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処方箋医薬品注)
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
通常、成人にはコハク酸ソリフェナシンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10mgまでとする。
本剤投与前に残尿量測定を実施し、必要に応じて専門的な検査を考慮すること。また、投与中も十分に観察を行い、排尿困難の増悪を来していないかを定期的に確認すること。
抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。
過量投与に注意すること。,
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。
症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
血中濃度が上昇するおそれがある。,
投与しないこと。血中濃度が過度に上昇するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中移行が報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内の臨床試験は実施していない。
肝機能、腎機能が低下していることが多い。,,,
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。
抗コリン作用が増強されるおそれがある。
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意すること。
これらの薬剤はCYP3A4を強力に阻害し、併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤の作用が減弱する可能性がある。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導し、併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
QT延長があらわれるおそれがあるので、過量投与に注意すること。
これらの薬剤によりQTが延長している患者に本剤が過量投与された場合、本剤のQT延長作用が相加的に作用する可能性がある。
蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、総ビリルビンの上昇(各0.1~5%未満)等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
,,
,,,
著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
眼圧亢進、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
白血球数増多、白血球数減少、血小板数増多、血小板数減少
心臓障害
狭心症、上室性期外収縮、心室性期外収縮
徐脈、心房細動、頻脈、動悸
耳及び迷路障害
回転性めまい
眼障害
霧視、調節障害、乾性角結膜炎、視力低下
胃腸障害
口内乾燥(28.3%)、便秘(14.4%)
腹部不快感、腹部膨満、腹痛、下腹部痛、上腹部痛、下痢、消化不良、硬便、胃炎、萎縮性胃炎、舌炎、悪心、胃不快感、口内炎、舌変色
嘔吐、胃食道逆流性疾患、口の感覚鈍麻
全身障害及び投与局所様態
胸部不快感、胸痛、倦怠感、発熱
浮腫
感染症
膀胱炎、尿路感染、気管支炎、鼻咽頭炎、上気道感染、尿沈渣陽性
代謝及び栄養障害
CK上昇、尿酸上昇、総コレステロール上昇、K上昇、尿糖陽性
食欲減退
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、背部痛、側腹部痛
筋力低下
神経系障害
浮動性めまい、味覚異常、頭痛、傾眠
認知機能障害
精神障害
不眠症
腎及び尿路障害
排尿困難、膿尿、排尿躊躇、クレアチニン上昇、BUN上昇、尿蛋白陽性
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咳嗽、鼻乾燥、咽頭不快感
発声障害
皮膚及び皮下組織障害
皮膚乾燥、湿疹、そう痒症、発疹、蕁麻疹
血管浮腫、多形紅斑、剥脱性皮膚炎
血管障害
潮紅、高血圧
尿閉、散瞳、肝機能障害等
胃洗浄又は活性炭を投与し、次にアトロピン過量投与の場合と同様の処置を行う。また、尿閉に対しては導尿等、散瞳に対してはピロカルピン投与等、各症状に応じて適切な処置を行う。
健康成人男性に本剤を絶食下単回経口投与したときのCmax及びAUCは、投与量にほぼ比例して上昇した。Tmax、t1/2及びCL/Fの平均値は各用量間でほぼ一定であった1)。
投与量(mg)
例数
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUCinf(ng・h/mL)
t1/2(h)
CL/F(L/h)
5
12
6.54±2.41
5.50±1.17
314.57±110.61
38.03±7.48
13.68±5.81
10
14.87±3.41
5.67±0.78
751.65±255.96
40.28±9.21
11.04±3.46
20注)
25.94±4.01
5.67±1.15
1,191.59±316.94
36.94±8.51
13.57±3.74
40注)
53.09±9.18
5.33±1.23
2,535.55±613.92
40.55±13.17
12.54±2.89
