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処方箋医薬品注)
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
通常、成人にはレボフロキサシンとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、疾患・症状に応じて適宜減量する。肺結核及びその他の結核症については、原則として他の抗結核薬と併用すること。腸チフス、パラチフスについては、レボフロキサシンとして1回500mgを1日1回14日間経口投与する。
腎機能クレアチニンクリアランス(CLcr)値(mL/min)
用法及び用量
20≦CLcr<50
初日500mgを1回、2日目以降250mgを1日に1回投与する。
CLcr<20
初日500mgを1回、3日目以降250mgを2日に1回投与する。
痙攣を起こすことがある。
QT延長を起こすことがある。
症状を悪化させることがある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,
高い血中濃度の持続が認められている。なお、血液透析又はCAPD(持続的外来腹膜透析)は、体内からのレボフロキサシン除去への影響は少ないと報告があり2),3),4)、透析後の追加投与は不要と考えられる。,
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。
フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬
痙攣を起こすおそれがある。
中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤
本剤の効果が減弱されるおそれがある。これらの薬剤は本剤投与から1~2時間後に投与する。
これらの薬剤とキレートを形成し、本剤の吸収が低下すると考えられている。
クマリン系抗凝固薬
ワルファリンの作用を増強し、プロトロンビン時間の延長が認められたとの報告がある。
ワルファリンの肝代謝を抑制、又は蛋白結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長を起こすおそれがある。
QT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
機序は不明である。
ショック、アナフィラキシー(初期症状:紅斑、悪寒、呼吸困難等)があらわれることがある。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(初期症状:嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒等)があらわれることがある。
汎血球減少症、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、ヘモグロビン尿等を伴う溶血性貧血、血小板減少があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがある。
低血糖性昏睡に至る例も報告されている。糖尿病患者(特にスルホニルウレア系薬剤やインスリン製剤等を投与している患者)、腎機能障害患者、高齢者であらわれやすい。
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。臓器移植の既往のある患者であらわれやすい。
発熱、腹痛、関節痛、紫斑、斑状丘疹や、皮膚生検で白血球破砕性血管炎等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
,
しびれ、筋力低下、痛み等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
そう痒症
蕁麻疹、光線過敏症
精神神経系
めまい、不眠、頭痛
傾眠、振戦、意識障害
幻覚、錐体外路障害、ぼんやり、しびれ感
泌尿器
血尿、クレアチニン上昇
頻尿、尿閉、無尿、尿蛋白陽性、BUN上昇
肝臓
ALT上昇、LDH上昇、AST上昇
肝機能異常、γ-GTP上昇、血中ビリルビン増加、ALP上昇
血液
白血球数減少、好酸球数増加、好中球数減少、血小板数減少
リンパ球数減少、貧血
消化器
悪心、嘔吐、下痢、腹部不快感、食欲不振
腹痛、口渇、腹部膨満、胃腸障害、消化不良、便秘
口内炎、舌炎
感覚器
味覚異常、耳鳴
味覚消失、視覚異常、無嗅覚、嗅覚錯誤
循環器
動悸
低血圧、頻脈
その他
胸部不快感、CK上昇、四肢痛、関節痛注1)、咽喉乾燥、尿中ブドウ糖陽性、熱感、浮腫
高血糖、筋肉痛、発熱、関節障害、発汗、胸痛、脱力感、倦怠感
本剤は主薬の苦みを防ぐため、コーティングを施しているので、噛まずに服用させること。
