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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)
通常、成人及び12歳以上の小児には、ニポカリマブ(遺伝子組換え)として初回に30mg/kgを点滴静注し、以降は1回15mg/kgを2週間隔で点滴静注する。
本剤の投与開始から24週までに症状の改善が認められない場合は、本剤の投与継続の必要性を検討すること。
感染症を合併している場合は、感染症の治療を優先すること。感染症が増悪するおそれがある。,
肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgG抗体は胎盤通過性があることが知られており、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgGが低下し、感染のリスクが高まる可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。海外で実施された臨床試験において、妊娠中に本剤を投与した症例では、初乳(分娩後2日以内に1回採取)で57%(7例中4例)、母乳(分娩後5~8日の間に1回採取)で22%(9例中2例)に本剤が検出された。ヒト乳汁中の本剤の濃度は0.58~68.4μg/mLであった。1)(外国人データ)
12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
人免疫グロブリン製剤
これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤の最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。
本剤が、FcRnに結合するこれらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
IgGベースのモノクローナル抗体製剤
Fc領域融合タンパク質製剤
血漿浄化療法
本剤の治療効果が減弱する可能性があるため、併用を避けることが望ましい。
本剤による治療中に施行することにより本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
生ワクチン及び弱毒生ワクチン
本剤による治療中の接種を避けることが望ましい。接種が必要な場合は本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種することが望ましい。本剤による治療中の場合、最終投与から2週間後以降にワクチンを投与することが望ましい。
生ワクチン又は弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがある。
,
5%以上
5%未満
頻度不明
感染症及び寄生虫症
尿路感染、帯状疱疹
精神障害
不眠症
神経系障害
浮動性めまい
胃腸障害
下痢、腹痛、悪心
筋骨格系及び結合組織障害
筋痙縮
一般・全身障害及び投与部位の状態
末梢性浮腫
発熱
臨床検査
脂質増加
18歳以上の全身型重症筋無力症患者を対象としたニポカリマブの国際共同第Ⅲ相試験(MOM-M281-011試験)において、24週目までのニポカリマブ静脈内投与後にニポカリマブに対する抗体が認められた被験者は48例(48/97例、49.5%)であった。ニポカリマブに対する中和抗体は17例(17/97例、17.5%)に認められた。抗ニポカリマブ抗体及び中和抗体発現により、ニポカリマブの薬物動態、薬力学、安全性及び有効性は影響を受けなかった。2)12歳以上18歳未満の全身型重症筋無力症患者を対象とした国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(80202135MYG2001試験)において、5例中1例(20%)に抗ニポカリマブ抗体が認められた。ニポカリマブに対する中和抗体の発現は認められなかった。3)
日本人健康成人に、本剤10、30及び60mg/kgを単回静脈内投与したときの血清中ニポカリマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。AUCは用量比を上回って増加した。4)
用量(mg/kg)
例数
AUCinf(h.μg/mL)
t1/2 (h)
10
6
6670(640.69)
16.1 (5.85)
30
38630(4510.2)
24.2 (7.47)
60
112400(13442)
39.7 (10.8)
18歳以上の全身型重症筋無力症患者98例(日本人患者を6例含む)を対象に、ニポカリマブを初回30mg/kg静脈内投与後、ニポカリマブ15mg/kgを2週に1回静脈内投与したときの全体集団における血清中ニポカリマブ濃度は表2のとおりであった。また、全体集団及び日本人集団の血清中ニポカリマブ濃度推移は図2のとおりであった。静脈内投与終了時の濃度は15mg/kgの反復投与においても一定であり、Ctroughはすべて定量下限未満(<0.01μg/mL)であった。蓄積性は認められていない。2)
評価例数
血清中本薬濃度(μg/mL)
Day 1
投与前
97
0.0±0.0
投与45分後
878.0±178.3
Week 2
93
0.7±3.5
446.9±85.1
Week 4
90
91
452.7±91.6
Week 8
83
82
444.7±79.2
Week 12
77
0.1±0.9
75
445.3±85.5
Week 16
73
5.6±42.8
72
419.8±106.9
