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劇薬
処方箋医薬品注)
B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。
HIV-1感染症
通常、成人及び12歳以上かつ体重35kg以上の小児には、1回1錠(リルピビリンとして25mg、テノホビル アラフェナミドとして25mg及びエムトリシタビンとして200mgを含有)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。
低カリウム血症、著しい徐脈、急性心筋虚血、うっ血性心不全、先天性QT延長症候群等の患者では、QT延長により不整脈が発現するおそれがある。リルピビリン75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。,
クレアチニンクリアランス及び血清リンの検査を実施すること。
定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。リルピビリン製剤の海外臨床第Ⅲ相試験において、これらの患者では、肝臓関連有害事象(臨床検査値異常を含む)の発現頻度が非重複感染患者より高かった[重複感染患者33.3%(18/54例)、非重複感染患者4.9%(31/632例)]。
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤の非臨床試験及び臨床試験において、骨密度の低下と骨代謝の生化学マーカーの上昇が認められ、骨代謝の亢進が示唆された。また、抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染患者に対し、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤が投与された臨床試験において、骨密度が低下した症例が認められた。
エムトリシタビンの血中濃度が上昇する。
授乳を避けさせること。なお、HIV感染女性患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい。テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されている1)が、テノホビル アラフェナミドのヒト乳汁への移行は不明である。また、リルピビリンは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているが、ヒト乳汁への移行は不明である。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満又は体重35kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に肝、腎及び心機能が低下していることが多い。
リファンピシン2)
リファブチン3)
,
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。これらの薬剤のP糖蛋白誘導作用により、テノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するおそれがある。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
**フェニトイン
**フェニトイン・フェノバルビタール
ホスフェニトイン
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
デキサメタゾン(全身投与)(単回投与を除く)
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。
プロトンポンプ阻害剤
胃内のpH上昇により、リルピビリンの吸収が低下する。
H2遮断剤
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤は、本剤投与の12時間以上前又は4時間以上後に投与すること。
制酸剤
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤は、本剤投与の2時間以上前又は4時間以上後に投与すること。
クラリスロマイシンエリスロマイシン
リルピビリンの血中濃度が上昇する可能性がある。代替としてアジスロマイシン等を考慮すること。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
メサドン6)
メサドンの血中濃度が低下することがある。
機序不明
アシクロビルバラシクロビルガンシクロビルバルガンシクロビル等
これらの薬剤、テノホビル又はエムトリシタビンの血中濃度が上昇し、有害事象を増強するおそれがある。
尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合、排泄経路の競合により排泄が遅延する。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長、心室性頻拍(Torsade de Pointesを含む)が発現するおそれがある。
リルピビリン75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。
腎毒性を有する薬剤,
これらの薬剤との併用は避けることが望ましい。
これらの薬剤との併用により血漿中濃度が上昇するおそれがある。
急性腎障害、腎不全、腎尿細管壊死、ファンコニー症候群、近位尿細管腎症、間質性腎炎(急性を含む)、腎性尿崩症等の重度の腎機能障害があらわれることがある。臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。テノホビル又はエムトリシタビンを含む核酸系逆転写酵素阻害剤の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されている。
0.5%以上
0.5%未満
頻度不明
免疫系障害
免疫再構築症候群
代謝及び栄養障害
食欲減退
体重増加、体脂肪の再分布/蓄積
精神障害
不眠症、異常な夢
うつ病、睡眠障害
抑うつ気分
神経系障害
頭痛
浮動性めまい、傾眠
胃腸障害
下痢、鼓腸、悪心
腹痛、嘔吐、腹部不快感、消化不良
肝胆道系障害
トランスアミナーゼ上昇
皮膚及び皮下組織障害
発疹
血管性浮腫、蕁麻疹
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労
エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される。
健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの各成分の薬物動態パラメータを表1に示す。7)
