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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
アミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはラゼルチニブとして240mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量段階
1段階減量
2段階減量
3段階減量
投与量
160mg/日
80mg/日
中止
診断
処置
疑い
休薬する。
確定
投与を中止する。
状況
臨床的に不安定な事象が発現した場合(例:呼吸不全、心機能障害)
発現した事象が臨床的に安定するまで休薬する。
抗凝固薬による治療中に静脈血栓塞栓症が再発した場合
投与を中止する。ただし、医師の判断により、同じ用量で投与を継続することもできる。
重症度注1)
Grade 2
Grade 3
Grade 4
重度の水疱性又は剥脱性の皮膚障害
注1)GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じる、注2)本剤との因果関係が強く疑われない場合、アミバンタマブ(遺伝子組換え)を先に減量する、注3)本剤との因果関係が強く疑われない場合、本剤を再開した後にアミバンタマブ(遺伝子組換え)を減量して投与を再開する
間質性肺疾患が悪化又は再発するおそれがある。,,,
静脈血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。,,,
症状が悪化するおそれがある。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットでは、着床後胚損失率の増加、生存胎児数の減少及び胎児体重の減少が認められている。1),2),
授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
アミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用投与については、投与の可否を慎重に判断すること。本剤とアミバンタマブ(遺伝子組換え)を併用した臨床試験において、65歳未満の患者と比較して65歳以上の患者で死亡に至った有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合が高い傾向が認められている。
強いCYP3A阻害剤
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分に注意すること。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の血中濃度が増加する可能性がある。
グレープフルーツ含有食品
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。
強い又は中程度のCYP3Aの誘導剤
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。
CYP3Aの基質となる薬剤
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
本剤のCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
本剤のBCRP阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
肺臓炎(1.4%)、間質性肺疾患(1.2%)があらわれることがある。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,
肺塞栓症(6.2%、1.4%)注1)、深部静脈血栓症(4.5%、1.4%)注1)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。,,,
本剤とアミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用投与において、心筋梗塞(0.5%)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。
ALT、AST、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
発疹(17.1%)注2)、ざ瘡様皮膚炎(8.3%)注2)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
注1)発現頻度は、NSC3003試験におけるアミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用投与時、本剤単独投与時の順に記載した。なお、本剤の承認された用法・用量は、下記のとおりである。アミバンタマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはラゼルチニブとして240mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。注2)NCI-CTCAEのGrade 3以上の副作用頻度
10%以上
10%未満1%以上
1%未満
感染症及び寄生虫症
爪囲炎(65.1%)
代謝及び栄養障害
食欲減退
神経系障害
錯感覚(27.3%)
眼障害
角膜炎
胃腸障害
口内炎(39.4%)、下痢(22.6%)、悪心、便秘
嘔吐
皮膚及び皮下組織障害
発疹(68.4%)、ざ瘡様皮膚炎(31.4%)、皮膚乾燥(22.8%)、そう痒症(20.4%)
爪毒性、手掌・足底発赤知覚不全症候群、湿疹
乾皮症、蕁麻疹
筋骨格系及び結合組織障害
筋痙縮
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労、無力症
発熱
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人の化学療法歴のあるEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(5例)にラゼルチニブ240mgを1日1回反復経口投与したときの、初回投与後及び反復投与22日目の血漿中ラゼルチニブ濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。投与22日目におけるラゼルチニブのAUCに基づく累積率は3.05であった。3)
測定日(日)
例数
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
AUC24h(ng・h/mL)
1
5
451±260
2.07(1.98、7.98)
3,360±1,314
22
568±200
3.88(1.97、8.05)
9,293±950*
