当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
本剤貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり、死に至るおそれがある。本剤貼付中は、外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に注意すること。,
非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る。)
本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、3日毎(約72時間)に貼り替えて使用する。初回貼付用量は本剤投与前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、2.1mg(12.5μg/hr)、4.2mg(25μg/hr)、8.4mg(50μg/hr)、12.6mg(75μg/hr)のいずれかの用量を選択する。その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
初回貼付用量として、本剤16.8mg(100μg/hr)は推奨されない(本邦において、初回貼付用量として12.6mg(75μg/hr)を超える使用経験はない)。初回貼付用量を選択する下記換算表は、経口モルヒネ量90mg/日(坐剤の場合45mg/日、注射の場合30mg/日)、経口オキシコドン量60mg/日、経口コデイン量270mg/日以上、フェンタニル経皮吸収型製剤(1日貼付型製剤)1.7mg(フェンタニル0.6mg/日)に対して本剤4.2mg(25μg/hr;フェンタニル0.6mg/日)へ切り替えるものとして設定している。なお、初回貼付用量は換算表に基づく適切な用量を選択し、過量投与にならないよう注意すること。
本剤3日貼付用量
2.1mg
4.2mg
8.4mg
12.6mg
定常状態における推定平均吸収速度注2)(μg/hr)
12.5
25
50
75
定常状態における推定平均吸収量注2)(mg/日)
0.3
0.6
1.2
1.8
↑
モルヒネ経口剤(mg/日)
<45
45~134
135~224
225~314
モルヒネ坐剤(mg/日)
<30
30~69
70~112
113~157
モルヒネ注射剤(mg/日)
<15
15~44
45~74
75~104
オキシコドン経口剤(mg/日)
30~89
90~149
150~209
フェンタニル注射剤(mg/日)
<0.3
0.3~0.8
0.9~1.4
1.5~2.0
フェンタニル経皮吸収型製剤注1)(1日貼付型製剤;貼付用量mg)[定常状態における推定平均吸収量(mg/日)]
0.84[0.3]
1.7[0.6]
3.4[1.2]
5[1.8]
コデイン経口剤(mg/日)
<270
270~
-
他のオピオイド鎮痛剤から本剤に初めて切り替えた場合、初回貼付24時間後までフェンタニルの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要する。そのため、下記の「使用方法例」を参考に、切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の投与を行うことが望ましい。,,
使用していたオピオイド鎮痛剤注3)の投与回数
オピオイド鎮痛剤の使用方法例
1日1回投与
投与12時間後に本剤の貼付を開始する。
1日2~3回投与
本剤の貼付開始と同時に1回量を投与する。
1日4~6回投与
本剤の貼付開始と同時及び4~6時間後に1回量を投与する。
持続投与
本剤の貼付開始後6時間まで継続して持続投与する。
患者により上記表の「使用方法例」では、十分な鎮痛効果が得られない場合がある。患者の状態を観察し、本剤の鎮痛効果が得られるまで、適時オピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与量として、本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
本剤貼付中に痛みが増強した場合や疼痛が管理されている患者で突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)が発現した場合には、直ちにオピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与量として、本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
鎮痛効果が得られるまで各患者毎に用量調整を行うこと。鎮痛効果が十分得られない場合は、追加投与(レスキュー)されたオピオイド鎮痛剤の1日投与量及び疼痛程度を考慮し、2.1mg(12.5μg/hr)から4.2mg(25μg/hr)への増量の場合を除き、貼付用量の25~50%を目安として貼り替え時に増量する。なお、本剤の1回の貼付用量が50.4mg(300μg/hr)を超える場合は、他の方法を考慮すること。
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、十分に観察を行いながら慎重に減量すること。
慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
呼吸抑制を増強するおそれがある。
気管支収縮を起こすおそれがある。
徐脈を助長させるおそれがある。
呼吸抑制を起こすおそれがある。
本剤からのフェンタニル放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある。,
依存性を生じやすい。,
代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。なお、腎機能障害患者を対象として有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。フェンタニルクエン酸塩注射液において、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれたとの報告がある。妊娠中の本剤投与により、新生児に退薬症候がみられることがある。動物実験(ラット静脈内投与試験)で胎児死亡が報告されている。,
授乳を避けさせること。ヒトで母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。フェンタニルのクリアランスが低下し、血中濃度消失半減期の延長がみられ、若年者に比べ感受性が高いことが示唆されている1)。
ナルメフェン塩酸塩水和物
離脱症状を起こすおそれがある。また、鎮痛作用が減弱するおそれがある。ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者には投与しないこと。
μオピオイド受容体への競合的阻害による。
中枢神経抑制剤
全身麻酔剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤
骨格筋弛緩剤
鎮静性抗ヒスタミン剤
アルコール
オピオイド系薬剤
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
相加的に中枢神経抑制作用が増強する。
セロトニン作用薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。
相加的にセロトニン作用が増強するおそれがある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
本剤のAUCの増加、血中半減期の延長が認められたとの報告がある。呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
肝CYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
本剤の血中濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。必要に応じて本剤の用量調整を行うこと。CYP3A4誘導作用を有する薬剤の中止後、本剤の血中濃度が上昇し、重篤な呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
肝CYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。連用中に投与量の急激な減量ないし中止により退薬症候があらわれることがある。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性がある。,,,,
無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則な呼吸、換気低下等があらわれることがある。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が有効である。,,
意識レベルの低下、意識消失等の意識障害があらわれることがある。
間代性、大発作型等の痙攣があらわれることがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
循環器
動悸、高血圧、頻脈、低血圧
徐脈、チアノーゼ
**精神神経系
傾眠、めまい
不眠、不穏、せん妄、いらいら感、不安、うつ病、幻覚、健忘、錯乱、頭痛、味覚異常、振戦、激越、多幸症、記憶障害、回転性めまい
錯感覚、感覚鈍麻、無感情、注意力障害、錐体外路障害、痛覚過敏注4)、アロディニア
皮膚
貼付部位反応(そう痒感、紅斑、発疹、湿疹、皮膚炎)、そう痒、紅斑、湿疹、皮膚炎(接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎を含む)、発疹
貼付部位の小水疱、汗疹
**消化器
嘔気、便秘、嘔吐
下痢、腹痛、イレウス、口渇、口内炎
胃部不快感、消化不良、痔核、食道運動障害
肝臓
肝機能異常
泌尿器
排尿困難、尿閉
眼障害
霧視
縮瞳、結膜炎、複視
感染症
膀胱炎、鼻咽頭炎
帯状疱疹
臨床検査
血中ALP増加、AST増加、ALT増加
血中尿素窒素上昇、LDH増加、白血球数増加、γ-GTP増加、血小板数減少、総蛋白減少、体重減少、血中ビリルビン増加、血中カリウム減少