Week 20
71
0.0±0.1
430.3±86.0
Week 24
65
7.1±54.2
平均値±標準偏差
12歳以上18歳未満の全身型重症筋無力症患者7例(日本人患者を4例含む)を対象に本剤を初回30mg/kg静脈内投与後、本剤15mg/kgを2週に1回静脈内投与したときの全体集団における血清中ニポカリマブ濃度は表3のとおりであった。3)
826.7±204.2
5
435.0±83.5
417.4±73.6
434.2±126.4
419.8±97.1
419.0±107.2
422.4±97.8
4
健康成人にニポカリマブ15mg/kgを単回静脈内投与したときの平均分布容積は2.67Lであった。5)(外国人データ)
ニポカリマブは、内因性IgGと同様の蛋白分解酵素による異化経路により小ペプチド及びアミノ酸に分解されると考えられる。
ニポカリマブは濃度依存的な薬物動態を示す。健康成人にニポカリマブ15mg/kgを単回静脈内投与したときの平均クリアランスは0.0627L/h、t1/2は29.3時間であった。5)(外国人データ)
母集団薬物動態解析の結果、65歳以上の患者と65歳未満の患者との間でクリアランス及び分布容積に明らかな差は認められなかった。6)
ニポカリマブの代謝経路を考慮すると、腎機能障害はニポカリマブの薬物動態に影響を及ぼさないと予想される。 腎機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施していないが、母集団薬物動態解析の結果、軽度~中等度の腎機能障害(eGFR 30–89mL/min/1.73m2)によるクリアランスへの臨床的に重要な影響はないと推定された。6)
ニポカリマブはチトクロムP450酵素によって代謝されないため、肝機能障害はニポカリマブの薬物動態に影響を及ぼさないと予想される。肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施していないが、母集団薬物動態解析の結果、軽度~中等度の肝機能障害によるクリアランスへの臨床的に重要な影響はないと推定された。6)
健康成人(8例)にニポカリマブ(30mg/kg)をフレマネズマブ(225mg)と併用投与したとき、フレマネズマブの全身曝露量(Cmax及びAUCinf)はそれぞれ約42%及び約66%低下した。フレマネズマブ投与の14日後にニポカリマブを投与したとき、Cmaxは変化しなかったが、AUCinfは約54%低下した。7)(外国人データ)
健康成人(16例)にニポカリマブ(15mg/kg)をエタネルセプト(50mg)と併用投与したとき、エタネルセプトのCmaxは約9%、AUCinfは約28%低下した。8)(外国人データ)
18歳以上の全身型重症筋無力症患者を対象に、ニポカリマブを初回30mg/kg静脈内投与後、ニポカリマブ15mg/kgを2週に1回静脈内投与したときの、2週ごと(投与前時点)の血清中総IgG濃度の推移は図3のとおりであった。IgM、IgA及びIgEにはニポカリマブの投与に関連した変化は認められなかった。2)
12歳以上18歳未満の全身型重症筋無力症患者(5例)におけるニポカリマブ投与時の血清中総IgG濃度は、Week24時点でベースラインから約70%(中央値)低下した。3)
18歳以上の全身型重症筋無力症患者196例(日本人患者17例を含む)を対象として、ランダム化二重盲検プラセボ対照群間比較試験を実施した。プラセボ又は本剤(負荷用量30mg/kgで初回投与、以降15mg/kg)を2週に1回投与した。標準治療で、十分にコントロールされていない全身型重症筋無力症患者を対象とした。主要評価項目であるWeek 22、23、24でのMyasthenia Gravis‐Activities of Daily Living(MG-ADL)の総スコアのベースラインからの変化量は、表4のとおりであった。自己抗体陽性患者集団、抗AChR抗体陽性患者集団、全体集団(自己抗体陽性及び陰性の患者)のいずれでも、本剤群とプラセボ群に統計学的有意差が認められた。2)
ベースライン
Week 22
Week 23
平均変化量a)
血清自己抗体陽性の被験者(主要有効性解析対象集団、Estimand 1)
プラセボ群(76例)
8.98±1.97(76例)
5.75±3.00(59例)
5.54±2.93(59例)
6.16±2.90(61例)
-3.25±0.34
本剤群(77例)
9.40±2.73(77例)
4.26±3.39(62例)
4.14±3.44(65例)
4.43±3.81(63例)
-4.70±0.33
平均変化量の群間差[95%CI]b)
-1.45[-2.38, -0.52]
p値b),c)
0.002
抗AChR抗体陽性の被験者(Estimand 2)
プラセボ群(71例)
8.97±1.93(71例)
5.54±2.85(54例)
5.38±2.73(55例)
6.04±2.85(56例)
-3.44±0.34
本剤群(63例)
9.22±2.62(63例)
3.94±3.21(52例)
3.78±3.21(54例)
4.15±3.67(52例)
-4.95±0.35
-1.51[-2.48, -0.54]
0.003
血清自己抗体陽性及び陰性の被験者(FAS、Estimand 3)
プラセボ群(98例)
9.27±2.01(98例)
5.75±3.26(77例)
5.63±3.10(78例)
6.39±3.28(79例)
-3.28±0.30
本剤群(98例)
9.51±2.69(98例)
4.62±3.34(79例)
4.54±3.57(82例)
4.93±3.93(80例)
-4.45±0.30
