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劇薬
処方箋医薬品注)
ショック時や重篤な外傷を受けた時には、一時的に投与を中止すること。
下垂体性ACTH過剰分泌によるクッシング症候群(クッシング病)の患者には、下垂体腺腫摘出及び下垂体放射線照射等の方法も考慮すること。
通常成人1回1カプセル~2カプセル1日3回経口投与から開始し、有効量まで漸増し、以後、症状、血中・尿中ステロイド濃度、副作用等により適宜増減する。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
本剤の作用により月経が再開することがある。
代謝が妨げられて蓄積するおそれがある。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後十分な期間適切な避妊をするよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。小児において、5~6ヵ月後に中枢神経症状が発現し、急激な血漿中濃度の上昇を来していたとの報告がある1)。
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
スピロノラクトン(アルダクトンA)
本剤の作用が阻害されるおそれがある。
機序は明確でないが、ミトタンの薬効が阻害されるとの海外報告がある2)。
ペントバルビタール(ラボナ)
睡眠作用が減弱するおそれがある。
機序は明確でないが、ペントバルビタールの睡眠作用を減弱するとの海外報告がある3)。
**,*ドラビリン(ピフェルトロ)
エンシトレルビルフマル酸(ゾコーバ)
レナカパビル(シュンレンカ)
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
本剤の肝チトクロームP-450(CYP3A4)誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進されると考えられる。
エプレレノンエサキセレノン
本剤の薬効をこれらの薬剤の類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある。
トリロスタン
副腎皮質機能抑制作用が増強するおそれがある。
トリロスタンは副腎皮質ステロイドホルモン生合成阻害作用を有する。
CYP3A4で代謝を受ける薬剤ミダゾラムアムロジピンクラリスロマイシン等
併用薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
本剤は肝チトクロームP-450(CYP3A4)を誘導するため、CYP3A4で代謝を受ける薬剤の血中濃度に影響を与える可能性がある。
本剤の投与により副腎不全が起こることがある。このような場合は、副腎ステロイド補充を行うこと。
AST、ALT、γ-GTP、ALPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
10%以上
10%未満
頻度不明
消化器
食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢
便秘、口渇
口内異常感、腹痛
皮膚
発疹
脱毛、そう痒
色素沈着、皮膚乾燥
中枢神経系
嗜眠
頭痛、眩暈
歩行不安定、脳波異常、言語障害、振戦、不穏、不安、健忘、神経過敏、神経症、しびれ
内分泌
女性型乳房
帯下増加、性器出血、ACTH高値
肝臓
AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇
代謝・栄養
総コレステロール上昇
低尿酸血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症
血液
白血球減少
貧血、血小板増加、眼底出血
腎臓
浮腫、乏尿、血漿レニン活性上昇
循環器
高血圧、動悸、QT延長
その他
味覚異常、関節痛、筋肉痛
全身倦怠感、耳鳴、腰痛、発熱、のぼせ、脱力感
中枢神経症状があらわれることがある。特に血漿中濃度が20μg/mLを超えた場合に中枢神経症状が多く認められたとの報告がある4)(外国人データ)。
本剤は消失半減期が長いことから、中止後も一定期間観察を行うこと。なお、本剤は脂溶性が高く、分布容積が大きいため、血液透析による除去は期待できない。
ミトタン10gを経口投与すると血中濃度は4~6時間後に最高となり、その後、徐々に低下する5)(外国人データ)。
主に脂肪組織内に蓄積され、次いで副腎に多く蓄積される8)(外国人データ)。
投与量の60~65%は吸収されずに糞便中に排泄される8)。吸収量の4分の1は水溶性代謝物として尿中に排泄される8)(外国人データ)。
本剤投与が必要とされた全国35施設46例における臨床成績は以下のとおりであった9)。効果は、ステロイドに対する効果、抗腫瘍効果、有用性の3つに分けて評価した。46例中31例(約67%)でステロイド減少効果が認められた。腫瘍の大きさが測定された副腎癌18例中7例(38.9%)で抗腫瘍効果が認められた。46例中36例(78.3%)で副作用が認められた。主な副作用注1)注2)は、食欲不振28/47例(59.6%)、嘔気26/47例(55.3%)、総コレステロール上昇19/39例(48.7%)、γ-GTP上昇6/27例(22.2%)、嗜眠8/47例(17.0%)、発疹8/47例(17.0%)、ALP上昇7/42例(16.7%)、AST上昇7/45例(15.6%)、ALT上昇7/45例(15.6%)、嘔吐7/47例(14.9%)、下痢7/47例(14.9%)、LAP上昇3/25例(12.0%)であった。各担当医師による「++、+、-」の3段階の判定では、下表のとおり47例中31例(約66%)で有用性が認められた。
疾患名
症例数
有用性
++
+
-
不明
クッシング症候群
クッシング病
16
8
5
0
3
副腎腺腫
1
副腎癌
2
4
7
その他注3)
その他の副腎癌
6注1)
合計
46
15
13
注1)1例については、2期間、2施設において研究されたので、2つのデータとして扱った。注2)自覚的副作用については47例、臨床検査上の副作用については検査症例数に基づき発現頻度を算出した。注3)結節性副腎異形成(疑)2例、異所性ACTH産生腫瘍1例。
副腎組織の変化は皮質に選択的であり、とくに皮質の束状層、網状層の萎縮や壊死がイヌにおいて認められている10)。
ステロイド分泌量の低下が認められるが、その合成阻害部位は、まだ決定されていない。種々の実験による推定阻害部位は、次の反応段階である。
コルチゾールの代謝物のうち、6β-ヒドロキシ体を増加させる17)(外国人データ)。
ミトタン(mitotane)(JAN)
1,1-Dichloro-2-(2-chlorophenyl)-2-(4-chlorophenyl)ethane
C14H10Cl4
320.04
白色~微黄白色の結晶である。クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリル又はシクロヘキサンに溶けやすく、エタノール(95)又はイソオクタンにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
75~79℃
100カプセル[瓶、バラ、乾燥剤入り]
1) Goto T, et al.:Clin Pediatr Endocrinol. 2008;17:71-74.
2) Wortsman J, et al.:JAMA. 1977;238:2527.
3) Straw JA, et al.:Proc Soc Exp Biol Med. 1965;118:391-394.
4) Baudin E, et al.:Cancer. 2001;92:1385-1392.
5) 社内資料:薬力学的研究
6) 社内資料:血漿中濃度と累積投与量の関係に関する資料
7) Moolenaar AJ, et al.:Cancer Chem Pharm. 1981;7:51-54.
8) Moy RH:J Lab Clin Med. 1961;58:296-304.
9) 木野内喬 他:ホルモンと臨床. 1982;30:841-851.
10) Kaminsky N, et al.:J Natl Cancer Inst. 1962;29:127-159.
11) 小島元子 他:日本内分泌学会雑誌. 1984;60:852-871.
12) Hart MM, et al.:Steroids. 1971;17:559-574.
13) 小島元子 他:日本内分泌学会雑誌. 1982;58:407.
14) 小島元子 他:ホルモンと臨床. 1981;29:1499-1505.
15) 長沼 廣 他:日本内分泌学会雑誌. 1982;58:405.
16) Touitou Y, et al.:J Steroid Biochem. 1978;9:1217-1224.
17) Bledsoe T, et al.:J Clin Endo. 1964;24:1303-1311.
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