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20. 取扱い上の注意参照
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。,,,,,,,,
播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、死亡例も報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、結核の既感染者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。,,,,,,,
本剤を、通常、成人にはエタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]として10~25mgを1日1回、週に2回、又は25~50mgを1日1回、週に1回、皮下注射する。
感染症を誘発するおそれがある。,,,,,,,,,
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きている。,,,
症状が悪化するおそれがある。,
定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能(免疫機能等)が低下している。
サラゾスルファピリジン
サラゾスルファピリジン投与中の患者に本剤を追加投与したところ、各々の単独投与群と比較して、平均白血球数が統計学的に有意に減少したとの報告がある。
機序不明。
敗血症(0.2%)、肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む、1.5%)、真菌感染症(0.2%)等の日和見感染症(2.5%)があらわれることがある。なお、感染症により死亡に至った症例が報告されている。,,,,,,,,
本剤投与による結核の発症は、投与初期からあらわれる可能性がある。また、肺外結核(胸膜、リンパ節等)も報告されていることから、その可能性も十分考慮した観察を行うこと。,,,,,,,,
血管浮腫、アナフィラキシー、気管支痙攣及びじん麻疹等の重篤なアレルギー反応があらわれることがある。このような反応が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血及び汎血球減少(致命的な転帰に至った例を含む)、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、血球貪食症候群があらわれることがある。,
多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等があらわれることがある。,,,
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。
抗dsDNA抗体が陽性化し、関節痛、筋肉痛、皮疹等の症状があらわれることがある。このような場合には、投与を中止すること。,
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
呼吸器
感冒、上気道感染、気管支炎
咳嗽、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻漏、扁桃炎
胸水、喘息、喀痰、嗄声、鼻閉、血痰、気管狭窄、気管支拡張症、気管支肺異形成症、肺嚢胞
皮膚
発疹(湿疹、皮膚炎、紅斑等)、そう痒症
じん麻疹、白癬、脱毛、爪囲炎
膿痂疹、皮膚乾燥、爪感染、爪の異常、胼胝、光線過敏症、膿疱性乾癬、乾癬(悪化を含む)、凍瘡、化膿性汗腺炎、色素性母斑
乾癬様皮疹
消化器
胃腸炎、下痢・軟便、口内炎、腹痛、咽喉頭疼痛、悪心、嘔吐、便秘、歯周炎、食欲不振、歯肉炎、齲歯、胃部不快感、消化性潰瘍
咽頭不快感、口唇炎(口角炎等)、腹部膨満、歯痛、歯髄炎、口腔感染、歯の知覚過敏、歯肉腫脹、舌苔、膵炎
投与部位
注射部位反応a)(紅斑、出血斑、そう痒感、皮膚炎、疼痛、挫傷等)
泌尿器
尿路感染(膀胱炎等)、腎盂腎炎、BUN増加、尿沈渣、血尿
蛋白尿、クレアチニン上昇、頻尿、尿糖、残尿感、腎結石
*糸球体腎炎
精神神経系
頭痛、浮動性めまい、感覚減退(しびれ感等)、不眠
錯感覚(ピリピリ感等)、眠気、味覚異常、手根管症候群、不安、嗅覚異常、四肢異常感覚
肝臓
ALT上昇、AST上昇、ALP上昇、LDH上昇
循環器
高血圧、血圧上昇、動悸、潮紅
期外収縮、頻脈、血管炎(白血球破砕性血管炎、IgA血管炎等)
血液
白血球増加、貧血(鉄欠乏性を含む)、ヘモグロビン減少
好酸球増加、ヘマトクリット減少、赤血球減少、血小板増加、リンパ球増加、血沈亢進、好中球増加、赤血球形態異常、白血球分画異常、網状赤血球増加
眼
結膜炎、麦粒腫
ブドウ膜炎、白内障、結膜充血、角膜潰瘍、眼精疲労、眼乾燥、眼のちらつき、眼痛、強膜炎、眼の異常感
筋・骨格系
化膿性関節炎、疼痛(四肢、腰、背部、臀部等)
関節痛、筋痛、ループス様症候群、滑膜炎、肩こり、靭帯障害、関節脱臼、脊椎症
抵抗機構
帯状疱疹、インフルエンザ、蜂巣炎、膿瘍