蛋白尿、尿糖陽性、白血球数減少
その他
倦怠感、食欲減退、薬剤離脱症候群、発熱、貧血、末梢性浮腫、筋痙縮、異常感、発汗、無力症、しゃっくり、筋骨格痛
性機能不全、勃起不全、疲労、インフルエンザ様疾患、冷感、体温変動感、体熱感、白血球増加症、耳鳴、背部痛、四肢痛、不正子宮出血、胸部不快感、胸痛、悪寒
フェンタニルの過量投与時の症状として、薬理作用の増強により重篤な換気低下を示す。また、フェンタニルの過量投与により白質脳症が認められている。
過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
健康成人に本剤16.8mg(100μg/hr)1枚あるいは2.1mg(12.5μg/hr)8枚をクロスオーバー法にて72時間単回貼付した。血清中フェンタニル濃度はいずれも類似した推移を示し、貼付後30~36時間にCmaxに達した後72時間まで有効血清中濃度を維持した。2)
投与量(貼付用量)
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
t1/2(hr)
AUC(0→120)(ng・hr/mL)
AUC(ng・hr/mL)
16.8mg(100μg/hr)×1枚(n=40)
30.8±12.2
3.31±1.34
21.4±5.8注)
189.5±58.7
202.0±61.1
2.1mg(12.5μg/hr)×8枚(n=40)
36.8±17.8
2.96±1.10
22.9±7.7
180.9±52.6
195.3±56.3
平均±標準偏差注)n=36
本剤16.8mg(100μg/hr)1枚又は2.1mg(12.5μg/hr)8枚を単回(72時間)貼付中及び剥離後の血清中濃度推移(平均+標準偏差)
健康成人に本剤16.8mg(100μg/hr)を反復貼付(1回72時間×4回、合計288時間)したときの4回目貼付時におけるフェンタニルの曝露量は、1回目貼付時と同程度であり、フェンタニルの血中動態は反復貼付においても大きく変化しなかった3)。(外国人データ)
本剤16.8mg(100μg/hr)単回(72時間)又は4回反復(計288時間)貼付中及び剥離後の血清中濃度推移(平均+標準偏差)
健康成人に本剤4.2mg(25μg/hr)、8.4mg(50μg/hr)、12.6mg(75μg/hr)及び16.8mg(100μg/hr)を72時間単回貼付したときのCmaxと貼付用量は、正の相関(p<0.0001)を示した4)。(外国人データ)
なお、日本人がん疼痛患者に本剤2.1mg(12.5μg/hr)を初回貼付用量とし、以後用量調整(最高8.4mg(50μg/hr))したときの血清中フェンタニル濃度は、用量依存的に増加した5)。
健康な高齢者(65~81歳)に本剤16.8mg(100μg/hr)1枚を72時間単回貼付したとき、健康成人(18~33歳)に比して、貼付期間(72時間)にわたって血清中フェンタニル濃度は若干低く推移し、Cmaxは成人群で2.69ng/mLであったのに対して2.48ng/mL、AUC(0→120)は164.1ng・hr/mLに対して153.3ng・hr/mLであった。t1/2の約10時間の延長が認められた。6)(外国人データ)
高齢者(n=21)
49.7±21.4
2.48±1.60
153.3±89.7
190.1±110
34.4±14.1注)
成人(n=27)
35.1±17.1
2.69±0.66
164.1±36.7
177.8±41.8
23.9±9.8
平均±標準偏差注)n=19
肝硬変合併術後疼痛患者(39~66歳)にデュロテップパッチ5mg(50μg/hr)1枚を72時間単回貼付したとき、対照群(30~65歳)に比して、Cmaxは1.35倍、AUC(0→144)は1.73倍高く、Tmax及びt1/2にほとんど相違は認められなかった7)。(外国人データ、デュロテップパッチにおけるデータ)
AUC(0→144)(ng・hr/mL)
肝硬変患者(n=9)
40±17
1.52±0.70
123.0±71.9
19.8±10.2
対照群(n=8)
33±5
1.13±0.51
71.0±28.7
20.6±5.7
平均±標準偏差
健康成人に本剤4.2mg(25μg/hr)を36時間単回貼付したときの薬物動態に及ぼす皮膚温の影響を検討した。本剤貼付後0~10時間に電気パッドにて皮膚を加温したとき、フェンタニルのAUC(0→10)は非加温群と比べて約2倍増加したが、貼付後26~36時間に加温したときのAUC(26→36)への影響は小さかった。8)(外国人データ)
C10注1)(ng/mL)
AUC(0→10)(ng・hr/mL)
AUC(26→36)(ng・hr/mL)
皮膚温(℃)
10(hr)
36(hr)
非加温群(4.2mg(25μg/hr))(n=20)
0.379±0.27
1.26±1.12
5.06±1.84
32.3±13.1
32.7±1.42
32.8±0.81
加温群(4.2mg(25μg/hr)+加温)(n=20)
0.559±0.25
2.18±1.10
5.91±2.02
34.5±14.3
35.5±1.34
36.4±0.66
比注2)(加温群/非加温群、%)
161
220
115
103
-