健康成人40例にレボフロキサシン500mgを空腹時に単回経口投与した場合、薬物動態パラメータは次のとおりであった5)。
Tmax(hr)
Cmax(µg/mL)
t1/2(hr)
AUC0-72hr(µg・hr/mL)
500mg空腹時経口投与
0.99±0.54
8.04±1.98
7.89±1.04
50.86±6.46
レボフロキサシン粒状錠500mg「モチダ」とクラビットⓇ錠500mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1包又は1錠(レボフロキサシンとして500mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された6)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-48(µg・hr/mL)
レボフロキサシン粒状錠500mg「モチダ」
67.37±11.23
7.61±1.25
0.89±0.47
7.59±0.65
クラビットⓇ錠500mg
65.10±9.61
6.65±1.01
1.32±0.82
7.56±0.57
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
患者にレボフロキサシンとして500mgを単回経口投与した場合、口蓋扁桃(投与後2.6~4.1時間で対血漿中濃度比:1.42~1.89)、前立腺(投与後2.9~4.0時間で対血漿中濃度比:0.76~1.58)、耳漏(投与後1~4時間で対血漿中濃度比:0.40~0.88)、上顎洞粘膜(投与後2.3~5.8時間で対血漿中濃度比:0.89~2.29)、鼻汁(投与後1~4時間で対血漿中濃度比:0.11~1.39)であり、高い移行性を示した7),8),9)。なお、健康成人又は患者にレボフロキサシン水和物として100mg又は200mg注2)を単回経口投与した場合、皮膚(投与後0.8~4時間で対血清中濃度比:平均1.1)、唾液(対血清中濃度比:約0.7)、口蓋扁桃(対血清中濃度比:約2)、喀痰(対血清中濃度比:0.8~1.1)、前立腺(投与後1~6時間で対血清中濃度比:0.8~1.9)、前立腺液(投与後1.5~4時間で対血清中濃度比:約0.6)、房水(投与後2~9時間で対血清中濃度比:0.14~0.31)、涙液(100mg投与で最高濃度0.61µg/mL)、耳漏(投与後2時間で対血清中濃度比:0.6)、上顎洞粘膜(投与後2~6時間で対血清中濃度比:1.1~1.9)、女性性器(100mg投与後3~4時間で0.6~2.1µg/g)に移行性を示した10),11),12),13)。
健康成人又は患者にレボフロキサシンとして500mgを単回経口投与した場合、炎症性滲出液(投与後0.5~24時間で対血漿中濃度比:0.2~1.5)、気管支粘膜(投与後0.5~8時間で対血漿中濃度比:0.9~1.8)、気管支肺胞洗浄液(投与後0.5~8時間で対血漿中濃度比:1.1~3.0)、肺マクロファージ(投与後0.5~24時間で対血漿中濃度比:4.1~18.9)、肺組織(投与後2.28~25.43時間で対血漿中濃度比:1.06~9.98)に移行性を示した14)。
レボフロキサシン1~50µg/mLのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は、限外ろ過法で約26~36%であった15)。
健康成人にレボフロキサシン水和物として100mg注2)を単回経口投与した場合、投与後24時間までの累積尿中排泄率は、未変化体が投与量の79.6%、脱メチル体が1.75%、N-オキサイド体が1.63%であった16)。
患者4例にレボフロキサシン水和物として100mg注2)を単回経口投与後2~3.5時間での胆嚢胆汁中グルクロン酸抱合体濃度は0.05~0.44µg/mLであり、未変化体に対する割合は3.9~25.8%であった。また、胆管胆汁中にもほぼ同程度のグルクロン酸抱合体が認められた17)。
健康成人にレボフロキサシンとして500mgを単回経口投与した場合、投与後0~24時間の尿中濃度は、138.8~877.7µg/mLであり、投与後72時間までに投与量の83.76%が未変化体として尿中に排泄された。レボフロキサシンは、主に未変化体の尿中排泄によって体内から消失する18),19)。また、健康成人男性5例にレボフロキサシン水和物として200mg注2)を食後投与した場合、糞中には投与後72時間で投与量の3.9%が未変化体として排泄された20)。
CLcr値により群分けし、レボフロキサシン500mgを空腹時単回経口投与した場合、腎機能の低下に伴い血漿中濃度の生物学的半減期の延長、尿中濃度の低下及び尿中排泄率の低下が認められた2),21)。,,
CLcr(mL/min)
患者数
尿中排泄率(%)(0~48hr)
50≦CLcr
11
9.17±1.28
81.74±20.78
80.02±6.08
