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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
腎性貧血
赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合、本剤投与開始の目安は、腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。
通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。
通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回70mg又は100mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。
下表を参考に切替え前の赤血球造血刺激因子製剤投与量から本剤の投与量を決定し、切り替えること。
エリスロポエチン製剤(IU/週)
ダルベポエチンアルファ(μg/週)
エポエチンベータペゴル(μg/4週)
本剤(mg/回)
4500未満
20未満
100以下
70
4500以上
20以上
100超
100
用量調整が必要な場合には、下表[投与量増減表]、[投与量調整表]を参考に投与量を増減すること。なお、用量調整を行った場合は、少なくとも4週間は同一用量を維持すること。ただし、増量後4週以内にヘモグロビン濃度が急激に上昇(2.0g/dLを超える)した場合、速やかに減量又は休薬すること。
4週前から当該週までのHb値変化量
当該週のHb値
10.5g/dL未満
10.5g/dL以上11.5g/dL以下
11.5g/dL超12.5g/dL以下
12.5g/dLを超える
-1.0g/dL未満
1段階増量
変更なし
休薬し、Hb値が11.0g/dL未満になった時点から1段階減量して再開
-1.0g/dL以上1.0g/dL以下
1段階減量
1.0g/dL超2.0g/dL以下
2.0g/dLを超える
段階
1
2
3
4
5
6
7
8
本剤投与量(注)
20mg
40mg
50mg
70mg
100mg
120mg
150mg
200mg
(注)1回投与量は3.0mg/kgを超えないものとする。また、200mgを超える場合は、50mgずつ増量すること。
2~3日に1回の間隔(例えば月・水・金、又は火・木・土等)で週3回投与すること。
次のあらかじめ定めた日の服用時間帯と24時間以上間隔があく場合は、直ちに服用すること。ただし、以後はあらかじめ定めた日に服用すること。次のあらかじめ定めた日の服用時間帯との間隔が24時間未満である場合は服用せずに、次のあらかじめ定めた日に服用すること。同日に2回分を服用しないこと。
本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。
血圧上昇があらわれるおそれがある。
本剤の血管新生亢進作用により悪性腫瘍を増悪させる可能性がある。
本剤の血管新生亢進作用により網膜出血があらわれる可能性がある。
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。本剤100mgを中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者に単回投与した際、本剤の血漿中非結合型のCmax及びAUCinfが上昇した4)。また、本剤では重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。母動物(ラット)への投与で、本剤は胎児に移行し、本剤の最大臨床用量における曝露量の0.4倍の曝露量で出生児の発達遅延、0.8倍の曝露量で出生児生存率の低値等が報告されている5),6)。,
本剤投与中及び最終投与後28日まで授乳を避けさせること。母動物(ラット)への投与で、本剤は乳汁中に移行し、出生児において乳汁による曝露の影響と考えられる発生毒性が報告されている5),6)。
本剤では小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。
本剤をセベラマー炭酸塩と同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した10)。
本剤を酢酸カルシウムと同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した10)。
HMG-CoA還元酵素阻害剤による筋障害を増強するおそれがあるため、併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤をシンバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンと併用したところ、これらの薬剤のAUCinfが上昇した11),12)。また、本剤投与2時間前、本剤投与の4又は10時間後にシンバスタチンを投与した際も曝露量が上昇した。本剤のOATP1B1/BCRP阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度を上昇させる。
