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医療用医薬品 詳細表示

ゾスパタ錠40mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ゾスパタ錠40mg

添付文書番号

4291053F1021_1_05

企業コード

800126

作成又は改訂年月

2020年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤(FLT3阻害剤)

承認等

ゾスパタ錠40mg

販売名コード

YJコード

4291053F1021

販売名英語表記

XOSPATA Tablets 40mg

販売名ひらがな

ぞすぱたじょう よんじゅうみりぐらむ

承認番号等

承認番号

23000AMX00824

販売開始年月

2018年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

*4年

一般的名称

ギルテリチニブフマル酸塩錠
Gilteritinib Fumarate

1. 警告

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ゾスパタ錠40mg

有効成分(1錠中)
ギルテリチニブフマル酸塩   44.2mg
(ギルテリチニブとして   40mg )
添加剤D‐マンニトール  
ヒドロキシプロピルセルロース  
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース  
ステアリン酸マグネシウム  
ヒプロメロース  
マクロゴール  
酸化チタン  
タルク  
黄色三二酸化鉄  

3.2 製剤の性状

ゾスパタ錠40mg

剤形フィルムコーティング錠
色調淡黄色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径約7.1mm
厚さ約3.5mm
質量約144mg
識別コード 235

4. 効能又は効果

再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、FLT3遺伝子変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いること。
  2. 5.2 臨床試験に組み入れられた患者の遺伝子変異の種類等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

FLT3:FMS様チロシンキナーゼ3

6. 用法及び用量

通常、成人にはギルテリチニブとして120mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回200mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
  2. 7.2 副作用がみられた場合は、症状、重症度に応じて以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。
    本剤の減量段階

    段階

    用量

    通常投与量

    120mg

    1段階減量

    80mg

    2段階減量

    40mg

    本剤の休薬、減量又は中止基準の目安

    副作用

    重症度

    処置

    QT間隔延長

    ,,

    500msecを超える延長

    480msec以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。

    その他の非血液毒性

    グレード3

    グレード1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。

    グレード4

    投与を中止する。

    グレードはNCI-CTCAEに準じる。

  3. 7.3 4週間の投与により効果がみられない場合は、患者の状態を考慮した上で、1日1回200mgに増量することができる。なお、200mgから減量する場合は1日1回120mg以下の用量とすること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質補正(カリウム、マグネシウム等)を行うこと。,,
  2. 8.2 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
  3. 8.3 出血があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
  4. 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
  5. 8.5 腎障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
  6. 8.6 間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者

    QT間隔延長が起こるおそれがある。,,

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

    重度の肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠可能な女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
  2. 9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。また、マウスにおいて遺伝毒性が認められている1)

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児発育抑制、胚・胎児死亡及び催奇形性が認められている2)

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている3)

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

  • ギルテリチニブは主としてCYP3A4により代謝される4)。また、P-糖蛋白質(P-gp)の基質である5)

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • CYP3A誘導作用及びP-gp誘導作用を有する薬剤
    • リファンピシン
    • フェニトイン
    • カルバマゼピン
    • セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort)

CYP3A誘導作用及びP-gp誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤がCYP3A及びP-gpを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • 強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤
    • イトラコナゾール
    • クラリスロマイシン

併用を避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
    • キニジン
    • プロカインアミド
    • オンダンセトロン

併用する場合には、患者の状態を十分に観察すること。

本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 骨髄抑制

    血小板減少(27.2%)、貧血(23.2%)、好中球減少(18.7%)、発熱性好中球減少症(15.9%)、白血球減少(12.6%)等の骨髄抑制があらわれることがある。

  2. 11.1.2 感染症

    肺炎(3.3%)、肺感染(0.8%)、敗血症(1.2%)等の重度の感染症があらわれることがある。

  3. 11.1.3 出血

    脳出血(0.4%)、硬膜下血腫(0.4%)等の出血があらわれることがある。

  4. 11.1.4 QT間隔延長(5.7%)

    ,,

  5. 11.1.5 心膜炎(1.2%)、心不全(0.8%)、心嚢液貯留(1.2%)
  6. 11.1.6 肝機能障害

    ALT上昇(29.7%)、AST上昇(28.0%)、ビリルビン上昇(3.7%)、γ-GTP上昇(0.8%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある。