平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値、最大値)、*:4例
また、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者にラゼルチニブ20~320mg注)を1日1回反復経口投与したとき、ラゼルチニブのCmax及びAUCは概ね用量に比例して増加し、ラゼルチニブ投与後15日目までに定常状態に到達した。4)(外国人データ)
健康成人(24例)にラゼルチニブ240mgを単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する高脂肪食投与後におけるラゼルチニブのCmax及びAUClastの幾何平均値の比は、それぞれ0.934及び1.14であった。5)(外国人データ)
EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(4例)にラゼルチニブ240mgを単回経口投与注)したときのラゼルチニブのみかけの分布容積は4,264Lであった。(外国人データ)ヒトにおけるラゼルチニブの血漿蛋白結合率は99.2%であった(ex vivo)。6)
ラゼルチニブは主にグルタチオンS-トランスフェラーゼM1(GSTM1)を介したグルタチオン抱合により代謝され、CYP3A4を介しても代謝される(in vitro)。健康成人(8例)に14C標識したラゼルチニブ240mgを単回経口投与注)したとき、投与24時間後までの血漿中には主に未変化体及び薬理活性を示さないグルタチオン抱合体の異化代謝物(M12)が検出された(血漿中総放射能に対する割合は、①GSTM1非欠損型及び②GSTM1欠損型の患者でそれぞれ①41.0及び23.6%並びに②49.3及び19.6%)。7)(外国人データ)
健康成人(8例)に14C標識したラゼルチニブ240mgを単回経口投与注)したとき、投与696時間後までの糞中及び尿中に、投与量のそれぞれ86.2%(未変化体として5%以下)及び3.54%(未変化体として0.2%未満)が排泄された。8)(外国人データ)
ラゼルチニブ160mgを単回経口投与注)したとき、健康成人(8例)に対する中等度肝機能障害(Child-Pugh分類B)患者(8例)におけるCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.796及び1.03であった。9)(外国人データ)
健康成人(15例)にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、ラゼルチニブ160mgを単回経口投与注)したとき、ラゼルチニブ単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のラゼルチニブのCmax及びAUClastの幾何平均値の比はそれぞれ1.19及び1.46であった。10)(外国人データ)
健康成人(16例)にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回反復経口投与し、ラゼルチニブ240mgを単回経口投与注)したとき、ラゼルチニブ単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のラゼルチニブのCmax及びAUClastの幾何平均値の比はそれぞれ0.282及び0.162であった。10)(外国人データ)
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ラゼルチニブ(240mgを1日1回反復経口投与)単独投与時注)に対するエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回反復経口投与)併用投与時のラゼルチニブのCmax及びAUCtauの幾何平均値の比は、①GSTM1非欠損型及び②GSTM1欠損型の患者でそれぞれ①0.68及び0.56並びに②0.56及び0.41と推定された。11)
健康成人(19例)にラゼルチニブ160mgを1日1回反復経口投与注)し、ミダゾラム(CYP3A基質)2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対するラゼルチニブ併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUClastの幾何平均値の比はそれぞれ1.39及び1.47であった。12)(外国人データ)
健康成人(19例)にラゼルチニブ160mgを1日1回反復経口投与注)し、ロスバスタチン(BCRP基質)10mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対するラゼルチニブ併用投与時のロスバスタチンのCmax及びAUClastの幾何平均値の比はそれぞれ2.24及び2.02であった。12)(外国人データ)
健康成人(19例)にラゼルチニブ160mgを1日1回反復経口投与注)し、メトホルミン(OCT1基質)500mgを単回経口投与したとき、メトホルミン単独投与時に対するラゼルチニブ併用投与時のメトホルミンのCmax及びAUClastの幾何平均値の比はそれぞれ0.809及び0.943であった。12)(外国人データ)
ラゼルチニブはP-gpの基質である。また、ラゼルチニブはUGT1A1を阻害し、CYP1A2を誘導した(in vitro)。13)注)本剤の承認された用法・用量は、「ラゼルチニブとして240mgを1日1回経口投与」である。
化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性注1)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者1,074例(日本人78例含む)を対象に、本剤注2)とアミバンタマブ(遺伝子組換え)注3)との併用投与(Ami/Laz)と、オシメルチニブ(Osi)注4)投与を比較する無作為化比較試験を実施した。主要評価項目である盲検下独立中央判定による無増悪生存期間[中央値(95%信頼区間)]は、Ami/Laz群で23.72カ月(19.12~27.66カ月)及びOsi群で16.59カ月(14.78~18.46カ月)であった[ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.58~0.85、p=0.0002(層別ログランク検定)、2023年8月11日カットオフ]。14)