本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤をプロベネシドと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した13)。プロベネシドのUGT/OAT阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる。
本剤をゲムフィブロジルと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した14)。ゲムフィブロジルのCYP2C8/OATP1B1阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。
脳梗塞(0.5%)、急性心筋梗塞(0.1%)、肺塞栓症(0.1%)、シャント閉塞(0.8%)等の血栓塞栓症があらわれることがある。
*血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)が正常範囲内又は低値を示す中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがある。症状や徴候があらわれた場合には、必要に応じて投与の中止、甲状腺ホルモン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。
1%以上
0.5~1%未満
0.5%未満
頻度不明
心臓障害
うっ血性心不全、動悸
内分泌障害
甲状腺機能低下症
眼障害
網膜出血
胃腸障害
嘔吐、下痢、便秘
悪心、腹部不快感
腹痛、消化不良、胃障害
一般・全身障害及び投与部位の状態
浮腫、末梢性浮腫、倦怠感
感染症及び寄生虫症
結膜炎
傷害、中毒及び処置合併症
シャント狭窄
臨床検査
リパーゼ増加
ALT増加、CK増加
*TSH減少、遊離T3減少、遊離T4減少、血中ビリルビン増加
代謝及び栄養障害
高カリウム血症、高リン酸塩血症、鉄欠乏、食欲減退、低アルブミン血症
神経系障害
浮動性めまい
精神障害
不眠症
生殖系及び乳房障害
女性化乳房
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咳嗽、間質性肺疾患
皮膚及び皮下組織障害
そう痒症
*全身性剥脱性皮膚炎
血管障害
高血圧
その他
医療機器内血栓
本剤投与によって総コレステロール及びLDLコレステロールが減少する可能性がある15),16),17),18)。
本剤を健康成人に5mg/kg(510mg)まで単回投与した際、一過性の心拍数増加が報告されている。本剤の過量投与によりヘモグロビン濃度が必要以上に増加するおそれがある。
本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は透析で除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性(30例)に本剤0.3~4.0mg/kgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度の推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった19)。
投与量
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(h)
AUCinf(μg・h/mL)
t1/2(h)
0.3mg/kg
1.9±0.3
3.0(2.0-4.0)
13.8±3.4
8.3±0.9
1.0mg/kg
5.4±1.0
2.0(2.0-3.0)
43.6±11.9
8.4±2.3
2.0mg/kg
12.9±2.3
2.0(1.0-4.0)
99.7±13.3
9.3±2.1
3.0mg/kg
18.9±3.5
2.0(2.0-4.0)
139.3±18.9
9.0±1.9
4.0mg/kg
20.8±2.3
3.0(1.0-4.0)
168.8±22.0
8.0±0.5
平均値 ± 標準偏差、Tmaxは中央値(範囲)
健康成人男性(21例)に本剤0.3~3.0mg/kgを空腹時に週3回2週間反復経口投与したとき、血漿中未変化体濃度の推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった。いずれの投与量でも速やかに定常状態に達し、蓄積性はほとんど認められなかった19)。
測定日
AUC24(μg・h/mL)
1.6±0.2
2.0(1.0-3.0)
10.7±1.3
9.9±1.2
12
1.8±0.4
2.0(0.5-3.0)
12.0±1.6
10.4±1.8
5.4±1.4
2.0(1.0-6.0)
37.4±4.2
9.6±1.1
5.2±0.8
4.0(2.0-6.0)
39.7±3.8
9.0±1.6
18.8±4.2
2.0(1.0-2.0)
138.5±32.9
9.9±2.4
18.1±2.5
153.1±31.9
9.7±1.1
血液透析患者(12例)に本剤1.0mg/kg又は2.0mg/kgを空腹時に単回経口投与したとき、透析前(透析2.5時間前)投与と透析後投与で本剤の薬物動態に顕著な差はなく、透析の影響はわずかであった20)。
投与タイミング
透析前
4.4±0.5
2.5(2.0-4.0)
40.2±5.5
15.8±5.1
透析後
5.6±1.3
1.5(1.0-6.0)
45.8±5.2
15.5±3.1
9.4±1.2
90.8±30.4
16.2±7.1
13.0±2.0