  7. 11.1.7 腎障害

    急性腎障害(1.2%)等の腎障害があらわれることがある。

  8. 11.1.8 消化管穿孔(0.8%)
  9. 11.1.9 間質性肺疾患(0.4%)

    異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  10. 11.1.10 過敏症

    アナフィラキシー(0.4%)等の重度の過敏症があらわれることがある。

  11. 11.1.11 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)

    可逆性後白質脳症症候群が疑われる症状(痙攣、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

10%以上

5~10%未満

5%未満

頻度不明

血液及びリンパ系障害

汎血球減少症、内出血発生の増加傾向

心臓障害

心筋炎、洞性頻脈

血管障害

低血圧、高血圧、起立性低血圧、塞栓症

眼障害

霧視、結膜出血、網膜出血、眼乾燥、眼窩周囲浮腫、羞明、視力低下

胃腸障害

悪心、下痢

便秘、嘔吐

腹痛、口内炎、口内乾燥、胃食道逆流性疾患、口腔内出血、消化不良、大腸炎、口腔粘膜水疱形成

上腹部痛、下部消化管出血

一般・全身障害及び投与部位の状態

疲労、発熱

末梢性浮腫、無力症、倦怠感、粘膜の炎症、顔面浮腫、疼痛、末梢腫脹

肝胆道系障害

肝機能異常、高ビリルビン血症

感染症及び寄生虫症

上気道感染、医療機器関連感染、口腔カンジダ症、クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎

呼吸器、胸郭及び縦隔障害

咳嗽、呼吸困難、鼻出血、労作性呼吸困難、しゃっくり、胸水

低酸素症、急性前骨髄球性白血病分化症候群

皮膚及び皮下組織障害

発疹、そう痒症、急性熱性好中球性皮膚症、薬疹、皮膚疼痛、点状出血、皮膚色素過剰、蕁麻疹、皮膚炎、丘疹性皮疹、紫斑、斑状皮疹

傷害、中毒及び処置合併症

転倒

筋骨格系及び結合組織障害

筋肉痛

関節痛、四肢痛、筋力低下、筋痙縮

代謝及び栄養障害

食欲減退

低リン酸血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低カルシウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症、高血糖、脱水、高トリグリセリド血症、低アルブミン血症、高リン酸塩血症

神経系障害

頭痛、味覚異常

浮動性めまい、錯感覚、末梢性ニューロパチー、異常感覚、末梢性感覚ニューロパチー、知覚過敏、感覚鈍麻、神経痛、痙攣発作、傾眠

精神障害

不眠症

生殖系及び乳房障害

腟出血

臨床検査

ALP増加、CK増加

LDH増加、血中クレアチニン増加、トランスアミナーゼ上昇、アルドラーゼ増加、体重減少、アミラーゼ増加、リンパ球数減少、体重増加、血中リン減少、駆出率減少

国際標準比増加、肝機能検査値上昇

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    臨床試験において、1日1回200mgを超える用量で本剤を反復投与した際に、肝機能検査値異常(AST増加、ALT増加)、CK増加及びQT間隔延長等の副作用の発現頻度が高くなることが報告されている。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者を対象とした海外第Ⅰ/Ⅱ相試験において、本剤投与後に白血病細胞の分化を伴い、発熱、低血圧等が認められた症例が報告されている6)

15.2 非臨床試験に基づく情報

イヌ反復経口投与毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で眼への影響(眼底色調異常、並びに網膜における光干渉断層計検査による高反射性変化、局所的菲薄化及び病理組織学的な空胞化)が認められている7),8)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mg注)を単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度は投与後3~7時間でCmaxに達した。未変化体のCmax及びAUC24は用量の増加に伴って上昇した9)

    日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差)
  2. 16.1.2 反復投与

    再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~200mg注)を1日1回反復経口投与したとき、ギルテリチニブの血漿中未変化体濃度は、反復投与開始15日目には定常状態に達したと考えられた。また、定常状態におけるギルテリチニブのAUC24は単回投与時の5.6~8.1倍であり、消失半減期は84~126時間であった9)

    日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~200mgを1日1回反復経口投与したときの第28日目における血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差)
    再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mgを経口投与したときのギルテリチニブの薬物動態パラメータの平均値(標準偏差)

