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処方箋医薬品注)
慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないため、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
通常、成人には、ビキサロマーとして1回500mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日7,500mgとする。
投与量は、血清リン濃度が3.5~6.0mg/dLとなるよう、以下の基準を目安に適宜増減する。
血清リン濃度
投与量増減方法
6.0mg/dLを超える
1回250~500mg(1~2カプセル)増量する
3.5~6.0mg/dL
投与量を維持する
3.5mg/dL未満
1回250~500mg(1~2カプセル)減量する
投与量は、血清リン濃度を各施設の基準値内に維持するよう適宜増減する。増量幅はビキサロマーとして1回あたりの用量で500mgまでとする。
症状が悪化した場合、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。,,,,,,,
非吸収性ポリマーのため、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。,,,,,,
憩室部位に腸管穿孔を起こすおそれがある。,,,,,
腸管の癒着等が生じ、腸閉塞を起こすおそれがある。,,,,,
症状を悪化させるおそれがある。
症状を悪化又は再発させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
消化器症状等の副作用の発現に注意すること。一般に生理機能が低下している。
本剤はリン酸結合性ポリマーであるため、同時に服用した場合、併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある。抗てんかん剤、不整脈用剤等安全性及び有効性に臨床上重大な影響を及ぼす可能性のある経口薬剤を併用する場合は、可能な限り間隔をあけて投与し、併用薬の作用の変化についても慎重に観察すること。
本剤とこれらの薬剤を併用した場合の血中濃度は、エナラプリルでは約80%に、アトルバスタチンでは約70~80%に、バルサルタンでは約30~40%にそれぞれ低下した。これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。
本剤はリン酸結合性ポリマーであり、同時に服用した場合、これらの薬剤の吸収を遅延あるいは減少させる。
In vitro試験で、本剤とこれらの薬剤の吸着が認められており、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。
他のリン酸結合性ポリマーで、同時に服用した場合、シプロフロキサシンのバイオアベイラビリティが低下したとの報告がある。シプロフロキサシンの作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこの薬剤の作用を観察すること。
他のリン酸結合性ポリマーとレボチロキシンとの併用患者において、甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度が上昇したとの報告がある。
機序不明
これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、速やかに投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を実施し、適切な処置を行うこと。,,,,,,,,,
病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
吐血、下血及び食道、胃、十二指腸、結腸、直腸等の潰瘍があらわれることがある。
これらの症状があらわれた場合には本剤の減量又は休薬を考慮し、高度の場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。,,,
病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,
AST、ALT、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害の発現が報告されている。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
硬便、腹部不快感、腹部膨満、悪心
下痢、嘔吐、腹痛、胃炎、痔核、便潜血陽性
皮膚
そう痒症
発疹
血液
血中副甲状腺ホルモン増加
精神神経系
下肢静止不能症候群
その他
口渇、回転性めまい
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人10例に14C-ビキサロマー2,500mgを単回経口投与した結果、ビキサロマーは非吸収性であると推察された1)(外国人データ)。
健康成人10例に14C-ビキサロマー2,500mgを単回経口投与した結果、投与後168時間までに投与放射能の93.2%が糞中に検出された。投与放射能の0.00326%が尿中に検出されたものの血液中に放射能は検出されなかった1)(外国人データ)。
健康成人を対象として、本剤2,500mgを併用したときのエナラプリル、アトルバスタチン及びバルサルタンの薬物動態への影響を検討した。その結果、エナラプリルのCmax及びAUCはいずれも約80%に低下し、アトルバスタチンのCmax及びAUCは約70~80%に低下した2),3)。また、バルサルタンのCmax及びAUCは約30~40%に低下した4)。