平均±標準偏差注1)本剤貼付後10時間の血清中フェンタニル濃度注2)最小二乗平均比
ラットに3H-フェンタニルを皮下投与したとき、膀胱内尿及び小腸(十二指腸)内容物に高い放射能が認められた。肺、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、鼻粘膜、生殖器及び骨髄など多くの組織に放射能が認められた。9)(ラット)
妊娠ラットに3H-フェンタニルを皮下投与したとき、胎児内放射能濃度は母動物の血液中放射能濃度の約1.5~2.0倍高く推移した10)。(ラット)
分娩時にフェンタニルクエン酸塩を静脈内投与したとき、フェンタニルの乳汁移行が確認された11)。(外国人データ)
84.4%(in vitro、平衡透析法、10ng/mL)12)
フェンタニルは肝臓で主に代謝され、その主代謝物の一つはピペリジン環の酸化的N-脱アルキル化により生じるノルフェンタニルである。ヒト肝ミクロソームを用いた検討により、ノルフェンタニルへの代謝にはCYP3A4が関与していることが報告されている。10),13)(ラット、in vitro)
健康成人に3H-フェンタニルを静脈内投与したとき、72時間までに投与量の76±3%が尿中に排泄され、そのほとんどが代謝物であり、未変化体は投与量の6.4±1.2%であった。糞中には投与量の1.2±0.3%が未変化体として、7.8±1.0%が代謝物として排泄された。14)(外国人データ)
日本人がん疼痛患者でオピオイド鎮痛剤(経口モルヒネ換算量として45mg/日未満のモルヒネ製剤、30mg/日未満のオキシコドン経口剤又は0.3mg/日未満のフェンタニル注射剤)を投与されている患者(目標症例数:85例)を対象に、本剤の初回貼付用量(2.1mg(12.5μg/hr))へ切り替え、1~3回(3~9日間)貼付したところ、主要評価項目である治療期終了(中止)日の患者による総合評価において「満足・不満のどちらでもない」以上と評価した患者の割合は89.4%(76/85例)であった5)。
「非常に満足」及び「満足」
69.4%(59/85例)
「満足・不満のどちらでもない」
20.0%(17/85例)
「不満」及び「非常に不満」
10.6%(9/85例)
副作用発現率は、60.5%(52/86例)であった。主な副作用は傾眠(23.3%)、嘔気(19.8%)、便秘(14.0%)、嘔吐(10.5%)等であった。
モルヒネ製剤からデュロテップパッチへ切り替えたがん疼痛患者174例に対する臨床成績は以下のとおりである15),16)。第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験では、デュロテップパッチを1~3回(3~9日間)貼付した。後期第Ⅱ相臨床試験では、デュロテップパッチの3回(9日間)貼付による「切り替え貼付試験」に引き続き、継続貼付の希望があった患者を対象として最大20回(60日間)貼付による「継続貼付試験」を実施した。(デュロテップパッチにおけるデータ)
試験
有効率
第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験
61.5%(8/13例)
後期第Ⅱ相臨床試験(切り替え貼付試験)
61.5%(99/161例)
後期第Ⅱ相臨床試験(継続貼付試験)
83.3%(80/96例)
a群:モルヒネ投与時の痛みの強さが0~10の11段階評価で0~3であった群b群:モルヒネ投与時の痛みの強さが0~10の11段階評価で4~10であった群
切り替え貼付試験においては、モルヒネ製剤の使用量に応じてデュロテップパッチの初回貼付用量が選択されたが、3回目貼付日までに43.2%(63/146例)の患者で増量が行われた。また、デュロテップパッチ貼付中にモルヒネ製剤の追加投与(レスキュー)が行われた患者は、1回目貼付日では81.9%(131/160例)、2回目貼付日では56.4%(84/149例)、3回目貼付日では55.8%(77/138例)であった。副作用発現率は、76.3%(135/177例)であった。主な副作用は傾眠(59.9%)、便秘(52.5%)、嘔気(41.8%)、嘔吐(27.1%)等であった。
慢性疼痛患者を対象としたオピオイド鎮痛剤から本剤への切り替え貼付試験において、「安静時疼痛強度VAS変化量が+15mm以下」及び「レスキュー・ドーズ投与回数が1日2回以下であり、投与回数の差が1日あたり1回以下」である患者を疼痛コントロールが達成された患者と定義し評価した結果、4週後の疼痛コントロール達成率は86.3%(44/51例)であった。
疼痛コントロール達成率
86.3%(44/51例)
「VASの変化量が+15mm以下」
98.0%(50/51例)
「レスキュー・ドーズ投与回数が1日2回以下であり、投与回数の差が1日あたり1回以下」
88.2%(45/51例)
また、4週後の「満足・不満のどちらでもない」以上と評価した患者の割合は90.0%(45/50例)であった。 17)
62.0%(31/50例)
28.0%(14/50例)
10.0%(5/50例)
副作用発現率は、79.3%(46/58例)であった。主な副作用は便秘(39.7%)、嘔気(31.0%)、傾眠(19.0%)等であった。
