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グラセプターカプセル0.5mg/グラセプターカプセル1mg/グラセプターカプセル5mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

グラセプターカプセル0.5mg/グラセプターカプセル1mg/グラセプターカプセル5mg

添付文書番号

3999014N1028_1_22

企業コード

800126

作成又は改訂年月

2019年6月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

免疫抑制剤

承認等

グラセプターカプセル0.5mg

販売名コード

YJコード

3999014N1028

販売名英語表記

Graceptor Capsules 0.5mg

販売名ひらがな

ぐらせぷたーかぷせるれいてんごみりぐらむ

承認番号等

承認番号

22000AMX01768

販売開始年月

2008年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

グラセプターカプセル1mg

販売名コード

YJコード

3999014N2024

販売名英語表記

Graceptor Capsules 1mg

販売名ひらがな

ぐらせぷたーかぷせるいちみりぐらむ

承認番号等

承認番号

22000AMX01769

販売開始年月

2008年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

グラセプターカプセル5mg

販売名コード

YJコード

3999014N3020

販売名英語表記

Graceptor Capsules 5mg

販売名ひらがな

ぐらせぷたーかぷせるごみりぐらむ

承認番号等

承認番号

22000AMX01770

販売開始年月

2008年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

タクロリムス水和物徐放性カプセル
Tacrolimus Hydrate

1. 警告

  • 〈効能共通〉
    1. 1.1 本剤の投与において、重篤な副作用(腎不全、心不全、感染症、全身痙攣、意識障害、脳梗塞、血栓性微小血管障害、汎血球減少症等)により、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師が使用すること。
    2. 1.2 本剤と同一成分を含むプログラフ経口製剤と本剤の切り換えに際しては、血中濃度を測定することにより製剤による血中濃度の変動がないことを確認すること。,
  • 〈臓器移植〉
    1. 1.3 本剤の投与は、免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 シクロスポリン又はボセンタン投与中の患者
  3. 2.3 カリウム保持性利尿剤投与中の患者,
  4. 2.4 生ワクチンを接種しないこと

3. 組成・性状

3.1 組成

グラセプターカプセル0.5mg

有効成分(1カプセル中)
日局
タクロリムス水和物   0.51mg
(タクロリムスとして   0.5mg )
添加剤乳糖水和物  
ヒプロメロース  
エチルセルロース  
ステアリン酸マグネシウム  
ゼラチン  
ラウリル硫酸ナトリウム  

グラセプターカプセル1mg

有効成分(1カプセル中)
日局
タクロリムス水和物   1.02mg
(タクロリムスとして   1mg )
添加剤乳糖水和物  
ヒプロメロース  
エチルセルロース  
ステアリン酸マグネシウム  
ゼラチン  
ラウリル硫酸ナトリウム  

グラセプターカプセル5mg

有効成分(1カプセル中)
日局
タクロリムス水和物   5.1mg
(タクロリムスとして   5mg )
添加剤乳糖水和物  
ヒプロメロース  
エチルセルロース  
ステアリン酸マグネシウム  
ゼラチン  
ラウリル硫酸ナトリウム  

3.2 製剤の性状

グラセプターカプセル0.5mg

剤形硬カプセル剤
色調淡黄色/だいだい色
外形
号数5
質量約83mg
識別コード 647

グラセプターカプセル1mg

剤形硬カプセル剤
色調白色/だいだい色
外形
号数4
質量約150mg
識別コード 677

グラセプターカプセル5mg

剤形硬カプセル剤
色調灰赤色/だいだい色
外形
号数0
質量約650mg
識別コード 687

4. 効能又は効果

  • 下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
    • 腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
  • 骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 5.1 腎移植及び肝移植以外の新規臓器移植患者に対する有効性及び安全性は確立されていない。
  • 〈骨髄移植〉
    1. 5.2 HLA適合同胞間移植では本剤を第一選択薬とはしないこと。

6. 用法及び用量

  • 〈腎移植の場合〉
  • 通常、移植2日前よりタクロリムスとして0.15~0.20mg/kgを1日1回朝経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減する。
  • 〈肝移植の場合〉
  • 通常、術後初期にはタクロリムスとして0.10~0.15mg/kgを1日1回朝経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減する。
  • 〈プログラフ経口製剤から切り換える場合(腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植、骨髄移植)〉
  • 通常、プログラフ経口製剤からの切り換え時には同一1日用量を1日1回朝経口投与する。

なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うこと。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため、本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること。
    2. 7.2 術後初期の患者に本剤を投与する場合は、プログラフ経口製剤と比較して血中濃度が低く推移することがあるので、術後数日間は連日血中濃度を測定し、投与量を調節すること。
    3. 7.3 プログラフ経口製剤と本剤の切り換えに際しては、血中濃度の推移を確認し、必要に応じて投与量を調節すること。なお、プログラフ経口製剤からの切り換えは状態が安定した患者に行うことが望ましい。,
    4. 7.4 高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので、血中濃度(およそ投与24時間後)をできるだけ20ng/mL以下に維持すること。
    5. 7.5 他の免疫抑制剤との併用により、過度の免疫抑制の可能性がある。多剤免疫抑制療法を行う場合には、本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが、移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類・投与量等を考慮して調節すること。
  • 〈肝移植、腎移植〉
    1. 7.6 市販後の調査において、承認された用量に比べ低用量を投与した成績が得られているので、投与量設定の際に考慮すること。,,
  • 〈骨髄移植〉
    1. 7.7 クレアチニン値が投与前の25%以上上昇した場合には、本剤の25%以上の減量又は休薬等の適切な処置を考慮すること。
    2. 7.8 血中濃度が低い場合に移植片対宿主病が認められているので、移植片対宿主病好発時期には血中濃度をできるだけ10~20ng/mLとすること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 腎障害の発現頻度が高いので、頻回に臨床検査(クレアチニン、BUN、クレアチニンクリアランス、尿中NAG、尿中β2ミクログロブリン等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。特に投与初期にはその発現に十分注意すること。
    2. 8.2 高カリウム血症が発現することがあるので、頻回に血清カリウムの測定を行うこと。なお、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、トリアムテレン)の併用あるいはカリウムの過剰摂取を行わないこと。,
    3. 8.3 高血糖、尿糖等の膵機能障害の発現頻度が高いので、頻回に臨床検査(血液検査、空腹時血糖、アミラーゼ、尿糖等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。特に投与初期にはその発現に十分注意すること。,
    4. 8.4 心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心筋障害(心機能低下、壁肥厚を含む)等が認められているので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど患者の状態をよく観察すること。
    5. 8.5 高血圧が発現することがあるので、定期的に血圧測定を行い、血圧上昇があらわれた場合には、降圧剤治療を行うなど適切な処置を行うこと。
    6. 8.6 感染症の発現又は増悪に十分注意すること。,
    7. 8.7 過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、リンパ腫等の悪性腫瘍発生の可能性があるので、十分注意すること。,
    8. 8.8 本剤の投与により副腎皮質ホルモン剤維持量の減量が可能であるが、副腎皮質ホルモン剤の副作用の発現についても引き続き観察を十分行うこと。
    9. 8.9 本剤と同一成分を含むプログラフ経口製剤との併用は避けること。本剤とプログラフ経口製剤の併用時の有効性・安全性は確立していない。
  • 〈骨髄移植〉
    1. 8.10 移植片対宿主病が発症した場合は速やかに治療を開始することが望ましく、また、シクロスポリンが既に投与されている症例では継続治療が可能かどうかを早期に見極め、困難と判断されれば速やかにシクロスポリンを中止し、本剤に切り換えること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 感染症のある患者

    感染症が悪化する可能性がある。,

  2. 9.1.2 肝炎ウイルスキャリアの患者

    肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。

9.2 腎機能障害患者

腎障害が悪化する可能性がある。副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。

9.3 肝機能障害患者

薬物代謝能が低下し、本剤血中濃度が上昇する可能性がある。副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で催奇形作用、胎児毒性が報告されている1)。ヒトで胎盤を通過することが報告されている2)。妊娠中に本剤を投与された女性において、早産及び児への影響(低出生体重、先天奇形、高カリウム血症、腎機能障害)の報告がある3),4)

9.6 授乳婦

本剤投与中は授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

特に2歳未満の乳幼児例において、リンパ腫等の悪性腫瘍の発現の可能性が高い。腎移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植及び骨髄移植での小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • 生ワクチン
    • 乾燥弱毒生麻しんワクチン
    • 乾燥弱毒生風しんワクチン
    • 経口生ポリオワクチン

類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。

免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。

  • シクロスポリン
    (サンディミュン、
    ネオーラル)

副作用が増強されたとの報告5)がある。なお、シクロスポリンより本剤に切り換える場合はシクロスポリンの最終投与から24時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい。

本剤との併用によりシクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告がある5)。シクロスポリンはCYP3A4で代謝されるため、併用した場合、競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される。

  • ボセンタン
    (トラクリア)

ボセンタンの副作用が発現する可能性がある。

本剤との併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある。また、ボセンタンはCYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4誘導作用も有するため、併用により本剤の血中濃度が変動する可能性がある。

  • カリウム保持性利尿剤
    • スピロノラクトン
      (アルダクトンA)
    • カンレノ酸カリウム
      (ソルダクトン)
    • トリアムテレン
      (トリテレン)
  • ,

