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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌
注)胃癌組織においてCLDN18陽性が確認された場合には、CLDN18.2陽性と判断できる。
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはゾルベツキシマブ(遺伝子組換え)として、初回は800mg/m2(体表面積)を、2回目以降は600mg/m2(体表面積)を3週間間隔又は400mg/m2(体表面積)を2週間間隔で2時間以上かけて点滴静注する。
用量
投与速度
投与開始から30~60分後まで
その後
800mg/m2
100mg/m2/時
200~400mg/m2/時
600mg/m2
75mg/m2/時
150~300mg/m2/時
400mg/m2
50mg/m2/時
100~200mg/m2/時
副作用
程度注)
処置
過敏症又はinfusion reaction
Grade2
Grade1以下に回復するまで投与を中断し、回復後、減速して投与を再開できる。次回の投与時は、予防薬の前投与を行い、本剤の推奨投与速度の表に従って投与を行う。
投与を中止する。
悪心
Grade2以上
嘔吐
Grade2又は3
Grade4
注)GradeはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
悪心、嘔吐が高頻度にあらわれるので、本剤投与前に制吐剤の予防投与を検討すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。動物試験(マウス)において、胎児の血清中に本剤が認められている1)。
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがある。
本剤投与中(特に投与開始後最初の1サイクル)は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、補液等の適切な処置を行うこと。,
注)NCI-CTCAE ver.4.03のGrade3以上の副作用
10%以上
5~10%未満
5%未満
血液及びリンパ系障害
好中球減少症、貧血、血小板減少症、白血球減少症
代謝及び栄養障害
食欲減退
低アルブミン血症
低カリウム血症、低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低リン血症
精神障害
不眠症
神経系障害
味覚不全、浮動性めまい、末梢性感覚ニューロパチー、頭痛、錯感覚、末梢性ニューロパチー、感覚鈍麻
心臓障害
頻脈
血管障害
高血圧
低血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咳嗽、呼吸困難、しゃっくり
胃腸障害
悪心(64.9%)、嘔吐(59.1%)、下痢
腹痛、便秘、上腹部痛
消化不良、流涎過多、口内乾燥、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、上部消化管出血、腹部不快感、レッチング
皮膚及び皮下組織障害
脱毛症、多汗症、手掌・足底発赤知覚不全症候群
筋骨格系及び結合組織障害
背部痛
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労、無力症
倦怠感、発熱
末梢性浮腫、悪寒、胸部不快感、非心臓性胸痛
臨床検査
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、体重減少
血中ビリルビン増加、血中アルカリホスファターゼ増加、リンパ球数減少、血中クレアチニン増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加
同一の点滴ラインを使用して他の薬剤との同時投与は行わないこと。
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
日本人のCLDN18.2陽性の進行胃癌患者に、本剤800mg/m2(体表面積)又は1000mg/m2(体表面積)を3週間間隔で静脈内投与注)したときの初回投与後(サイクル1)の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
投与量(例数)
Cmax(μg/mL)
AUC21d(day・μg/mL)
800mg/m2(N=15)
482(113)
2390(639)a)
1000mg/m2(N=3)
805(166)
2360(296)
平均値(標準偏差)
a)N=13
日本人のCLDN18.2陽性の進行胃癌患者に、本剤を初回は800mg/m2(体表面積)を、2回目以降は600mg/m2(体表面積)を3週間間隔(800/600mg/m2 Q3W)で静脈内投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
サイクル3
391(75.8)a)
2110(1010)b)
a)N=10
b)N=7
国内外の臨床試験8試験で得られた714例のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した。推定されたクリアランスと消失半減期はそれぞれ0.0150L/h及び43.6日であった。この解析に含まれた日本人患者73例について、本剤を初回は800mg/m2(体表面積)を、2回目以降は600mg/m2(体表面積)を3週間間隔(800/600mg/m2 Q3W)又は400mg/m2(体表面積)を2週間間隔(800/400mg/m2 Q2W)で静脈内投与したときの母集団薬物動態パラメータ(推定値)は、以下の表のとおりであった3)。
用法・用量
Ctrough(μg/mL)
AUC21d(day・μg/mL)a)
初回投与後42日間
800/600mg/m2 Q3W
472(78)
60.2(31.1)
2314(664)
800/400mg/m2 Q2W
72.8(36.8)
2579(726)
定常状態42日間
454(82)
102(48)
3410(1158)
346(69)
111(50)
3419(1161)
a)42日間の血清中濃度下面積を2で除したもの
本剤の有効性及び安全性に対する曝露-反応解析の結果、本剤を初回は800mg/m2(体表面積)を、2回目以降は600mg/m2(体表面積)を3週間間隔又は400mg/m2(体表面積)を2週間間隔で静脈内投与した際の有効性及び安全性に明確な差異はないと予測された4)。
注)本剤の承認された用法及び用量は「他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはゾルベツキシマブ(遺伝子組換え)として、初回は800mg/m2(体表面積)を、2回目以降は600mg/m2(体表面積)を3週間間隔又は400mg/m2(体表面積)を2週間間隔で2時間以上かけて点滴静注する。」である。