創傷感染、化膿性リンパ節炎、サルコイドーシス
生殖器
月経不順、乳腺炎
その他
発熱
倦怠感、浮腫(局所性を含む)、出血、胸痛、中耳炎、胸部X線異常
コレステロール上昇、胸部不快感、疲労、脱力感、アルブミン減少、口渇、自己抗体陽性、難聴、気分不良、CRP増加、体重減少、痙攣、外耳炎、四肢不快感、総蛋白増加、脱水、耳下腺腫脹、総蛋白減少
本剤投与と悪性腫瘍発現との関連性を検討するため、実際に悪性腫瘍が観察された例数と一般集団の大規模データベースから推定した予測例数を表1に示した。これらの予測例数は、症例毎の性、年齢をもとにNational Cancer Institute SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベース(SEER1992~1999年;2002年4月版)から推定した値を用いた。その結果、本剤投与群での非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の観察例数は、予測例数23.594例に対し26例であり、そのうち悪性リンパ腫の観察例数は、予測例数0.914例に対し5例であった。一方、プラセボ投与群における悪性腫瘍及び悪性リンパ腫の観察例数は、それぞれ予測例数0.259例、0.010例に対して0例であった(外国人データ)。,
プラセボ投与群a,b)
エンブレル投与群b)
全例の追跡期間(人・年)
悪性腫瘍
観察例数
予測例数
悪性リンパ腫
41
0
0.010
2855
5
0.914
悪性リンパ腫以外
0.249
21
22.680
悪性腫瘍合計
0.259
26
23.594
a)長期試験移行前の臨床試験におけるプラセボ投与患者を対象とした。
b)メトトレキサート併用例を含む。
本剤投与と非黒色腫皮膚癌発現との関連性を検討するため、実際にこれらの癌が観察された例数と一般集団のデータから推定した予測例数を表2に示した。これらの予測例数は、症例毎の性、年齢をもとに参照データから推定した値を用いた。なお参照データは、非黒色腫皮膚癌がNational Cancer Institute SEERデータベースに含まれていないため、Southeastern Arizona Skin Cancer Registry(Harris et al, 2001)のデータを使用した。その結果、本剤投与群での非黒色腫皮膚癌の観察例数は、予測例数41.745例に対し、15例(皮膚扁平上皮癌4例、基底細胞癌11例)であった。一方、プラセボ投与群における非黒色腫皮膚癌の観察例数は、予測例数0.573例に対し、0例であった(外国人データ)。,
皮膚扁平上皮癌
0.107
2618
4
8.221
基底細胞癌
0.466
11
33.524
非黒色腫皮膚癌合計
0.573
15
41.745
本剤をマウス、ラット等のげっ歯類に投与すると、中和抗体陽性化と薬理学的活性の消失が認められ、十分な曝露量が得られない。このため、がん原性試験は実施されていない。
エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「MA」とEnbrelⓇ皮下注25mgシリンジ0.5mL(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)をクロスオーバー法により健康成人男子43名に絶食単回皮下投与して血清中薬物濃度を測定した。薬物動態パラメータ(Cmax、AUClast及びAUCinf)の常用対数変換した値について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、80~125%の範囲内であり、両剤の同等性が確認された。両剤の血清中薬物濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す4)。
Cmax(µg/mL)
AUClast(µg・hr/mL)
AUCinf(µg・hr/mL)
エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「MA」
1.77±1.04
345.86±172.82
365.45±171.89
EnbrelⓇ皮下注25mgシリンジ0.5mL
1.71±1.00
348.14±154.46
370.41±151.95
(Mean±S.D.,n=43)
8名の日本人健康成人男子に、エタネルセプト10mg、25mg及び50mgを単回皮下投与したときの血清中薬物濃度推移及び薬物動態パラメータを図2及び表2に示す。
AUC0-480(µg・hr/mL)
AUC0-∞(µg・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
CL/F(mL/hr)
t1/2(hr)
10mgS.C.
76.5±33.4
78.6±33.7
474±230
43.5±19.2
153.1±73.5
87.6±18.1
25mgS.C.
222.3±91.9
227.3±91.9
1415±761
52.5±16.9
134.5±78.1
86.3±22.5
50mgS.C.