高カリウム血症が発現することがある。

本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • 抗生物質
    • エリスロマイシン
    • ジョサマイシン
    • クラリスロマイシン
  • アゾール系抗真菌剤
    • イトラコナゾール
    • フルコナゾール
    • ボリコナゾール
  • カルシウム拮抗剤
    • ニフェジピン
    • ニルバジピン
    • ニカルジピン
    • ジルチアゼム
  • HIVプロテアーゼ阻害剤
    • リトナビル
    • サキナビル
    • ネルフィナビル
  • その他の薬剤
    • ブロモクリプチン
    • ダナゾール
    • エチニルエストラジオール
    • オメプラゾール
    • ランソプラゾール
    • トフィソパム
    • アミオダロン
  • 飲食物
    • グレープフルーツジュース

腎障害等の副作用が発現することがある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。

CYP3A4で代謝される薬剤又はCYP3A4の阻害作用を有する薬剤や飲食物との併用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。

  • テラプレビル

本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。

CYP3A4で代謝される薬剤又はCYP3A4の阻害作用を有する薬剤や飲食物との併用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。テラプレビル750mg1日3回8日間服用後、本剤を併用したとき、本剤のAUCが70倍に上昇したとの報告がある6)

  • *グラゾプレビル
  • レテルモビル

腎障害等の副作用が発現することがある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。

CYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。

  • オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル

やむを得ない場合を除き併用は避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の血中濃度のモニタリング及び投与量・投与間隔の調整を行うとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

リトナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル(25mg・150mg・100mg)1日1回服用後、本剤を併用したとき、本剤のAUCが86倍に上昇したとの報告がある。

  • 抗てんかん剤
    • カルバマゼピン
    • フェノバルビタール
    • フェニトイン※※
  • 抗生物質
    • リファンピシン
    • リファブチン

拒絶反応出現の可能性がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ増量等の処置を行う。

薬物代謝酵素が誘導され、本剤の代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下する。

  • 飲食物
    • セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。

CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。

  • 腎毒性のある薬剤
    • アムホテリシンB
    • アミノ糖系抗生物質
    • スルファメトキサゾール・トリメトプリム
    • 非ステロイド性抗炎症剤

腎障害が発現することがある。

本剤と相手薬の腎毒性が相互に増強される。

  • 不活化ワクチン
    • インフルエンザHAワクチン

ワクチンの効果を減弱させることがある。

本剤の免疫抑制作用により、接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される。

  • 免疫抑制作用を有する薬剤
    • 免疫抑制剤
      • 副腎皮質ホルモン剤等
    • 抗リウマチ薬(DMARD)
      • メトトレキサート等

過度の免疫抑制が起こることがある。

ともに免疫抑制作用を有する。

  • エプレレノン

血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。

本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。

※ 併用により相互に代謝が阻害され、ニルバジピンの血中濃度も上昇する可能性がある。
※※ 本剤と同一成分を含むプログラフとの併用によりフェニトインの血中濃度が上昇したとの報告がある(機序不明)。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  • 〈効能共通〉
    1. 11.1.1 急性腎障害(0.1~5%未満)、ネフローゼ症候群(0.1%未満)

      ,,

    2. 11.1.2 心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心膜液貯留、心筋障害(各0.1~5%未満)

      心筋障害(ST-T変化、心機能低下、心内腔拡大、壁肥厚等)、心不全、心室性あるいは上室性の不整脈、心筋梗塞、狭心症、心膜液貯留があらわれることがある。

    3. 11.1.3 中枢神経系障害(0.1~5%未満)

      可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症等の中枢神経系障害があらわれることがあるので、全身痙攣、意識障害、錯乱、言語障害、視覚障害、麻痺等の症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、本剤を減量又は中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等適切な処置を行うこと。

    4. 11.1.4 脳血管障害(0.1~5%未満)

      脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うこと。

    5. 11.1.5 血栓性微小血管障害(0.1~5%未満)

      溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病等の血栓性微小血管障害があらわれることがある。

    6. 11.1.6 汎血球減少症、血小板減少性紫斑病(各0.1~5%未満)、無顆粒球症、溶血性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)
    7. 11.1.7 イレウス(0.1~5%未満)
    8. 11.1.8 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
    9. 11.1.9 呼吸困難、急性呼吸窮迫症候群(各0.1~5%未満)
    10. 11.1.10 感染症(15%以上)

      細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等を行うこと。,,

    11. 11.1.11 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)

      本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    12. 11.1.12 BKウイルス腎症(頻度不明)
    13. 11.1.13 リンパ腫等の悪性腫瘍(0.1~5%未満)

      Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(初期症状:発熱、リンパ節腫大等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。特に抗リンパ球抗体の併用例において、発現の可能性が高い。また、過度の免疫抑制により、悪性腫瘍発現の可能性が高まることがある。,