7
15.88±3.79
150.96±18.03
56.39±13.51
4
33.69±14.57
250.66±58.30
28.28±11.83
レボフロキサシン100mg注2)単回経口投与時に、水酸化アルミニウム(1g)、硫酸鉄(160mg)又は酸化マグネシウム(500mg)を併用投与した場合、レボフロキサシンのバイオアベイラビリティーは単回投与に比較し、それぞれ56%、81%及び78%に減少した。また、Cmaxも有意に低下した22)。
健康成人に、シメチジン400mgを1日2回7日間又はプロベネシド500mgを1日4回7日間投与し、4日目にレボフロキサシン500mgを空腹時単回経口投与した。シメチジン又はプロベネシドとの併用によりレボフロキサシンのAUC0-72hrはそれぞれ27.0%及び38.2%上昇し、t1/2はそれぞれ30.5%及び31.8%延長したが、Cmaxに影響はみられなかった23)(外国人データ)。
国内・海外で実施された各科領域の各種感染症に対する経口剤の臨床試験の概要は次のとおりである。なお、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、Q熱に対する臨床試験は国内外とも実施されていない。
成人の市中肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、又は急性気管支炎に対するレボフロキサシン(500mg×1回/日)の非盲検試験におけるブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、インフルエンザ菌等による呼吸器感染症に対する有効率は次のとおりである。
疾患名
有効症例/総症例
有効率(%)
急性気管支炎
14/14
100
肺炎
94/101注1)
93.1
慢性呼吸器病変の二次感染
28/28
計
136/143
95.1
注1)クラミジア肺炎に対する有効率は100%(1/1例)、マイコプラズマ肺炎に対する有効率は100%(15/15例)であった。
副作用発現頻度は39.5%(60/152例)であった。主な副作用は悪心7.9%(12/152例)、好酸球数増加7.2%(11/152例)、嘔吐、下痢、頭痛が各5.3%(8/152例)であった24)。
下気道感染症(市中肺炎、慢性気管支炎の急性増悪)に対するレボフロキサシン(500mg×1回/日)の非盲検試験(中国)におけるブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、インフルエンザ菌、緑膿菌等による呼吸器感染症に対する有効率は次のとおりである。
348/357注2)
97.5
399/411注3)
97.1
747/768
97.3
注2)レジオネラ肺炎に対する有効率は100%(3/3例)、クラミジア肺炎に対する有効率は100%(3/3例)、マイコプラズマ肺炎に対する有効率は100%(48/48例)であった。
注3)慢性気管支炎の急性増悪
副作用発現頻度は31.4%(277/883例)であった。主な副作用は浮動性めまい、白血球数減少が各4.2%(37/883例)、不眠症3.5%(31/883例)であった25)。
国内の市中肺炎患者を対象としたテリスロマイシンの実薬対照二重盲検比較試験においてレボフロキサシンが対照薬として使用され、レジオネラ肺炎に対するレボフロキサシン100mg×3回/日注3)投与の有効率は100%(6/6例)であった26)。
海外のレジオネラによる市中肺炎患者を対象とした臨床試験において、レボフロキサシン500~750mg×1回/日注3)投与の有効率は93.0%(66/71例)であった27)。
複雑性尿路感染症患者に対するレボフロキサシン(500mg×1回/日)の非盲検試験におけるブドウ球菌属、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌等による尿路感染症に対する有効率は次のとおりである。
膀胱炎
120/142
84.5
腎盂腎炎
11/15
73.3
131/157
83.4
副作用発現頻度は17.8%(33/185例)であった。主な副作用は下痢3.8%(7/185例)、消化不良2.2%(4/185例)、浮動性めまい、血中クレアチンホスホキナーゼ増加が各1.6%(3/185例)であった28)。
尿路感染症(急性単純性下部尿路感染症、急性腎孟腎炎、反復性尿路感染症、複雑性尿路感染症)に対するレボフロキサシン(500mg×1回/日)の非盲検試験(中国)におけるブドウ球菌属、腸球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属等による尿路感染症に対する有効率は次のとおりである。
76/86
88.4
70/78
89.7
146/164
89.0