412.0±95.7
419.6±98.7
2668±684
49.5±16.3
125.0±28.6
77.9±10.3
平均値±標準偏差
8名の健康成人男子に、50mgを単回皮下投与したときの結果から、エタネルセプトの薬物動態は良好な線形性を示した5)。
米国の健康成人に、エタネルセプト10mg、25mg又は50mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは表3の通りで、日本人健康成人の値とほぼ同様であった6),7)。
n
6
79.0±24.4
81.7±24.6
425±205
66±22
132±41
92±8
241.7±76.0
245.2±76.6
1650±660
49±17
113.8±42
72.1±13.6
28
460±179
502±196
3440±1920
48±21
118±52
78.0±17.4
米国の健康成人33名を対象に実施した生物学的同等性試験8)の結果、エンブレルⓇ皮下注25mgシリンジ0.5mLは、調製したエンブレルⓇ皮下注用25mg(凍結乾燥製剤)と生物学的に同等であることが確認された(外国人データ)。
日本人関節リウマチ患者99名に10mg又は25mgのエタネルセプトを1週間に2回12週間皮下投与したときの平均血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)は、投与開始1ヵ月後には定常状態に達し、以後ほぼ一定の濃度を維持していた。また、52週間投与したときの血清中濃度も12週間投与時と同様であり、長期投与による薬物動態への影響はみられなかった。
日本人関節リウマチ患者に50mgのエタネルセプトを1週間に1回皮下投与したときのエタネルセプトの曝露量は、25mgのエタネルセプトを1週間に2回皮下投与したときと同様であり、また、25mgのエタネルセプトを1週間に1回皮下投与したときのエタネルセプトの曝露量は、10mgのエタネルセプトを1週間に2回皮下投与したときとほぼ同様であった9)。
エタネルセプトがTNFに結合すると、複合体はアミノ酸の再循環又は胆汁及び尿への排泄のいずれかによってペプチド経路及びアミノ酸経路を通じて代謝されると推察される。
エタネルセプトを単回皮下投与した場合、エタネルセプトの尿中への排泄はほとんど認められなかった。
メトトレキサート治療で効果不十分な関節リウマチ患者を対象としたエタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「MA」及びEnbrelⓇ皮下注50mgシリンジ1.0mL(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)週1回投与の二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数329例)における投与24週時の「DAS28-ESR変化量」を表1に示す。主要エンドポイントである投与24週時のDAS28-ESR変化量は、エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「MA」投与群及びEnbrelⓇ皮下注50mgシリンジ1.0mL投与群で-3.009及び-2.859であり、群間差の推定値及びその95%信頼区間は、同等性許容域の範囲内[-0.6, 0.6]に含まれ、両剤の有効性の同等性が確認された。副作用(臨床検査値異常を含む)の発現頻度は、エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「MA」投与群で51.3%(96/187例)であった。主な副作用は、感染症注1)31.6%(59/187例)、注射部位反応注2)10.2%(19/187例)、肝機能検査値上昇4.3%(8/187例)、白血球減少3.7%(7/187例)、発疹2.1%(4/187例)、間質性肺疾患、上気道の炎症、口腔咽頭痛、回転性めまい及び貧血各1.6%(3/187例)等であった10)。
注1)鼻咽頭炎、上気道感染、気管支炎、潜伏結核、インフルエンザ、肺炎、膀胱炎、口腔ヘルペス、帯状疱疹、胃腸炎、副鼻腔炎、腎盂腎炎等
注2)注射部位の紅斑、そう痒感、腫脹等
エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「MA」(164例)
EnbrelⓇ皮下注50mgシリンジ1.0mL(165例)
DAS28-ESR変化量の平均値[95%信頼区間]
-3.009[-3.1981, -2.8198]
-2.859[-3.0513, -2.6673]
DAS28-ESR変化量の差[95%信頼区間]
-0.150[-0.3768, 0.0775]
エタネルセプトの10mg及び25mg週2回投与のDMARD無効の関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数147例)における12週評価日の「ACR改善基準による有効率(ACR20)a)」を、表2に示す。エタネルセプト投与群におけるACR20は、各々プラセボ群に比較し有意に高かった。
