧低下、呼吸抑制、低体温、痙攣、昏睡等を生じることがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。

  • 神経走行部位を避けること。
    注射針を刺入した時、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合には直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
  • 繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えること。
  • 注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

メチルエルゴメトリンは子宮平滑筋に選択的に作用して子宮を持続的に収縮させ、子宮血管を圧迫して止血効果を発現する1)

18.2 子宮収縮作用

  1. 18.2.1 メチルエルゴメトリンの子宮収縮作用はエルゴメトリンよりやや強く、作用持続時間も長い2)が、血圧上昇作用はエルゴメトリン、エルゴタミンより弱い3)(ラット)。また、作用発現時間は静脈内投与で0.5~1分、筋肉内投与で2~5分、内服でも3~5分であり、3~6時間持続する1),2)
  2. 18.2.2 メチルエルゴメトリンは妊娠子宮に対してのみ収縮作用を示し、非妊娠子宮にはほとんど作用しない4),5)(ヒト、in vitro)。
  3. 18.2.3 メチルエルゴメトリンによる子宮収縮はいわゆるtonusの上昇を伴う振幅の小さい、不規則な収縮が特徴的で、tonusの下降とともに律動的な振幅が増加する4)(ヒト、in vitro)。また、弛緩はほとんど認められず、静注では迅速かつ強力な収縮が起こり、経口では漸進的なtonusの上昇が認められる。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(Methylergometrine Maleate)

化学名

(8R)-N-[(1S)-1-(Hydroxymethyl)propyl]-6-methyl-9,10-didehydroergoline-8-carboxamide monomaleate

分子式

C20H25N3O2・C4H4O4

分子量

455.50

性状

白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって徐々に黄色となる。

化学構造式

融点

約190℃(分解)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

アンプル:1mL×10管、1mL×50管

24. 文献請求先及び問い合わせ先

持田製薬株式会社 くすり相談窓口

東京都新宿区四谷1丁目7番地 〒160-8515

TEL 03-5229-3906  0120-189-522
FAX 03-5229-3955

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

持田製薬株式会社

東京都新宿区四谷1丁目7番地

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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