当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。
通常、成人にはエンザルタミドとして160mgを1日1回経口投与する。
注)グレードはNCI-CTCAEに準じる。
痙攣発作を起こすおそれがある。
痙攣発作を誘発するおそれがある。
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
エンザルタミドの併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。
エンザルタミドのCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
エンザルタミド及びこれらの薬剤はいずれも痙攣発作の閾値を低下させる。
エンザルタミドの作用が増強するおそれがあるので、強力なCYP2C8阻害剤との併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。やむを得ず、強力なCYP2C8阻害剤と併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
これらの薬剤はCYP2C8を阻害するため、併用によりエンザルタミドの代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇する可能性がある。
エンザルタミドの作用が減弱するおそれがあるので、慎重に投与すること。
これらの薬剤はCYP2C8を誘導するため、併用によりエンザルタミドの血漿中濃度が低下する可能性がある。
エンザルタミドのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
エンザルタミドのCYP2C19誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
痙攣、てんかん重積状態等の痙攣発作があらわれることがある。,,
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。,
5%以上
1~5%未満
1%未満
血液
貧血
ヘモグロビン減少、白血球減少症、好中球減少症
心臓
心電図QT延長
腎臓
頻尿、血尿
耳
回転性めまい
眼
流涙増加
消化器
悪心、下痢
便秘、嘔吐、腹部膨満、消化不良、鼓腸
上腹部痛、口内乾燥、腹痛、胃炎、口内炎、腹部不快感、胃食道逆流性疾患
全身及び投与局所
疲労、無力症
末梢性浮腫、体重減少、体重増加
疼痛、悪寒、倦怠感、顔面浮腫
肝臓
肝機能異常
代謝
食欲減退
低カリウム血症、脱水
筋骨格系
関節痛、筋肉痛、背部痛、筋力低下
筋骨格痛、筋痙縮、筋骨格硬直、四肢痛
神経系
頭痛、浮動性めまい、味覚異常、錯感覚、嗜眠、記憶障害、下肢静止不能症候群
感覚鈍麻、傾眠、末梢性ニューロパチー、認知障害、注意力障害、失神、健忘
精神系
不眠症
不安、うつ病、錯乱状態、幻覚
生殖系及び乳房
女性化乳房
呼吸器
呼吸困難
咳嗽、鼻出血
皮膚
皮膚乾燥、発疹、多汗症
そう痒症、寝汗、脱毛症、紅斑、斑状丘疹状皮疹
血管
ほてり
高血圧
潮紅
その他
転倒
脊椎圧迫骨折、骨折
過量投与により、痙攣発作、発疹、錯乱状態及び重度の疲労等が発現することがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
雌雄ラットにエンザルタミドを104週間投与したがん原性試験において、精巣のLeydig細胞腫(雄)、乳腺の線維腺腫(雄)、胸腺腫(雄)、膀胱の良性尿路上皮乳頭腫(雄)、尿路上皮癌(雄)、卵巣の顆粒膜細胞腫(雌)、下垂体前葉の腺腫(雌雄)が増加した。腫瘍の増加が認められた最低用量(10mg/kg/日)における曝露量は、AUCに基づくヒト曝露量の0.3倍であった6)。
去勢抵抗性前立腺癌患者にイクスタンジカプセルを80mg、160mg、240mg単回経口投与注)したときの血漿中未変化体濃度は投与後1~2時間で最大値を示し、t1/2は113~202時間であった。未変化体のCmax及びAUCinfは用量の増加に伴って上昇した。活性代謝物(N-脱メチル体)濃度は緩やかに上昇し投与後144~168時間で最大値を示した。活性代謝物(N-脱メチル体)のCmax及びAUC7dは用量の増加に伴って上昇した5)。
用量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(h)
AUCa)(μg・h/mL)
t1/2(h)
未変化体
80
3
1.42±0.17
2.10(1.95~3.95)
141±26
113±11
160
2.17±0.55
2.00(1.83~3.97)
425±27
202±25
240
5.72±2.30
1.08(0.92~2.00)
653±268
151±35
N-脱メチル体
0.358±0.030
167.55(120.10~167.92)
31.3±6.7
―
0.463±0.049
168.00(167.25~168.03)
36.5±5.0