健康成人を対象として、本剤2,500mgを併用したときのワルファリン、ジゴキシン及びシナカルセトの薬物動態への影響を検討した。その結果、ワルファリン、ジゴキシン、シナカルセトの血漿中濃度に対して本剤の影響は認められなかった5),6),7)(外国人データ)。
多施設共同、ランダム化、セベラマー塩酸塩対照非盲検、非劣性検証試験を実施した。高リン血症を合併する血液透析中の慢性腎不全患者104例(本剤54例、セベラマー塩酸塩50例)を対象として本剤1日1,500mgから投与を開始し、1日7,500mgまでの範囲で適宜増減し、12週間投与した。投与開始時の血清リン濃度(平均値±標準偏差)は、7.85±1.539mg/dLであった。投与開始時の血清リン濃度を共変量とした主解析では、投与終了時の血清リン濃度(調整済み平均±標準誤差)は、5.87±0.154mg/dLと低下が認められた。また、血清補正カルシウム濃度は、投与開始時(平均値±標準偏差)8.66±0.661mg/dL、投与終了時(平均値±標準偏差)8.89±0.641mg/dLと大きな変化は認められなかった8)。本試験における副作用は29.1%(16/55例)に認められた。主な副作用は便秘18.2%(10/55例)、硬便5.5%(3/55例)であった。
多施設共同、非盲検、非対照試験を実施した。高リン血症を合併する血液透析中の慢性腎不全患者243例を対象として本剤1日1,500mgから投与を開始し、1日7,500mgまでの範囲で適宜増減を行い、48週間投与した。この結果、血清リン濃度の低下が維持された。血清リン濃度は、投与開始時(平均値±標準偏差)7.71±1.275mg/dL、投与終了時(平均値±標準偏差)5.77±1.377mg/dLであった9)。副作用発現率は29.4%(73/248例)であった。主な副作用は便秘21.0%(52/248例)、腹部不快感1.2%(3/248例)、硬便1.2%(3/248例)であった。長期投与により副作用の発現率が増加する傾向はみられなかった。
多施設共同、非盲検、非対照試験を実施した。高リン血症を合併する腹膜透析中の慢性腎不全患者34例を対象として本剤1日1,500mgから投与を開始し、1日7,500mgまでの範囲で適宜増減し、12週間投与した。この結果、血清リン濃度が投与開始時(平均値±標準偏差)7.77±1.199mg/dLから治療期終了時(平均値±標準偏差)6.40±1.098mg/dLへと低下した10)。副作用発現率は40.0%(14/35例)であった。主な副作用は便秘が11.4%(4/35例)、そう痒症が8.6%(3/35例)であった。
多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検試験を実施した。高リン血症を合併する保存期慢性腎臓病患者162例(本剤80例、プラセボ82例)を対象として本剤1日1,500mgから投与を開始し、1日7,500mgまでの範囲で適宜増減し、プラセボを対照に12週間投与した。この結果、本剤投与群で投与開始時の血清リン濃度(平均値±標準偏差)は5.26±0.87mg/dLであり、投与終了時の血清リン濃度(平均値±標準偏差)は4.49±0.93mg/dLへと低下が認められた。プラセボ投与群では、投与開始時の血清リン濃度(平均値±標準偏差)は5.29±1.07mg/dL、投与終了時の血清リン濃度(平均値±標準偏差)は5.49±1.23mg/dLであった。投与終了時(治療期12週又は投与中止時)の血清リン濃度の治療期開始日(0週)からの変化量について、投与群を因子、0週の血清リン濃度の値及びeGFR(mL/min/1.73m2)カテゴリを説明変数とした共分散分析を行った結果、本剤群はプラセボ群と比較して統計的に有意な差が認められた11)。本試験における副作用は31.3%(25/80例)に認められた。主な副作用は便秘16.3%(13/80例)、腹部不快感、腹部膨満、腹痛、悪心、各2.5%(2/80例)であった。重篤な副作用は、胃食道炎及び上部消化管出血(各1例)であった。
多施設共同、非盲検、非対照試験を実施した。高リン血症を合併する保存期慢性腎臓病患者105例を対象として本剤1日1,500mgから投与を開始し、1日7,500mgまでの範囲で適宜増減を行い、48週間投与した。血清リン濃度は、投与開始時(平均値±標準偏差)5.15±0.83mg/dL、48週時(平均値±標準偏差)4.58±0.68mg/dL、投与終了時(平均値±標準偏差)4.96±0.98mg/dLであった12)。副作用発現率は31.4%(33/105例)であった。主な副作用は便秘18.1%(19/105例)、腹部膨満、悪心の各1.9%(2/105例)であった。重篤な副作用は、胃潰瘍及び結腸癌(各1例、同一被験者)であった。
ビキサロマーはアミン機能性リン酸結合性ポリマーであり、消化管内でリン酸と結合して糞中へのリン排泄を促進することにより、消化管からのリン吸収を抑制し血中リン濃度を低下させる。
高リン食摂餌5/6腎臓摘出慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿リン濃度(AUC値)及びCa×P積(AUC値)を有意に低下させた13)。また、アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿リン濃度(AUC値)及びCa×P積(AUC値)を有意に低下させた14)。
ビタミンD負荷アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは2%の混餌投与により、大動脈中カルシウム量を有意に低下させた15)。