副作用発現頻度は24.9%(90/362例)であった。主な副作用は浮動性めまい4.4%(16/362例)、悪心4.1%(15/362例)、血中乳酸脱水素酵素増加3.9%(14/362例)であった25)。
子宮内感染、子宮付属器炎、バルトリン腺炎、子宮頸管炎患者に対するレボフロキサシン水和物の非盲検試験におけるブドウ球菌属、大腸菌、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)等による産婦人科領域感染症に対する有効率は次のとおりである29)。
(参考)100~200mg×3注3)
子宮頸管炎
29/31
93.5
バルトリン腺炎
49/50
98.0
子宮内感染
58/61
子宮付属器炎
35/41
85.4
171/183
93.4
500mg×1回/日の用法及び用量における日本及び海外の臨床試験データはない。
皮膚科領域感染症患者に対するレボフロキサシン水和物の臨床試験において、ブドウ球菌属等による皮膚科領域感染症(表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡)に対する有効率は次のとおりである30)。
皮膚科領域感染症
390/436
89.4
表在性皮膚感染症(毛のう炎等)ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
71/85
83.5
深在性皮膚感染症(せつ、せつ腫症等)
142/153
92.8
リンパ管・リンパ節炎
15/16
93.8
慢性膿皮症(皮下膿瘍、汗腺炎等)
162/182
皮膚科領域感染症患者及び外科領域感染症患者に対するレボフロキサシン(500mg×1回/日)の臨床試験(欧米)において、ブドウ球菌属等による皮膚科領域感染症(表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡)、外科・整形外科領域感染症に対する有効率は次のとおりである30)。
302/311米国注4)133/137欧州注4)
97.1米国注4)97.1欧州注4)
外科・整形外科領域感染症
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
注4)単純性皮膚・皮膚組織感染症
外科領域感染症患者に対するレボフロキサシン水和物の臨床試験において、外科・整形外科領域感染症、胆嚢炎・胆管炎に対する有効率は次のとおりである29),30)。
146/181
80.7
101/129
78.3
乳腺炎
23/29
79.3
肛門周囲膿瘍
22/23
95.7
胆嚢炎・胆管炎
19/26
73.1
胆嚢炎・胆管炎については500mg×1回/日の用法及び用量における日本及び海外の臨床試験データはない。
外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎患者に対するレボフロキサシン水和物の非盲検試験におけるブドウ球菌属、緑膿菌等による耳鼻咽喉科領域感染症に対する有効率は次のとおりである30)。
外耳炎
23/30
76.7
中耳炎
111/150
74.0
副鼻腔炎
52/68
76.5
化膿性唾液腺炎
9/11
81.8
195/259
75.3
細菌性眼感染症患者に対するレボフロキサシン水和物の非盲検試験におけるブドウ球菌属等による眼科領域感染症に対する有効率は次のとおりである29)。
涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎
68/70
感染性腸炎患者に対するレボフロキサシン水和物の非盲検試験における赤痢菌、サルモネラ属、カンピロバクター属等による腸管感染症に対する有効率は次のとおりである29),31)。
感染性腸炎
115/119
96.6
腸チフス
1/1
コレラ
3/3
119/123
96.7
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎患者に対するレボフロキサシン水和物の非盲検試験におけるレンサ球菌属等による歯科・口腔外科領域感染症に対する有効率は次のとおりである29)。
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
171/205
急性咽頭・扁桃炎の成人患者にレボフロキサシン500mg 1日1回投与し、疾患重症度、局所所見及び臨床的症状よりレボフロキサシンの有効性を検討した。投与終了7日後の臨床効果(治癒率)は95.0%(19/20例)であった7)。
尿路・性器感染症(急性単純性膀胱炎、複雑性膀胱炎、非淋菌性尿道炎(クラミジア・トラコマティス性)、急性細菌性前立腺炎及び急性精巣上体炎(細菌性及びクラミジア・トラコマティス性))を対象にレボフロキサシン500mgを1日1回投与し、有効性及び安全性を検討した。各疾患の有効率は、急性単純性膀胱炎97.4%(37/38例)、複雑性膀胱炎82.9%(29/35例)、非淋菌性尿道炎84.8%(28/33例)、急性細菌性前立腺炎100%(2/2例)、急性精巣上体炎80%(4/5例)であった8)。