2.5(1.0-4.0)
103.4±27.7
20.9±10.5
母集団薬物動態解析の結果、腹膜透析患者と血液透析患者の薬物動態に明確な差はみられなかった21),22)。
母集団薬物動態解析の結果、保存期慢性腎臓病患者と透析患者の薬物動態に明確な差はみられなかった22)。
本剤を空腹時に経口投与したとき、おおむね投与2時間後にCmaxに到達する。健康成人男性(16例)に本剤100mgを食後に単回経口投与したときのCmaxの平均値は、空腹時単回経口投与と比較して20%低値であったが、AUCinfへの影響はわずかであった23)。
血漿蛋白結合率が非常に高く(約99%)、主にアルブミンと結合した24)(in vitro試験)。
健康成人男性(6例)に200mgの[14C]-ロキサデュスタットを空腹時に単回経口投与したとき、ヒト血漿中の主成分は未変化体であった。代謝物は4’-水酸化体の硫酸抱合体、4-O-β-グルクロン酸抱合体、4-O-β-グルコース抱合体が認められ、これら代謝物の曝露量はいずれも薬物由来物質の総曝露量の10%未満であった25)(外国人データ)。ロキサデュスタットの水酸化代謝は主にCYP2C8が寄与し、4-O-β-グルクロン酸抱合代謝は主にUGT1A9が寄与する7),8)(in vitro試験)。
健康成人男性(16例)に本剤100mgを空腹時に単回経口投与したとき、未変化体の尿中排泄率は約1%であった23)。健康成人男性(6例)に200mgの[14C]-ロキサデュスタットを空腹時に単回経口投与したとき、投与後192時間までの放射能の尿及び糞中排泄率はそれぞれ約46%及び約50%であった26)(外国人データ)。
本剤100mgを重度の腎機能障害患者(eGFR < 30mL/min/1.73m2)9例に単回投与した際のAUCinfの平均値は、腎機能正常被験者と比較して2.2倍上昇した。Cmaxの平均値には明確な差はみられなかった27)(外国人データ)。
本剤100mgを中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)8例に単回投与した際の血漿中非結合型のCmax及びAUCinfの平均値は、肝機能正常被験者と比較してそれぞれ16%高値及び70%高値であった4)(外国人データ)。
高齢健康被験者(65歳以上)24例に本剤50~200mgを単回投与した際のCmax及びAUCinfの平均値は、非高齢健康被験者(18~45歳)と比較してそれぞれ15%高値及び23%高値であった28)(外国人データ)。
ロキサデュスタットはCYP2C8、UGT1A9、BCRP、OATP1B1、OAT1及びOAT3の基質であり、CYP2C8(Ki値16.0μM)、BCRP(IC50値3.05μM)及びOATP1B1(IC50値2.59μM)に対して阻害作用を有する7),8),9),29)。
本剤とセベラマー炭酸塩又は酢酸カルシウムの併用により、本剤のAUCinf及びCmaxは低下した。本剤をリン吸着薬の投与の少なくとも1時間前又は1時間後に投与すると、本剤のCmax及びAUCinfの低下は軽減された10)(外国人データ)。本剤と炭酸ランタン水和物の併用によって、本剤のAUCinfは12%低下し、Cmaxは影響を受けなかった30)。
リン吸着薬
リン吸着薬投与量
本剤投与量
本剤の投与タイミング
幾何平均比(90%信頼区間)(リン吸着薬併用投与時/ロキサデュスタット単独投与時)
Cmax
AUCinf
セベラマー炭酸塩
2400mg1日3回投与
200mg単回投与
同時投与
24
0.34(0.31, 0.38)
0.33(0.31, 0.36)
リン吸着薬投与1時間前
30
0.74(0.68, 0.82)
0.59(0.56, 0.63)
リン吸着薬投与1時間後
0.88(0.79, 0.97)
0.76(0.72, 0.81)
酢酸カルシウム
1900mg1日3回投与
0.48(0.43, 0.54)
0.54(0.49, 0.58)
0.81(0.73, 0.89)
0.69(0.65, 0.73)
0.98(0.89, 1.07)
0.83(0.78, 0.88)
オメプラゾール(プロトンポンプ・インヒビター、外国人データ)、クレメジン(球形吸着炭)は本剤の薬物動態に対して影響を与えなかった31),32)。本剤の薬物動態に対するその他の併用薬の影響は下表のとおりであった13),14)(外国人データ)。
併用薬
併用薬投与量
幾何平均比(90%信頼区間)(相互作用薬併用投与時/単独投与時)
ゲムフィブロジル(国内未承認)(CYP2C8及びOATP1B1阻害剤)
600mg1日2回投与
100mg単回投与
18
1.37(1.29, 1.46)
2.35(2.15, 2.56)
プロベネシド(UGT、OAT1及びOAT3阻害剤)
500mg1日2回投与
1.38(1.22, 1.56)
2.25(2.14, 2.37)
本剤とシンバスタチン、シンバスタチンの活性代謝物(アシド体)、ロスバスタチン又はアトルバスタチンの併用により、これらのAUCinf及びCmaxは上昇した。シンバスタチンを本剤投与の2時間前、4又は10時間後に投与したところ、同時投与時と同様に、シンバスタチンのAUCinf及びCmaxは上昇した11),12)(外国人データ)。
HMG-CoA還元酵素阻害剤投与のタイミング
幾何平均比(90%信頼区間)(本剤併用投与時/単独投与時)
シンバスタチン
