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処方箋医薬品注)
前立腺肥大症に伴う排尿障害
通常、成人にはタムスロシン塩酸塩として0.2mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
高齢者で腎機能が低下している場合は0.1mgから投与を開始し、経過を十分に観察した後に0.2mgに増量すること。0.2mgで期待する効果が得られない場合にはそれ以上の増量は行わず、他の適切な処置を行うこと。
症状が悪化するおそれがある。
血漿中濃度が上昇するおそれがある。
腎機能が低下していることがある。,
起立性低血圧が起こるおそれがあるので、減量するなど注意すること。
降圧剤服用中の患者は起立時の血圧調節力が低下している場合がある。
併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある。
本剤はα遮断作用を有するため、併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強するおそれがある。
血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがある。
AST上昇、ALT上昇、黄疸等があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
精神神経系
めまい、ふらふら感
立ちくらみ、頭痛、眠気、いらいら感、しびれ感
循環器
頻脈
血圧低下、起立性低血圧、動悸、不整脈
*過敏症
発疹
そう痒感、蕁麻疹、多形紅斑、血管浮腫
消化器
胃不快感、嘔気、嘔吐、胃重感、胃痛、食欲不振、嚥下障害
口渇、便秘、下痢
その他
咽頭灼焼感、全身倦怠感
**鼻閉、浮腫、尿失禁、味覚異常、女性化乳房、持続勃起症、射精障害、術中虹彩緊張低下症候群、霧視、視力障害、ほてり、熱感、灼熱感、胸部不快感
α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。
健康成人にハルナールカプセルを0.1~0.6mg注)経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与後7~8時間にピークを示し、半減期は9.0~11.6時間であった1)。Cmax及びAUCは投与量にほぼ比例して上昇した。ハルナールカプセルを7日間連続経口投与したとき、半減期はやや延長したが、血漿中未変化体濃度推移は4日目で定常状態に達した2)。
用量注)(mg)
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
0.1
7.0
3.2
11.6
0.2
8.0
5.7
9.0
0.4
15.6
10.8
0.6
7.5
9.8
健康成人にハルナールD錠0.2mgあるいはハルナール0.2mgカプセルをそれぞれクロスオーバー法で単回経口投与した場合、タムスロシン塩酸塩の血漿中未変化体濃度は下記の図に示したとおりである3)。ハルナールD錠とハルナールカプセルは生物学的に同等であった3),4),5)。
製剤
投与量
AUCt(ng・h/mL)
ハルナールD錠0.2mg
0.2mg
4.34±1.32
63.5±22.9
11.70±2.96
7.00±2.04
ハルナール0.2mgカプセル
4.71±1.81
62.0±20.8
10.27±3.27
7.83±2.42
健康成人にハルナールカプセルを0.1~0.6mg注)経口投与したとき、投与後30時間までの未変化体の尿中排泄率は12~14%とほぼ一定であった1)。また、連続経口投与したときも尿中排泄率に大きな変動は認められなかった2)。
腎機能障害患者11名にハルナール0.2mgカプセルを経口投与したとき、血圧低下はみられなかったが、腎機能重度障害者の2名でタムスロシン塩酸塩の血漿中薬物濃度の上昇がみられた。この血漿中薬物濃度の上昇は、血漿中α1-AGP(α1酸性糖蛋白)との蛋白結合による可能性があり、血漿中薬物濃度とα1-AGP濃度の間には高い相関が認められた。,なお、タムスロシン塩酸塩の薬効あるいは副作用発現に直接関与すると考えられる非結合型薬物濃度は、血漿中α1-AGP濃度にかかわらず腎機能正常者のそれとほぼ同様であった6)。
注)本剤の承認された1日用量は、0.2mgである。なお、年齢、症状により適宜増減する。
前立腺部の尿道内圧を有意に減少させ7)、用量依存的な尿流率及び残尿量の改善が認められた8),9)。全般改善度の解析対象276例の成績を次に示した。また、二重盲検比較試験の結果、ハルナール0.2mgカプセル1日1回投与において有用性が認められた10)。
投与方法
中等度改善以上
0.1mg1日1回投与
28.3%(15/53)
0.2mg1日1回投与
37.3%(62/166)
0.4mg1日1回投与
38.6%(22/57)
尿道及び前立腺部のα1受容体を遮断することにより、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。
