当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)
通常、成人にはテクリスタマブ(遺伝子組換え)として、漸増期は、1日目に0.06mg/kg、その後は2~4日の間隔で0.3mg/kg、1.5mg/kgの順に皮下投与する。その後の継続投与期は、1.5mg/kgを1週間間隔で皮下投与する。なお、継続投与期において、部分奏効以上の奏効が24週間以上持続している場合には、投与間隔を2週間間隔とすることができる。
副作用
重症度注)
処置
サイトカイン放出症候群
Grade 1又は2
回復するまで本剤を休薬する。
Grade 3(初発)
回復するまで本剤を休薬する。48時間以上持続する場合は本剤の投与を中止する。
Grade 3(再発)又はGrade 4
本剤の投与を中止する。
免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群
Grade 1、2又は3(初発)
血液学的毒性
好中球数が500/μL未満
好中球数が500/μL以上になるまで本剤を休薬する。
発熱性好中球減少症
好中球数が1,000/μL以上になり、解熱するまで本剤を休薬する。
ヘモグロビンが8g/dL未満
ヘモグロビンが8g/dL以上になるまで本剤を休薬する。
血小板数が25,000/μL未満血小板数が25,000/μL以上50,000/μL以下、かつ出血を伴う
血小板数が25,000/μL以上になり、出血が治まるまで、本剤を休薬する。
感染症
漸増期
全Grade
活動性感染症の場合、回復するまで本剤を休薬する。
継続投与期
Grade 3又は4
Grade 1以下に改善するまで本剤を休薬する。
その他の非血液学的毒性
Grade 2以下に改善するまで本剤を休薬する。
注)サイトカイン放出症候群及び免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群のGradeはASTCT2019に準じ、感染症及びその他の非血液学的毒性のGradeはNCI-CTCAE Version 5.0に準じる。
休薬直前の用量
休薬期間
再開時の用量
漸増用量1(0.06mg/kg)
1週間(7日)以内の休薬
漸増用量2(0.3mg/kg)で投与する注)。
1週間(7日)を超える休薬
漸増用量1(0.06mg/kg)で投与する注)。
漸増用量2(0.3mg/kg)
治療用量(1.5mg/kg)で投与する注)。
1週間(7日)を超え、4週間(28日)以内の休薬
4週間(28日)を超える休薬
治療用量(1.5mg/kg)
9週間(63日)未満の休薬
治療用量(1.5mg/kg)で投与する。
9週間(63日)以上、16週間(112日)未満の休薬
16週間(112日)以上の休薬
注)本剤投与開始1~3時間前に前投与(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤)を行うこと。
血球減少により感染症が悪化するおそれがある。,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、本剤の作用機序から、本剤の妊娠中の曝露により、B細胞リンパ球減少症、サイトカイン放出に関連する二次的な炎症作用等、妊婦又は胚・胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
治療域の狭いCYP基質ワルファリン、シクロスポリン、タクロリムス等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の投与開始から2回目の治療用量投与前まで、並びにサイトカイン放出症候群発現時及び発現後一定期間は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤の投与によりサイトカインが放出され、CYPが抑制されることにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
生ワクチン又は弱毒生ワクチン
接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。
本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。
異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理ガイダンス等に従い、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤、トシリズマブ(遺伝子組換え)の投与等の適切な処置を行うこと。,,
頭痛(8.4%)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(4.2%)、脳症(1.6%)、末梢性ニューロパチー(1.6%)、錯乱状態(0.5%)、浮動性めまい(0.5%)、痙攣発作(0.5%)、意識レベルの低下(頻度不明)等の神経学的事象があらわれることがある。異常が認められた場合には、製造販売業者が提供する免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群管理ガイダンス等に従い、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,
上気道感染(22.0%)、肺炎(14.7%)、敗血症(4.2%)、尿路感染(3.1%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(2.6%)、蜂巣炎(0.5%)等の感染症があらわれることがある。また、サイトメガロウイルス感染等が再活性化することがある。,
死亡に至った症例も報告されているので、本剤の投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
