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劇薬
処方箋医薬品注)
**通常、初期にはタクロリムスとして0.15~0.20mg/kgを1日1回朝経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減する。
通常、術後初期にはタクロリムスとして0.10~0.15mg/kgを1日1回朝経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減する。
通常、プログラフ経口製剤からの切り換え時には同一1日用量を1日1回朝経口投与する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うこと。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
感染症が悪化する可能性がある。,
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。
**C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、本剤の増量が必要となった症例が報告されており、C型肝炎直接型抗ウイルス薬による抗ウイルス治療に伴い、使用中の本剤の用量調節が必要になる可能性がある。本剤を使用している患者にC型肝炎直接型抗ウイルス薬を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、本剤血中濃度のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察すること。
腎障害が悪化する可能性がある。副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
薬物代謝能が低下し、本剤血中濃度が上昇する可能性がある。副作用の発現を防ぐため、定期的に血中濃度を測定し、投与量を調節することが望ましい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で催奇形作用、胎児毒性が報告されている1)。ヒトで胎盤を通過することが報告されている2)。妊娠中に本剤を投与された女性において、早産及び児への影響(低出生体重、先天奇形、高カリウム血症、腎機能障害)の報告がある3),4)。
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。
特に2歳未満の乳幼児例において、リンパ腫等の悪性腫瘍の発現の可能性が高い。腎移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植及び骨髄移植での小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。
免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。
副作用が増強されたとの報告5)がある。なお、シクロスポリンより本剤に切り換える場合はシクロスポリンの最終投与から24時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい。
本剤との併用によりシクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告がある5)。シクロスポリンはCYP3A4で代謝されるため、併用した場合、競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される。
ボセンタンの副作用が発現する可能性がある。
本剤との併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある。また、ボセンタンはCYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4誘導作用も有するため、併用により本剤の血中濃度が変動する可能性がある。
高カリウム血症が発現することがある。
本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。
**腎障害、不整脈等の副作用が発現することがある。併用開始後数日以内に本剤血中濃度が上昇し、副作用が発現した症例も報告されていることから、患者の状態を十分に観察するとともに、本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。
CYP3A4で代謝される薬剤又はCYP3A4の阻害作用を有する薬剤や飲食物との併用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。
CYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。
拒絶反応出現の可能性がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ増量等の処置を行う。
薬物代謝酵素が誘導され、本剤の代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下する。
本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
**腎障害が発現することがある。併用が必要な場合には、腎機能と本剤の血中濃度を継続的にモニターし、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。
本剤と相手薬の腎毒性が相互に増強される。
**カスポファンギン
**本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ用量調節等の処置を行う。
**機序不明
**mTOR阻害剤
**移植患者において、mTOR阻害剤との併用は、血栓性微小血管障害の発現リスクを高める可能性があるとの報告がある。
ワクチンの効果を減弱させることがある。
本剤の免疫抑制作用により、接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される。
過度の免疫抑制が起こることがある。
ともに免疫抑制作用を有する。
血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。
,,
心筋障害(ST-T変化、心機能低下、心内腔拡大、壁肥厚等)、心不全、心室性あるいは上室性の不整脈、心筋梗塞、狭心症、心膜液貯留があらわれることがある。