0.952±0.384
144.00(118.08~167.92)
82.8±35.0
(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))
a)未変化体はAUCinf、N-脱メチル体はAUC7d
去勢抵抗性前立腺癌患者にイクスタンジカプセルを160mg1日1回反復経口投与したときの未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の血漿中濃度は、それぞれ約1カ月及び約2カ月で定常状態に達した。反復投与85日目の薬物動態パラメータは以下のとおりである。定常状態において、活性代謝物(N-脱メチル体)のトラフ濃度は未変化体と同程度であった。未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)のピーク/トラフ比(PTR)は、それぞれ1.26及び1.07であり、血漿中濃度の日内変動は小さかった5)。
AUC24h(μg・h/mL)
C24ha)(μg/mL)
PTRa)
25
14.5±2.9
1.00(0.00~22.92)
296±55
11.2±2.1
1.26±0.17
13.9±2.6
0.00(0.00~22.92)
293±48
12.9±2.3
1.07±0.07
a)n=21
健康成人男性にイクスタンジ錠を160mg単回経口投与したとき、空腹時投与(29例)に比べ食後投与(高脂肪食、28例)では、未変化体のAUCinfは同程度であったが、Cmaxは0.79倍であり、Tmaxの中央値は約1時間遅かった。活性代謝物(N-脱メチル体)のAUCinf、Cmax及びTmaxは空腹時又は食後投与にかかわらず同程度の値であった7)(外国人データ)。
AUCinf(μg・h/mL)
空腹時投与
3.47±0.80
2.00(0.50~6.02)
246±80
93±56
食後投与
2.86±0.99
3.00(0.50~8.03)
269±72
100±35
0.758±0.153
168(71.9~263)
342±43
193±68
0.698±0.152
168(95.9~264)
354±81
191±34
健康成人男性29例を対象に、イクスタンジ錠及びイクスタンジカプセルを空腹時に160mg単回投与した生物学的同等性試験及びその結果に基づく定常状態の推定血漿中濃度を用いて、イクスタンジ錠及びイクスタンジカプセルの薬物動態を比較した7)(外国人データ)。
幾何平均比(80mg錠×2/40mgカプセル×4)
幾何平均比の90%信頼区間
単回投与
AUClast(μg・h/mL)
1.01
0.96,1.06
0.72
0.67,0.77
定常状態(推定値)
0.97,1.06
0.91
0.87,0.95
健康成人男性6例に14Cで標識したイクスタンジカプセルを単回投与したとき、用量の少なくとも84.2%が吸収されると考えられた8)(外国人データ)。
イクスタンジカプセルを投与したとき、去勢抵抗性前立腺癌患者における未変化体のみかけの分布容積の平均値は110Lであった(外国人データ)。エンザルタミドの血漿蛋白結合率は97~98%で、主結合蛋白はアルブミンであった。代謝物であるカルボン酸体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の血漿蛋白結合率は、それぞれ98%及び95%であった9),10)(in vitro試験)。
ヒト血漿中の主代謝物は、カルボン酸体及び活性代謝物(N-脱メチル体)であった。活性代謝物(N-脱メチル体)は、in vitro試験において未変化体と同程度の薬理作用を有することが示された。健康成人男性にイクスタンジカプセルを160mg単回経口投与したとき、カルボン酸体は投与後3~7日、活性代謝物(N-脱メチル体)は投与後5~9日で最高血漿中濃度に達し、これらの代謝物の生成は緩徐であった。エンザルタミドの代謝は主にCYP2C8が、また一部CYP3A4/5が関与し、ともに活性代謝物(N-脱メチル体)を生成することが示された。In vitro試験において、活性代謝物(N-脱メチル体)はカルボキシエステラーゼ1によりカルボン酸体へ代謝されることが示された1),7),8),11),12),13),14)。
健康成人男性6例に14Cで標識したイクスタンジカプセルを単回経口投与したとき、総放射能として用量の71.0%が尿中に排泄された。尿中に排泄された放射能は主にカルボン酸体であり、未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の尿中排泄率は0.42%以下であった。糞中に用量の13.6%が排泄され、未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の糞中排泄率は用量のそれぞれ0.39%及び0.98%であった8)(外国人データ)。
