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劇薬
処方箋医薬品注)
下痢型過敏性腸症候群
通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。
通常、成人女性にはラモセトロン塩酸塩として2.5μgを1日1回経口投与する。 なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまでとする。
虚血性大腸炎や重篤な便秘が発現するおそれがあるので、腹痛、血便、便秘、硬便が認められた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること。特に、女性では男性に比べ便秘及び硬便の発現率が高いため注意すること。,,,
本剤の投与による便秘、硬便等の発現に伴うイレウス等の発現に注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用が発現した場合には、投与を中止すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。
フルボキサミンのCYP1A2阻害作用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
便秘、硬便等の副作用が増強されるおそれがある。
抗コリン作用により薬理効果が増強される可能性がある。
止しゃ作用により薬理効果が増強される可能性がある。
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)の治療のためにラモセトロン塩酸塩を静脈内投与された患者において、ショック、アナフィラキシーが報告されている。
腹痛、血便等の虚血性大腸炎が疑われる症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤では便秘、硬便が認められ、類薬では海外において重篤な便秘の発現とその合併症(腸閉塞、イレウス、宿便、中毒性巨大結腸、続発性腸虚血、腸管穿孔)が報告されており死亡例も認められていることから、本剤の投与により便秘、硬便が認められた場合には患者の症状に応じて休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
0.1~1%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
貧血、白血球数減少、白血球数増加、血小板数減少
心臓障害
動悸
胃腸障害
便秘、硬便
腹部膨満
腹痛、上腹部痛、悪心、胃不快感、胃炎、腹部不快感、痔核、排便障害、下痢、嘔吐、逆流性食道炎、十二指腸潰瘍、下腹部痛、肛門周囲痛、痔出血
血便
全身障害及び投与局所様態
胸部不快感、倦怠感、口渇
肝胆道系障害
肝機能異常、γ-GTP上昇
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇
感染症及び寄生虫症
憩室炎
筋骨格系及び結合組織障害
背部痛
神経系障害
頭痛、傾眠
腎及び尿路障害
尿中蛋白陽性、尿中ブドウ糖陽性、血中尿素増加
頻尿
皮膚及び皮下組織障害
発疹、蕁麻疹
生殖系及び乳房障害
前立腺炎
健康成人男女にイリボー錠5μgを空腹下単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は約1~3時間でCmaxに達した後、約5~7時間の半減期で消失した。男性のCmax及びAUCの平均値は18.5pg/mL及び125.3pg・h/mLで、女性のCmax及びAUCの平均値は27.4pg/mL及び215.9pg・h/mLであった1),2)。なお、健康成人にラモセトロン塩酸塩錠0.4~1.6mgを単回経口投与すると、Cmax及びAUCは投与量に比例して上昇した3)。
健康成人男性6名にラモセトロン塩酸塩錠0.6mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、体内動態の変化はなく、蓄積性は認められなかった3)。
健康成人男性20名にイリボー錠5μgを空腹下もしくは食後単回経口投与したところ、食後投与時のCmax及びAUCに影響は認められず、イリボー錠のバイオアベイラビリティは食事の影響を受けないと考えられた1)。
健康成人男女各20名にイリボー錠5μgを単回経口投与したとき、女性のCmax及びAUCは男性のそれぞれ1.5倍及び1.7倍であった2)。
健康成人男性に2×2クロスオーバー法により、イリボーOD錠5μgを水なしにて、イリボー錠5μgを水とともに単回経口投与した場合の血漿中未変化体濃度の推移及び薬物動態パラメータを下記の図表に示した。血漿中未変化体濃度はいずれの場合も投与後約2時間にCmaxに達した後、7時間の半減期で消失した4)。Cmax及びAUCについて統計解析を行ったところ、イリボーOD錠は水なしで服用または水とともに服用した場合のいずれにおいても、イリボー錠と生物学的に同等であることが確認された4),5)。
投与量
Cmax(pg/mL)
Tmax(h)
AUC(pg・h/mL)
t1/2(h)
イリボーOD錠5μg(水なし)
23.29±5.51
2.3±0.8
187.10±53.83
7.0±1.6
イリボー錠5μg
25.33±6.45
1.9±0.6
188.77±63.29
(平均値±標準偏差)
In vitro代謝試験において、ラモセトロン塩酸塩の一次代謝には肝臓の薬物代謝酵素CYP1A1、CYP1A2及びCYP2D6が関与することが示されており6)、ヒトにおける本剤の一次代謝にはCYP1A2及びCYP2D6が関与していると考えられる。
健康成人男女24名にフルボキサミン(CYP1A2阻害薬)を10日間服用下(初日のみ50mg1日1回、それ以降50mgを1日2回)、ラモセトロン塩酸塩錠10μgを単回経口投与したところ、Cmax及びAUCは単独投与時に比べそれぞれ1.4倍及び2.8倍に上昇した7)(外国人データ)。