    20mg

    40mg

    80mg

    120mg

    200mg

    300mg

    単回投与

    例数

    1

    4

    4

    4

    9

    2

    Cmax(ng/mL)

    15.32

    29.81
    (13.56)

    67.07
    (26.02)

    216.38
    (167.00)

    221.22
    (97.05)

    292.49

    Tmaxa)
    (h)

    4.01
    (3.88,4.08)

    4.03
    (2.00,9.93)

    3.03
    (1.93,6.17)

    5.92
    (3.85,10.00)

    6.93
    (3.88,9.98)

    AUC24
    (ng・h/mL)

    241.65

    435.59
    (167.16)

    1047.54
    (574.97)

    3340.23
    (2353.76)

    3595.61
    (1463.99)

    5367.62

    反復投与

    例数

    1

    3

    3

    2

    5

    Cmax
    (ng/mL)

    70.53

    122.96
    (66.06)

    205.90
    (36.78)

    680.23

    1016.28
    (295.23)

    Tmaxa)
    (h)

    3.92
    (2.05,3.95)

    6.08
    (1.93,6.12)

    5.06
    (4.03,6.08)

    6.00
    (3.98,10.00)

    AUC24
    (ng・h/mL)

    1345.53

    2411.97
    (1181.65)

    4142.27
    (738.07)

    13463.35

    21573.86
    (6230.86)

    t1/2
    (h)

    84.04

    88.93
    (11.65)

    90.65
    (68.18)

    124.09

    126.23
    (61.54)

    a)中央値(最小,最大)。N=1の場合、算出せず。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 食事の影響

    健康成人男女(32例)に本剤40mg注)を空腹時又は食後単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は、それぞれ74.0%(62.2%~88.1%)及び93.8%(81.2%~108.4%)であった10)(外国人データ)。

16.3 分布

ギルテリチニブの血漿蛋白結合率は約90%であり、ヒト血漿中の主要結合蛋白はヒト血清アルブミンであった11)in vitro試験)。

16.4 代謝

ギルテリチニブは主にCYP3A4で代謝される4)in vitro試験)。ヒト血漿中の主成分は未変化体であり、認められた3種の代謝物の曝露量はいずれも未変化体の10%未満であった12)(外国人データ)。

16.5 排泄

再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mg注)を反復経口投与したとき、全投与群を通じて未変化体の尿中排泄率は13.11%以下であった9)。外国人固形癌患者(5例)にギルテリチニブ120mgを14日間連日投与した後、14C-ギルテリチニブを空腹時単回経口投与したとき、投与後768時間までの放射能の尿中及び糞中排泄率はそれぞれ16.4%及び64.5%であった12)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 肝機能障害患者

    本剤10mg注)を単回経口投与したとき、健康成人(8例)に対する軽度肝機能障害患者(Child-Pugh A、8例)のCmax及びAUCinf(非結合型)の幾何平均比(90%信頼区間)は119.49%(91.25%~156.46%)及び88.42%(65.92%~118.61%)であった。同様に、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh B、8例)のCmax及びAUCinf(非結合型)の幾何平均比(90%信頼区間)は117.72%(89.90%~154.15%)及び88.48%(65.97%~118.69%)であった13)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 リファンピシン

    健康成人男女(20例)にCYP3A誘導作用及びP-gp誘導作用を有する薬剤であるリファンピシン600mgを1日1回21日間経口投与した。投与開始8日目に本剤20mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与群(20例)に対する併用群のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は73.44%(61.36%~87.91%)及び28.47%(24.21%~33.48%)であった14)(外国人データ)。

  2. 16.7.2 イトラコナゾール

    健康成人男性(20例)に強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤であるイトラコナゾール200mgを投与初日に1日2回経口投与した後、投与開始2~28日目までイトラコナゾール200mgを1日1回経口投与した。投与開始6日目に本剤10mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与群(20例)に対する併用群のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は119.80%(100.09%~143.39%)及び221.39%(188.26%~260.36%)であった14)(外国人データ)。

  3. 16.7.3 その他
    1. (1) フルコナゾール

      健康成人男女(20例)に中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤であるフルコナゾール400mgを投与初日に1日1回経口投与した後、投与開始2~28日目までフルコナゾール200mgを1日1回経口投与した。投与開始6日目に本剤10mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与群(20例)に対する併用群のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は115.73%(96.69%~138.52%)及び143.46%(121.99%~168.71%)であった14)(外国人データ)。