8例
薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)
AUC∞(ng・h/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
リルピビリン
153(28.4)
3880(22.4)
3.50[2.00, 6.00]
30.3[16.7, 60.2]
テノホビル アラフェナミド
222(48.0)
204(48.3)
1.50[0.75, 3.00]
0.330[0.288, 0.438]
エムトリシタビン
2960(20.6)
12000(15.4)
2.00[0.75, 3.50]
10.6[6.18, 26.7]
平均値(CV%),tmax,t1/2:中央値[範囲]
外国人健康成人に本剤を標準食(600kcal、脂質27%)とともに単回経口投与したときの各成分の薬物動態パラメータを表2に示す。
95例
121.4(26.1)
3843.1(36.2)
4.00(4.00, 5.00)
51.65(36.83, 66.88)
198.0(57.7)
263.6(42.0)
1.50(1.00, 2.00)
0.42(0.39, 0.49)
1608.6(26.5)
9603.2(21.6)
2.00(1.50, 3.00)
18.71(15.05, 25.27)
平均値(CV%),tmax,t1/2:中央値(四分位値)
抗HIV薬による治療経験のないHIV-1感染患者に、リルピビリン製剤25mgを1日1回反復経口投与した第Ⅲ相試験の成績を用いた母集団薬物動態解析より得た血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ(推定値)を表3に示す。HIV-1感染患者における血漿中リルピビリンの曝露量は健康成人より低値であった。(外国人データ)
679例
AUC24(ng・h/mL)
平均値(標準偏差)中央値[範囲]
2235(851)2096[198~7307]
C0(ng/mL)
78(35)73[2~288]
12歳以上18歳未満の小児HIV-1感染患者にリルピビリン25mgを1日1回反復投与したときの、リルピビリンの薬物動態パラメータを表4に示す。(外国人データ)
23例
平均値(標準偏差)
1872(717)
80.8(40.4)
12歳から82歳のHIV-1感染患者を対象としたエルビテグラビル・コビシスタット・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(150・150・11.2・200mg)の第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験から得られたテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ(母集団薬物動態解析による推定値)を表5に、エムトリシタビンの薬物動態パラメータを表6に示す。(外国人データ)
成人(18歳以上)HIV-1感染患者(539例)
小児(12歳以上18歳未満)HIV-1感染患者(23例)
AUClast(ng・h/mL)
206.4(71.8)
242.8(57.8)
162.2(51.1)
121.7(46.2)
母集団平均(CV%)
成人(18歳以上)HIV-1感染患者(19例)
小児(12歳以上18歳未満)HIV-1感染患者(24例)
11714.1(16.6)
14424.4(23.9)
2056.3(20.2)
2265.0(22.5)
平均値(CV%)
外国人健康成人に本剤を標準食(600kcal、脂質27%)又は高脂肪食(800-1000kcal、脂質50%)とともに単回経口投与したときの各成分の血漿中曝露量を、空腹時に単回経口投与したときの曝露量と比較した結果を表7に示す。(外国人データ)
30例
薬物動態パラメータの比(%)(90%信頼区間)
標準食時/空腹時
高脂肪食時/空腹時
Cmax
AUCinf
139(124-156)
112(103-123)
207(179-239)
172(149-199)
77(66-92)
145注)(133-158)
69(57-84)
153注)(139-169)
76(70-82)
91(89-93)
74(70-80)
88(85-90)
注)AUClast
リルピビリンの血漿蛋白結合率は約99.7%であり、主にアルブミンに結合した(in vitro、平衡透析法)。8)
テノホビルのヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は、0.01~25μg/mLの範囲で0.7%未満であった。テノホビル アラフェナミドのヒト血漿蛋白結合率(ex vivo)は、約80%であった。
エムトリシタビンのヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は、0.02~200μg/mLの範囲で4%未満であった。
In vitro試験で、リルピビリンは主にCYP3Aにより代謝された。9)
経口投与後、末梢血単核球及びマクロファージのカテプシンA及び肝細胞のカルボキシルエステラーゼ1によりテノホビルに代謝され、その後、テノホビル二リン酸に代謝された。CYP分子種発現系酵素を用いた検討において、テノホビル アラフェナミドはCYP3Aでわずかに代謝された。
エムトリシタビンは主に尿中に排泄され、代謝の影響をほとんど受けない。
健康成人に14C-リルピビリン(液剤)150mgを単回経口投与したとき、投与した総放射能の85%(平均値)が糞中、6.1%(平均値)が尿中から回収された。糞中及び尿中の未変化体の排泄率は、それぞれ投与量の25%(平均値)及び1%未満であった。10)(外国人データ)
健康成人に14C-テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を単回投与したところ、投与量の47.2%が糞中に、36.2%が尿中に排泄された。その主成分はテノホビルであり、糞中の99%、尿中の86%を占めた。また、投与量の1.4%がテノホビル アラフェナミドとして尿中に排泄された。テノホビルは腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により排泄された。(外国人データ)
健康成人に14C-エムトリシタビンを投与したとき、投与した量の約86%は尿中から回収され、13%は代謝物として回収された。エムトリシタビンの代謝物は、3’-スルホキシドジアステレオマーとグルクロン酸抱合体である。エムトリシタビンは、糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により腎排泄されることが示唆されている。(外国人データ)