投与量(×2/週)
プラセボ
10mg
25mg
ACR20a)[改善基準に達した症例数/総症例数]
6.3%[3/48]
64.0%[32/50]
65.3%[32/49]
a)ACRコアセットのうち、総疼痛関節数及び総腫脹関節数がともに20%以上改善し、かつ残りの5項目中3項目が20%以上改善した症例の割合
副作用の発現率は、エタネルセプト10mg群69.2%(36/52例)、エタネルセプト25mg群60.8%(31/51例)及びプラセボ群54.0%(27/50例)であった。主な副作用は、エタネルセプト10mg群で注射部位反応15.4%(8/52例)、鼻咽頭炎13.5%(7/52例)、皮膚炎7.7%(4/52例)、エタネルセプト25mg群で注射部位反応15.7%(8/51例)、鼻咽頭炎11.8%(6/51例)、注射部位紅斑9.8%(5/51例)であった。
エタネルセプトの25mg週2回投与により、疾患活動性が安定している関節リウマチ患者を対象として、25mgを週2回4週間投与に続き、50mg週1回8週間投与したときの有効性及び安全性を検討した。本臨床試験(有効性解析対象症例数41例)における4週評価日(25mg週2回投与終了時)及び12週評価日(50mg週1回投与終了時)の28関節疾患活動性スコア(DAS28)(平均値)は、それぞれ3.26及び3.13(両群の差:-0.10)であった。副作用(感染症、投与部位反応を除く)の発現率は、エタネルセプト25mg週2回群2.4%(1/42例)、エタネルセプト50mg週1回群12.2%(5/41例)であった。主な副作用(感染症、投与部位反応を除く)は、エタネルセプト25mg週2回群で発疹2.4%(1/42例)、エタネルセプト50mg週1回群で腹痛、口内乾燥、胃潰瘍、耳下腺腫大、末梢性浮腫、光線性皮膚症各2.4%(各1/41例)であった。感染症の発現率は、エタネルセプト25mg週2回群2.4%(1/42例)、エタネルセプト50mg週1回群17.1%(7/41例)であった。投与部位反応(因果関係を問わない)は、エタネルセプト25mg週2回群では認められず、エタネルセプト50mg週1回群で2.4%(1/41例)に認められた。(注:本試験では、感染症及び投与部位反応は、他の事象とは別に集計された。)
DMARD無効の関節リウマチ患者を対象として、エタネルセプトの10mg週2回投与及び25mg週1回投与の有効性及び安全性を検討した二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数95例)における12週評価日のDAS28のベースラインからの変化量(平均値)は、10mg週2回投与群及び25mg週1回投与群それぞれにおいて2.07及び2.25(両群の差:-0.18)であった。副作用(感染症、投与部位反応を除く)の発現率は、エタネルセプト10mg週2回群17.0%(8/47例)、エタネルセプト25mg週1回群22.9%(11/48例)であった。主な副作用(感染症、投与部位反応を除く)は、エタネルセプト10mg週2回群で肝障害、発疹各4.3%(各2/47例)、エタネルセプト25mg週1回群でALT増加、AST増加各8.3%(各4/48例)であった。感染症の発現率は、エタネルセプト10mg週2回群21.3%(10/47例)、エタネルセプト25mg週1回群8.3%(4/48例)であった。投与部位反応(因果関係を問わない)の発現率は、エタネルセプト10mg週2回群10.6%(5/47例)、エタネルセプト25mg週1回群16.7%(8/48例)であった。(注:本試験では、感染症及び投与部位反応は、他の事象とは別に集計された。)
エタネルセプトの10mg及び25mg週2回投与のDMARD無効の関節リウマチ患者を対象としたメトトレキサート対照二重盲検比較試験(関節評価解析対象症例数542例、有効性評価解析対象症例数550例)におけるベースラインから52週評価日までの関節破壊進展を手及び足のX線スコア(modified Total Sharp Score:mTSS)で評価した結果を表3に示す。エタネルセプト投与群は、メトトレキサート群(MTX群)に比較しいずれも有意に関節破壊の進展を抑制した。また、エタネルセプト10mg及び25mg投与群のACR20は、24週評価日でそれぞれ77.0%、77.5%、52週評価日でそれぞれ75.9%、78.6%であり、MTX群では24週評価日で56.3%、52週評価日で62.5%であった。エタネルセプト投与群は、MTX群に比較しいずれも有意に高かった11)。
治療
メトトレキサートb)
10mg週2回
25mg週2回
症例数
171
190
181
mTSSのベースラインからの平均変化量[標準誤差]
9.82[1.16]
5.19a)[0.93]
3.33a)[0.73]
中央値
4.00
1.00
0.50
a)p<0.0001対メトトレキサート群、共分散分析モデルを使用