可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症等の中枢神経系障害があらわれることがあるので、全身痙攣、意識障害、錯乱、言語障害、視覚障害、麻痺等の症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、本剤を減量又は中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等適切な処置を行うこと。
脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うこと。
**溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病等の血栓性微小血管障害があらわれることがある。
細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量・休薬、抗生物質の投与等を行うこと。,,
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(初期症状:発熱、リンパ節腫大等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うこと。特に抗リンパ球抗体の併用例において、発現の可能性が高い。また、過度の免疫抑制により、悪性腫瘍発現の可能性が高まることがある。,
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
腎臓
腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)(23.1%)
尿量減少、血尿、多尿
頻尿、残尿感
代謝異常
高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症
アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖
CK上昇
循環器
血圧上昇
浮腫、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下
徐脈
精神神経系
振戦
しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常
めまい、眼振、外転神経麻痺、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮
運動失調、幻覚
消化器
腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感
下血
胸やけ、消化管出血
膵臓
アミラーゼ上昇
肝臓
肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇)
血液
貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少
リンパ球減少
好中球減少
皮膚
発疹、紅斑、そう痒、脱毛
その他
胸水、腹水、喘息、発熱、全身倦怠感、体重減少、ほてり、月経過多
咽喉頭異和感、筋肉痛、関節痛、味覚異常
疼痛、発赤、眼痛、多汗、口渇、冷感、胸痛
本剤と同一成分を含むプログラフでは、BUN上昇、クレアチニン上昇、悪心、手振戦、肝酵素上昇等が報告されている6),7)。
特異的な解毒薬はない。透析によって除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人16例に本剤1.5mg、4mg及び10mgを経口投与したとき、AUCの平均値は各々75.10、205.91、516.26ng・h/mLであり、投与量に比例して増加した。消失半減期は36.5時間であった9)。本剤及びプログラフカプセルを健康成人24例に反復経口投与したときの定常状態の血中濃度を以下に示したが、本剤のAUCはプログラフカプセルの93%であった10)(外国人データ)。
外国人新規腎移植患者に本剤もしくはプログラフカプセルを投与したときのAUC及びトラフ濃度は次のとおりであった11)。術直後の本剤の血中濃度はプログラフカプセルより低い傾向にあった。,
グラセプター(n=34)
プログラフ(n=32)
初日
投与量(mg/kg/日)
0.189±0.010
0.185±0.024
AUC0-24(ng・h/mL)
231.91±102.33
361.49±214.65
トラフ濃度※(ng/mL)
8.25±5.01
10.12±6.98
14日
0.203±0.046
0.190±0.063
363.93±96.61
343.69±105.83
9.64±3.25
10.02±3.04
6週
0.175±0.057
0.164±0.065
331.49±86.82
382.60±171.22
9.60±2.93
12.06±5.91
(平均値±S.D.)
※ グラセプター(1日1回投与)は投与24時間後濃度、プログラフ(1日2回投与)は2回目投与12時間後濃度
市販後の調査において新規腎移植患者における移植初期の投与量とトラフ濃度は次のとおりであった12)。
外国人新規肝移植患者に本剤もしくはプログラフカプセルを投与したときのAUC及びトラフ濃度は次のとおりであった13)。術直後の本剤の血中濃度はプログラフカプセルより低い傾向にあった。,
グラセプター(n=45)
0.118±0.023
0.112±0.034
145.97±103.03
263.82±153.36
4.21±3.31
8.98±5.90
0.221±0.097
0.176±0.079
324.19±119.07
286.99±88.03
8.82±3.18
8.53±2.85
0.209±0.095
0.165±0.076
364.28±110.52
301.10±60.76
9.96±3.53
9.70±3.21
市販後の調査において新規肝移植患者における移植初期の投与量とトラフ濃度は次のとおりであった14)。
安定期腎、肝及び心移植患者において、プログラフカプセルから本剤に切り換えた後のトラフ濃度はプログラフとほぼ同程度かやや低下する傾向にあった15),16),17),18),19),20)(外国人データを含む)。,
試験
n
プログラフ
グラセプター※
投与量(mg/日)
トラフ濃度※※(ng/mL)
国内腎移植
35
3.23±1.68
3.71±1.62
3.29±1.67
3.71±1.38
海外腎移植
66
5.8±3.51
6.73±1.99
5.9±3.34
6.08±1.80
60
5.18±3.28
7.28±1.93
6.70±1.94
海外肝移植
62
5.2±3.48
7.11±2.54
5.2±3.41
5.53±1.78
海外小児肝移植
18
5.3±3.27
5.9±2.9
5.4±3.40