好中球減少症(66.0%)、リンパ球減少症(31.9%)、貧血(29.8%)、血小板減少症(27.2%)、白血球減少症(9.9%)、発熱性好中球減少症(4.7%)等があらわれることがある。
異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
異常が認められた場合には適切な処置(免疫グロブリン補充療法を定期的に行う等)を行うとともに、感染症の兆候等に対する観察を十分に行うこと。
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。
10%以上
5%以上10%未満
5%未満
頻度不明
代謝および栄養障害
低リン血症、食欲減退、低マグネシウム血症、低カリウム血症、低アルブミン血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症、高アミラーゼ血症
高カルシウム血症、高カリウム血症、低血糖
血管障害
高血圧、出血、低血圧
呼吸器、胸郭および縦隔障害
咳嗽
呼吸困難、低酸素症
胃腸障害
下痢
悪心、嘔吐
腹痛、便秘
皮膚および皮下組織障害
発疹、そう痒症
筋骨格系および結合組織障害
筋骨格痛
筋痙縮
一般・全身障害および投与部位の状態
注射部位反応(37.2%)、疲労、発熱
疼痛
浮腫
臨床検査
トランスアミナーゼ上昇
血中ALP増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、リパーゼ増加、血中クレアチニン増加
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。1),2)
国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(MMY1002試験)の第Ⅰ相パートで、日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者5例にテクリスタマブを漸増用量である0.06及び0.3mg/kgを皮下投与後、治療用量である1.5mg/kgを初回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。なお、漸増用量投与から初回の治療用量投与時までの各投与の投与間隔は2~4日間とされ、本剤投与開始後4~8日目に初回の治療用量を投与することとされた。2)
例数
5
Tmax(hours)
142.50(69.55-191.63)
Cmax(μg/mL)
6.96(3.13)
AUCtau(μg・h/mL)
907(524)
平均値(標準偏差)、Tmaxは中央値(範囲)
母集団薬物動態解析により、テクリスタマブを皮下投与したときの平均バイオアベイラビリティは72%と推定された。3)
母集団薬物動態解析により、テクリスタマブの総分布容積の平均値(CV%)は5.63L(29%)と推定された。3)
母集団薬物動態解析により、定常状態のクリアランスの幾何平均値(CV%)は0.472L/日(64%)と推定された。3)
免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3レジメンによる治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象にテクリスタマブ単剤療法の有効性及び安全性を非盲検、非対照試験で評価した。本試験では、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とした治療による治療歴のない患者をコホートA(110例)、BCMAを標的とした抗体薬物複合体又はキメラ抗原受容体T細胞療法による治療歴のある患者をコホートC(40例)にそれぞれ組み入れた。用法・用量は、本剤0.06及び0.3mg/kg(漸増用量)をステップアップ投与後に、1サイクルを28日間とし注1)、1.5mg/kg(治療用量)が1週間に1回皮下投与され、疾患進行又は投与中止基準に該当しない限り、投与が継続された。また、奏効が認められた患者において投与間隔を2週間に1回及び4週間に1回へ変更可能とされた注2)。なお、漸増用量投与から初回の治療用量投与時までの各投与の投与間隔は2~4日間とされ、本剤投与開始後4~8日目に初回の治療用量を投与することとされた。有効性解析対象集団において、主要評価項目とされた独立評価委員会判定に基づく奏効率注3)(95%信頼区間)はコホートAで60.9%(51.1%、70.1%)(67/110例)、コホートCで52.5%(36.1%、68.5%)(21/40例)であった(コホートA:2021年9月7日クリニカルカットオフ、コホートC:2023年8月22日クリニカルカットオフ)。4),5)本剤が投与された安全性解析対象集団165例中155例(93.9%)に副作用が認められた。主な副作用はサイトカイン放出症候群117例(70.9%)、好中球減少症109例(66.1%)、注射部位反応62例(37.6%)、リンパ球減少症55例(33.3%)、貧血51例(30.9%)及び血小板減少症50例(30.3%)等であった(2023年8月22日クリニカルカットオフ)。,注1)治療用量(1.5mg/kg)の投与開始日が第1サイクル1日目と設定された。注2)6カ月以上の完全奏効(CR)又は厳格な完全奏効(sCR)が認められた患者において2週間に1回投与に変更可能とされ、その後第12サイクル又はそれ以降にCR以上の奏効が確認され、かつ6カ月以上2週間に1回投与を継続しており、治験依頼者の承認を得た患者において4週間に1回投与に変更可能とされた。注3)奏効率は、国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定基準に基づき、独立効果判定委員会によって評価された最良総合効果が部分奏効以上である患者の割合とした。