慢性疼痛患者を対象としたオピオイド鎮痛剤から本剤への切り替え貼付試験において、52週後の「満足・不満のどちらでもない」以上と評価した患者の割合は75.2%(79/105例)であった18)。
35.2%(37/105例)
40.0%(42/105例)
24.8%(26/105例)
副作用発現率は、94.5%(121/128例)であった。主な副作用は傾眠(61.7%)、嘔気(59.4%)、便秘(50.0%)等であった。
受容体結合試験の結果、フェンタニルはヒト・クローン化μ(ミュー)オピオイド受容体に対してKi=1.02nmol/L、δ(デルタ)オピオイド受容体に対してKi=1530nmol/L及びκ(カッパ)オピオイド受容体に対してKi=1080nmol/Lの親和性を示した。また、モルモット全脳膜組織を用いた検討では、フェンタニルはμオピオイド受容体に対してKi=2.11nmol/L、δオピオイド受容体に対してKi=109nmol/L及びκオピオイド受容体に対してKi=308nmol/Lの親和性を示した19),20)。(in vitro)これらの結果から、フェンタニルはμオピオイド受容体に対して選択的に高い親和性を示した。したがって、フェンタニルはμオピオイド受容体を介してアゴニストとして作用し、強力な鎮痛作用を示すものと考えられている。
フェンタニル(fentanyl)
N-(1-phenethylpiperidin-4-yl)-N-phenylpropanamide
C22H28N2O
336.47
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
85~87℃
logP=2.96(1-オクタノール/pH7.4緩衝溶液)
メタノール、エタノール(95)に極めて溶けやすく、アセトニトリルに溶けやすく、0.1mol/L塩酸試液にやや溶けにくく、0.01mol/L硫酸試液に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
デュロテップMTパッチ2.1mg(12.5μg/hr):5枚(1枚×5)デュロテップMTパッチ4.2mg(25μg/hr):5枚(1枚×5)デュロテップMTパッチ8.4mg(50μg/hr):5枚(1枚×5)デュロテップMTパッチ12.6mg(75μg/hr):5枚(1枚×5)デュロテップMTパッチ16.8mg(100μg/hr):5枚(1枚×5)
1) Bentley JB, et al.:Anesth Analg. 1982;61:968-971
2) 社内資料:日本人におけるJNS005の薬物動態の検討
3) 社内資料: JNS005の単回及び反復貼付時の薬物動態の検討
4) 社内資料: JNS005の用量相関性の検討
5) Miyazaki T, et al.:Clin Drug Invest. 2008;28:313-325
6) 社内資料: JNS005の民族間及び年齢層間での薬物動態の比較
7) 社内資料:フェンタニルパッチの肝障害患者における薬物動態の検討
8) 社内資料:JNS005の薬物動態に対する温度の影響の検討
9) 社内資料:フェンタニルの薬物動態試験
10) 大塚宏之, 他:薬理と治療. 2001;29:865-876
11) Leuschen MP:Clin. Pharmacy. 1990;9:336-337
12) Meuldermans WEG, et al.:Arch Int Pharmacodyn. 1982;257:4-19
13) Feierman DE:Drug Metab Dispos. 1996;24:932-939
14) McClain DA, et al.:Clin Pharmacol. Ther. 1980;28:106-114
15) 水口公信, 他:医薬ジャーナル. 2001;37:2389-2402
16) 水口公信, 他:医薬ジャーナル. 2001;37:2403-2426
17) 社内資料:JNS005の慢性疼痛に対する第Ⅲ相臨床試験(2010年1月20日承認、CTD2.7.6.4)
18) 社内資料:JNS005の慢性難治性疼痛に対する臨床試験(2010年1月20日承認、CTD2.7.6.3)
19) 社内資料:フェンタニルのオピオイド受容体に対する親和性
20) Maguire P, et al.:Eur J Pharmacol. 1992;213:219-225
21) 社内資料:フェンタニルの一般薬理作用
22) 塩崎静男, 他:薬理と治療. 2001;29:849-854
23) Vissers K, et al.:Anesth Analg. 2005;101:457-464
ヤンセンファーマ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
フリーダイヤル 0120-183-275https://www.janssenpro.jp
*本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬期間は1回30日間分を限度とされています。
ヤンセンファーマ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.