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トランコロン錠7.5mg

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2鎮痙作用
18.3その他の作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

トランコロン錠7.5mg

添付文書番号

1231009F1088_3_05

企業コード

800126

作成又は改訂年月

2022年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871231

薬効分類名

過敏大腸症治療剤

承認等

トランコロン錠7.5mg

販売名コード

YJコード

1231009F1088

販売名英語表記

Trancolon Tablets 7.5mg

販売名ひらがな

とらんころんじょう ななてんごみりぐらむ

承認番号等

承認番号

21800AMX10567

販売開始年月

1967年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

メペンゾラート臭化物錠
Mepenzolate Bromide

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 2.2 前立腺肥大による排尿障害のある患者[排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある。]
  3. 2.3 重篤な心疾患のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。]
  4. 2.4 麻痺性イレウスのある患者[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。]
  5. 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

トランコロン錠7.5mg

有効成分(1錠中)
日局
メペンゾラート臭化物   7.5mg
添加剤乳糖水和物  
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース  
ヒドロキシプロピルセルロース  
ステアリン酸マグネシウム  
ヒプロメロース  
マクロゴール  
酸化チタン  
三二酸化鉄  
カルナウバロウ  

3.2 製剤の性状

トランコロン錠7.5mg

剤形フィルムコーティング錠
色調淡紅白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径約6.1mm
厚さ約2.9mm
質量約93mg
識別コード 434

4. 効能又は効果

過敏大腸症(イリタブルコロン)

6. 用法及び用量

メペンゾラート臭化物として、通常成人1回15mgを1日3回経口投与する。
なお年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

視調節障害を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 開放隅角緑内障の患者

    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

  2. 9.1.2 前立腺肥大のある患者

    排尿障害を起こすおそれがある。

  3. 9.1.3 甲状腺機能亢進症のある患者

    心臓の運動を促進させ、心悸亢進や頻脈を悪化させるおそれがある。

  4. 9.1.4 うっ血性心不全又は不整脈のある患者

    心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。

  5. 9.1.5 潰瘍性大腸炎のある患者

    中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。

  6. 9.1.6 高温環境にある患者

    汗腺等の分泌機能を抑制するので、体温調節が障害され高熱になるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に抗コリン作用による視調節障害、口渇、排尿障害等があらわれやすい。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
    • 三環系抗うつ剤
      • イミプラミン
      • アミトリプチリン
    • フェノチアジン系薬剤
      • クロルプロマジン
    • 抗ヒスタミン剤
      • ジフェンヒドラミン

    抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害、口渇、排尿障害等)があらわれるおそれがある。

    本剤及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を有するため相加的に抗コリン作用が増強されることがある。

    • モノアミン酸化酵素阻害剤

    抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害、口渇、排尿障害等)があらわれるおそれがある。

    本剤の代謝が阻害され、抗コリン作用が増強されることがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    視調節障害

    消化器

    口渇、便秘、悪心・嘔吐、食欲不振

    泌尿器

    排尿障害

    精神神経系

    めまい、頭痛・頭重

    過敏症

    発疹

    13. 過量投与

    • *13.2 処置

      抗コリン作用に対してはネオスチグミン等を静脈内投与する。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    ムスカリン受容体遮断薬で,副交感神経興奮による反応を抑制することにより様々な作用を現す1)

    18.2 鎮痙作用

    1. 18.2.1 生体位消化管の自動運動抑制作用及び攣縮緩解作用

      麻酔イヌ及びネコを用いた試験でメペンゾラート臭化物は、胃、小腸及び結腸の自動運動、フィゾスチグミン―アセチルコリンによる消化管攣縮及び迷走神経刺激による消化管攣縮を明らかに抑制する2),3),4)
      メペンゾラート臭化物による自動運動抑制作用は、小腸に対するよりも結腸に対しより著明である3)

    2. 18.2.2 腸管輸送能に対する作用

      ラットでのCharcoal meal法で、メペンゾラート臭化物は、消化管運動に対する抑制作用を示し、その効果は、アトロピンの1/2である5)

    3. 18.2.3 胃・大腸反射に対する作用

      イヌを用いた寒冷刺激による胃・大腸反射の試験で、メペンゾラート臭化物は明らかな抑制作用を示す4)

    4. 18.2.4 抗コリン作用

      イヌでの血圧を指標とした試験でメペンゾラート臭化物は、アセチルコリンによる血圧下降を著明に抑制し、その効果は、アトロピンとほぼ同等である5)

    18.3 その他の作用

    1. 18.3.1 唾液分泌抑制作用

      麻酔したイヌ及びネコにおいて、アセチルコリンによって起こした唾液分泌に対し、メペンゾラート臭化物は0.5mg/kgの静脈内投与で抑制作用を示していない2)。しかし、麻酔ウサギのピロカルピンによる唾液分泌に対し、筋肉内注射によるメペンゾラート臭化物は、アトロピンの2倍の強さの抑制を示したとの報告がある5)

    2. 18.3.2 膀胱収縮に対する作用

      麻酔イヌでの骨盤神経刺激による膀胱収縮に対し、メペンゾラート臭化物は4mg/kgを静脈内投与しても部分的にしか抑制せず、この作用は臭化メタンテリンの約1/10の強さである3)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    メペンゾラート臭化物(Mepenzolate Bromide)

    化学名

    (3RS)-3-[(Hydroxy)(diphenyl)acetoxy]-1,1-dimethylpiperidinium bromide

    分子式

    C21H26BrNO3

    分子量

    420.34

    性状

    メペンゾラート臭化物は白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、熱湯にやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

    化学構造式

    融点

    約230℃(分解)

    22. 包装

    500錠(10錠×50)、1,000錠(10錠×100)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター

    〒103‐8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

    フリーダイヤル 0120‐189‐371

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売

    アステラス製薬株式会社

    東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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