    14. 11.1.14 膵炎(0.1~5%未満)

    15. 11.1.15 糖尿病及び糖尿病の悪化(0.1~5%未満)、高血糖(15%以上)

    16. 11.1.16 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

5%以上

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

腎臓

腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)(23.1%)

尿量減少、血尿、多尿

頻尿、残尿感

代謝異常

高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症

アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖

CK上昇

循環器

血圧上昇

浮腫、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下

徐脈

精神神経系

振戦

しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常

めまい、眼振、外転神経麻痺、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮

運動失調、幻覚

消化器

腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感

下血

胸やけ、消化管出血

膵臓

アミラーゼ上昇

肝臓

肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇)

血液

貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少

リンパ球減少

好中球減少

皮膚

発疹、紅斑、そう痒、脱毛

その他

胸水、腹水、喘息、発熱、全身倦怠感、体重減少、ほてり、月経過多

咽喉頭異和感、筋肉痛、関節痛、味覚異常

疼痛、発赤、眼痛、多汗、口渇、冷感、胸痛

発現頻度はプログラフの肝移植、骨髄移植及び腎移植での臨床試験及び市販後の調査成績に基づいている。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    本剤と同一成分を含むプログラフでは、BUN上昇、クレアチニン上昇、悪心、手振戦、肝酵素上昇等が報告されている7),8)

  2. 13.2 処置

    特異的な解毒薬はない。透析によって除去されない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 免疫抑制剤による治療を受けた患者では、悪性腫瘍(特にリンパ腫、皮膚癌等)の発生率が高いとする報告がある。

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 ラット(1.0~3.0mg/kg、皮下投与)で、精子数の減少及び精子運動能の低下が、また高用量群では繁殖能の軽度低下が認められた9)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 健康成人

    健康成人16例に本剤1.5mg、4mg及び10mgを経口投与したとき、AUCの平均値は各々75.10、205.91、516.26ng・h/mLであり、投与量に比例して増加した。消失半減期は36.5時間であった10)
    本剤及びプログラフカプセルを健康成人24例に反復経口投与したときの定常状態の血中濃度を以下に示したが、本剤のAUCはプログラフカプセルの93%であった11)(外国人データ)。

    図1 健康成人男子にプログラフ(2mg1日2回)及びグラセプター(4mg1日1回)を10日間反復経口投与したときの平均タクロリムス濃度(n=24)
  2. 16.1.2 新規移植患者
    1. (1) 腎移植

      外国人新規腎移植患者に本剤もしくはプログラフカプセルを投与したときのAUC及びトラフ濃度は次のとおりであった12)。術直後の本剤の血中濃度はプログラフカプセルより低い傾向にあった。,

      図2 新規腎移植患者におけるトラフ濃度推移(外国人データ)
      表1 新規腎移植患者でのAUC及びトラフ濃度(外国人データ)

      グラセプター
      (n=34)

      プログラフ
      (n=32)

      初日

      投与量(mg/kg/日)

      0.189±0.010

      0.185±0.024

      AUC0-24(ng・h/mL)

      231.91±102.33

      361.49±214.65

      トラフ濃度(ng/mL)

      8.25±5.01

      10.12±6.98

      14日

      投与量(mg/kg/日)

      0.203±0.046

      0.190±0.063

      AUC0-24(ng・h/mL)

      363.93±96.61

      343.69±105.83

      トラフ濃度(ng/mL)

      9.64±3.25

      10.02±3.04

      6週

      投与量(mg/kg/日)

      0.175±0.057

      0.164±0.065

      AUC0-24(ng・h/mL)

      331.49±86.82

      382.60±171.22

      トラフ濃度(ng/mL)

      9.60±2.93

      12.06±5.91

      (平均値±S.D.)

      ※ グラセプター(1日1回投与)は投与24時間後濃度、プログラフ(1日2回投与)は2回目投与12時間後濃度

      市販後の調査において新規腎移植患者における移植初期の投与量とトラフ濃度は次のとおりであった13)

      図3 新規腎移植患者におけるトラフ濃度推移(市販後データ)
    2. (2) 肝移植

      外国人新規肝移植患者に本剤もしくはプログラフカプセルを投与したときのAUC及びトラフ濃度は次のとおりであった14)。術直後の本剤の血中濃度はプログラフカプセルより低い傾向にあった。,

      図4 新規肝移植患者におけるトラフ濃度推移(外国人データ)
      表2 新規肝移植患者でのAUC及びトラフ濃度(外国人データ)

      グラセプター
      (n=45)

      プログラフ
      (n=32)

      初日

      投与量(mg/kg/日)

      0.118±0.023

      0.112±0.034

      AUC0-24(ng・h/mL)

      145.97±103.03

      263.82±153.36

      トラフ濃度(ng/mL)

      4.21±3.31

      8.98±5.90

      14日

      投与量(mg/kg/日)

      0.221±0.097

      0.176±0.079

      AUC0-24(ng・h/mL)

      324.19±119.07

      286.99±88.03

      トラフ濃度(ng/mL)

      8.82±3.18

      8.53±2.85

      6週

      投与量(mg/kg/日)

      0.209±0.095

      0.165±0.076

      AUC0-24(ng・h/mL)

      364.28±110.52

      301.10±60.76

      トラフ濃度(ng/mL)

      9.96±3.53

      9.70±3.21

      (平均値±S.D.)