シンバスタチンを40mg単回投与
200mg隔日投与
28
1.87(1.56, 2.23)
1.75(1.47, 2.09)
本剤投与2時間前
2.32(1.92, 2.79)
1.68(1.44, 1.96)
本剤投与4時間後
3.10(2.57, 3.74)
1.74(1.50, 2.03)
本剤投与10時間後
2.39(1.98, 2.87)
1.56(1.34, 1.82)
シンバスタチンアシド体(代謝物)
2.76(2.34, 3.24)
1.85(1.54, 2.23)
2.34(1.99, 2.76)
1.89(1.62, 2.21)
5.98(5.08, 7.04)
3.42(2.94, 3.99)
3.37(2.86, 3.97)
2.51(2.16, 2.93)
ロスバスタチン
10mg単回投与
4.47(3.86, 5.18)
2.93(2.63, 3.25)
アトルバスタチン
40mg単回投与
1.34(1.11, 1.63)
1.96(1.71, 2.26)
本剤200mgとの併用によって、ブプロピオン(CYP2B6基質、国内未承認)、ワルファリン(CYP2C9基質)の薬物動態に変化は認められず、本剤150mgとの併用によってロシグリタゾン(CYP2C8基質、国内未承認)の薬物動態に変化は認められなかった33),34),35)(外国人データ)。
血液透析施行中の腎性貧血患者302例(本剤150例、ダルベポエチンアルファ152例)を対象に、前治療のESAの用量に応じて本剤70mg又は100mgから開始し、Hb値に応じて用量を20~300mgの間で調整し、週3回24週間経口投与した。また、実薬対照としてダルベポエチンアルファを設定した。その結果、投与18週から24週の平均Hb値のベースラインからの変化量の調整済み平均値は、本剤投与群で-0.04g/dL、ダルベポエチンアルファ投与群で-0.03g/dLであり、本剤のダルベポエチンアルファに対する非劣性が検証された15)。副作用発現頻度は、本剤投与群で22.0%(33/150例)、主な副作用は、高血圧3.3%(5/150例)、嘔吐、網膜出血、低アルブミン血症各2.0%(3/150例)であった。
血液透析施行中の腎性貧血患者163例を対象に、前治療のESAの用量に応じて本剤70mg又は100mgから開始し、Hb値に応じて用量を20~300mgの間で調整し、週3回52週間経口投与した。その結果、投与46週から52週の目標Hb値維持率(平均Hb値が10.0g/dL以上12.0g/dL以下であった患者割合)は71.2%(116/163例)であった16)。副作用発現頻度は、27.6%(45/163例)であった。主な副作用は、嘔吐3.1%(5/163例)、腹部不快感、シャント閉塞各2.5%(4/163例)であった。
ESA未治療の血液透析施行中の腎性貧血患者75例を対象に、本剤50mg又は70mgから開始し、Hb値に応じて用量を20~300mgの間で調整し、週3回24週間経口投与した。その結果、投与終了時までの累積奏効率(Hb値が10.0g/dL以上を達成、かつベースラインよりHb値が1.0g/dL以上上昇した患者割合)は、本剤50mg開始群で86.5%(32/37例)、本剤70mg開始群で89.2%(33/37例)であった17)。副作用発現頻度は、21.3%(16/75例)であった。主な副作用は、シャント閉塞、リパーゼ増加各2.7%(2/75例)であった。
腹膜透析施行中の腎性貧血患者56例(ESA未治療の患者13例、ESAからの切替え患者43例)を対象に、ESA未治療の患者には本剤50mg又は70mgを、ESAからの切替え患者には前治療のESAの用量に応じて本剤70mg又は100mgから開始し、Hb値に応じて用量を20~300mgの間で調整し、週3回24週間経口投与した。その結果、投与18週から24週の目標Hb値維持率(平均Hb値が10.0g/dL以上12.0g/dL以下であった患者割合)は、ESA未治療の本剤50mg開始群で83.3%(5/6例)、ESA未治療の本剤70mg開始群で100.0%(7/7例)、ESAからの切替え患者で74.4%(32/43例)であった18)。副作用発現頻度は、37.5%(21/56例)であった。主な副作用は、便秘、そう痒症各5.4%(3/56例)、下痢、浮腫、結膜炎、ALT増加、咳嗽各3.6%(2/56例)であった。
保存期慢性腎臓病の腎性貧血患者332例(遺伝子組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)製剤もしくはダルベポエチンアルファからの切替え群として、本剤投与群131例、ダルベポエチンアルファ投与群131例、また、エポエチンベータペゴルから本剤への切替え群として70例(参照群))を対象に、前治療のESAの用量に応じて本剤70mg又は100mgから開始し、Hb値に応じて用量を20~300mgの間で調整し、週3回52週間経口投与した。また、実薬対照としてダルベポエチンアルファを設定した。その結果、投与18週から24週の平均Hb値のベースラインからの変化量の調整済み平均値は、本剤投与群で0.15g/dL、ダルベポエチンアルファ投与群で0.22g/dLであり、本剤のダルベポエチンアルファに対する非劣性が検証された36)。副作用発現頻度は、本剤投与群で17.4%(35/201例)、主な副作用は、高血圧3.0%(6/201例)であった。
