当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
通常、本剤を用時に、溶解濃度が15~20(w/v%)になるように温湯(70~80℃)に溶解し、よく攪拌後経口投与する。血中分枝アミノ酸濃度を定期的に測定しながら、本剤の投与量を定める。
治療開始に際しては、下表の摂取分枝アミノ酸量を一応の目安とし、空腹時血中分枝アミノ酸濃度がそれぞれ2~5mg/dLの間に維持されるように摂取分枝アミノ酸量を定める1),2)。
摂取分枝アミノ酸量(目安)1),2)
年齢
摂取分枝アミノ酸量(mg/kg体重/日)
ロイシン
イソロイシン
バリン
0~3箇月
160~80
70~40
90~40
3~6箇月
100~70
70~50
6~12箇月
50~30
維持量は症例により個体差があるので、特に治療開始1箇月間は連日ないし隔日に血中分枝アミノ酸濃度を測定し、更に臨床症状、体重増加、血清たん白濃度、血色素濃度に留意し、分枝アミノ酸欠乏症状の出現を避ける。治療開始1箇月以後も乳児期は週1~2回程度血中分枝アミノ酸濃度を測定しながら治療を続けることが望ましい。不足分の分枝アミノ酸は自然たん白(一般粉乳、牛乳ないし一般食品)の形で補給する。定期的に身体発育値、DQ、脳波所見等を観察しながら治療を続ける。本剤の計量は、秤を用いて量ることが望ましいが、簡易的に計量する場合は、添付の計量用スプーンを用いる。計量用スプーンの内容量はスリキリ1杯で約3g である。濃度別調製は下表を参照し溶解する。
調乳濃度
(w/v%)
秤とり量
出来上がり
(mL)
溶液100mL中の組成
分枝アミノ酸
(mg)
たん白質
(g)
脂肪
炭水化物
灰分
エネルギー
(kcal)
15
15g
(スプーン5杯)
100
0
1.89
2.57
9.55
0.55
68.9
16
16g
2.01
2.74
10.19
0.59
73.4
17
17g
2.14
2.91
10.82
0.62
78.0
18
18g
(スプーン6杯)
2.26
3.08
11.46
0.66
82.6
19
19g
2.39
3.25
12.10
0.70
87.2
20
20g
2.52
3.42
12.73
0.73
91.8
急性期には腹膜透析、高張糖補液などの処置を行ない、血中ロイシン、イソロイシン、バリン濃度が正常範囲に戻った時点で、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルクを5症例に使用した5) 。何れも早期に発見され、生後2週間以内に治療を開始した4症例では、ロイシン、イソロイシン、バリンの必要量はすべて母乳あるいは人工乳との混合により、症例に合わせてそれぞれコントロールして投与した。その結果、血中ロイシン、イソロイシン、バリン濃度はよくコントロールされ、下痢、低たん白血症、貧血などの副作用は認められなかった。治療が遅れた1症例(本剤による治療開始年齢:7箇月)では、食餌療法を厳重に行った結果、血中ロイシン濃度2~4mg/dLを維持し、発育は良好であった。
分枝アミノ酸の経口摂取量の制限による。
1,200g入り缶(添付のスプーンはスリキリ約3g)
1) 多田啓也ほか:日本小児科学会雑誌, 1977; 81(9):840-845
2) 大浦敏明(編):小児の先天性代謝異常症,医歯薬出版, 1980; 108-113
3) 北川照男ほか:特殊ミルク情報, 2000; 36:28-40
4) 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン(世界保健機関/国連食糧農業機関共同作成。2007年):2.1.4 PIF(乳児用調製粉乳)を使用した粉ミルクの調乳等
5) 北川照男ほか:臨床試験成績(社内資料)
雪印メグミルク株式会社 ミルクサイエンス研究所 特殊ミルク開発室
〒350-1165 川越市南台1丁目1番地2
TEL 049-242-8068 FAX 049-242-8157
雪印メグミルク株式会社
埼玉県川越市南台1丁目1番地2
雪印ビーンスターク株式会社
東京都新宿区四谷本塩町5番1号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.