      ※ グラセプター(1日1回投与)は投与24時間後濃度、プログラフ(1日2回投与)は2回目投与12時間後濃度

      市販後の調査において新規肝移植患者における移植初期の投与量とトラフ濃度は次のとおりであった15)

      図5 新規肝移植患者におけるトラフ濃度推移(市販後データ)
  3. 16.1.3 切り換え試験

    安定期腎、肝及び心移植患者において、プログラフカプセルから本剤に切り換えた後のトラフ濃度はプログラフとほぼ同程度かやや低下する傾向にあった16),17),18),19),20),21)(外国人データを含む)。,

    表3 安定期移植患者においてプログラフからグラセプターへ切り換えたときのトラフ濃度

    試験

    n

    プログラフ

    グラセプター

    投与量
    (mg/日)

    トラフ濃度※※
    (ng/mL)

    投与量
    (mg/日)

    トラフ濃度※※
    (ng/mL)

    国内腎移植

    35

    3.23±1.68

    3.71±1.62

    3.29±1.67

    3.71±1.38

    海外腎移植

    66

    5.8±3.51

    6.73±1.99

    5.9±3.34

    6.08±1.80

    海外腎移植

    60

    5.18±3.28

    7.28±1.93

    5.18±3.28

    6.70±1.94

    海外肝移植

    62

    5.2±3.48

    7.11±2.54

    5.2±3.41

    5.53±1.78

    海外小児肝移植

    18

    5.3±3.27

    5.9±2.9

    5.4±3.40

    5.3±2.6

    海外心移植

    45

    5.27±3.17

    8.28±2.51

    5.27±3.17

    7.24±2.32

    ※切り換え後7~14日目の値

    ※※ グラセプター(1日1回投与)は投与24時間後濃度、プログラフ(1日2回投与)は2回目投与12時間後濃度

  4. 16.1.4 小児移植患者

    安定期小児肝移植患者(18例)において、プログラフカプセルから本剤に切り換えた後のAUCはプログラフカプセルと同等であった20)(外国人データ)。,
    小児肝移植患者(平均年齢5.3歳)においては、本剤と同一成分を含むプログラフカプセルを投与した場合、成人に比べ体重換算で2.7~4.4倍の経口投与量で同程度の血清中濃度が得られた22)(外国人でのプログラフのデータ)。
    小児小腸移植患者(平均年齢2.9歳)においては、本剤と同一成分を含むプログラフカプセルを投与した場合、成人に比べ体重換算で1.3~2.5倍の経口投与量で同程度の血漿中濃度が得られた23)(外国人でのプログラフのデータ)。

  5. 16.1.5 骨髄移植

    骨髄移植患者(13例)に本剤を投与したときの血中濃度パラメータは次のとおりであった24)

    表4 骨髄移植患者の薬物動態パラメータ

    投与量
    (mg)

    Tmax
    (h)

    Cmax
    (ng/mL)

    AUC0-24h
    (ng・h/mL)

    トラフ濃度
    (ng/mL)

    3.46±3.39

    3.23±2.39

    16.64±8.60

    217.56±100.01

    6.03±2.65

    (平均値±S.D.、n=13)

  6. 16.1.6 プログラフカプセルとプログラフ顆粒の比較

    顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08であった。プログラフカプセルとプログラフ顆粒の生物学的同等性は検証されていない。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 健康成人にて食事による本剤薬物動態パラメータへの影響を検討したところ、朝食直後及び食後1.5時間に経口投与した場合は空腹時に比べ有意にCmax及びAUCの低下がみられ、Tmaxは延長した25)(外国人データ)。
    表5 グラセプターの薬物動態に及ぼす食事タイミングの影響

    投与タイミング

    Cmax(ng/mL)

    AUC0-∞(ng・h/mL)

    空腹時投与

    8.88±4.01

    202.6±78.7

    朝食前1時間

    7.27±1.89(0.865

    179.7±57.3(0.900

    朝食直後

    6.39±3.79(0.722

    150.1±71.3(0.734

    朝食後1.5時間

    6.53±1.87(0.771

    129.8±46.6(0.646

    (投与量5mg、平均値±S.D.、n=23~24)