レボフロキサシン500mg1日1回7日間経口投与し、非淋菌性子宮頸管炎(クラミジア・トラコマティス性)及び子宮内感染に対する有効性及び安全性を検討した。各疾患の有効率は、非淋菌性子宮頸管炎(クラミジア・トラコマティス性)94.4%(17/18例)、子宮内感染94.7%(18/19例)であった32)。
中耳炎・副鼻腔炎の成人患者にレボフロキサシン500mg1日1回投与し、上顎洞粘膜内への移行性及び有効性を検討した。各疾患の有効率は、中耳炎100.0%(13/13例)、副鼻腔炎85.9%(73/85例)であった9)。
レボフロキサシン製剤は、ラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性S体であるレボフロキサシンの水和物を含有するニューキノロン系経口抗菌製剤で、細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣに作用し、DNA複製を阻害する。DNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣ阻害活性はオフロキサシンの約2倍の強さであった33),34),35),36),37),38)。抗菌作用は殺菌的であり33),39)、MIC付近の濃度で溶菌が認められた40)。
レボフロキサシンは、嫌気性菌を含むグラム陽性菌群及びグラム陰性菌群に対し、広範囲な抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ならびに大腸菌、クレブシエラ属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属を含む腸内細菌科、緑膿菌を含むブドウ糖非発酵グラム陰性菌群、淋菌、インフルエンザ菌、レジオネラ属、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌などに強力な抗菌活性を示した。また、炭疽菌、結核菌、ペスト菌、ブルセラ属、野兎病菌、Q熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ)、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対しても抗菌力を示した33),39),41),42),43),44),45),46),47),48),49),50),51),52)。実験的マウス感染治療試験において、レボフロキサシンは優れた治療効果を示した42)。
In vitroでヒト血中濃度推移を培地中に再現したモデルにおいて、500mg1日1回投与は100mg1日3回投与と比較して、肺炎球菌及び大腸菌の耐性菌出現を抑制した53)。
レボフロキサシン水和物(Levofloxacin Hydrate)
(3S)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid hemihydrate
C18H20FN3O4・1/2H2O
370.38
淡黄白色~黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に暗淡黄白色になる。
約226℃(分解)
スティック包装:50包
スティック包装:20包、50包
1) 厚生労働省健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) Effects of Renal Dysfunction(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.6.4)
3) 梅田 優 他:日本透析医学会雑誌. 1997;30(2):109-115
4) Kanamori, M. et al.:臨床薬理. 2001;32(3):91-99
5) レボフロキサシン経口剤との比較(クラビット点滴静注バッグ、同点滴静注:2010年10月27日承認、CTD 2.7.2.3.1.6)
6) 持田製薬販売社内資料:レボフロキサシン粒状錠「モチダ」の生物学的同等性試験に関する資料
7) 山中 昇 他:耳鼻咽喉科臨床. 2011;104(9):657-666
8) 安田 満 他:日本化学療法学会雑誌. 2011;59(6):585-596
9) 山中 昇 他:耳鼻咽喉科臨床. 2011;104(8):591-605
10) 臨床的有効性の概要(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.3(その他の疾患群))
11) 吸収、分布、代謝、排泄に関する資料(クラビット錠、同細粒:2002年3月15日承認、審査報告書、審査報告(1)2.へ.)