    2. (2) ミダゾラム

      再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者(16例)を対象に、本剤300mg注)を1日1回反復経口投与した。本剤投与開始前日及び投与開始15日目にCYP3Aの基質であるミダゾラム2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対するギルテリチニブ併用時のミダゾラムのCmax及びAUC24の幾何平均比(90%信頼区間、それぞれ9例及び8例)はそれぞれ、111.64%(69.54%~179.25%)及び109.46%(49.82%~240.48%)であった15)(外国人データ)。

    3. (3) セファレキシン

      再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者(20例)を対象に、本剤200mgを1日1回反復経口投与した。本剤投与開始前日及び投与開始15日目にMATE1の基質であるセファレキシン500mgを単回経口投与したとき、セファレキシン単独投与時に対するギルテリチニブ併用時のセファレキシンのCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間、ともに16例)はそれぞれ、91.46%(74.60%~112.12%)及び97.71%(74.19%~128.70%)であった15)(外国人データ)。

    4. (4) トランスポーターに対する阻害

      ギルテリチニブはP-gp、BCRP及びOCT1を阻害した(in vitro試験)。

注)本剤は通常、120mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回200mgを超えない。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国際共同第Ⅲ相試験

    国際共同第Ⅲ相試験において、初回再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性a)の急性骨髄性白血病患者(FLT3-ITD変異b)、FLT3-TKD変異c)又はFLT3-ITD変異及びFLT3-TKD変異)371例d)(本剤群247例、化学療法群e)124例)(日本人48例[本剤群33例、化学療法群15例])を対象に、化学療法e)を対照として本剤120mgを1日1回連日投与した際の有効性及び安全性を検討した。

    主要評価項目の1つである、第1回中間解析における本剤群(解析対象例数:142例、日本人18例を含む)のCRf)又はCRhg)率は、28.2%(40/142例、95%信頼区間:20.9%~36.3%[CR率:19.0%(27/142例)、CRh率:9.2%(13/142例)])であった。なお、化学療法群(解析対象例数:73例、日本人4例を含む)のCR又はCRh率は、13.7%(10/73例、95%信頼区間:6.8%~23.8%[CR率:9.6%(7/73例)、CRh率:4.1%(3/73例)])であった(データカットオフ:2017年8月4日)。

    もう1つの主要評価項目である、OS(全生存期間)の最終解析(解析イベント数261イベント)の結果は以下の表のとおりであり、本剤群のOSの中央値は化学療法群と比較して長かった。

    国際共同第Ⅲ相試験におけるOSの結果(データカットオフ:2018年9月17日)
    国際共同第Ⅲ相試験におけるOSのKaplan-Meier曲線

    本剤を投与された246例(日本人33例を含む)中206例(83.7%)に副作用が認められた。主な副作用はALT増加(29.7%)、AST増加(28.0%)、貧血(23.2%)及び発熱性好中球減少症(15.9%)等であった16),17),18)(データカットオフ:2018年9月17日)。

    a)FLT3遺伝子変異検査にはリューコストラットCDx FLT3変異検査が使用された。
    リューコストラットCDx FLT3変異検査はコンパニオン診断薬として製造販売承認されている。

    b)FLT3-ITD変異:内部縦列重複変異

    c)FLT3-TKD変異:D835又はI836のチロシンキナーゼドメイン変異

    d)無作為化された患者

    e)「低用量シタラビン」、「アザシチジン」、「ミトキサントロン+エトポシド+シタラビン(MEC)」又は「顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)+フルダラビン+シタラビン+イダルビシン(FLAG-IDA)」から選択

    f)CRは、骨髄の正常造血細胞が再生し、形態学的に白血病細胞が認められず、骨髄中の芽球数が5%未満、好中球絶対数が1.0×109/L以上、かつ血小板数が100×109/L以上であり、赤血球及び血小板輸血を行っておらず、髄外性白血病が認められていない状態。

    g)CRhは、骨髄中の芽球数が5%未満、好中球絶対数が0.5×109/L以上、かつ血小板数が50×109/L以上であり、髄外性白血病が認められていない状態。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ギルテリチニブは、FLT3等のチロシンキナーゼに対する阻害作用を示し、FLT3を介したシグナル伝達を阻害することにより、FLT3遺伝子変異(FLT3-ITD及びFLT3-TKD(D835Y))を有する腫瘍の増殖を抑制すると考えられる19),20),21)