    ※空腹時投与に対する幾何平均比

  2. 16.2.2 本剤を夜に投与したときのAUCはプログラフカプセルと同様に朝投与に比べて約35%低下した26)(外国人データ)。
    表6 グラセプターの薬物動態に及ぼす投与時刻の影響

    投与時刻

    Cmax(ng/mL)

    AUC0-∞(ng・h/mL)

    グラセプター(朝)

    7.29±2.368

    178±58.8

    グラセプター(夜)

    6.47±1.798(0.893

    115±50.6(0.636

    プログラフ(朝)

    23.0±8.01

    254±119.6

    プログラフ(夜)

    9.23±3.814(0.385

    168±92.1(0.648

    (投与量5mg、平均値±S.D.、n=23~24)

    ※朝投与に対する幾何平均比

16.3 分布

  1. 16.3.1 本剤の血漿蛋白結合率は98.8%以上であった。
  2. 16.3.2 肝移植後の授乳婦6例にて本剤の乳汁中移行を検討したところ、平均血漿中濃度の約半分の移行が認められた4)(外国人でのプログラフのデータ)。
  3. 16.3.3 ラットに14C標識タクロリムス0.32mg/kgを静注したところ、5分後には放射能はほとんどの組織に移行し、特に副腎、肺、心臓、甲状腺に高かった。移行した放射能は血中濃度の低下とともに消失した。なお、大脳、小脳へは低濃度の移行が認められ、放射能の消失は遅かった27)

16.4 代謝

  1. 16.4.1 本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。
  2. 16.4.2 肝移植患者での血中、尿中及び胆汁中代謝物は主として脱メチル体及び水酸化体であった28)(外国人でのプログラフのデータ)。

16.5 排泄

代謝物の大部分は胆汁中に排泄され、未変化体の尿中排泄率は1%以下であった29)(外国人でのプログラフのデータ)。なお、本剤の血中濃度は腎機能あるいは透析による影響を受けない。

16.7 薬物相互作用

本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、CYP3A4で代謝される他の薬物との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、CYP3A4を誘導する薬物との併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある。一方、本剤がCYP3A4での代謝を阻害することにより、CYP3A4で代謝される他の薬物の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤の血漿蛋白結合率は98.8%以上と高いので、血漿蛋白との親和性が強い薬剤との相互作用の可能性がある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 腎移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 海外第Ⅲ相新規試験(成人)

      新規腎移植患者を対象とした非盲検多施設共同試験における本剤とプログラフカプセルの移植から1年後の成績は、累積生存率は本剤群98.6%、プログラフカプセル群95.7%であった。累積生着率は、本剤群96.7%、プログラフカプセル群92.9%であった。拒絶反応が発現した症例は、本剤群22/214例(10.3%)、プログラフカプセル群16/212例(7.5%)であった30)(外国人データ)。

    2. (2) 海外第Ⅱ相新規試験(成人)

      新規投与例(60例)に6週間投与して検討した結果、累積生存率は100%、累積生着率は98.3%、拒絶反応が発現した症例は8/60例(13.3%)であった12)(外国人データ)。

    3. (3) 国内及び海外第Ⅱ相切換え試験(成人)

      プログラフカプセルから同じ1日量となるグラセプターカプセルへの切り換え例(国内35例、外国人135例)での検討では、全例で拒絶反応の発現は認められず、移植腎の生着が維持された16),17),18)

  2. 17.1.2 肝移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 海外第Ⅱ相新規試験(成人)

      新規投与例(67例)に6週間投与して検討した結果、累積生存率は98.4%、累積生着率は96.9%、拒絶反応が発現した症例は18/67例(26.9%)であった14)(外国人データ)。

    2. (2) 海外第Ⅱ相切換え試験(成人、小児)

      プログラフカプセルから同じ1日量となるグラセプターカプセルへの切り換え例(成人69例、小児18例)での検討では、成人1例で拒絶反応が発現したが、全例で移植肝の生着が維持された19)(外国人データ)。

  3. 17.1.3 心移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 海外第Ⅱ相切換え試験(成人)

      プログラフカプセルから同じ1日量となるグラセプターカプセルへの切り換え例(82例)での検討では、全例で拒絶反応の発現は認められず、移植心の生着が維持された21)(外国人データ)。

  4. 17.1.4 肺移植における拒絶反応の抑制

    承認時までの臨床試験における本剤の使用経験はない。

  5. 17.1.5 膵移植における拒絶反応の抑制

    承認時までの臨床試験における本剤の使用経験はない。

  6. 17.1.6 小腸移植における拒絶反応の抑制

    小腸移植における本剤の使用経験はない。

  7. 17.1.7 骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
    1. (1) 国内第Ⅱ相新規試験(成人)