軽度肝機能障害患者(Child-PughスコアA、8例)にリルピビリン25mgを1日1回反復投与したときのリルピビリンのCmax及びAUC24は、肝機能正常被験者と比較してそれぞれ27%及び47%高かった。中等度肝機能障害患者(Child-PughスコアB、8例)にリルピビリン25mgを1日1回反復投与したとき、肝機能正常被験者と比較してリルピビリンのCmaxは5%低く、AUC24は5%高かった。11)(外国人データ)
軽度肝機能障害(Child-PughスコアA)患者における、テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者に対し、それぞれ11%及び8%低下し、テノホビルのCmax及びAUCは、それぞれ3%及び11%低下した。また、中等度肝機能障害(Child-PughスコアB)患者における、テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者に対し、それぞれ19%及び13%上昇し、テノホビルのCmax及びAUCは、それぞれ12%及び3%低下した。重度肝機能障害(Child-PughスコアC)患者における、テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者に対し、それぞれ55%及び46%低下し、テノホビルのCmax及びAUCは、それぞれ10%及び37%低下した。蛋白結合率で補正したとき(重度肝機能障害患者及び肝機能正常被験者ではそれぞれ38%及び20%)、重度肝機能障害患者の遊離型(非結合型)テノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者に対し、それぞれ18%及び6%低下した。(外国人データ)
エムトリシタビンは代謝の影響をほとんど受けないため、肝機能障害患者を対象とした試験は実施していない。
母集団薬物動態解析の結果、B型肝炎ウイルス及び/又はC型肝炎ウイルスとHIV-1の重複感染患者の血漿中リルピビリンのAUC24及びC0に、臨床的に問題となる影響はなかった。(外国人データ)
リルピビリンの腎排泄は限定的であるため、腎機能障害患者を対象とした試験は実施していない。リルピビリンは血漿蛋白結合率が高いことから、血液透析や腹膜透析により除去される可能性は低い。8),10)
重度腎機能障害患者[クレアチニンクリアランス(CLcr)が15mL/min以上30mL/min未満、透析未施行]及び腎機能正常被験者(CLcr90mL/min以上)にテノホビル アラフェナミド25mgを単回投与したときのテノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表8に示す。(外国人データ),
健康成人
腎機能障害患者
最小二乗平均の比(%)(90%信頼区間)
テノホビルアラフェナミド
例数
13
14
198.8(62.1)
363.7(65.7)
179.43(123.73, 260.20)
AUC∞(ng∙hr/mL)
267.3(49.2)
513.2(47.3)
191.89(137.81, 267.18)
0.53(22.8)
0.75(51.8)
-
テノホビル
9.5(36.5)
26.4(32.4)
279.31(231.48, 337.02)
342.6(27.2)
2073.8(47.1)
573.76(457.21, 720.01)
51.28(12.2)
56.53(19.6)
平均値(CV%)未算出:-
腎機能障害患者にエムトリシタビン200mgを単回投与したときの薬物動態パラメータを表9に示す。なお、投与1.5時間以内に開始した3時間の血液透析(血液流量400mL/min、透析液流量600mL/min)により投与量の約30%が除去された。(外国人データ),,
CLcr(mL/min)
投与前のCLcr平均値(mL/min)
Cmax(μg/mL)
AUC(μg・h/mL)
CL/F(mL/min)
CLrenal(mL/min)
>80
6
107±21
2.2±0.6
11.8±2.9
302±94
213.3±89.0
50-80
59.8±6.5
3.8±0.9
19.9±1.1
168±10
121.4±39.0
30-49
40.9±5.1
3.2±0.6
25.1±5.7
138±28
68.6±32.1
<30
5
22.9±5.3
2.8±0.7
33.7±2.1
99±6
29.5±11.4
透析を必要とする末期腎不全患者<30
8.8±1.4
2.8±0.5
53.2±9.9
64±12
-
平均値±標準偏差未算出:-
妊娠中期のHIV-1感染患者(15例)に、リルピビリン25mgを1日1回投与したとき、リルピビリンのCmax、AUC24h及びCminは、出産後(6~12週;11例)と比較してそれぞれ21%、29%及び35%減少し、妊娠後期(13例)では、それぞれ20%、31%及び42%減少した。(外国人データ)
MATE-2Kに対する阻害作用(IC50値:0.05µM未満)を示した。
P-gp、BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質である。また、テノホビルはOAT1、OAT3及びMRP4の基質であり、OAT1に対する弱い阻害作用(IC50値:29.3µM)を示した。
本剤の有効成分を含有する製剤と併用薬を投与したときの、本剤の有効成分又は併用薬の薬物動態への影響を表10~15に示す。,
併用薬
併用薬の用量
リルピビリンの薬物動態パラメータの比併用時/単独投与時(%)(90%信頼区間)
AUC
Cmin
ジダノシン
400mg1日1回
14~21
100(90-110)
100(95-106)
100(92-109)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
300mg1日1回
15~16
96(81-113)
101(87-118)
99(83-116)
ダルナビル/リトナビル
800mg/100mg1日1回
179(156-206)
230(198-267)
278(239-324)
ロピナビル・リトナビル配合剤
400・100mg1日2回
15
129(118-140)
152(136-170)
174(146-208)
ラルテグラビルa)
400mg1日2回
23
112(104-120)
112(105-119)
103(96-112)
リファブチン
14~16
65(58-74)
54(50-58)
51(48-54)
リファブチンa)
10~18
69(62-76)
58(52-65)
52(46-59)
リファブチンb)
17~18
143(130-156)c)
116(106-126)c)
