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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
高チロシン血症I型
通常、ニチシノンとして1日1mg/kgを2回に分割して経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日2mg/kgを上限とする。
妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明すること。
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明すること。ヒトで胎盤を通過することが報告されている1),2),3)。動物実験(ウサギ)において、ヒトの臨床用量を下回る用量で催奇形作用(骨格異常、臍ヘルニア、腹壁破裂)が報告されている。また、動物実験(マウス)では、ヒトの臨床用量を下回る用量で胎児毒性(骨化遅延)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、母乳を介した毒性として角膜混濁及び体重減少が報告されている。
これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。
本剤のCYP2C9阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する。
本剤のOAT1/OAT3阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する。
結膜炎、角膜混濁、角膜炎、羞明、眼痛(各1~10%未満)、眼瞼炎(0.1~1%未満)等の眼障害があらわれることがある。異常が認められた場合には、食事療法の順守を確認し、適切な処置を行うこと。
0.1~1%未満
血液及びリンパ系障害
白血球増加症
皮膚及び皮下組織障害
剥脱性皮膚炎、紅斑性皮疹、そう痒症
10例の健康成人男性にニチシノン1mg/kgを空腹時に単回経口投与注)したときの薬物動態パラメータを以下に示す(外国人データ)。
AUC(μg・h/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax※(h)
t1/2(h)
599±153
7.7±1.0
2.8(1.7~11.1)
54.5±13.0
平均値±標準偏差
※:中央値(範囲)
日本人の高チロシン血症I型患者1例を含む医師主導型で開始されたNTBC試験において以下の知見が認められた(外国人データ)。
健康成人男性にニチシノン1mg/kgを空腹時に単回経口投与注)したときの血漿蛋白結合率は、投与後の測定時間(0.25~24時間)によらずほぼ一定で、96.2%(6例の平均値)であった(外国人データ)。主な結合蛋白はアルブミンであった(in vitro試験)。
ヒト肝ミクロソーム及び肝細胞を用いたin vitroでの検討において、ニチシノンは殆ど代謝されなかった(最大で、添加した標識化合物の2%)。ヒトCYP3A4発現系において、シクロヘキサンジオン環の水酸化体が1種検出された(in vitro試験)。一方、ニチシノンを投与した高チロシン血症Ⅰ型患者の尿中において、4-水酸化体、5-水酸化体、2-ニトロ-4-トリフルオロメチル安息香酸、グリシン抱合体及びβ-アラニン抱合体の5種の代謝物の存在が報告されている4)。
併用薬の薬物動態に及ぼす本剤の影響は以下の表に示すとおりである5)(外国人データ)。
併用薬
併用薬の用量
本剤の用量注)投与期間
例数
幾何平均比(90%信頼区間)(併用投与/単独投与)
AUC
Cmax
トルブタミド(CYP2C9 基質)
500mg単回
80mg/日16日間
18
2.31(2.11~2.53)
1.16(1.11~1.21)
フロセミド(OAT1/OAT3 基質)
20mg単回
80mg/日15日間
1.72(1.63~1.81)
1.12(1.08~1.15)
クロルゾキサゾン(CYP2E1 基質)
250mg単回
0.73(0.67~0.80)
0.82(0.67~0.99)
メトプロロール(CYP2D6 基質)
50mg単回
0.95(0.88~1.03)
1.06(0.90~1.25)
ニチシノンはCYP2C9を阻害した(IC50=46μmol/L)が、CYP1A2、2C19及び3Aに対しては阻害しなかった。また、ニチシノンはCYP1A2、2B6及び3Aに対して顕著な誘導作用を示さなかった6)。ニチシノンは有機アニオントランスポーター1(OAT1)及びOAT3を阻害した(IC50=6.87μmol/L及び3.11μmol/L)。P-糖蛋白質(P-gp)、乳癌耐性蛋白質(BCRP)、有機アニオン輸送ポリペプチド1B1(OATP1B1)、OATP1B3及び有機カチオントランスポーター2(OCT2)に対する阻害作用は弱く、臨床用量では阻害しないと考えられた。P-gpの基質ではなかった7)。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、ニチシノンとして1日1mg/kgを2回に分割して経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日2mg/kgを上限とする。」である。