注1)EGFR遺伝子活性型変異であるエクソン19の欠失(Ex19del)変異又はエクソン21の変異(L858R)が腫瘍組織検体で確認された患者が組み入れられた。注2)240mgを1日1回経口投与した。注3)4週間を1サイクルとし、体重別に以下の用法及び用量で点滴静注した。体重80kg未満の場合:1サイクル目の1日目に350mg、2日目に700mg、8日目、15日目、22日目、2サイクル目以降の1日目、15日目に1,050mg体重80kg以上の場合:1サイクル目の1日目に350mg、2日目に1,050mg、8日目、15日目、22日目、2サイクル目以降の1日目、15日目に1,400mg注4)80mgを1日1回経口投与した。Ami/Laz群421例(日本人29例含む)中408例(96.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹288例(68.4%)、爪囲炎274例(65.1%)、口内炎166例(39.4%)、ざ瘡様皮膚炎132例(31.4%)、ALT増加120例(28.5%)であった。
本剤は、活性型変異(Ex19del及びL858R)を有するEGFRチロシンキナーゼ並びに活性型変異及びT790M変異を有するEGFRチロシンキナーゼに対して阻害作用を示すことにより、EGFR遺伝子変異を有する腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。15)
本剤は、EGFR活性型変異(Ex19del)を有する非小細胞肺癌(NSCLC)由来PC9細胞株、並びにEGFR活性型変異(L858R)及びT790M変異を有するNSCLC由来H1975細胞株の増殖を抑制した。16)
本剤は、PC9細胞株又はH1975細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。17),18)本剤は、H1975細胞株を脳内に移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。19) H1975細胞株又は肝細胞増殖因子(HGF)を過剰発現させたH1975細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、本剤とアミバンタマブの併用投与はそれぞれの単独投与よりも高い腫瘍増殖抑制作用を示した。20)
ラゼルチニブメシル酸塩水和物(Lazertinib Mesilate Hydrate)
N-{5-[(4-{4-[(Dimethylamino)methyl]-3-phenyl-1H-pyrazol-1-yl}pyrimidin-2-yl)amino]-4-methoxy-2-(morpholin-4-yl)phenyl}prop-2-enamide monomethanesulfonate monohydrate
C30H34N8O3・CH4O3S・H2O
668.76
白色~淡黄褐色の粉末
約218℃
Log P:>4.00(1-オクタノール/水性緩衝液pH 10.0)
水 4.5g/100mLエタノール 0.70g/100mL
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
14錠[7錠(PTP)×2]
1) 社内資料:ラゼルチニブのラット受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.6.6.1.1)
2) 社内資料:ラゼルチニブのラット胚・胎児発生に関する試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.6.6.2.1)
3) 社内資料:73841937NSC1001試験(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.2.1.3(2)1))
4) 社内資料:YH25448-201(73841937NSC2001)試験(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.2.1.2(1))
5) 社内資料:YH25448-101試験(2025年3月27日承認、CTD2.7.1.2.4.1)
6) 社内資料:分布(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.3.1.2(2))
7) 社内資料:代謝(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.3.1.2(3))
8) 社内資料:排泄(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.3.1.2(4))
9) 社内資料:73841937NSC1007試験(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.2.2.1(1))
10) 社内資料:併用薬がラゼルチニブの薬物動態に及ぼす影響(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.3.5.1)
11) 社内資料:生理学的薬物速度論モデルシミュレーション(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.2.5)
12) 社内資料:ラゼルチニブが併用薬の薬物動態に及ぼす影響(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.3.5.2)
13) 社内資料:ヒト生体試料を用いて実施した試験(2025年3月27日承認、CTD2.7.2.1.1)
14) 社内資料:アミバンタマブ/ラゼルチニブ併用療法の非小細胞肺癌患者に対する臨床成績(73841937NSC3003試験)(2025年3月27日承認、CTD2.7.6.10)
15) 社内資料:ラゼルチニブの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.2.2.1)
16) 社内資料:ラゼルチニブの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.2.2.1.4)
17) 社内資料:ラゼルチニブの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.2.2.2.1)
18) 社内資料:ラゼルチニブの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.2.2.2.3)
19) 社内資料:ラゼルチニブの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.2.2.2.5)
20) 社内資料:ラゼルチニブの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2025年3月27日承認、CTD2.6.2.2.2.6)
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本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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