5.3±2.6
海外心移植
45
5.27±3.17
8.28±2.51
7.24±2.32
※切り換え後7~14日目の値
※※ グラセプター(1日1回投与)は投与24時間後濃度、プログラフ(1日2回投与)は2回目投与12時間後濃度
安定期小児肝移植患者(18例)において、プログラフカプセルから本剤に切り換えた後のAUCはプログラフカプセルと同等であった19)(外国人データ)。,小児肝移植患者(平均年齢5.3歳)においては、本剤と同一成分を含むプログラフカプセルを投与した場合、成人に比べ体重換算で2.7~4.4倍の経口投与量で同程度の血清中濃度が得られた21)(外国人でのプログラフのデータ)。小児小腸移植患者(平均年齢2.9歳)においては、本剤と同一成分を含むプログラフカプセルを投与した場合、成人に比べ体重換算で1.3~2.5倍の経口投与量で同程度の血漿中濃度が得られた22)(外国人でのプログラフのデータ)。
骨髄移植患者(13例)に本剤を投与したときの血中濃度パラメータは次のとおりであった23)。
投与量(mg)
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
AUC0-24h(ng・h/mL)
トラフ濃度(ng/mL)
3.46±3.39
3.23±2.39
16.64±8.60
217.56±100.01
6.03±2.65
(平均値±S.D.、n=13)
顆粒のカプセルに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ1.18及び1.08であった。プログラフカプセルとプログラフ顆粒の生物学的同等性は検証されていない。
投与タイミング
AUC0-∞(ng・h/mL)
空腹時投与
8.88±4.01
202.6±78.7
朝食前1時間
7.27±1.89(0.865※)
179.7±57.3(0.900※)
朝食直後
6.39±3.79(0.722※)
150.1±71.3(0.734※)
朝食後1.5時間
6.53±1.87(0.771※)
129.8±46.6(0.646※)
(投与量5mg、平均値±S.D.、n=23~24)
※空腹時投与に対する幾何平均比
投与時刻
グラセプター(朝)
7.29±2.368
178±58.8
グラセプター(夜)
6.47±1.798(0.893※)
115±50.6(0.636※)
プログラフ(朝)
23.0±8.01
254±119.6
プログラフ(夜)
9.23±3.814(0.385※)
168±92.1(0.648※)
※朝投与に対する幾何平均比
代謝物の大部分は胆汁中に排泄され、未変化体の尿中排泄率は1%以下であった28)(外国人でのプログラフのデータ)。なお、本剤の血中濃度は腎機能あるいは透析による影響を受けない。
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、CYP3A4で代謝される他の薬物との併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、CYP3A4を誘導する薬物との併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある。一方、本剤がCYP3A4での代謝を阻害することにより、CYP3A4で代謝される他の薬物の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤の血漿蛋白結合率は98.8%以上と高いので、血漿蛋白との親和性が強い薬剤との相互作用の可能性がある。
新規腎移植患者を対象とした非盲検多施設共同試験における本剤とプログラフカプセルの移植から1年後の成績は、累積生存率は本剤群98.6%、プログラフカプセル群95.7%であった。累積生着率は、本剤群96.7%、プログラフカプセル群92.9%であった。拒絶反応が発現した症例は、本剤群22/214例(10.3%)、プログラフカプセル群16/212例(7.5%)であった29)(外国人データ)。
新規投与例(60例)に6週間投与して検討した結果、累積生存率は100%、累積生着率は98.3%、拒絶反応が発現した症例は8/60例(13.3%)であった11)(外国人データ)。
プログラフカプセルから同じ1日量となるグラセプターカプセルへの切り換え例(国内35例、外国人135例)での検討では、全例で拒絶反応の発現は認められず、移植腎の生着が維持された15),16),17)。
**抗ドナー抗体陽性・抗HLA抗体陽性の生体腎移植患者に、移植28~7日前から移植1日前までプログラフカプセル又はグラセプターカプセルを投与した結果、腎移植実施率は91.7%(22/24例)であった30)。
新規投与例(67例)に6週間投与して検討した結果、累積生存率は98.4%、累積生着率は96.9%、拒絶反応が発現した症例は18/67例(26.9%)であった13)(外国人データ)。
プログラフカプセルから同じ1日量となるグラセプターカプセルへの切り換え例(成人69例、小児18例)での検討では、成人1例で拒絶反応が発現したが、全例で移植肝の生着が維持された18)(外国人データ)。
プログラフカプセルから同じ1日量となるグラセプターカプセルへの切り換え例(82例)での検討では、全例で拒絶反応の発現は認められず、移植心の生着が維持された20)(外国人データ)。
承認時までの臨床試験における本剤の使用経験はない。
小腸移植における本剤の使用経験はない。
承認時までの臨床試験において、骨髄移植後の移植片対宿主病(GVHD)の予防を目的に本剤を投与した15例中、予後に影響を及ぼし、治療が必要となるgradeⅡ以上のGVHDの発現は、7例(46.7%)であった23)。
市販後の調査において、新規移植例249例における移植24週後時点の累積生存率及び累積生着率は98.2%、累積拒絶反応発現率は16.1%であった。プログラフ経口製剤からの切り換え例103例における本剤投与開始24週後時点の累積生存率及び累積生着率は99.0%、累積拒絶反応発現率は1.1%であった12)。
市販後の調査において、新規投与例24例の移植1年後時点での累積生存率及び累積生着率は94.1%、累積拒絶反応発現率は20.8%であった。プログラフ経口製剤からの切り換え例117例の投与開始後24週時点での累積生存率及び累積生着率は100.0%、累積拒絶反応発現率は2.6%であった14)。
市販後の調査において、肺移植切り換え例7例の本剤投与開始24週後時点での拒絶反応の発現は認められず、全例生存しており、移植肺の生着が維持された。
市販後の調査において、膵移植切り換え例10例は本剤投与開始24週後時点で全例生存しており、2例で拒絶反応が発現したが、全例移植膵の生着が維持された。