93(85-101)
ファモチジン
リルピビリン製剤投与12時間前40mg 1回
23~24
99(84-116)
91(78-107)
リルピビリン製剤投与2時間前40mg 1回
22~23
15(12-19)
24(20-28)
リルピビリン製剤投与4時間後40mg 1回
121(106-139)
113(101-127)
リファンピシン
600mg1日1回
31(27-36)
20(18-23)
11(10-13)
ケトコナゾール
14~15
130(113-148)
149(131-170)
176(157-197)
オメプラゾール
20mg1日1回
60(48-73)
60(51-71)
67(58-78)
アセトアミノフェン
500mg1回
16
109(101-118)
116(110-122)
126(116-138)
アトルバスタチン
40mg1日1回
91(79-106)
90(81-99)
90(84-96)
クロルゾキサゾン
117(108-127)
125(116-135)
118(109-128)
シルデナフィルd)
50mg1回
92(85-99)
98(92-105)
104(98-109)
シメプレビルa)
150mg1日1回
21~23
104(95-113)
レジパスビル・ソホスブビル配合剤e)
90・400mg1日1回
97(88-107)
102(94-111)
112(103-121)
ソホスブビルa)
17
105(97-115)
106(102-109)
99(94-104)
未算出:-a)リルピビリン製剤25mg 1日1回投与時b)リルピビリン製剤50mg 1日1回投与時c)リルピビリン製剤25mgを単剤として投与したときとの比較d)リルピビリン製剤75mg 1日1回投与時e)リルピビリン塩酸塩・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(25・300・200mg)1日1回投与時
併用薬の薬物動態パラメータの比併用時/単独投与時(%)(90%信頼区間)
96(80-114)
112(99-127)
119(106-134)
123(116-131)
124(110-138)
ダルナビル
ダルナビル/リトナビル800mg/100mg1日1回
90(81-100)
89(81-99)
89(68-116)
ロピナビル
ロピナビル・リトナビル配合剤400・100mg1日2回
96(88-105)
99(89-110)
89(73-108)
ラルテグラビルb)
110(77-158)
109(81-147)
127(101-160)
16~17
103(93-114)
103(97-109)
101(94-109)
102(93-112)
99(92-107)
85(80-90)
34(25-46)
86(68-109)
86(76-97)
97(86-110)
エチニルエストラジオールb)
エチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合剤0.035・1mg1日1回
14~17
117(106-130)
114(110-119)
109(103-116)
ノルエチステロンb)
94(83-106)
89(84-94)
99(90-108)
135(108-168)
104(97-112)
85(69-103)
98(85-113)
103(95-113)
シルデナフィルa)
93(80-108)
97(87-108)
R(-)メサドンb)
メサドン60~100mg1日1回
12~13
86(78-95)
84(74-95)
78(67-91)
S(+)メサドンb)
87(78-97)
84(74-96)
79(67-92)
メトホルミンb)
850mg1回
20
102(95-110)
シメプレビルb)
20~21
110(97-126)
106(94-119)
96(83-111)
レジパスビルc)
レジパスビル・ソホスブビル配合剤90・400mg1日1回
101(95-107)
108(102-115)
116(108-125)d)
ソホスブビルc)
105(93-120)
110(101-121)
ソホスブビルの主代謝物c)
106(101-111)
115(111-119)
118(113-124)
ソホスブビルb)
ソホスブビル400mg1日1回
121(90-162)
109(94-127)
106(99-114)
101(97-104)
ジゴキシンb)
0.5mg1回
21~22
106(97-117)
98(93-104)
未算出:-a)リルピビリン製剤75mg 1日1回投与時b)リルピビリン製剤25mg 1日1回投与時c)リルピビリン塩酸塩・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(25・300・200mg)1日1回投与時d)C24h
テノホビル アラフェナミドの用量
テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータの比併用時/単独投与時(%)(90%信頼区間)
300mg1日2回
25mg1回
26
43(36-51)
45(40-51)
アタザナビル
アタザナビル/リトナビル300mg/100mg1日1回
10mg1回
10
177(128-244)
191(155-235)
コビシスタット
8mg1日1回
12
283(220-365)
265(229-307)
ダルナビル・コビシスタット配合剤800・150mg1日1回
25mg1日1回a)
11
93(72-121)
98(80-119)
142(96-209)
106(84-135)
ドルテグラビル
50mg1日1回
124(88-174)
119(96-148)
エファビレンツ
78(58-105)
86(72-102)
800・200mg1日1回
219(172-279)
147(117-185)
25mg1日1回
32
101(84-122)
101(94-110)
セルトラリン
50mg単回
10mg1日1回b)
19
100(86-116)
96(89-103)
ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤
400・100mg1日1回
24
80(68-94)
87(81-94)
未算出:-a)テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(28・200mg)を用いた検討b)エルビテグラビル・コビシスタット・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(150・150・11.2・200mg)を用いた検討
70(65-74)
77(74-81)