      承認時までの臨床試験において、骨髄移植後の移植片対宿主病(GVHD)の予防を目的に本剤を投与した15例中、予後に影響を及ぼし、治療が必要となるgradeⅡ以上のGVHDの発現は、7例(46.7%)であった24)

17.2 製造販売後調査等

  1. 17.2.1 腎移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 特定使用成績調査

      市販後の調査において、新規移植例249例における移植24週後時点の累積生存率及び累積生着率は98.2%、累積拒絶反応発現率は16.1%であった。プログラフ経口製剤からの切り換え例103例における本剤投与開始24週後時点の累積生存率及び累積生着率は99.0%、累積拒絶反応発現率は1.1%であった13)

  2. 17.2.2 肝移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 特定使用成績調査

      市販後の調査において、新規投与例24例の移植1年後時点での累積生存率及び累積生着率は94.1%、累積拒絶反応発現率は20.8%であった。プログラフ経口製剤からの切り換え例117例の投与開始後24週時点での累積生存率及び累積生着率は100.0%、累積拒絶反応発現率は2.6%であった15)

  3. 17.2.3 肺移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 特定使用成績調査

      市販後の調査において、肺移植切り換え例7例の本剤投与開始24週後時点での拒絶反応の発現は認められず、全例生存しており、移植肺の生着が維持された。

  4. 17.2.4 膵移植における拒絶反応の抑制
    1. (1) 特定使用成績調査

      市販後の調査において、膵移植切り換え例10例は本剤投与開始24週後時点で全例生存しており、2例で拒絶反応が発現したが、全例移植膵の生着が維持された。

  5. 17.2.5 骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
    1. (1) 特定使用成績調査

      市販後の調査において、プログラフ経口製剤からの切り換え例48例の本剤投与開始16週後時点での累積生存率は100.0%、累積原疾患再発率は7.5%、累積急性GVHD発現率は2.2%、累積慢性GVHD発現率は17.5%であった。なお、48例全例で本剤切り換えまでに骨髄機能が回復していた31)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

タクロリムスは、T細胞受容体等からのシグナル伝達を介した免疫亢進作用に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで、サイトカイン産生抑制及びそれに伴う免疫抑制作用を示す32)

18.2 In vitro作用

  1. 18.2.1 T細胞刺激によるT細胞からのインターロイキン(IL)-2及びインターフェロン(IFN)-γのみならず、腫瘍壊死因子α、IL-1β及びIL-6等の産生も抑制する33),34),35)
  2. 18.2.2 免疫系以外の骨髄細胞等の増殖に対する抑制作用は弱く、免疫系細胞に対する選択性が示されている33),34)

18.3 移植に対する作用

  1. 18.3.1 同所性肝移植モデル(カニクイザル36)、イヌ37)、ラット38))における移植臓器拒絶反応を抑制し、生存期間を延長させる。
  2. 18.3.2 ラット再生肝の促進及びイヌ門脈結紮による細胞萎縮の回復、分裂細胞数の増加等肝臓に対する増殖促進効果を有する39),40),41)
  3. 18.3.3 移植片対宿主病モデル(マウス42)、ラット43))において、移植片対宿主反応を抑制し、生存期間を延長させる。
  4. 18.3.4 腎移植モデル(ヒヒ44)、イヌ45)、ラット46))、心移植モデル(ラット)47)、肺移植モデル(イヌ)48)及び膵移植モデル(イヌ)49)における移植臓器拒絶反応を抑制し、生存期間を延長させる。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

タクロリムス水和物(Tacrolimus Hydrate)

化学名

(3S,4R,5S,8R,9E,12S,14S,15R,16S,18R,19R,26aS)-5,19-Dihydroxy-3-{(1E)-2-[(1R,3R,4R)-4-hydroxy-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethenyl}-14,16-dimethoxy-4,10,12,18-tetramethyl-8-(prop-2-en-1-yl)-15,19-epoxy-5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a-hexadecahydro-3H-pyrido[2,1-c][1,4]oxaazacyclotricosine-1,7,20,21(4H,23H)-tetrone monohydrate

分子式

C44H69NO12・H2O

分子量

822.03

性状

タクロリムス水和物は白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、N, N-ジメチルホルムアミド又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

130~133℃

分配係数

1000以上(1-オクタノール/水系)

20. 取扱い上の注意

本品はアルミ袋により品質保持をはかっているので、アルミ袋開封後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

  • 〈グラセプターカプセル 0.5mg〉

    100カプセル(10カプセル×10、乾燥剤入り)

  • 〈グラセプターカプセル 1mg〉

    100カプセル(10カプセル×10、乾燥剤入り)

  • 〈グラセプターカプセル 5mg〉

    20カプセル(10カプセル×2、乾燥剤入り)