健康成人男性(59例)及び去勢抵抗性前立腺癌患者(873例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、軽度腎機能障害患者(60≤Ccr<90mL/min、332例)及び中等度腎機能障害患者(30≤Ccr<60mL/min、88例)の未変化体のクリアランス(CL/F)の中央値は、腎機能正常者(Ccr≥90mL/min、512例)と比較してそれぞれ0.95倍及び0.91倍と推定された(イクスタンジカプセルにおけるデータ)。なお、腎機能障害がエンザルタミドの薬物動態に及ぼす影響を評価するための臨床試験は実施していない15)(外国人データ)。
イクスタンジカプセルを160mg単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者(Child-Pugh A、6例)では健康成人男性(6例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは13%高く、Cmaxは23%高かった。中等度肝機能障害者(Child-Pugh B、8例)では健康成人男性(8例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは18%高く、Cmaxは11%低かった。重度肝機能障害者(Child-Pugh C、8例)では健康成人男性(8例)と比較して、未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは4%高く、Cmaxは42%低かった。また、未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)のt1/2は、健康成人男性と比較し、軽度肝機能障害者ではともに同程度であったが、中等度肝機能障害者では1.8倍及び1.5倍、重度肝機能障害者ではともに2.2倍であった14),16)(外国人データ)。
未変化体とN-脱メチル体の合計
軽度肝機能障害者(n=6)及び対照の健康成人男性(n=6)
健康成人男性a)軽度肝機能障害者
568±126640±131
3.81±1.344.47±0.76
115±4384.3±25
210±61200±45
中等度肝機能障害者(n=8)及び対照の健康成人男性(n=8)
健康成人男性a)中等度肝機能障害者
528±109627±154
3.86±0.833.70±2.10
108±53196±185
194±55284±137
重度肝機能障害者(n=8)及び対照の健康成人男性(n=8)
健康成人男性a)重度肝機能障害者
733±129763±158
4.64±1.672.60±0.75
112±34249±155
222±54488±236
(平均値±標準偏差)
a)各肝機能障害者と年齢(±5歳)及びBMI(±15%)が一致するように組み入れた肝機能が正常な健康成人男性
健康成人男性14例を対象にCYP2C8阻害剤であるゲムフィブロジル(600mgを1日2回反復経口投与)とイクスタンジカプセル(160mgを単回経口投与)を併用したとき、エンザルタミドの未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは単独投与時(13例)と比べ2.17倍に上昇した1)(外国人データ)。
健康成人男性14例を対象にCYP2C8誘導剤であるリファンピシン(600mgを1日1回反復経口投与)とイクスタンジカプセル(160mgを単回経口投与)を併用したとき、エンザルタミドの未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは単独投与時(14例)と比べ0.63倍に低下した17)(外国人データ)。
去勢抵抗性前立腺癌患者14例を対象にエンザルタミドの定常状態(160mgを1日1回反復経口投与)でCYP3A4の基質であるミダゾラム2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラムのAUCinf及びCmaxは単独投与時(14例)と比べそれぞれ0.14倍及び0.23倍に低下した2)(外国人データ、イクスタンジカプセルにおけるデータ)。
去勢抵抗性前立腺癌患者14例を対象にエンザルタミドの定常状態(160mgを1日1回反復経口投与)でCYP2C9の基質であるワルファリン10mgを単回経口投与したとき、CYP2C9の基質であるS-ワルファリンのAUCinf及びCmaxはワルファリン単独投与時(14例)と比べそれぞれ0.44倍及び0.93倍に低下した2)(外国人データ、イクスタンジカプセルにおけるデータ)。
去勢抵抗性前立腺癌患者14例を対象にエンザルタミドの定常状態(160mgを1日1回反復経口投与)でCYP2C19の基質であるオメプラゾール20mgを単回経口投与したとき、オメプラゾールのAUCinf及びCmaxはオメプラゾール単独投与時(14例)と比べそれぞれ0.30倍及び0.38倍に低下した2)(外国人データ、イクスタンジカプセルにおけるデータ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはエンザルタミドとして160mgを1日1回経口投与する」である。