98(89-107)
99(96-101)
100(96-104)
106(100-112)
109(103-115)
111(98-125)
102(96-109)
97(82-115)
99(91-108)
101(96-106)
113(95-134)
87(79-96)
98(93-103)
95(88-103)
ロピナビル・リトナビル配合剤800・200mg1日1回
98(85-112)
ミダゾラム
2.5mg1回経口
18
102(92-113)
112(103-122)
1mg1回静脈内
99(89-111)
108(104-114)
93(87-99)
113(104-123)
114(94-138)
109(90-132)
Velpatasvir(国内未承認)
100mg1日1回
130(117-145)
150(135-166)
160(144-178)
ソホスブビル
123(107-142)
137(124-152)
ソホスブビルの主代謝物
129(125-133)
148(143-153)
158(152-165)
エムトリシタビンの用量
エムトリシタビンの薬物動態パラメータの比併用時/単独投与時(%)(90%信頼区間)
300mg1日1回7日間
200mg1日1回7日間
96(87-106)
107(100-114)
120(112-129)
インジナビル
800mg1回
200mg1回
92(82-104)
サニルブジン
40mg1回
104(94-116)
ジドブジン
300mg1日2回7日間
27
97(90-104)
97(93-101)
96(88-104)
200mg1日1回a)
113(102-124)
124(117-131)
131(124-138)
200mg1日1回
92(87-96)
92(86-98)
200mg1日1回b)
90(82-98)
84(81-88)
94(90-99)
102(97-106)
101(98-104)
102(97-107)
タクロリムス
0.05mg/kg1日2回
200mg1日1回c)
21
89(83-95)
95(91-99)
103(96-110)
ファムシクロビル
200mg単回
90(80-101)
未算出:-a)テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(28・200mg)を用いた検討b)エルビテグラビル・コビシスタット・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン配合剤(150・150・11.2・200mg)を用いた検討c)エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合剤(200・300mg)を用いた検討
103(95-111)
98(84-113)
102(89-117)
105(95-116)
109(83-144)
117(100-138)
113(105-120)
98(89-109)
未算出:-
リルピビリン(RPV)・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)・エムトリシタビン(FTC)配合剤による抗HIV薬により6ヵ月以上持続してウイルス学的に抑制され、かつ本剤の有効成分に対する耐性がないHIV-1感染患者を対象とし、本剤に切り替えた際の有効性及び安全性を検討するために、RPV・TDF・FTC配合剤の継続投与(継続投与群)を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。48週時の臨床成績は表1のとおりであり、継続投与に対する本剤の非劣性が検証された[群間差(95.001%CI):-0.3(-4.2-3.7)%]。14)
例数(%)
本剤群316例
継続投与群313例
ウイルス学的効果HIV-1 RNA量<50copies/mL
296(93.7%)
294(93.9%)
ウイルス学的失敗注)
2(0.6%)
0
注)投与後48週時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例
316例中20例(6.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢3例(0.9%)、悪心2例(0.6%)であった。
エファビレンツ(EFV)・TDF・FTC配合剤(国内未承認)による抗HIV薬により6ヵ月以上持続してウイルス学的に抑制され、かつ本剤の有効成分に対する耐性がないHIV-1感染患者を対象とし、本剤に切り替えた際の有効性及び安全性を検討するために、EFV・TDF・FTC配合剤の継続投与(継続投与群)を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。48週時の臨床成績は表2のとおりであり、継続投与に対する本剤の非劣性が検証された[群間差(95.001%CI):-2.0(-5.9-1.8)%]。15)
本剤群438例
継続投与群437例
394(90.0%)
402(92.0%)
5(1.1%)
4(0.9%)
438例中56例(12.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛7例(1.6%)、鼓腸6例(1.4%)、不眠症5例(1.1%)、下痢4例(0.9%)、異常な夢4例(0.9%)であった。
抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染患者を対象とし、RPV 25mg及び背景治療(BR)の1日1回投与の有効性及び安全性を検討するために、EFV 600mg及びBRの1日1回投与を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を2試験実施した。各試験のBRは、ECHO試験はTDF/FTC、THRIVE試験はTDF/FTC、ABC/3TC又はAZT/3TCとした。48週時の臨床成績は表3のとおりであり、両試験とも、EFV+BRに対するRPV+BRの非劣性が検証された[群間差(95%CI):ECHO試験;0.1(-5.5-5.7)%、THRIVE試験;3.9(-1.6-9.5)%]。また、部分集団における結果(ECHO試験及びTHRIVE試験の併合解析)を表4に示す。16),
ECHO試験
THRIVE試験
RPV+TDF/FTC群346例
EFV+TDF/FTC群344例
RPV+BR群340例
EFV+BR群338例
ウイルス学的効果注1)HIV-1 RNA量<50copies/mL
287(82.9%)
285(82.8%)
291(85.6%)
276(81.7%)
ウイルス学的失敗注2)
38(11.0%)
15(4.4%)
24(7.1%)