b)1週間に6~8mgを2~3回に分割して投与。
副作用(感染症、投与部位反応を除く)の発現率は、エタネルセプト10mg群41.7%(80/192例)、エタネルセプト25mg群41.2%(75/182例)及びMTX群43.8%(77/176例)であった。主な副作用(感染症、投与部位反応を除く)は、エタネルセプト10mg群でALT増加4.7%(9/192例)、AST増加4.2%(8/192例)、口内炎3.6%(7/192例)、エタネルセプト25mg群でALT増加5.5%(10/182例)、AST増加4.4%(8/182例)、発疹3.8%(7/182例)であった。感染症の発現率は、エタネルセプト10mg群37.0%(71/192例)、エタネルセプト25mg群38.5%(70/182例)及びMTX群36.4%(64/176例)であった。投与部位反応(因果関係を問わない)は、エタネルセプト10mg群20.8%(40/192例)、エタネルセプト25mg群20.3%(37/182例)及びMTX群1.7%(3/176例)であった。(注:本試験では、感染症及び投与部位反応は、他の事象とは別に集計された。)
DMARDの効果が減弱した活動性関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数180例)において、投与開始85日後のACR20を表4に示す。有効性と投与用量との間に相関性が認められ、エタネルセプト16mg/m2群のACR20は他群と比較して有意に高かった12)。
体表面積あたり投与量(×2/週)
0.25mg/m2
2mg/m2
16mg/m2
44
46
ACR20a)
14%
33%
46%
75%
副作用の発現率は、エタネルセプト0.25mg/m2群21.7%(10/46例)、エタネルセプト2mg/m2群26.1%(12/46例)、エタネルセプト16mg/m2群72.7%(32/44例)及びプラセボ群18.2%(8/44例)であった。主な副作用は、エタネルセプト0.25mg/m2群で嘔気8.7%(4/46例)、投与部位反応4.3%(2/46例)、エタネルセプト2mg/m2群で投与部位反応13.0%(6/46例)、浮動性めまい4.3%(2/46例)、エタネルセプト16mg/m2群で投与部位反応52.3%(23/44例)、浮動性めまい、発疹、そう痒症、注射部位過敏各4.5%(各2/44例)であった。
注)本邦で本剤の関節リウマチに対して承認されている用法及び用量は10~25mgを1日1回、週に2回、又は25~50mgを1日1回、週に1回、皮下注射である。
DMARDの効果が減弱した活動性関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数229例)において、投与開始2週、3ヵ月及び6ヵ月後のACR20を表5に示す。エタネルセプト投与群のACR20は2週、3ヵ月及び6ヵ月後のいずれにおいても、プラセボ群に比して有意に高く、2週間後から効果の発現が認められた13)。
79
73
77
2週
1%
18%
31%
3ヵ月
23%
47%
62%
6ヵ月
11%
53%
60%
副作用(感染症、投与部位反応を除く)の発現率は、エタネルセプト10mg群28.9%(22/76例)、エタネルセプト25mg群25.6%(20/78例)及びプラセボ群11.3%(9/80例)であった。主な副作用(感染症、投与部位反応を除く)は、エタネルセプト10mg群で頭痛5.3%(4/76例)、鼻炎3.9%(3/76例)、発疹、脱毛症、咳嗽増加、下痢、嘔気各2.6%(各2/76例)、エタネルセプト25mg群で頭痛5.1%(4/78例)、発疹、そう痒症各3.8%(各3/78例)、脱毛症、咳嗽増加各2.6%(各2/78例)であった。感染症(因果関係を問わない)の発現率は、エタネルセプト10mg群56.6%(43/76例)、エタネルセプト25mg群57.7%(45/78例)及びプラセボ群37.5%(30/80例)であった。投与部位反応は、エタネルセプト10mg群で43.4%(33/76例)、エタネルセプト25mg群で47.4%(37/78例)及びプラセボ群で12.5%(10/80例)に認められた。(注:本試験では、感染症及び投与部位反応は、他の事象とは別に集計された。)