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験のPhase 2パートにおいて、ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に、イクスタンジカプセルを160mg/日、38例に連日投与した。主要評価項目であるDay85までの画像診断上の奏効割合は5.3%(2/38例、90%信頼区間:0.9~15.7%)であり、90%信頼区間の下限値は閾値奏効割合(5%)を下回っていた。PSA奏効割合(最大低下時にPSA値がベースラインから50%以上低下した患者の割合)は28.9%(11/38例、90%信頼区間:17.2~43.3%)であった18)。副作用は47例(Phase 1パート9例、Phase 2パート38例)中31例(66.0%)に認められた。主な副作用(10%以上)は、高血圧(14.9%)、便秘(14.9%)、疲労(12.8%)、食欲減退(12.8%)、体重減少(10.6%)及び心電図QT延長(10.6%)であった。
海外第Ⅲ相試験において、ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者注)を対象に、プラセボ投与を対照群として、イクスタンジカプセルを160mg/日、800例に連日投与した。なお、両側除睾術を実施していない患者には、GnRHアゴニスト/アンタゴニストによる去勢治療の併用を必須とした。主要評価項目である全生存期間(OS)の中間解析(目標イベント数である650イベントのうち、520イベントが発生した時点)の結果、中央値は、エンザルタミド群で18.4カ月、プラセボ群で13.6カ月であり、エンザルタミド群のOSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.631、95%信頼区間:0.529~0.752、p値<0.0001、層別ログランク検定)19)。
注)外科的又は内科的去勢を受け、ドセタキセルを含む化学療法を行った後の病勢進行(下記の3つのうち1つ以上に当てはまる)があった患者
副作用は800例中554例(69.3%)に認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労(21.5%)、悪心(20.1%)、ほてり(15.0%)、食欲減退(12.6%)及び無力症(10.0%)であった。
海外第Ⅲ相試験において、PSA倍加時間が10カ月以下の化学療法歴のない非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者注)を対象に、プラセボ投与を対照群として、イクスタンジカプセルを160mg/日、930例(無作為化例数933例)に連日投与した。なお、両側除睾術を実施していない患者には、GnRHアゴニスト/アンタゴニストによる去勢治療の併用を必須とした。主要評価項目である、無転移生存期間(MFS)の最終解析(解析イベント数447イベント)の結果、中央値は、エンザルタミド群で36.6カ月、プラセボ群で14.7カ月であり、エンザルタミド群のMFSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.29、95%信頼区間:0.24~0.35、p値<0.0001、層別ログランク検定)20)。
注)外科的又は内科的去勢を受けた後の病勢進行(1週間以上の間隔で測定された3回以上のPSA上昇が認められ、スクリーニング時のPSAが2μg/L(2ng/mL)以上)があった患者
副作用は930例中581例(62.5%)に認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労(28.2%)及びほてり(10.4%)であった。
国際共同第Ⅲ相試験において、無症候性又は軽度の症状注1)を伴う化学療法歴のない去勢抵抗性前立腺癌患者注2)を対象に、プラセボ投与を対照群として、イクスタンジカプセルを160mg/日、871例(無作為化例数872例、日本人28例を含む)に連日投与した。なお、両側除睾術を実施していない患者には、GnRHアゴニスト/アンタゴニストによる去勢治療の併用を必須とした。2つの主要評価項目のうち、全生存期間(OS)の中間解析(目標イベント数である765イベントのうち、540イベントが発生した時点)の結果、中央値は、エンザルタミド群で32.4カ月、プラセボ群で30.2カ月であり、エンザルタミド群のOSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.706、95%信頼区間:0.596~0.837、p値<0.0001、非層別ログランク検定)。他の主要評価項目である画像診断上の無増悪生存期間(rPFS)の最終解析(解析イベント数439イベント)の結果、中央値は、エンザルタミド群で到達せず、プラセボ群で3.9カ月であり、エンザルタミド群のrPFSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.186、95%信頼区間:0.149~0.231、p値<0.0001、非層別ログランク検定)21)。