18(5.3%)
注1)TLOVR:HIV-1 RNA量<50copies/mLが2回連続して認められ48週時まで持続注2)ウイルス学的再燃例(2回連続でHIV-1 RNA量<50copies/mLが認められ、その後48週までに2回連続でHIV-1 RNA量≧50copies/mLが認められた患者)又はウイルス学的非抑制例(48週までに2回連続したHIV-1 RNA量<50copies/mLが認められなかった患者)を含む。
RPV+BR群686例
EFV+BR群682例
ベースラインHIV-1 RNA量(copies/mL)別ウイルス学的効果
≦100,000
90.2%(332/368例)
83.6%(276/330例)
>100,000
77.4%(246/318例)
81.0%(285/352例)
ベースラインHIV-1 RNA量(copies/mL)別ウイルス学的失敗
3.8%(14/368例)
3.3%(11/330例)
15.1%(48/318例)
6.3%(22/352例)
ベースラインCD4陽性リンパ球数(cells/μL)別ウイルス学的効果
<50
58.8%(20/34例)
80.6%(29/36例)
≧50、<200
80.4%(156/194例)
81.7%(143/175例)
≧200、<350
86.9%(272/313例)
82.4%(253/307例)
≧350
90.3%(130/144例)
82.9%(136/164例)
ベースラインCD4陽性リンパ球数(cells/μL)別ウイルス学的失敗
17.6%(6/34例)
2.8%(1/36例)
13.9%(27/194例)
8.0%(14/175例)
6.7%(21/313例)
4.6%(14/307例)
5.6%(8/144例)
2.4%(4/164例)
プロテアーゼ阻害剤、リトナビル及び2剤の核酸系逆転写酵素阻害剤併用投与による抗HIV療法により6ヵ月以上持続してウイルス学的に抑制され、かつ非核酸系逆転写酵素阻害剤による治療歴がないHIV-1感染患者を対象とし、RPV・TDF・FTC配合剤に切り替えた際の有効性及び安全性を比較するために、プロテアーゼ阻害剤、リトナビル及び2剤の核酸系逆転写酵素阻害剤の継続投与(継続投与群)を対照とした無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した。24週時の臨床成績は表5のとおりであり、継続投与に対するRPV・TDF・FTC配合剤の非劣性が検証された[群間差(95%CI):3.8(-1.6-9.1)%]。17),
RPV/TDF/FTC群317例
継続投与群159例
297(93.7%)
143(89.9%)
3(0.9%)
8(5.0%)
注)24週時にHIV-1 RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如により試験を中止した症例、治療効果の欠如以外の理由で試験を中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例
抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染患者を対象とし、エルビテグラビル(E)・コビシスタット(C)・FTC(F)・TAF(テノホビル アラフェナミド)配合剤の有効性及び安全性を検討するために、E・C・F・TDF配合剤を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。48週時の臨床成績は表6のとおりであり、E/C/F/TDFに対するE/C/F/TAFの非劣性が検証された[群間差(95.002%CI):1.0(-2.6-4.5)%]。18)
E/C/F/TAF群435例
E/C/F/TDF群432例
405(93.1%)
399(92.4%)
13(3.0%)
11(2.5%)
注)48週時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如又は減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例
E/C/F/TAF群において435例中182例(41.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心49例(11.3%)、下痢37例(8.5%)、頭痛28例(6.4%)、疲労24例(5.5%)、浮動性めまい14例(3.2%)であった。
抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染患者を対象とし、E・C・F・TAF配合剤の有効性及び安全性を検討するために、E・C・F・TDF配合剤を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。48週時の臨床成績は表7のとおりであり、E/C/F/TDFに対するE/C/F/TAFの非劣性が検証された[群間差(95.002%CI):3.1(-1.0-7.1)%]。18)
E/C/F/TAF群431例
E/C/F/TDF群435例
395(91.6%)
385(88.5%)
18(4.2%)
24(5.5%)
E/C/F/TAF群において438例中56例(12.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心41例(9.5%)、下痢25例(5.8%)、頭痛24例(5.6%)、疲労19例(4.4%)、浮動性めまい12例(2.8%)であった。
TDFを含む抗HIV薬により6ヵ月以上持続してウイルス学的に抑制されているHIV-1感染患者を対象とし、E・C・F・TAF配合剤に切り替えた際の有効性及び安全性を検討するために、TDFを含む抗HIV薬の継続投与(継続投与群)を対照とした無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した。48週時の臨床成績は表8のとおりであり、継続投与に対するE・C・F・TAF配合剤の非劣性が検証された[群間差(95%CI):4.1(1.6-6.7)%]。19)
E/C/F/TAF群959例
継続投与群477例
932(97.2%)
444(93.1%)
10(1.0%)
6(1.3%)
QT/QTc間隔の延長は認められなかった。なお、リルピビリン75mg及び300mg注)を1日1回反復投与したとき、QT/QTc間隔の延長が認められた(ベースラインからの変化量のプラセボとの差の平均値(95%信頼区間の上限)はそれぞれ10.7(15.3)ms及び23.3(28.4)ms)。12),13),