エタネルセプトの25mg週2回投与及び50mg週1回投与のDMARD無効の関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(有効性解析対象症例数420例)における8週評価日のACR20は、エタネルセプト50mg週1回群において50%(107/214例)、25mg週2回群において49%(75/153例)であり、有効性における非劣性が検証された。8週までの副作用の発現率は、エタネルセプト50mg週1回群38.3%(82/214例)、エタネルセプト25mg週2回群41.8%(64/153例)及びプラセボ群32.1%(17/53例)であった。8週までに発現した主な副作用は、エタネルセプト50mg週1回群で注射部位反応17.8%(38/214例)、発疹5.1%(11/214例)、頭痛3.7%(8/214例)、エタネルセプト25mg週2回群で注射部位反応17.0%(26/153例)、悪心7.8%(12/153例)、頭痛6.5%(10/153例)であった。16週までの副作用の発現率は、エタネルセプト50mg週1回群43.5%(93/214例)、エタネルセプト25mg週2回群47.7%(73/153例)であった。主な副作用は、エタネルセプト50mg週1回群で注射部位反応18.2%(39/214例)、発疹6.1%(13/214例)、頭痛4.7%(10/214例)、エタネルセプト25mg週2回群で注射部位反応18.3%(28/153例)、悪心8.5%(13/153例)、頭痛7.2%(11/153例)であった。
エタネルセプトの10mg及び25mg週2回投与のDMARD無効の早期関節リウマチ患者を対象としたメトトレキサート対照二重盲検比較試験(関節評価解析対象症例数616例、有効性評価解析対象症例数632例)におけるベースラインから1年後の関節破壊進展を手及び足のX線スコア(modified Total Sharp Score:mTSS)を用いて評価した結果を表6に示す。エタネルセプト25mg群は、メトトレキサート群(MTX群)及びエタネルセプト10mg群に比較しいずれも有意に関節破壊の進展を抑制した。また、エタネルセプト10mg及び25mg群のACR20は、それぞれ55%、69%であり、MTX群では64%であった14)。
メトトレキサートc)
213
199
204
1.74[0.30]
1.44[0.30]
0.77a,b)[0.18]
0.48
0.00
a)p<0.001対メトトレキサート群、罹病期間で層別したvan Elteren検定
b)p<0.05対10mg投与群、罹病期間で層別したvan Elteren検定
c)1週間に20mgまで。
副作用(感染症及び投与部位反応を除く)の発現率は、エタネルセプト10mg群52.9%(110/208例)、エタネルセプト25mg群57.0%(118/207例)及びMTX群68.2%(148/217例)であった。主な副作用(感染症及び投与部位反応を除く)は、エタネルセプト10mg群で頭痛13.9%(29/208例)、悪心9.6%(20/208例)、下痢7.7%(16/208例)、エタネルセプト25mg群で頭痛10.6%(22/207例)、悪心9.2%(19/207例)、浮動性めまい7.7%(16/207例)であった。感染症(因果関係を問わない)の発現率は、エタネルセプト10mg群75%(156/208例)、エタネルセプト25mg群79.7%(165/207例)及びMTX群80.6%(175/217例)であった。投与部位反応は、エタネルセプト10mg群30.8%(64/208例)、エタネルセプト25mg群38.2%(79/207例)及びMTX群8.3%(18/217例)であった。(注:本試験では、感染症及び投与部位反応は、他の事象とは別に集計された。)
エタネルセプトは、ヒトTNF可溶性レセプター部分が、過剰に産生されたTNFα及びLTαを、おとりレセプターとして捕捉し(レセプター結合反応)、細胞表面のレセプターとの結合を阻害することで、抗リウマチ作用、抗炎症作用を発揮すると考えられている。なお、本剤とTNFα及びLTαとの結合は可逆的であり、いったん捕捉したTNFα及びLTαは再び遊離される。エタネルセプトはU937細胞表面のTNF受容体に対するTNFの結合を阻害した(解離定数(Ki)=1×10-10M)。
本剤の可溶性及び膜結合型TNFαならびに可溶性LTαに対する結合親和性はエンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)と同程度であった15)(in vitro)。
本剤はマウス線維芽細胞株WEHI-13VAR細胞においてTNFα誘導性細胞傷害を抑制し、そのTNFα中和活性はエンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)と同程度であった15)(in vitro)。
レポータージーンアッセイによりADCC活性を検討したところ、本剤、エンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)ともにADCC活性が認められ、本剤のADCC活性はエンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)より高かった15)(in vitro)。
本剤は反復投与(皮下)することにより、マウスコラーゲン誘発関節炎モデルにおいて関節炎の発症を抑制し、その程度はEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)と同様であった16)。
エタネルセプトはラット抗原誘発関節炎モデルに対して、5µg/joint以上の関節内投与により膝関節腫脹を抑制し、関節炎スコアを改善した。