ヒト前立腺標本での受容体結合実験において、プラゾシン塩酸塩より2.2倍、フェントラミンメシル酸塩より40倍強いα1受容体遮断作用を示した11)(in vitro試験)。
ラット脳膜標本での受容体結合実験及びウサギ大動脈標本での摘出実験において、α1受容体を選択的かつ競合的に遮断し、その作用はプラゾシン塩酸塩より1/2.2~22倍、フェントラミンメシル酸塩より45~140倍強力であった12),13)。なお、ウサギ大動脈、ラット輸精管及びモルモット腸管標本での摘出実験において、本薬はα2受容体よりもα1受容体に対して5,400~24,000倍の選択性を示した12),13)(in vitro試験)。
ウサギ尿道、前立腺及び膀胱基部平滑筋標本での摘出実験において、プラゾシン塩酸塩より23~98倍、フェントラミンメシル酸塩より87~320倍強いα1受容体遮断作用を示した14),15)(in vitro試験)。また、麻酔イヌにおいて、α1受容体刺激薬による尿道内圧上昇を拡張期血圧上昇よりも13倍強く抑制した16)。
麻酔雄性イヌにおいて、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させた17)。一方、麻酔ラットにおいて、律動的膀胱収縮及び膀胱内圧曲線に影響を及ぼさなかった18)。
タムスロシン塩酸塩(Tamsulosin Hydrochloride)
5-{(2R)-2-[2-(2-Ethoxyphenoxy)ethylamino]propyl}-2-methoxybenzenesulfonamide monohydrochloride
C20H28N2O5S・HCl
444.97
タムスロシン塩酸塩は白色の結晶である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
約230℃(分解)
PTP品はアルミ袋により品質保持をはかっているので、アルミ袋開封後は湿気を避けて保存すること。ボトル品は乾燥剤で品質保持をはかっているので、蓋を開けたままにしないこと。
140錠(14錠×10、乾燥剤入り)
140錠(14錠×10、乾燥剤入り)、300錠(バラ、乾燥剤入り)、560錠(14錠×40、乾燥剤入り)
1) 角尾道夫 他:臨床医薬 1990;6(12):2529-2551[HA-0011]
2) 角尾道夫 他:臨床医薬 1991;7(1):63-83[HA-0012]
3) 横山 修 他:薬理と治療 2005;33(6):521-526[HA-05486]
4) 横山 修 他:薬理と治療 2005;33(6):535-540[HA-05485]
5) 横山 修 他:薬理と治療 2005;33(6):527-533[HA-05483]
6) Koiso, K. et al.:J. Clin. Pharmacol. 1996;36(11):1029-1038[HA-00314]
7) Kawachi, Y.:Curr. Ther. Res. 1998;59(3):149-161[HA-04828]
8) 河邉香月 他:泌尿器外科 1990;3(10):1247-1259[HA-0027]
9) Kawabe, K. et al.:J. Urol. 1990;144(4):908-912[HA-0038]
10) 河邉香月 他:泌尿器外科 1991;4(2):231-242[HA-0026]
11) Yamada, S. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1987;242(1):326-330[HA-0003]
12) Honda, K. et al.:Naunyn-Schmiedeberg’s Arch. Pharmacol. 1985;328(3):264-272[HA-0036]
13) Honda, K. et al.:Naunyn-Schmiedeberg’s Arch. Pharmacol. 1987;336(3):295-302[HA-0035]
14) Honda, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1986;239(2):512-516[HA-0006]
15) Honda, K. et al.:Naunyn-Schmiedeberg’s Arch. Pharmacol. 1985;330(1):16-21[HA-0004]
16) Shibasaki, M. et al.:J. Auton. Pharmacol. 1992;12(4):263-268[HA-0037]
17) Sudoh, K. et al.:J. Auton. Pharmacol. 1996;16(3):147-154[HA-00242]
18) Sudoh, K. et al.:Gen. Pharmacol. 1997;28(4):521-524[HA-07004]
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