免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3レジメンによる治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)を対象にテクリスタマブ単剤療法の有効性及び安全性を非盲検、非対照試験で評価した。用法・用量は、本剤0.06及び0.3mg/kg(漸増用量)をステップアップ投与後に、1サイクルを28日間とし注2)、1.5mg/kg(治療用量)が1週間に1回皮下投与された。また、本剤1.5mg/kg(治療用量)の1週間に1回投与を実施し、部分奏効(PR)以上の奏効が6カ月以上持続している場合、投与間隔を2週間に1回へ変更可能とされた。なお、漸増用量投与から初回の治療用量投与時までの各投与の投与間隔は2~4日間とされ、本剤投与開始後4~8日目に初回の治療用量を投与することとされた。有効性解析対象集団において、主要評価項目とされたコンピュータ・アルゴリズム判定に基づく奏効率注3)(95%信頼区間)は76.9%(56.4%、91.0%)(20/26例)であった。(2023年9月22日クリニカルカットオフ)。6)本剤が投与された安全性解析対象集団26例中25例(96.2%)に副作用が認められた。主な副作用はサイトカイン放出症候群21例(80.8%)、好中球減少症17例(65.4%)、低γグロブリン血症14例(53.8%)、注射部位反応9例(34.6%)等であった(2023年9月22日クリニカルカットオフ)。,注1)BCMAを標的とした治療による治療歴のある患者は除外された。注2)治療用量(1.5mg/kg)の投与開始日が第1サイクル1日目と設定された。注3)奏効率は、国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定基準に基づくコンピュータ・アルゴリズムによって評価された最良総合効果が部分奏効以上である患者の割合とした。
テクリスタマブは、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3に対するヒト化免疫グロブリン(Ig)G4二重特異性モノクローナル抗体である。テクリスタマブは、T細胞の細胞膜上に発現するCD3と多発性骨髄腫(MM)細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、BCMAを発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられる。7)
テクリスタマブは、ヒトT細胞の存在下において、BCMAを発現するMM患者由来初代培養細胞及びヒトMM由来細胞株(NCI-H929、MM.1R及びRPMI8226)に対して細胞傷害作用を示した(in vitro)。7)テクリスタマブは、インターロイキン2受容体γ鎖が完全欠損した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスに、①ヒト末梢血単核球を静脈内移植し、ヒトMM由来NCI-H929細胞株を皮下移植した、又は②ヒトT細胞を腹腔内移植し、ヒトMM由来RPMI8226細胞株を皮下移植した際に、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。8)
テクリスタマブ(遺伝子組換え)[Teclistamab(Genetical Recombination)]
約146,000
テクリスタマブは、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3ε鎖に対する遺伝子組換え二重特異性モノクローナル抗体であり、抗BCMA-H鎖及び抗CD3ε-H鎖はいずれもヒトIgG4に由来する。抗BCMA-H鎖の3つのアミノ酸残基が置換(S229P、F235A、L236A)され、抗CD3ε-H鎖の5つのアミノ酸残基が置換(S233P、F239A、L240A、F410L、R414K)されている。テクリスタマブは、CHO細胞により産生される。テクリスタマブは、448個のアミノ酸残基からなる抗BCMA-H鎖(γ4鎖)1本、214個のアミノ酸残基からなる抗BCMA-L鎖(λ鎖)1本、452個のアミノ酸残基からなる抗CD3ε-H鎖(γ4鎖)1本及び215個のアミノ酸残基からなる抗CD3ε-L鎖(λ鎖)1本で構成される糖タンパク質(分子量:約146,000)である。
3mL[1バイアル]
1.7mL[1バイアル]
1) 社内資料:テクリスタマブの多発性骨髄腫患者に対する臨床試験(MMY1001試験コホートA主解析)(2024年12月27日承認、CTD2.7.2.2.1、CTD2.7.2.2.2、CTD2.7.2.2.3)
2) 社内資料:テクリスタマブの多発性骨髄腫患者に対する臨床試験(MMY1002試験)(2024年12月27日承認、CTD2.7.2.2.4)
3) 社内資料:MMY1001試験の母集団薬物動態解析(2024年12月27日承認、CTD2.7.2.3.2.1)
4) 社内資料:テクリスタマブの多発性骨髄腫患者に対する臨床試験(MMY1001試験コホートA主解析)(2024年12月27日承認、CTD2.7.3.3.2)
5) 社内資料:テクリスタマブの多発性骨髄腫患者に対する臨床試験(MMY1001試験コホートC長期フォローアップ)(2024年12月27日承認、CTD2.7.6.1.4)
6) 社内資料:テクリスタマブの多発性骨髄腫患者に対する臨床試験(MMY1002試験)(2024年12月27日承認、CTD2.7.6.2)
7) 社内資料:テクリスタマブのin vitro薬理試験(2024年12月27日承認、CTD2.6.2.2.1)
8) 社内資料:テクリスタマブのin vivo薬理試験(2024年12月27日承認、CTD2.6.2.2.2)
ヤンセンファーマ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
フリーダイヤル 0120-183-275https://www.janssenpro.jp
ヤンセンファーマ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.