健康成人48例を対象に、テノホビル アラフェナミド125mg注)を1日1回反復投与したとき、QT/QTc間隔及びPR間隔の延長は認められなかった。(外国人データ)注)本剤の用法・用量におけるリルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの1日量はそれぞれ25mg及び25mgである。
RPVは非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であり、HIV-1逆転写酵素を非競合的に阻害する。20),21)
TAFは核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)であり、テノホビルのプロドラッグである。TAFは末梢血単核球及びマクロファージ中のカテプシンAにより加水分解を受け、テノホビルとなり、細胞内でリン酸化を受け、テノホビル二リン酸(活性代謝物)となる。テノホビル二リン酸は、HIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5'-三リン酸と競合すること、及びDNAに取り込まれた後に、DNA鎖伸長を停止させることにより、HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。
FTCはNRTIであり、細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5’-三リン酸(活性代謝物)となる。エムトリシタビン5’-三リン酸はHIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5'-三リン酸と競合すること、及び新生ウイルスDNAへ取り込まれた後に、DNA鎖伸長を停止させることにより、HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。
RPV、FTC及びTAFのうち2成分組み合わせた際の併用効果について、いずれの組合せでも相乗的な抗ウイルス活性が認められた。20),22)
T細胞株に急性感染させたHIV-1実験室株のⅢBに対するRPVの50%有効濃度(EC50)(中央値)は、0.73nmol/Lであった。
リンパ芽球様細胞株、末梢血単核球、初代培養単球/マクロファージ及びCD4陽性Tリンパ球に感染させたHIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するTAFのEC50(範囲)は、0.1~15.7nmol/Lであった。
リンパ芽球様細胞株、MAGI-CCR5細胞株及び末梢血単核細胞に感染させたHIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するFTCのEC50(範囲)は、0.0013~0.64μmol/Lであった。
異なる由来及びサブタイプの野生型又はNNRTI耐性HIV-1株を用いたin vitro耐性獲得試験において認められたRPV耐性関連変異は、L100I、K101E、V108I、E138K、V179F、Y181C、H221Y、F227C、M230Iであった。16),20)
TAFに対する感受性が低下したHIV-1分離株では、K65R変異が発現しており、K70E変異も一過性に認められた。
FTCに対する感受性低下は、逆転写酵素領域のM184V/I変異と関連が認められた。
C209試験及びC215試験で、RPV及びTDF/FTCを投与された患者を対象とした96週時の耐性解析において、解析結果が得られた71例のうち39例にNNRTI耐性関連変異(V90I、K101E、E138K/Q、V179I、Y181C、V189I、H221Y、F227C)、41例にNRTI耐性関連変異(K65R、K70E、M184V/I、K219E)が認められた。なお、ウイルス学的失敗例で、背景治療であるラミブジン/FTC関連耐性の発現割合は、EFV群よりもRPV群で高かった。
GS-US-292-0104試験及びGS-US-292-0111試験で、ウイルス学的失敗と判定された被験者のうち、投与後144週時又は早期中止となった時点の血漿中HIV-1 RNA量が400copies/mLを超えた被験者を対象に耐性解析を実施した。解析結果が得られたエルビテグラビル(EVG)・コビシスタット(COBI)・FTC・TAF配合剤群22例のうち、12例にFTC、TAF又はEVGの主要耐性関連変異が一つ以上認められた。認められた耐性関連変異は、逆転写酵素領域のM184V/I及びK65R/N、インテグラーゼ領域のT66A/I/V、E92Q、Q148Q/R及びN155Hであった。インテグラーゼ領域にEVG耐性関連変異が認められた患者の大部分は、逆転写酵素領域にFTC耐性関連変異が認められた。
GS-US-366-1216試験及びGS-US-366-1160試験において、投与期間中に血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mLを超え、その後400copies/mLを超えウイルス学的再燃と判定された被験者、並びに投与48週又は早期中止時点の血漿中HIV-1 RNA量が400copies/mLを超えたがウイルス学的再燃の基準には該当しなかった被験者を対象に耐性解析を実施した。解析結果が得られた本剤群7例のうち、3例に逆転写酵素領域の耐性関連変異(K103K/N、P225P/H、V90V/I、E138E/A、M41M/L、E44E/D、D67D/N、T69T/N、K70K/E/G/R、K219K/E、V118I、L210L/W及びT215Y)が認められたが、本剤投与開始時点から認められた変異であった。
RPVは、RTにK103N及びY181C等のNNRTI耐性関連アミノ酸変異を1個導入したHIV-1実験室株67株のうち64株(96%)に抗ウイルス作用を示した。RPVへの感受性の低下をもたらした単一のアミノ酸変異はK101P、Y181I及びY181Vであった。K103Nのアミノ酸変異は、単一でRPVに対する感受性が低下しなかったが、K103N及びL100Iの二重変異では、RPVに対する感受性が7倍低下した。Y188L変異により、RPVに対する感受性が臨床分離株と比べて9倍、部位特異的変異株に比べて6倍低下した。ウイルス学的に抑制されている既治療HIV-1感染患者を対象としたRPV製剤の臨床試験(GS-US-264-0106試験)で、RPVに耐性を示した患者では、他のNNRTI(EFV、ネビラピン及びdelavirdine)に対して交差耐性を示したが、エトラビリン(ETR)に対しては2例中1例で感受性が維持された。16),20),23)