ESA未治療の保存期慢性腎臓病の腎性貧血患者99例を対象に、本剤50mg又は70mgから開始し、Hb値に応じて用量を20~300mgの間で調整し、週3回24週間経口投与した。その結果、投与終了時までの累積奏効率(Hb値が10.0g/dL以上を達成、かつベースラインよりHb値が1.0g/dL以上上昇した患者割合)は、本剤50mg開始群で93.9%(46/49例)、本剤70mg開始群で100.0%(50/50例)であった37)。副作用発現頻度は、14.1%(14/99例)であった。主な副作用は、高血圧2.0%(2/99例)であった。
ロキサデュスタットは、転写因子である低酸素誘導因子(HIF:hypoxia inducible factor)の分解に関わるHIF-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害する38)。それにより、HIF-αの分解が妨げられてHIF経路が活性化され、その結果、エリスロポエチンが増加することにより、赤血球形成が促進されると考えられる。
ロキサデュスタットは、in vitroにおいてHIF-PHであるプロリン水酸化酵素ドメイン(PHD)1、PHD2、及びPHD3を阻害した38)。また、ヒト肝細胞培養系においてHIF-2α蛋白の蓄積を誘導し、エリスロポエチン産生を増加させた39)。
ロキサデュスタットは、ラット貧血モデルにおいて、ヘモグロビンやヘマトクリットを増加させた40),41),42)。
ロキサデュスタット(Roxadustat)
N-[(4-Hydroxy-1-methyl-7-phenoxyisoquinolin-3-yl)carbonyl]glycine
C19H16N2O5
352.34
ロキサデュスタットは白色~黄色の結晶又は粉末である。水にほとんど溶けず、エタノール(99.5)に溶けにくい。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30錠(3錠×10)
1) Besarab, A. et al.:N. Engl. J. Med. 1998;339:584-590[R-08167]
2) Singh, A.K. et al.:N. Engl. J. Med. 2006;355:2085-2098[R-08168]
3) Pfeffer, M.A. et al.:N. Engl. J. Med. 2009;361:2019-2032[R-08169]
4) 社内報告書:海外肝機能障害患者・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.13)(DIR190035)
5) 社内報告書:ラット・生殖発生毒性試験(2019年9月20日承認 CTD 2.6.6.6.3.1)(DIR190040)
6) 社内報告書:ラット・乳母哺育試験(2019年9月20日承認 CTD 2.6.6.6.3.2)(DIR190041)
7) 社内報告書:CYP同定・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.1.2.7)(DIR190044)
8) 社内報告書:UGT同定・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.1.2.8)(DIR190045)
9) 社内報告書:トランスポーター基質性及び阻害・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.1.4.3)(DIR190049)
10) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(セベラマー及び酢酸カルシウム)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.18)(DIR190054)
11) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(シンバスタチン及びロスバスタチン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.22)(DIR190052)
12) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(アトルバスタチン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.23)(DIR190053)
13) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(プロベネシド)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.21)(DIR190027)
14) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ゲムフィブロジル)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.16)(DIR190026)
15) 社内報告書:血液透析患者・二重盲検比較試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.28)(DIR190007)