注1)Brief Pain Inventory-Short Form(BPI-SF)の項目3(24時間以内に感じた最も強い痛みの程度)のスコアが0~1(無症候性)又は2~3(軽度の症状)
注2)外科的又は内科的去勢を受けた後の病勢進行(下記の3つのうち1つ以上に当てはまる)があった患者
副作用は871例(日本人28例を含む)中566例(65.0%)に認められた。主な副作用(10%以上)は、疲労(25.3%)、ほてり(13.4%)及び悪心(13.3%)であった。
国際共同第Ⅲ相試験において、遠隔転移を有する前立腺癌患者注)を対象に、プラセボ投与を対照群として、イクスタンジ錠又はイクスタンジカプセルを160mg/日、572例(無作為化例数574例、日本人36例を含む)に連日投与した。なお、両側除睾術を実施していない患者には、GnRHアゴニスト/アンタゴニストによる去勢治療の併用を必須とした。主要評価項目である画像診断上の無増悪生存期間(rPFS)の最終解析(解析イベント数292イベント)の結果、中央値は、エンザルタミド群で到達せず、プラセボ群で19.0カ月であり、エンザルタミド群のrPFSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.39、95%信頼区間:0.30~0.50、p値<0.0001、層別ログランク検定)22)。
注)遠隔転移を有する前立腺癌に対する治療歴(薬物療法、放射線療法又は手術)のない患者が対象とされた。ただし、下記の前治療は許容された。
副作用は572例(日本人36例を含む)中303例(53.0%)に認められた。主な副作用(10%以上)は、ほてり(20.5%)及び疲労(14.9%)であった。
海外第Ⅲ相試験(医師主導試験)において、転移を有する前立腺癌患者注)を対象に、非ステロイド性抗アンドロゲン剤(NSAA)投与を対照群として、イクスタンジカプセルを160mg/日、563例(無作為化例数563例)に連日投与した。なお、両側除睾術を実施していない患者には、GnRHアゴニスト/アンタゴニストによる去勢治療の併用を必須とした。主要評価項目である、全生存期間(OS)の中間解析(目標イベント数である470イベントのうち、245イベントが発生した時点)の結果、中央値は、両群共に到達しなかったが、エンザルタミド群のOSは対照群と比較して有意に延長した(ハザード比0.669、95%信頼区間:0.518~0.862、p値=0.0018、非層別ログランク検定)23)。
注)前立腺癌に対する薬物療法歴のない患者が対象とされた。ただし、下記の前治療は許容された。
重篤な副作用は563例中17例(3.0%)に認められた。2例以上に認められた重篤な副作用は、痙攣発作(0.9%)、高血圧(0.5%)及び疲労(0.4%)であった。
エンザルタミドは、アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達阻害薬である。ARへのアンドロゲンの結合を競合的に阻害し、また、ARの核内移行及びARとDNA上の転写因子結合領域との結合を阻害する24),25),26)。
エンザルタミドは、in vitroにおいて、ヒト前立腺癌細胞株に対し、AR依存性の遺伝子発現を阻害し、細胞の増殖を抑制するとともに、細胞死を誘導した27),28),29)。また、ヒト前立腺癌由来LNCaP細胞株にARを高発現させたLNCaP/AR細胞株を皮下に移植したマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した27),30)。
エンザルタミド(Enzalutamide)
4-{3-[4-Cyano-3-(trifluoromethyl)phenyl]-5,5-dimethyl-4-oxo-2-sulfanylideneimidazolidin-1-yl}-2-fluoro-N-methylbenzamide
C21H16F4N4O2S
464.44
エンザルタミドは白色の結晶又は粉末である。1-メチル-2-ピロリジノン及びアセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
56錠(14錠×4)
28錠(14錠×2)
1) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.2.3)(DIR140017)
2) 社内報告書:前立腺癌患者・薬物相互作用試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.2.4)(DIR140018)
3) 社内報告書:ヒト初代培養肝細胞・酵素誘導試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.1.4)(DIR140019)