化学療法歴のないCLDN18.2陽性注1)かつHER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌(食道胃接合部腺癌を含む)患者565例(日本人65例を含む)を対象に、FOLFOX注2)併用下で本剤注3)とプラセボの有効性及び安全性を比較することを目的とした無作為化二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である独立評価委員会判定による無増悪生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤群で10.6[8.90~12.5]カ月、プラセボ群で8.67[8.21~10.3]カ月であり、本剤群はプラセボ群に対し統計的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.751[0.598~0.942]、p=0.0066、層別ログランク検定(片側))。また、主要評価項目に続き、階層的な検定手順により仮説検定が実施された副次評価項目である全生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤群で18.2[16.4~22.9]カ月、プラセボ群で15.5[13.5~16.5]カ月であり、本剤群はプラセボ群に対し統計的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.750[0.601~0.936]、p=0.0053、層別ログランク検定(片側))。本剤群279例(日本人31例を含む)において、副作用が255例(91.4%)に認められた。主な副作用は、悪心192例(68.8%)、嘔吐161例(57.7%)、食欲減退68例(24.4%)、好中球減少症54例(19.4%)、下痢51例(18.3%)、疲労49例(17.6%)、好中球数減少43例(15.4%)であった5)。,
化学療法歴のないCLDN18.2陽性注1)かつHER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌(食道胃接合部腺癌を含む)患者507例(日本人51例を含む)を対象に、CAPOX注4)併用下で本剤注3)とプラセボの有効性及び安全性を比較することを目的とした無作為化二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である独立評価委員会判定による無増悪生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤群で8.21[7.46~8.84]カ月、プラセボ群で6.80[6.14~8.08]カ月であり、本剤群はプラセボ群に対し統計的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.687[0.544~0.866]、p=0.0007、層別ログランク検定(片側))。また、主要評価項目に続き、階層的な検定手順により仮説検定が実施された副次評価項目である全生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤群で14.4[12.3~16.5]カ月、プラセボ群で12.2[10.3~13.7]カ月であり、本剤群はプラセボ群に対し統計的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.771[0.615~0.965]、p=0.0118、層別ログランク検定(片側))。本剤群254例(日本人24例を含む)において、副作用が231例(90.9%)に認められた。主な副作用は、悪心154例(60.6%)、嘔吐154例(60.6%)、食欲減退73例(28.7%)、好中球数減少41例(16.1%)、下痢40例(15.7%)、貧血40例(15.7%)であった6)。,
注1)75%以上の腫瘍細胞において、細胞膜がCLDN18の免疫組織化学染色で中程度~強度の染色を示す。
注2)2週間を1サイクルとして、第1日目にオキサリプラチン85mg/m2及びホリナート400mg/m2又はレボホリナート200mg/m2を静脈内投与し、フルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与後、フルオロウラシル2400mg/m2を持続静脈内投与した(オキサリプラチンは最大12サイクル投与)。本剤との併用投与時は、本剤の投与終了後に化学療法の投与を開始した。
注3)初回は本剤800mg/m2(体表面積)を、2回目以降は本剤600mg/m2(体表面積)を3週間間隔で点滴静注した。
注4)3週間を1サイクルとして、第1日目にオキサリプラチン130mg/m2を静脈内投与し、第1~14日目にカペシタビン1000mg/m2を1日2回経口投与した(オキサリプラチンは最大8サイクル投与)。本剤との併用投与時は、本剤の投与終了後に化学療法の投与を開始した。
ゾルベツキシマブは、ヒトCLDN18.2に対する抗体であり、胃癌細胞等の細胞膜上に発現するCLDN18.2に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている7),8),9)。
ゾルベツキシマブは、ヒト胃癌由来NUGC-4細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した10)。
ゾルベツキシマブ(遺伝子組換え)(Zolbetuximab(Genetical Recombination))
ゾルベツキシマブは、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトクローディン-18アイソフォーム2モノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1の定常部からなる。ゾルベツキシマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ゾルベツキシマブは、448個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び220個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約150,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内報告書:マウス胚・胎児発生試験(2024年3月26日承認 CTD2.6.6.6.2)(DIR230042)
2) 社内報告書:CLDN18.2陽性の局所進行性切除不能又は転移性の胃癌患者・国内第1相試験(CL-0104試験)(2024年3月26日承認 CTD2.7.6.3)(DIR230043)
3) 社内報告書:局所進行性切除不能又は転移性の胃癌患者・母集団薬物動態解析(8951-PK-0005)(2024年3月26日承認 CTD5.3.3.5-1)(DIR230044)
4) 社内報告書:局所進行性切除不能又は転移性の胃癌患者・曝露反応解析(8951-PK-0006)(2024年3月26日承認 CTD5.3.4.2-2)(DIR230045)
5) 社内報告書:CLDN18.2陽性の局所進行性切除不能又は転移性の胃癌患者・国際共同第3相試験(SPOTLIGHT試験)(2024年3月26日承認 CTD2.7.6.5)(DIR230046)
6) 社内報告書:CLDN18.2陽性の局所進行性切除不能又は転移性の胃癌患者・国際共同第3相試験(GLOW試験)(2024年3月26日承認 CTD2.7.6.6)(DIR230047)
7) 社内報告書:ヒトCLDN18.2発現細胞・薬理作用(結合)(2024年3月26日承認 CTD2.6.2.2.1.1)(DIR230050)
8) 社内報告書:ヒト胃癌細胞・薬理作用(抗体依存性細胞傷害)(2024年3月26日承認 CTD2.6.2.2.1.5)(DIR230048)
9) 社内報告書:ヒト胃癌細胞・薬理作用(補体依存性細胞傷害)(2024年3月26日承認 CTD2.6.2.2.1.6)(DIR230049)
10) 社内報告書:ヒト胃癌細胞を移植した免疫不全マウス・薬理作用(2024年3月26日承認 CTD2.6.2.2.2.2)(DIR230054)
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