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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、膀胱癌の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌
通常、成人には本剤1ユニット(ゲムシタビンとして225mg)の3週間の膀胱内留置を、最初の6カ月間は3週間間隔で最大8回まで、その後の18カ月間は12週間間隔で最大6回まで行う。
副作用
程度注)
処置
血尿、尿閉、尿路感染、無菌性膀胱炎
Grade 2以上
Grade 1以下に回復するまで投与を中断する。
上記以外の副作用
Grade 4
投与を中止する。
注)GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じる。
膀胱粘膜の外傷が治癒するまで本剤の投与延期を検討すること。ゲムシタビンの全身曝露のリスクが増大するおそれがある。
本剤の投与延期を検討すること。尿路感染が悪化するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を膀胱内留置したときのゲムシタビンの全身曝露はごくわずかだが、ゲムシタビンを静脈内投与した動物(マウス、ウサギ)において催奇形性及び胎児致死作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ゲムシタビンを静脈内投与した動物(ラット)において乳汁中への移行が認められているが、本剤を膀胱内留置したときのゲムシタビンの全身曝露はごくわずかであり、ヒト乳汁中への移行については不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
尿路感染があらわれ、敗血症に至ることがある。,
10%以上
10%未満
感染症及び寄生虫症
膀胱炎
腎及び尿路障害
頻尿(43.5%)、排尿困難(40.0%)、尿意切迫(24.7%)、血尿、尿路痛
膀胱痛、膀胱痙縮、非感染性膀胱炎
ゲムシタビンは、変異原性試験のうち、マウスリンフォーマ細胞を用いたin vitro遺伝子突然変異試験及びマウスを用いた小核試験において、いずれも陽性の結果が報告されている。,
日本人膀胱癌患者(4例)に本剤を24週までは3週間間隔で、その後99週までは12週間間隔で3週間膀胱内留置した後のゲムシタビンの血漿中濃度は、定量限界未満であった(0.1µg/mL未満)。1)
ゲムシタビンはシチジンデアミナーゼにより不活性代謝物2’,2’-ジフルオロ2’-デオキシウリジン(dFdU)に代謝される。
日本人膀胱癌患者(4例)に本剤を膀胱内留置した後、ゲムシタビンは持続的に尿中に放出され、留置後3日目にゲムシタビン及びdFdUとして尿中に回収された最大平均量は38.2mgであった。留置後1週間以内に、投与量の約72%がゲムシタビン及びdFdUとして尿中に回収された。また、最高尿中ゲムシタビン濃度の平均値は20.1µg/mLであった。2)ミニブタに本剤を膀胱内留置したとき、本剤に含有されるゲムシタビンのうち留置7日目までに約84%、留置21日目までに約95%が尿中に放出された。
母集団薬物動態解析の結果、軽度~中等度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30~90mL/min)を有する患者に本剤を膀胱内留置したとき、薬物動態に臨床的に意味のある影響はなかった。重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)及び透析患者における薬物動態については検討していない。
膀胱全摘除術の適応がない又は膀胱全摘除術が選択されなかったBCG不応性注1)の上皮内癌(CIS)を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)患者85例(うち日本人2例)を対象に、本剤の有効性及び安全性を評価する非盲検非対照試験を実施した。3)本剤1ユニットの3週間の膀胱内留置を、最初の6カ月間は3週間間隔で、その後の18カ月間は12週間間隔で行うこととした。主要評価項目である完全奏効率注2)[95%信頼区間]は82%[73, 90]であった(カットオフ日:2025年3月31日)。注1)導入療法としてのBCG膀胱内注入療法を6回のうち5回以上行った後、維持療法としてのBCG膀胱内注入療法を3回のうち2回以上又は再導入療法としてのBCG膀胱内注入療法を6回のうち2回以上を行ったものの、BCGの最終膀胱内注入後12カ月以内に高リスクNMIBC(CIS単独、T1又はTaかつ高グレードのNMIBC)の残存又は再発が確認された場合注2)尿細胞診検査による評価並びに生検及び摘出組織切片による評価は中央判定とされ、膀胱鏡検査による評価及び画像評価は治験担当医師判定とされた。85例中71例(83.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、頻尿37例(43.5%)、排尿困難34例(40.0%)、尿意切迫21例(24.7%)、尿路感染18例(21.2%)、血尿14例(16.5%)及び尿路痛9例(10.6%)であった。
本剤は、ゲムシタビン(dFdC)を膀胱内の尿中に持続的に放出する製剤である。dFdCは細胞内で代謝されて活性型のヌクレオチドである二リン酸化物(dFdCDP)及び三リン酸化物(dFdCTP)となり、これらがDNA合成を直接的及び間接的に阻害することにより殺細胞作用を示す。4),5)直接的には、dFdCTPがデオキシシチジン三リン酸(dCTP)と競合しながらDNAポリメラーゼによりDNA鎖に取り込まれた後、細胞死(アポトーシス)を誘発する。5),6)また、dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼを阻害することにより、細胞内のdCTP濃度を低下させるため、間接的にDNA合成阻害が増強される。7)
ゲムシタビンの膀胱内持続投与は、ヒト膀胱移行上皮癌由来T24細胞株を膀胱壁に同所性移植したヌードラット等に対して、腫瘍増殖抑制作用を示した。8),9)
ゲムシタビン塩酸塩(Gemcitabine Hydrochloride)
2'-Deoxy-2',2'-difluorocytidine monohydrochloride
C9H11F2N3O4・HCl
299.66
白色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1ユニット(乾燥剤入り)[膀胱内挿入用カテーテル1個添付]
1) 社内資料:患者における薬物動態(BLC2001試験)(2026年8月24日承認、CTD2.7.2.2.1.3)
2) 社内資料:日本人の薬物動態及び外国人薬物動態との比較(2026年8月24日承認、CTD2.7.2.3.3)
3) 社内資料:TAR-200の筋層非浸潤性膀胱癌患者に対する臨床成績(17000139BLC2001試験)(2026年8月24日承認、CTD2.7.6.5)
4) Heinemann V, et al.:Cancer Research. 1988;48(14):4024-4031
5) Huang P, et al.:Cancer Research. 1991;51(22):6110-6117
6) Huang P, et al.:Seminars in Oncology. 1995;22(4 Suppl 11):19-25
7) Heinemann V, et al.:Molecular Pharmacology. 1990;38(4):567-572
8) 社内資料:ゲムシタビンの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2026年8月24日承認、CTD2.6.2.2.3.2(1))
9) 社内資料:ゲムシタビンの効力を裏付ける試験に関する非臨床試験成績(2026年8月24日承認、CTD2.6.2.2.3.2(2))
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