16) 社内報告書:血液透析患者・長期投与試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.34)(DIR190008)
17) 社内報告書:血液透析患者・ESA未治療患者対象試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.33)(DIR190006)
18) 社内報告書:腹膜透析患者・第Ⅲ相試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.32)(DIR190009)
19) 社内報告書:健康成人・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.4)(DIR190010)
20) 社内報告書:血液透析患者・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.9)(DIR190022)
21) 社内報告書:透析患者・母集団薬物動態解析(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.7.2)(DIR190034)
22) 社内報告書:腎性貧血患者・母集団薬物動態解析(DIR200084)
23) 社内報告書:健康成人・食事の影響試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.1)(DIR190023)
24) 社内報告書:血漿蛋白結合・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.1.1.1)(DIR190042)
25) 社内報告書:ヒト代謝物プロファイリング・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.1.2.5)(DIR190043)
26) 社内報告書:海外健康成人・マスバランス試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.8)(DIR190036)
27) 社内報告書:海外腎機能障害患者・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.12)(DIR190021)
28) 社内報告書:海外健康成人・加齢及び性差検討試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.11)(DIR190051)
29) 社内報告書:CYP阻害・薬物動態試験(2019年9月20日承認 CTD 2.7.2.2.1.3.1)(DIR190046)
30) 社内報告書:健康成人・薬物相互作用試験(炭酸ランタン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.15)(DIR190055)
31) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(オメプラゾール)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.19)(DIR190024)
32) 社内報告書:健康成人・薬物相互作用試験(クレメジン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.14)(DIR190025)
33) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ブプロピオン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.20)(DIR190028)
34) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ワルファリン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.17)(DIR190029)
35) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ロシグリタゾン)(2019年9月20日承認 CTD 2.7.6.25)(DIR190030)
36) 社内報告書:保存期慢性腎臓病患者・第Ⅲ相比較試験(DIR200082)
37) 社内報告書:保存期慢性腎臓病患者・ESA未治療患者対象試験(DIR200083)
38) 社内報告書:ヒトリコンビナント酵素・薬理作用(2019年9月20日承認 CTD 2.6.2.2.1)(DIR190013)
39) 社内報告書:ヒト肝細胞・薬理作用(2019年9月20日承認 CTD 2.6.2.2.2)(DIR190014)
40) 社内報告書:炎症性貧血モデルラット2週間投与・薬理作用(2019年9月20日承認 CTD 2.6.2.2.6.1)(DIR190018)
41) 社内報告書:炎症性貧血モデルラット4週間投与・薬理作用(2019年9月20日承認 CTD 2.6.2.2.6.2)(DIR190019)
42) 社内報告書:腎性貧血モデルラット・薬理作用(2019年9月20日承認 CTD 2.6.2.2.7)(DIR190020)
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