高リン食摂餌5/6腎臓摘出慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿 PTH濃度(AUC値)及び副甲状腺重量比を有意に低下させた16)。また、アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿 PTH濃度(AUC値)及び副甲状腺重量比を有意に低下させた17)。
アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、大腿骨の空隙面積率及び線維化面積率を低下させた。類骨面積率に対しては、ビキサロマー投与による有意な変化は認められなかった18)。
アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血液pH及び血液重炭酸イオン濃度の低下を改善した19)。
ビキサロマー(Bixalomer)
白色~帯黄白色の粉末である。水及びエタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
〔日本名〕ビキサロマーは、N,N,N',N'-テトラキス(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミンと2-(クロロメチル)オキシランが1:2.1-2.4の比で反応して得られた架橋重合体である。
〔英名〕Bixalomer is a cross-linked polymer which is obtained by a reaction between N,N,N',N'-tetrakis(3-aminopropyl)butane-1,4-diamine and 2-(chloromethyl)oxirane with a ratio of 1:2.1-2.4.
100カプセル(10カプセル×10、乾燥剤入り)、500カプセル(10カプセル×50、乾燥剤入り)
1) 社内報告書:海外健康成人・マスバランス試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.2)(DIR120044)
2) 社内報告書:健康成人・エナラプリルとの薬物相互作用試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.6)(DIR120046)
3) 社内報告書:健康成人・アトルバスタチンとの薬物相互作用試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.7)(DIR120045)
4) 社内報告書:健康成人・バルサルタンとの薬物相互作用試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.8)(DIR120049)
5) 社内報告書:海外健康成人・ワルファリンとの薬物相互作用試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.3)(DIR120050)
6) 社内報告書:海外健康成人・ジゴキシンとの薬物相互作用試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.4)(DIR120047)
7) 社内報告書:海外健康成人・シナカルセトとの薬物相互作用試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.5)(DIR120048)
8) Akizawa, T. et al.:Ther. Apher. Dial. 2014;18(2):122-131[KIK-00074]
9) Akizawa, T. et al.:Ther. Apher. Dial. 2013;17(6):612-619[KIK-00069]
10) 社内報告書:腹膜透析患者・腹膜透析患者対象一般臨床試験(2012年3月30日承認 CTD2.7.6.16)(DIR120028)
11) Akizawa, T. et al.:Ther. Apher. Dial. 2016;20(6):588-597[KIK-00123]
12) Akizawa, T. et al.:Ther. Apher. Dial. 2017;21(2):173-179[KIK-00127]
13) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.1.1)(DIR120030)
14) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.1.2)(DIR120056)
15) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.3.1)(DIR120036)
16) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.2.1)(DIR120043)
17) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.2.2)(DIR120057)
18) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.4.2)(DIR120037)
19) 社内報告書:in vivo薬理試験(2012年3月30日承認 CTD2.6.2.2.1.5.1)(DIR120035)
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