市販後の調査において、プログラフ経口製剤からの切り換え例48例の本剤投与開始16週後時点での累積生存率は100.0%、累積原疾患再発率は7.5%、累積急性GVHD発現率は2.2%、累積慢性GVHD発現率は17.5%であった。なお、48例全例で本剤切り換えまでに骨髄機能が回復していた31)。
タクロリムスは、T細胞受容体等からのシグナル伝達を介した免疫亢進作用に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで、サイトカイン産生抑制及びそれに伴う免疫抑制作用を示す32)。
タクロリムス水和物(Tacrolimus Hydrate)
(3S,4R,5S,8R,9E,12S,14S,15R,16S,18R,19R,26aS)-5,19-Dihydroxy-3-{(1E)-2-[(1R,3R,4R)-4-hydroxy-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethenyl}-14,16-dimethoxy-4,10,12,18-tetramethyl-8-(prop-2-en-1-yl)-15,19-epoxy-5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a-hexadecahydro-3H-pyrido[2,1-c][1,4]oxaazacyclotricosine-1,7,20,21(4H,23H)-tetrone monohydrate
C44H69NO12・H2O
822.03
タクロリムス水和物は白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、N, N-ジメチルホルムアミド又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
130~133℃
1000以上(1-オクタノール/水系)
本品はアルミ袋により品質保持をはかっているので、アルミ袋開封後は湿気を避けて保存すること。
100カプセル(10カプセル×10、乾燥剤入り)
20カプセル(10カプセル×2、乾燥剤入り)
1) Saegusa, T. et al.:基礎と臨床 1992;26(3):969-981[PRG-01148]
2) Zheng, S. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 2013;76(6):988-996[PRG-36798]
3) Coscia, L.A. et al.:Best Pract. Res. Clin. Obstet. Gynaecol. 2014;28(8):1174-1187[PRG-36799]
4) Jain, A. et al.:Transplantation 1997;64(4):559-565[PRG-05533]
5) Fung, J.J. et al.:Transplant. Proc. 1990;22(1)Suppl.1:6-12[PRG-00191]
6) Curran, C.F. et al.:Transplantation 1996;62(9):1376-1377[PRG-04546]
7) Mrvos, R. et al.:J. Toxicol. Clin. Toxicol. 1997;35(4):395-399[PRG-05400]
8) 社内報告書:ラット・生殖毒性(DIR940072)
9) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.7)(DIR080041)
10) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.5)(DIR080039)
11) 社内報告書:腎移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.17)(DIR080051)
12) 臼木昌子 他:今日の移植 2013;26(5):435-442[PRG-31510]
13) 社内報告書:肝移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.18)(DIR080052)
14) 堀家寛代 他:今日の移植 2013;26(5):443-449[PRG-31511]
15) 社内報告書:腎移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.11)(DIR080045)
16) Alloway, R. et al.:Transplant. Proc. 2005;37(2):867-870[PRG-17724]
17) 社内報告書:腎移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.13)(DIR080047)
18) Florman, S. et al.:Transplant. Proc. 2005;37(2):1211-1213[PRG-17734]
19) 社内報告書:肝移植患者・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.15)(DIR080049)
20) 社内報告書:心移植患者・第II相非盲検多施設共同試験(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.16)(DIR080050)
21) McDiarmid, S.V. et al.:Transplantation 1993;55(6):1328-1332[PRG-01716]
22) Jain, A. et al.:Transplant. Proc. 1994;26(3):1609-1610[PRG-02370]
23) 社内報告書:骨髄移植患者・第II相予防的投与試験(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.20)(DIR080054)
24) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.9)(DIR080043)
25) 社内報告書:健康成人・薬物動態(2008年7月16日承認 CTD 2.7.6.10)(DIR080044)
26) Iwasaki, K. et al.:薬物動態 1998;13(3):259-265[PRG-06905]
27) Christians, U. et al.:Transplant. Proc. 1991;23(6):2741-2744[PRG-00688]
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