日本人の高チロシン血症I型患者1例を含む医師主導型として開始されたNTBC試験は、初回推奨用量は1mg/kg/日(1日2回経口投与)とし、チロシン及びフェニルアラニンを制限した食事療法との併用で行われた非盲検、非対照試験である。食事療法のみの報告値を対照群8)とし、207例を対象に解析したとき顕著な生存率の改善が認められた。
治療開始時又は診断時の年齢
生存率(%)
ニチシノンによる治療
食事療法のみの対照群※
5年
10年
<2カ月
82
―
28
>2~6カ月
95
51
34
>6カ月
92
86
93
59
※:van Spronsen et al.、19948)の図1
なお、90%以上の患者において本剤投与開始1週間後に尿中サクシニルアセトンの尿中排泄が正常化した。また、食事療法のみによる治療と比較して、肝細胞癌の発生リスクの低下(2.3~3.7倍)が認められた。治療を早期に開始した場合、肝細胞癌の発生リスクはさらに低下(生後12カ月より前に開始した場合13.5倍)した。日本人の高チロシン血症I型患者1例を含む医師主導型として開始されたNTBC試験及び海外定期的安全性最新報告等注)における投与期間ごとの報告において、主な副作用として、眼障害、血小板減少症、白血球減少症、顆粒球減少症が認められた。
注)NTBC試験291例、安全性追加報告書(1991年2月~1997年8月)24例、定期的安全性最新報告97-98(1997年8月~1998年12月)266例、定期的安全性最新報告99(1999年1月~1999年12月)282例、定期的安全性最新報告00-01(2000年1月~2001年4月)318例(なお、投与期間ごとに安全性情報を集計しているため、同じ患者が複数の報告書において調査対象となっている場合がある。)
遺伝性高チロシン血症I型はチロシン分解経路の最終段階にあるフマリルアセト酢酸ヒドラーゼ(FAH)の遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である9)。FAHの活性が低下することにより、チロシン分解経路の中間代謝物であるフマリルアセト酢酸(FAA)及びマレイルアセト酢酸(MAA)、並びにこれらの代謝物であるサクシニルアセトン(SA)及びサクシニルアセト酢酸(SAA)が肝及び腎に蓄積し、これらの臓器に障害が生じると考えられている10)。ニチシノンは、チロシン分解経路においてFAHよりも上流に位置する4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することにより、FAA、MAA、SA及びSAAの産生及び蓄積を抑制すると考えられている。
遺伝性高チロシン血症I型患者(乳児及び小児)において、ニチシノンの反復経口投与(0.1~0.6mg/kg/日)により尿中SA及び血漿中SAが低下することが報告されている11)。
ニチシノン(Nitisinone)
2-[2-Nitro-4-(trifluoromethyl)benzoyl]cyclohexane-1,3-dione
C14H10F3NO5
329.23
ニチシノンは白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
140~142℃
本品は2~8℃で保存することにより品質保持をはかっているので、以下の点に注意すること。
60カプセル(ボトル)
1) *Vanclooster, A. et al.:JIMD Rep. 2012;5:27-33[OFA-00082]
2) *Garcia Segarra, N. et al.:J. Inherit. Metab. Dis. 2010;33(3):S507-S510[OFA-00083]
3) *Kassel, R. et al.:J. Pediatr. Gastroenterol. Nutr. 2015;60(1):e5-e7[OFA-00084]
4) Herebian, D. et al.:Rapid Commun. Mass Spectrom. 2010;24(6):791-800[OFA-00005]
5) 社内報告書:臨床薬物相互作用試験・ニチシノンのCYP及びトランスポーターに対する阻害作用の評価(DIR180300)
6) 社内報告書:ニチシノンのCYP分子種に対する阻害及び誘導作用(2014年12月26日承認 CTD2.7.2.2.1.3)(DIR180155)
7) 社内報告書:ニチシノンのトランスポーターに対する阻害作用及び基質評価(DIR180301)
8) van Spronsen, F. J. et al.:Hepatology 1994;20(5):1187-1191[OFA-00014]
9) Kvittingen, E. A. et al.:J. Inherit. Metab. Dis. 1991;14(4):554-562[OFA-00019]
10) Mitchell, G. A. et al.:The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 7th Ed. 1995;1077-1106[OFA-00016]
11) Lindstedt, S. et al.:Lancet 1992;340(8823):813-817[OFA-00006]
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