K65R、K70E変異によりアバカビル、ジダノシン、ラミブジン、FTC、テノホビルに対する感受性が低下するが、ジドブジンに対する感受性は維持される。24)T69S二重挿入変異、又はK65Rを含むQ151M複合変異を持ち、核酸系逆転写酵素阻害剤に多剤耐性を持つHIV-1は、TAFに対する感受性の低下を示した。K103N又はY181CのNNRTI関連変異を有するHIV-1は、TAFに対して感受性を示した。M46I、I54V、V82F/T及びL90M等のプロテアーゼ関連変異を有するHIV-1はTAFに対して感受性を示した。
FTC耐性株(M184V/I)はラミブジンに対して交差耐性を示したが、ジダノシン、サニルブジン、テノホビル、ジドブジンに対してはin vitroで感受性を維持した。サニルブジンに対する感受性低下をもたらす変異、ジドブジン関連変異(M41L、D67N、K70R、L210W、T215Y/F、K219Q/E)又はジダノシン関連変異(L74V)を有するウイルスは、FTCに対する感受性を維持した。NNRTI耐性と関連づけられるK103N又は他の変異を有するHIV-1は、FTCに対して感受性を示した。
リルピビリン塩酸塩(Rilpivirine Hydrochloride)
4-{[4-({4-[(1E)-2-Cyanoethenyl]-2,6-dimethylphenyl}amino)pyrimidin-2-yl]amino}benzonitrile monohydrochloride
C22H18N6・HCl
402.88
白色の粉末
約250℃(分解)
logP=4.86(1-オクタノール/pH7.0リン酸緩衝液)
メタノール 5.8mg/mLエタノール 0.67mg/mL水 0.01mg/mL
テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(Tenofovir Alafenamide Fumarate)
1-Methylethyl N-[(S)-{[(1R)-2-(6-amino-9H-purin-9-yl)-1-methylethoxy]methyl}phenoxyphosphinoyl]-L-alaninate hemifumarate
(C21H29N6O5P)2・C4H4O4
1069.00
白色~灰白色又は白色~くすんだ黄赤色の粉末
約132℃
logP=1.6(1-オクタノール/pH7のリン酸塩緩衝液)
メタノール 189mg/mLエタノール 69.6mg/mLイソプロパノール 27.7mg/mLアセトン 9.16mg/mLアセトニトリル 2.30mg/mLトルエン 0.14mg/mL
エムトリシタビン(Emtricitabine)
4-Amino-5-fluoro-1-[(2R,5S)-2-(hydroxymethyl)-1,3-oxathiolan-5-yl]pyrimidin-2(1H)-one
C8H10FN3O3S
247.25
白色~オフホワイトの粉末
約155℃
logP= -0.43(1-オクタノール/水)
水 112mg/mLアセトニトリル 4mg/mL酢酸イソプロピル 0.3mg/mL
30錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]
1) Benaboud S, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2011; 55: 1315-1317
2) 社内資料:リファンピシンとリルピビリンの相互作用[TMC278-C108]
3) 社内資料:リファブチンとリルピビリンの相互作用[TMC278-IFD1003]
4) 社内資料:オメプラゾールとリルピビリンの相互作用[TMC278-C114]
5) 社内資料:ファモチジンとリルピビリンの相互作用[TMC278-C140]
6) 社内資料:メサドンとリルピビリンの相互作用[TMC278-C121]
7) 社内資料:リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠の薬物動態の検討[TMC278HTX4004]
8) 社内資料:リルピビリンの蛋白結合に関する検討[TMC278-NC112]
9) 社内資料:リルピビリンの代謝に関する検討[TMC278-NC141]
10) 社内資料:リルピビリンの薬物動態の検討[TMC278-C119]
11) 社内資料:リルピビリンの薬物動態の検討[TMC278-C130]
12) 社内資料:リルピビリンのQT間隔に対する作用[TMC278-C152]
13) 社内資料:リルピビリンのQT間隔に対する作用[TMC278-C131]
14) 社内資料:リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠のウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染患者に対する臨床成績[GS-US-366-1216試験]
15) 社内資料:リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠のウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染患者に対する臨床成績[GS-US-366-1160試験]
16) 社内資料:リルピビリンとエファビレンツの初回治療HIV-1感染患者に対する臨床成績
17) 社内資料:リルピビリン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン配合錠のHIV-1感染患者に対する臨床成績[GS-US-264-0106試験]
18) 社内資料:エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠の初回治療HIV-1感染患者に対する臨床成績
19) 社内資料:エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠のHIV-1感染患者に対する臨床成績[GS-US-292-0109試験]
20) Azijn H, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2010; 54: 718-727
21) 社内資料:リルピビリンの作用機序[TMC278-1646-0005343]
22) Schinazi RF, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 1992; 36: 2423-2431
23) 社内資料:リルピビリンの抗ウイルス作用[TMC278-IV2-AVMR]
24) Miller MD, et al.:Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids. 2001; 20: 1025-1028
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