80注)
100.31±27.54
4.08±1.78
4,144.65±1,571.57
34.20±4.79
16.43±6.17
(平均値±標準偏差)
健康高齢・非高齢男女に本剤10mgを1日1回28日間反復経口投与したときの血漿中濃度は、非高齢者では投与後1~2週間で、高齢者では投与後2~3週間で定常状態に達した。また、反復投与により血漿中濃度は単回投与時に比べ2~4倍に上昇した2),3)。
対象
AUC24h(ng・h/mL)
非高齢男性
15
34.47±11.12
3.9±1.1
624.71±226.48
44.0±10.1
13.76±5.20
非高齢女性
14
37.57±18.31
5.2±1.4
732.82±375.83
39.2±9.1
12.83±5.71
高齢男性
16
52.89±23.47
4.6±1.6
1,091.27±493.88
71.1±28.3
8.60±4.68
高齢女性
53.82±10.27
5.6±1.8
1,095.61±213.19
61.3±13.1
7.18±1.69
第Ⅱ相試験において、母集団薬物動態解析により推定した過活動膀胱患者におけるCL/Fの母集団平均値は、男性が6.95L/h、女性が5.76L/hであった。母集団推定値から予想される10mg投与時の定常状態におけるAUC24hは、男性が1,085ng・h/mL、女性が1,309ng・h/mLであり、本剤を10mg投与したときの血漿中濃度は健康高齢者とほぼ同じと考えられた4)。
本剤10mgを単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティは88%であった5)(外国人データ)。本剤5mgを食後に投与したときのCmax及びAUCは絶食時とほぼ同じであり、食事の影響は認められなかった6)。
静脈内投与時の定常状態における分布容積は600Lであった5)(外国人データ)。血漿蛋白結合率は96%であり、主結合蛋白はα1-酸性糖蛋白質であった。
本剤は肝臓において、主としてCYP3A4によって代謝され、一部CYP1A1、2C8、2C19、2D6及び3A5並びにグルクロン酸抱合酵素も代謝に関与していた。本剤を経口投与後、未変化体の他に薬理学的に活性のある代謝物4R-水酸化体と、活性がない3種の代謝物N-グルクロン酸抱合体、N-酸化体及び4R-水酸化-N-酸化体が血漿中及び尿中に認められた。血漿中では大部分が未変化体として存在し、4R-水酸化体の薬効への寄与は未変化体よりも低いと考えられた。未変化体及びこれら4種の代謝物は、本剤10mg投与時に予想される曝露レベルにおいて、CYP1A1/2、2C9、2C19、2D6及び3A4の代謝活性に影響を及ぼさなかった。
14C標識体10mgを単回経口投与した後、投与量の69.2%の放射活性が尿中に、22.5%が糞中に回収された。尿中では投与量の15%未満が未変化体として排泄され、17.8%がN-酸化体、8.9%が4R-水酸化-N-酸化体、そして8.3%が4R-水酸化体としてそれぞれ排泄された7)(外国人データ)。
軽度(クレアチニンクリアランス50~80mL/min)から中等度(クレアチニンクリアランス30~49mL/min)の腎機能障害を持つ患者では、本剤10mg投与時のAUCは健康成人と比べてそれぞれ1.4倍及び1.3倍高かった。重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)を持つ患者では、健康成人と比べてAUCが2.1倍高かった8)(外国人データ)。,
中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を持つ患者では、本剤10mg投与時のAUCは健康成人と比べて1.6倍高く、t1/2は2倍に延長した9)(外国人データ)。,,
健康高齢者(65~75歳)に本剤10mgを投与したときのCmax及びAUCは、非高齢者(21~34歳)と比べて1.5~1.8倍高く、t1/2は1.4~1.6倍に延長した2)。
本剤10mgをケトコナゾール200mg及び400mgと併用したとき、本剤のAUCinfは併用によりそれぞれ2倍及び2.8倍に上昇した10),11)(外国人データ)。
注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は10mgである。
国内で実施された過活動膀胱患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験における成績は以下のとおりであった。本剤5mgあるいは10mgを1日1回経口投与したときの結果は、主要評価項目である24時間あたりの平均排尿回数の変化量、副次的評価項目である24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量、24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量及び24時間あたりの平均尿失禁回数の変化量に関して本剤5mg群、10mg群ともプラセボ群に比し有意な減少が認められた12)。副作用の発現率は、本剤5mg群で33.6%、10mg群で52.8%、プラセボ群で16.8%であり、本剤投与群において発現率が2%以上であった副作用は、口内乾燥、便秘、霧視、排尿困難であった13)。
投与群
症例数
平均値
標準偏差
両側95%信頼区間
下限
上限
プラセボ
395
-0.94
2.286
-1.164
-0.712
コハク酸ソリフェナシン5mg
383
-1.93
1.974
-2.133
-1.736
コハク酸ソリフェナシン10mg
371
-2.19
2.090