-1.17 [-2.01, -0.33]
0.007
平均値±標準偏差(評価例数)a)最小二乗平均±標準誤差b)投与群、自己抗体の状態(抗AChR抗体若しくは抗MuSK抗体が陽性、又は抗AChR抗体及び抗MuSK抗体が陰性)、地域、週及び投与群と週の交互作用を説明変数、ベースラインのMG-ADL総スコアを共変量、共分散構造を無構造とし、自由度調整の方法としてKenward-Roger法を用いたMMRMにより算出された。c)Estimand 1及び2に対する検定をそれぞれ有意水準両側5%で行い、いずれの検定も有意差が認められた場合にEstimand 3を有意水準両側5%で検定する方法により多重性が制御された。
二重盲検期・非盲検継続投与期の本剤投与期間中に、205例(日本人15例を含む)中84例(41.0%)で副作用が認められた。主な副作用は、末梢性浮腫11例(5.4%)であった。
12歳以上18歳未満の自己抗体陽性の全身型重症筋無力症患者を対象として、非盲検試験を実施した。本剤を負荷用量30mg/kgで初回投与、以降15mg/kgで2週に1回投与した。安定した標準治療で、十分な臨床奏功が認められていない全身型重症筋無力症患者を対象とした。24週間の治療期を完了した患者5例(日本人患者3例を含む)は、いずれも抗AChR抗体陽性であった。Week 24におけるMG-ADL総スコアのベースラインからの平均変化量(標準偏差)は-2.40(0.418)であった。3)実薬投与期・長期継続投与期を通じて、ニポカリマブの投与をうけた青年期の7例(日本人4例を含む)中2例に副作用が認められた。認められた副作用は、傾眠、腹痛、下痢、顔面浮腫、注射部位腫脹、血中コレステロール増加、低比重リポ蛋白増加、白血球数増加、高コレステロール血症、及び鼻閉が各1例であった。
ニポカリマブはFc領域がグリコシル化を受けずエフェクター機能を欠損したヒト型IgG1λモノクローナル抗体である。ニポカリマブは中性(細胞外)及び酸性(エンドソーム)いずれのpHでもFcRnのIgG Fc結合部位に高い特異性及び親和性で結合することによって、内因性IgGのリサイクルを阻害し、リソソームでのIgG分解を促進し、病原性IgG自己抗体を含む血中IgG濃度を減少させる。
ニポカリマブのヒトFcRnに対する平衡解離定数(KD)(平均値)は、pH6.0及びpH7.4の条件下において、それぞれ31.7pmol/L以下及び57.8pmol/L以下であった。9)
ヒトIgGを投与したヒトFcRn遺伝子導入(Tg32)マウスにニポカリマブ0.2~100mg/kgを単回静脈内投与したところ、ニポカリマブの用量及び時間依存的な血漿中ヒトIgG濃度の減少が認められた。10)
ニポカリマブ(遺伝子組換え)[Nipocalimab(Genetical Recombination)]
ニポカリマブは、遺伝子組換え抗新生児型Fc受容体(FcRn)モノクローナル抗体であり、ヒトIgG1に由来し、H鎖の1個のアミノ酸残基が置換(N296A)されている。ニポカリマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ニポカリマブは、446個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び216個のアミノ酸残基からなるL鎖(λ鎖)2本で構成されるタンパク質である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1.62mL[1バイアル]
6.5mL[1バイアル]
1) 社内資料:MOM-M281-003試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.14)
2) 社内資料:MOM-M281-011試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.11)
3) 社内資料:80202135MYG2001試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.13)
4) 社内資料:ニポカリマブの薬物動態の検討(MOM-M281-010試験)(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.5)
5) 社内資料:ニポカリマブの生物学的同等性の検討(80202135EDI1006試験)(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.1)
6) 社内資料:母集団薬物動態/薬力学解析(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.3.13)
7) 社内資料:ニポカリマブの相互作用(フレマネズマブ)の検討(MOM-M281-008試験)(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.2)
8) 社内資料:ニポカリマブの相互作用(エタネルセプト)の検討(80202135EDI1003試験)(2025年9月19日承認、CTD 2.7.6.3)
9) 社内資料:ヒト及びカニクイザルのFcRnに対するニポカリマブの結合親和性検討(2025年9月19日承認、CTD 2.6.2.2.1.6)
10) 社内資料:Tg32マウスの単球におけるニポカリマブのFcRn占有率及びマウス血漿中ヒトIgG濃度検討(2025年9月19日承認、CTD 2.6.2.2.2.1)
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