12) 山下真寿男 他:Chemotherapy. 1992;40(S-3):203-209
13) 公文裕巳 他:西日本泌尿器科. 1992;54(6):951-953
14) 分布(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.2.3.2)
15) 血漿蛋白結合(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.2.2.1.2)
16) 代謝(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.2.3.3)
17) 谷村 弘 他:Jpn. J. Antibiot. 1992;45(5):557-568
18) 日本人(日本第Ⅰ相試験)(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.2.2.2.1.1)
19) 尿中排泄(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.6.1.5.1.2)
20) Nakashima, M. et al.:臨床薬理. 1992;23(2):515-520
21) 花岡一茂 他:日本化学療法学会雑誌. 2009;57(S-2):12-19
22) Shiba, K. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1992;36(10):2270-2274
23) シメチジン、プロベネシドによる影響(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.6.6)
24) DR-3355の呼吸器感染症を対象とした一般臨床試験(第Ⅲ相)(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.6.12)
25) クラビット500mg錠の下気道感染症および尿路感染症を対象とした臨床試験(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.6.11)
26) 河野 茂 他:日本化学療法学会雑誌. 2003;51(S-1):255-278
27) Yu, V. L. et al.:Chest. 2004;125(6):2135-2139
28) DR-3355の複雑性尿路感染症を対象とした一般臨床試験(第Ⅲ相)(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.6.13)
29) 臨床的有効性の概要 胆道感染症、感染性腸炎、産婦人科、眼科、歯科・口腔外科領域感染症(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.3(その他の疾患群))
30) 臨床的有効性の概要 皮膚科、外科、耳鼻科領域感染症(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.3(その他の疾患群))
31) 臨床的有効性の概要 腸チフス、パラチフス(クラビット錠:2009年4月22日承認、CTD 2.7.3(その他の疾患群))
32) 三鴨廣繁 他:Jpn. J. Antibiot. 2011;64(4):217-228
33) Fujimoto, T. et al.:Chemotherapy. 1990;36(4):268-276
34) Imamura, M. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1987;31(2):325-327
35) Hoshino, K. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1991;35(2):309-312
36) Hoshino, K. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1994;38(11):2623-2627
37) Tanaka, M. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1991;35(7):1489-1491
38) Tanaka, M. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1997;41(11):2362-2366
39) Une, T. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1988;32(9):1336-1340
40) Tanaka, M. et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1989;39(Ⅱ)(7):750-754
41) Legionella pneumophilaに対するin vitro抗菌活性(クラビット錠、同細粒:2006年2月23日承認、審査報告書、審査報告(1)Ⅱ.3.(1))
42) Tanaka, M. et al.:J. Antimicrob. Chemother. 1990;26(5):659-666
43) 五島瑳智子 他:Chemotherapy. 1992;40(S-3):14-26
44) 渡辺邦友 他:Chemotherapy. 1992;40(S-3):57-63
45) 西野武志 他:Chemotherapy. 1992;40(S-3):36-50
46) Frean, J. A. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1996;40(11):2646-2647
47) Ikäheimo, I. et al.:J. Antimicrob. Chemother. 2000;46(2):287-290
48) Trujillano-Martín, I. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1999;43(1):194-195
49) Maurin, M. et al.:J. Antimicrob. Chemother. 1997;39(6):725-730
50) 臨床分離株に対する抗菌活性(クラビット点滴静注バッグ、同点滴静注:2010年10月27日承認、審査報告書、審査報告(1)Ⅱ.3.(ⅰ)(1)1)②)
51) 薬理試験成績の概要(クラビット錠、同細粒:2015年8月24日承認、審査報告書、審査報告(1)Ⅱ.3.(ⅰ))
52) 中尾偕主 他:西日本泌尿器科. 1994;56(4):461-464
53) 神田裕子 他:日本化学療法学会雑誌. 2009;57(1):1-14
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