健康成人男女35名にパロキセチン20mg(CYP2D6阻害薬)を10日間服用下、ラモセトロン塩酸塩錠10μgを単回経口投与したところ、Cmax及びAUCはともに影響を受けなかった8)(外国人データ)。
注)本剤の承認された1日最高投与量は男性で10μg、女性で5μgである。
イリボー錠5μgを1日1回、朝食前に経口投与した無作為化二重盲検群間比較試験の結果は、主要評価項目である過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率に関して、イリボー錠5μg群はプラセボ群を上回り有意な差が認められた。また、臨床検査値異常を含む副作用発現症例はイリボー錠5μg群で215例中41例(19.1%)、プラセボ群で227例中30例(13.2%)であり、イリボー錠5μg群で発現率5%以上の副作用は硬便であった9)。
投与群
症例数
レスポンダー率
両側95%信頼区間
P値※
プラセボとの差
下限
上限
プラセボ
223
24.2%
18.7
30.4
<0.001
22.7%
211
46.9%
40.0
53.9
※:χ2検定(有意水準:両側0.05)
副作用発現率
例数(発現率)
便秘
硬便
227
30例(13.2%)
2(0.9%)
1(0.4%)
3(1.3%)
215
41例(19.1%)
7(3.3%)
13(6.0%)
5(2.3%)
イリボー錠2.5μgを1日1回、朝食前に経口投与した無作為化二重盲検群間比較試験の結果は、主要評価項目である過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率に関して、イリボー錠2.5μg群はプラセボ群を上回り有意な差が認められた。また、臨床検査値異常を含む副作用発現症例はイリボー錠2.5μg群で292例中95例(32.5%)、プラセボ群で284例中50例(17.6%)であり、女性では男性に比べ副作用発現率が高く、イリボー錠2.5μg群で発現率10%以上の副作用は便秘及び硬便であった10)。
284
32.0%
26.7
37.8
18.6%
イリボー錠2.5μg
292
50.7%
44.8
56.6
50例(17.6%)
13(4.6%)
16(5.6%)
95例(32.5%)
32(11.0%)
66(22.6%)
3(1.0%)
5-HT3受容体を遮断することにより、排便亢進や下痢を抑制するとともに大腸痛覚の過敏を抑制する11)。
受容体結合実験において、選択的なヒト5‒HT3受容体親和性を示した12)(in vitro)。
セロトニンによるモルモット摘出結腸の収縮に対して、本剤は濃度依存的かつ競合的な抑制作用を示した12)(in vitro)。また、セロトニンによる麻酔ラットの一過性徐脈反射(von Bezold‒Jarisch反射)を用量依存的に抑制した12)。
拘束ストレスによるラット下痢、恐怖条件付けストレスによるラット排便亢進及びセロトニンによるマウス下痢に対して、本剤は用量依存的な抑制作用を示した11),13),14)。
恐怖条件付けストレスによるラット大腸輸送能亢進、及びコルチコトロピン放出因子によるラット大腸水分輸送異常に対して、本剤は有意な改善作用を示した13),15)。
拘束ストレスによるラット大腸痛覚閾値低下に対して、本剤は用量依存的な改善作用を示した11)。
ラモセトロン塩酸塩(Ramosetron Hydrochloride)
(R)-5-[(1-Methyl-1H-indol-3-yl)carbonyl]-4,5,6,7-tetrahydro-1H-benzimidazole monohydrochloride
C17H17N3O・HCl
315.80
ラモセトロン塩酸塩は白色~微帯黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。光によって変化する。
100錠(10錠×10、乾燥剤入り)
1) 古家英寿 他:臨床医薬 2007;23(8):765-772[NA-00384]
2) 古家英寿 他:臨床医薬 2007;23(8):755-763[NA-00383]
3) 中島光好 他:臨床と研究 1995;72(11):2912-2926[NA-088]
4) 社内報告書:健康成人・口腔内崩壊錠水なし(DIR120123)
5) 社内報告書:健康成人・口腔内崩壊錠水あり(DIR120124)
6) 社内報告書:ヒト肝ミクロソーム・代謝(2008年7月16日承認 CTD2.7.2.2.1.2)(DIR080082)
7) Kadokura, T. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 2008;64(7):691-695[IB-00003]
8) Kadokura, T. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 2008;64(6):605-609[IB-00004]
9) 松枝 啓 他:臨床医薬 2008;24(7):633-654[IB-00006]
10) 社内報告書:女性患者・第Ⅲ相試験(2015年5月26日承認 CTD2.7.6.6)(DIR150021)
11) Hirata, T. et al.:Neurogastroenterol. Motil. 2008;20(5):557-565[IB-00001]
12) Hirata, T. et al.:J. Pharmacol. Sci. 2007;104:263-273[NA-00380]
13) Hirata, T. et al.:Inflammopharmacol. 2007;15(1):5-9[NA-00381]
14) Hirata, T. et al.:J. Pharmacol. Sci. 2008;106(2):264-270[NA-00388]
15) Funatsu, T. et al.:Eur. J. Pharmacol. 2007;573(1‒3):190-195[NA-00390]
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