4) 社内報告書:ヒトトランスポーター発現細胞・薬物動態試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.1.7)(DIR140020)
5) 社内報告書:前立腺癌患者・国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.2.7)(DIR140021)
6) 社内報告書:がん原性試験・ラット104週間(DIR190073)
7) 社内報告書:海外健康成人・生物学的同等性試験(DIR170028)
8) 社内報告書:海外健康成人・マスバランス試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.2.1)(DIR140025)
9) 社内報告書:前立腺癌患者・海外第I相試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.5.3.3.2)(DIR140026)
10) 社内報告書:ヒト血漿・蛋白結合試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.1.2)(DIR140027)
11) 社内報告書:海外健康成人・薬物動態(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.5.3.3.3)(DIR140028)
12) 社内報告書:ヒトCYP分子種発現系ミクロソーム・薬物動態試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.1.3)(DIR140029)
13) 社内報告書:ヒト肝細胞分画・薬物動態試験(DIR160187)
14) 社内報告書:海外健康成人及び肝機能障害者・薬物動態試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.2.2.5)(DIR140022)
15) 社内報告書:海外健康成人及び前立腺癌患者・薬物動態(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.2.3.2.2.1)(DIR140023)
16) 社内報告書:海外健康成人及び肝機能障害者・薬物動態試験(DIR150069)
17) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(DIR150068)
18) 社内報告書:前立腺癌患者・国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.6.9)(DIR140030)
19) 社内報告書:前立腺癌患者・第Ⅲ相二重盲検試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.7.6.6)(DIR140031)
20) 社内報告書:前立腺癌患者・海外第Ⅲ相試験(DIR180517)
21) 社内報告書:前立腺癌患者・国際共同第Ⅲ相試験(DIR140152)
22) 社内報告書:前立腺癌患者・国際共同第Ⅲ相試験(DIR190274)
23) 社内報告書:前立腺癌患者・海外第Ⅲ相試験(DIR190275)
24) 社内報告書:ヒトアンドロゲン受容体・薬理試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.6.2.2.1)(DIR140032)
25) 社内報告書:ヒト前立腺癌細胞・薬理試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.6.2.2.2)(DIR140033)
26) 社内報告書:ヒト前立腺癌細胞・薬理試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.6.2.2.3)(DIR140034)
27) Tran, C. et al.:Science 2009;324(5928):787-790[XTA-00059]
28) 社内報告書:ヒト前立腺癌細胞・薬理試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.6.2.2.4.2)(DIR140036)
29) 社内報告書:ヒト前立腺癌細胞・薬理試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.6.2.2.4.2)(DIR140037)
30) 社内報告書:マウス及びヒト前立腺癌細胞・薬理試験(イクスタンジカプセル2014年3月24日承認 CTD2.6.2.2.4.3)(DIR140038)
アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒103‐8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
フリーダイヤル 0120‐189‐371
アステラス製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.