23. 主要文献

1) Saegusa, T. et al.:基礎と臨床 1992;26(3):969-981[PRG-01148]

2) Zheng, S. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 2013;76(6):988-996[PRG-36798]

3) Coscia, L.A. et al.:Best Pract. Res. Clin. Obstet. Gynaecol. 2014;28(8):1174-1187[PRG-36799]

4) Jain, A. et al.:Transplantation 1997;64(4):559-565[PRG-05533]

5) Fung, J.J. et al.:Transplant. Proc. 1990;22(1)Suppl.1:6-12[PRG-00191]

6) Garg, V. et al.:Hepatology 2011;54(1):20-27[PRG-28255]

7) Curran, C.F. et al.:Transplantation 1996;62(9):1376-1377[PRG-04546]

8) Mrvos, R. et al.:J. Toxicol. Clin. Toxicol. 1997;35(4):395-399[PRG-05400]

9) 社内報告書:ラット・生殖毒性(DIR940072)

10) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認CTD2.7.6.7)(DIR080041)

11) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.5)(DIR080039)

12) 社内報告書:腎移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.17)(DIR080051)

13) 臼木昌子 他:今日の移植 2013;26(5):435-442[PRG-31510]

14) 社内報告書:肝移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.18)(DIR080052)

15) 堀家寛代 他:今日の移植 2013;26(5):443-449[PRG-31511]

16) 社内報告書:腎移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.11)(DIR080045)

17) Alloway, R. et al.:Transplant. Proc. 2005;37(2):867-870[PRG-17724]

18) 社内報告書:腎移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.13)(DIR080047)

19) Florman, S. et al.:Transplant. Proc. 2005;37(2):1211-1213[PRG-17734]

20) 社内報告書:肝移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.15)(DIR080049)

21) 社内報告書:心移植患者・第II相非盲検多施設共同試験(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.16)(DIR080050)

22) McDiarmid, S.V. et al.:Transplantation 1993;55(6):1328-1332[PRG-01716]

23) Jain, A. et al.:Transplant. Proc. 1994;26(3):1609-1610[PRG-02370]

24) 社内報告書:骨髄移植患者・第II相予防的投与試験(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.20)(DIR080054)

25) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.9)(DIR080043)

26) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認CTD 2.7.6.10)(DIR080044)

27) Iwasaki, K. et al.:薬物動態 1998;13(3):259-265[PRG-06905]

28) Christians, U. et al.:Transplant. Proc. 1991;23(6):2741-2744[PRG-00688]

29) Venkataramanan, R. et al.:Transplant. Proc. 1991;23(6):2736-2740[PRG-00687]

30) Silva, H. T. Jr. et al.:Am. J. Transplant. 2007;7(3):595-608[PRG-20844]

31) 植 恵里 他:新薬と臨床 2014;63(2):160-166[PRG-31746]

32) 奥原正國 他:日本農芸化学会誌 1996;70(1):1-8[PRG-03740]

33) Kino, T. et al.:J. Antibiot. 1987;40(9):1256-1265[PRG-00003]

34) Sakuma, S. et al.:Br. J. Pharmacol. 2000;130(7):1655-1663[PRG-09368]

35) Sakuma, S. et al.:Int. Immunopharmacol. 2001;1(4):749-757[PRG-10660]

36) Monden, M. et al.:Transplant. Proc. 1990;22(1)Suppl.1:66-71[PRG-00207]

37) Todo, S. et al.:Transplant. Proc. 1987;19(5)Suppl.6:64-67[PRG-00039]

38) 稲垣和郎:広島大学医学雑誌 1988;36(1):81-89[PRG-00110]

39) 岡村直孝:移植 1991;26(5):436-444[PRG-00678]

40) Mazzaferro, V. et al.:Transplant. Proc. 1990;22(1)Suppl.1:93-95[PRG-00216]

41) Loreal, O. et al.:Transplant. Proc. 1991;23(6):2825-2828[PRG-00715]

42) 社内報告書:マウス移植片対宿主病モデル・薬理作用(DIR940004)

43) Markus, P. M. et al.:Surgery 1991;110(2):357-364[PRG-00582]

44) Todo, S. et al.:Surgery 1989;106(2):444-451[PRG-00091]

45) Ochiai, T. et al.:Transplant. Proc. 1987;19(5)Suppl.6:53-56[PRG-00035]

46) 社内報告書:ラット腎移植モデル・薬理作用(DIR960009)

47) Ochiai, T. et al.:Transplantation 1987;44(6):734-738[PRG-00050]

48) 和田洋巳 他:今日の移植 1992;5(4):387-391[PRG-01270]

49) 剣持 敬 他:日本外科学会雑誌 1992;93(6):626-631[PRG-01169]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター

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