18.2 抗腫瘍効果

  1. 18.2.1 In vitro試験

    ギルテリチニブは、FLT3遺伝子変異を有するヒト急性骨髄性白血病由来MV4-11細胞株に対して増殖抑制作用を示した21)

  2. 18.2.2 In vivo試験

    ギルテリチニブは、MV4-11細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した22)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ギルテリチニブフマル酸塩(Gilteritinib Fumarate)

化学名

6-Ethyl-3-{3-methoxy-4-[4-(4-methylpiperazin-1-yl)piperidin-1-yl]anilino}-5-[(oxan-4-yl)amino]pyrazine-2-carboxamide hemifumarate

分子式

(C29H44N8O3)2・C4H4O4

分子量

1221.50

性状

ギルテリチニブフマル酸塩は淡黄色~黄色の粉末又は結晶である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。

化学構造式

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

22. 包装

42錠(21錠×2)

23. 主要文献

1) 社内報告書:マウス小核試験(2018年9月21日承認 CTD2.6.6.4.3)(DIR180176)

2) 社内報告書:ラット胚・胎児発生試験(2018年9月21日承認 CTD2.6.6.6.2)(DIR180172)

3) 社内報告書:乳汁中移行・薬物動態(2018年9月21日承認 CTD2.6.4.5.6)(DIR180168)

4) 社内報告書:CYP同定・薬物動態(2018年9月21日承認 CTD2.7.2.2.1.3.2)(DIR180170)

5) 社内報告書:P-gp基質性・薬物動態(2018年9月21日承認 CTD2.7.2.2.1.5.1)(DIR180171)

6) McMahon, CM. et al.:Blood Advances 2019;3(10):1581‒1585[XSP‒00030]

7) 社内報告書:イヌ4週間投与試験(2018年9月21日承認 CTD2.6.6.3.2)(DIR180174)

8) 社内報告書:イヌ13週間投与試験(2018年9月21日承認 CTD2.6.6.3.3)(DIR180175)

9) 社内報告書:再発又は難治性AML患者・国内第Ⅰ相試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.8)(DIR180160)

10) 社内報告書:健康被験者・食事の影響試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.1)(DIR180164)

11) 社内報告書:血漿蛋白結合・薬物動態(2018年9月21日承認 CTD2.7.2.2.1.1)(DIR180167)

12) 社内報告書:進行性固形癌患者・マスバランス試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.3)(DIR180169)

13) 社内報告書:肝機能正常者及び軽度又は中等度の肝機能障害患者・肝機能障害試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.4)(DIR180166)

14) 社内報告書:健康被験者・薬物相互作用試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.5)(DIR180165)

15) 社内報告書:再発又は難治性AML患者・海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.7)(DIR180158)

16) 社内報告書:再発又は難治性FLT3遺伝子変異陽性AML患者・国際共同第Ⅲ相試験(2018年9月21日承認 CTD2.7.6.6)(DIR180159)

17) 社内報告書:再発又は難治性FLT3遺伝子変異陽性AML患者・国際共同第Ⅲ相試験中間解析(DIR190001)

18) 社内報告書:再発又は難治性FLT3遺伝子変異陽性AML患者・国際共同第Ⅲ相試験最終解析(DIR180516)

19) 社内報告書:ヒト各種チロシンキナーゼ・薬理作用(2018年9月21日承認 CTD2.6.2.2.1)(DIR180161)

20) 社内報告書:変異型ヒトFLT3発現細胞(マウス由来)・薬理作用(2018年9月21日承認 CTD2.6.2.2.2)(DIR180162)

21) 社内報告書:ヒトAML細胞・薬理作用(2018年9月21日承認 CTD2.6.2.2.3)(DIR180163)

22) 社内報告書:ヒトAML細胞移植ヌードマウス・薬理作用(2018年9月21日承認 CTD2.6.2.2.4)(DIR180173)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター

〒103‐8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

フリーダイヤル 0120‐189‐371

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

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