-2.406
-1.979
-1.28
2.899
-1.563
-0.989
-2.41
2.877
-2.697
-2.119
-2.78
2.819
-3.072
-2.497
260
-0.69
2.002
-0.932
-0.443
235
-1.45
1.886
-1.688
-1.204
255
-1.52
1.771
-1.735
-1.298
283
-0.72
1.951
-0.950
-0.493
274
-1.59
2.117
-1.843
-1.339
270
-1.60
1.810
-1.817
-1.383
本剤反復投与時のQT間隔に及ぼす影響を検討することを目的として、健康成人女性86例を対象に二重盲検比較対照試験を実施した。本剤10mg投与時の定常状態において、QT間隔の変化はプラセボと同程度であった。一方、本剤30mg投与時の定常状態、及びモキシフロキサシン400mgの単回投与時においてQT間隔の増加が認められた14)(外国人データ)。,,,
薬剤
QTc注1)(msec)
90%信頼区間
コハク酸ソリフェナシン10mg/日
0
-5
コハク酸ソリフェナシン30mg/日注)
6
1
11
モキシフロキサシン400mg/日
13
注1)被験者毎に補正したQTcの推定値。被験者毎にQT及びRR間隔の実測値を直線回帰式に当てはめ、QTcを求めた。
膀胱平滑筋において、ムスカリンM3受容体拮抗作用を示すことにより、膀胱の過緊張状態を抑制し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。
ヒトムスカリン受容体を用いた結合実験において、ムスカリンM3受容体に対する親和性はムスカリンM1、M2、M4及びM5受容体に対する親和性より高かった15)(in vitro)。
麻酔ラットの膀胱内圧測定試験(シストメトリー)において、用量依存的な膀胱容量増加作用を示した。また、無麻酔脳梗塞ラットにおいて、排尿圧及び残尿量に影響を及ぼすことなく、用量依存的な膀胱容量及び排尿量増加作用を示した18)。
コハク酸ソリフェナシン(Solifenacin Succinate)
(3R)-1-Azabicyclo[2,2,2]oct-3-yl (1S)-1-phenyl-3,4-dihydroisoquinoline-2(1H)-carboxylate monosuccinate
C23H26N2O2・C4H6O4
480.55
コハク酸ソリフェナシンは白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、ジメチルスルホキシド又はメタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
144~149℃
100錠(10錠×10)、140錠(14錠×10)、500錠(バラ)
100錠(10錠×10)、140錠(14錠×10)、500錠(バラ)、700錠(14錠×50)
1) 田中孝典 他:薬理と治療 2006;34(Suppl.1):S5-S13[VC-00080]
2) 鈴木真奈絵 他:薬理と治療 2006;34(Suppl.1):S29-S40[VC-00082]
3) 田中孝典 他:薬理と治療 2006;34(Suppl.1):S15-S27[VC-00081]
4) 山口 脩 他:薬理と治療 2006;34(Suppl.1):S47-S68[VC-00084]
5) Kuipers, M. E. et al.:Drugs in R&D. 2004;5(2):73-81[VC-00040]
6) 田中孝典 他:薬理と治療 2006;34(Suppl.1):S41-S45[VC-00083]
7) 社内報告書:海外健康成人・代謝(2006年4月20日承認 CTD 2.7.6.6)(DIR060026)
8) Smulders, R. A. et al.:J. Pharmacol. Sci. 2007;103(1):67-74[VC-00181]
9) Kuipers, M. et al.:J. Pharmacol. Sci. 2006;102(4):405-412[VC-00174]
10) Swart, P. J. et al.:Basic Clin. Pharmacol. Toxicol. 2006;99(1):33-36[VC-00142]
11) 社内報告書:海外健康成人・相互作用(2006年4月20日承認 CTD 2.7.6.12)(DIR060030)
12) Yamaguchi, O. et al.:BJU Int. 2007;100(3):579-587[VC-00232]
13) 社内報告書:国内二重盲検群間比較試験(2006年4月20日承認 CTD 2.7.4.7)(DIR060032)
14) 社内報告書:海外健康成人・二重盲検比較対照試験(2006年4月20日承認 CTD 2.7.6.17)(DIR060031)
15) Ohtake, A. et al.:Biol. Pharm. Bull. 2007;30(1):54-58[VC-00178]
16) Ohtake, A. et al.:Eur. J. Pharmacol. 2004;492(2-3):243-250[VC-00043]
17) Kobayashi, S. et al.:Life Sci. 2004;74(7):843-853[VC-00038]
18) Suzuki, M. et al.:Eur. J. Pharmacol. 2005;512(1):61-66[VC-00055]
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