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プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.2吸収
16.3分布
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2ヘパリンに対する中和作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」

添付文書番号

3329403A1058_1_04

企業コード

790005

作成又は改訂年月

2023年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873391

薬効分類名

ヘパリン拮抗剤

承認等

プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」

販売名コード

YJコード

3329403A1058

販売名英語表記

Protamine Sulfate Intravenous Injection 100mg MOCHIDA

販売名ひらがな

ぷろたみんりゅうさんえんじょうちゅう100mg「もちだ」

承認番号等

承認番号

22600AMX00835000

販売開始年月

1962年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

プロタミン硫酸塩注射液

一般的名称

プロタミン硫酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」

(1バイアル中)
有効成分日局 プロタミン硫酸塩   100mg
添加剤塩化ナトリウム   40mg
ベンジルアルコール   100mg

3.2 製剤の性状

プロタミン硫酸塩静注100mg「モチダ」

pH5.0~7.0
浸透圧比約0.8(0.9%生理食塩液に対する比)
においわずかにある
性状無色の液(水性注射剤)

4. 効能又は効果

  • ヘパリン過量投与時の中和、血液透析・人工心肺・選択的脳灌流冷却等の血液体外循環後のへパリン作用の中和

6. 用法及び用量

通常、ヘパリン1,000単位に対して本剤1.0~1.5mL(プロタミン硫酸塩として10~15mg)を投与する。
ヘパリンの中和に要するプロタミン硫酸塩量は、投与したヘパリン量及びヘパリン投与後の時間経過により異なるので、本剤の投与量はプロタミンによる中和試験により決める。
投与に際しては、通常1回につき本剤5mL(プロタミン硫酸塩として50mg)を超えない量を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100~200mLに希釈し、10分間以上をかけて徐々に静脈内に注入する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の投与に際しては、あらかじめ、過去にプロタミン投与の可能性のある心臓カテーテル検査歴や心臓手術歴、インスリン使用歴等について十分な問診を行い、このような患者に投与する場合には慎重に投与すること。
  2. 8.2 急速投与により呼吸困難、血圧低下、徐脈等の症状があらわれることがあるので、ゆっくり静脈内投与すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本剤又はプロタミン含有インスリン製剤の投与歴のある患者

    プロタミンに感作されている可能性があり、本剤の投与によりショック、アナフィラキシーを起こしやすいとの報告がある。,

  2. 9.1.2 アレルギー素因のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加物としてベンジルアルコールを含有している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

    本剤投与直後にショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、患者の状態を十分に観察し、血圧低下、脈拍異常、冷汗、呼吸困難、発赤、意識レベルの低下等、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 肺高血圧症(頻度不明)

    肺高血圧症(肺動脈圧の上昇、血圧低下、頻脈等)があらわれることがある。

  3. 11.1.3 呼吸困難(頻度不明)

11.2 その他の副作用

頻度不明

循環器

血圧降下、徐脈

皮膚

一過性皮膚潮紅、温感

消化器

悪心・嘔吐

注)急速投与で上記症状があらわれることがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 軽度の抗凝固作用があるので、ヘパリン及びデキストラン硫酸の中和量を超えて過量に投与しないこと。
  2. 14.1.2 血液透析、人工心肺による血液体外循環終了時にヘパリン及びデキストラン硫酸を本剤で中和する場合、反跳性の出血があらわれることがあるが本剤を少量追加することにより防ぐことができる。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

動物実験では過量投与で赤血球凝集、好酸球増多、血小板減少、炎症性肺動脈内膜病変、肝血管閉塞等が報告されている。

16. 薬物動態

16.2 吸収

3H標識したプロタミン硫酸塩を家兎に静注すると、投与後約2分の半減期で急速に血中から減少したが、約30%の放射活性は投与後2時間でも存在していた1)

16.3 分布

3H標識したプロタミン硫酸塩を家兎に静注し、投与2~3時間後に屠殺して、各臓器における放射活性を測定すると、腎に最も高く、肝、肺及び胆汁中にも多く分布していた。脳にはほとんど認められなかった1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

血液中で、ヘパリン及びヘパリン様物質と結合して生理学的不活性物質を形成することにより、ヘパリンの血液凝集阻止作用と拮抗する。このため、ヘパリン作用の中和剤として用いられる2)

18.2 ヘパリンに対する中和作用

プロタミンのヘパリンに対する中和作用を量的に検討するため、化学的な滴定法、比濁法、生物学的な凝固法、BP法(以上in vitro法)及びマウスにおけるin vivo法によって測定すると、プロタミンによるヘパリンの平均中和量は、プロタミン1mgに対してヘパリン89.9~109.8単位であった3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

プロタミン硫酸塩(Protamine Sulfate)

性状

白色の粉末である。水にやや溶けにくい。

本質

プロタミンはサケ科などの魚類の成熟した精巣から得た塩基性ポリペプチドであり、本品はその硫酸塩である。

22. 包装

バイアル:10mL×10本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

持田製薬株式会社 くすり相談窓口

東京都新宿区四谷1丁目7番地 〒160-8515

TEL 03-5229-3906  0120-189-522
FAX 03-5229-3955

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

持田製薬株式会社

東京都新宿区四谷1丁目7番地

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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