エタネルセプトはトリⅡ型コラーゲン関節炎モデルに対して、1µg/body以上の腹腔内投与により関節炎発症抑制効果を示した。また、150µg/bodyの腹腔内投与により関節炎及び軟骨破壊のスコアを改善した。ウシⅡ型コラーゲン関節炎モデルに対しては、50µg/bodyの腹腔内投与により、関節炎及び血清中抗Ⅱ型コラーゲン抗体価を抑制した。ブタⅡ型コラーゲン関節炎モデルに対しても、10µg/bodyの腹腔内投与により、関節炎発症率を抑制した。
エタネルセプトはTNFα及びLTαのいずれに対しても結合親和性を有するが、LTβに対する結合親和性は持たない。
L929細胞のTNF誘発細胞傷害に対して、エタネルセプトは10ng/mL以上の濃度で生細胞数の減少を抑制した(in vitro)。
マウスのIL-1α(30µg/body)併用TNF(3µg/body)誘発致死に対して、エタネルセプトは30µg/body以上の静脈内投与により致死抑制作用を示した(in vivo)。
エタネルセプトは補体依存性の細胞傷害活性を誘導しなかった(in vitro)。
エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]Etanercept(Genetical Recombination)[Etanercept Biosimilar 1]
1-235-Tumor necrosis factor receptor(human)fusion protein with 236-467-immunoglobulin G1(human γ1-chain Fc fragment), dimer
エタネルセプト[エタネルセプト後続1]は、遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1~235番目はヒト腫瘍壊死因子Ⅱ型受容体の細胞外ドメイン、また236~467番目はヒトIgG1のFcドメインからなる。エタネルセプト[エタネルセプト後続1]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。エタネルセプト[エタネルセプト後続1]は、467個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約150,000)である。
934個
光曝露を避けるため、本剤は外箱に入れて保存すること。また、外箱開封後も光を遮り保存すること。凍結を避けること。
シリンジ:0.5mL×4本(29G固定注射針付き)
シリンジ:1.0mL×2本(29G固定注射針付き)
1) Fisher, C. J. et al.:N. Engl. J. Med. 1996;334(26):1697-1702〔AYM170351〕
2) Mann, D. L. et al.:Circulation. 2004;109(13):1594-1602〔AYM170352〕
3) Chung, E. S. et al.:Circulation. 2003;107(25):3133-3140〔AYM170353〕
4) 持田製薬社内資料:海外第I相試験
5) Kawai, S. et al.:J. Clin. Pharmacol. 2006;46(4):418-423〔AYM190058〕
6) Korth-Bradley, J. et al.:Ann. Pharmacother. 2000;34(2):161-164〔AYM190059〕
7) エンブレルⓇ皮下注用25mg申請資料概要:生物学的同等性試験結果(2005年1月19日承認、へ.3.2.1)
8) Sullivan, J. T. et al.:J. Clin. Pharmacol. 2006;46(6):654-661〔AYM190060〕
9) Takeuchi, T. et al.:Mod. Rheumatol. 2015;25(2):173-186〔AYM190061〕
10) 持田製薬社内資料:国際共同第Ⅲ相試験
11) Takeuchi, T. et al.:Mod. Rheumatol. 2013;23(4):623-633〔AYM190062〕
12) Moreland, L. W. et al.:N. Engl. J. Med. 1997;337(3):141-147〔AYM190063〕
13) Moreland, L. W. et al.:Ann. Intern. Med. 1999;130(6):478-486〔AYM190064〕
14) Genovese, M. C. et al.:Arthritis. Rheum. 2002;46(6):1443-1450〔AYM190065〕
15) 持田製薬社内資料:薬理試験-in vitro薬理作用-
16) 持田製薬社内資料:薬理試験-マウス関節炎モデルにおける有効性の検討-
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