医療用医薬品 詳細表示

フィンテプラ内用液2.2mg/mL

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

フィンテプラ内用液2.2mg/mL

添付文書番号

1139016S1020_1_03

企業コード

820110

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第4版、効能変更、用法用量変更)
2023年12月改訂(第3版)

日本標準商品分類番号

871139

薬効分類名

抗てんかん剤

承認等

フィンテプラ内用液2.2mg/mL

販売名コード

YJコード

1139016S1020

販売名英語表記

Fintepla oral solution

販売名ひらがな

ふぃんてぷらないようえき2.2mg/mL

承認番号等

承認番号

30400AMX00433000

販売開始年月

2022年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

48ヵ月

一般的名称

フェンフルラミン塩酸塩
Fenfluramine Hydrochloride

1. 警告

本剤の投与により心臓弁膜症及び肺動脈性肺高血圧症を引き起こすおそれがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的な心エコー検査を実施し、循環器を専門とする医師との連携のもと使用すること。,,,,

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与中止後14日以内の患者,

3. 組成・性状

3.1 組成

フィンテプラ内用液2.2mg/mL

有効成分1mL中フェンフルラミン塩酸塩   2.5mg
(フェンフルラミンとして   2.2mg )
添加剤パラオキシ安息香酸エチルナトリウム、パラオキシ安息香酸メチルナトリウム、スクラロース、ヒドロキシエチルセルロース、香料、クエン酸カリウム、クエン酸水和物

3.2 製剤の性状

フィンテプラ内用液2.2mg/mL

剤形経口液剤
性状無色澄明の液体で、チェリー風味

4. 効能又は効果

*他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない下記の患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法

  • Dravet症候群
  • Lennox-Gastaut症候群

6. 用法及び用量

  • 〈Dravet症候群〉
    • (1)スチリペントールを併用する場合

      通常、成人及び2歳以上の小児には、フェンフルラミンとして1日0.2mg/kgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日0.4mg/kgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。また、1日用量として17mgを超えないこと。

    • (2)スチリペントールを併用しない場合

      通常、成人及び2歳以上の小児には、フェンフルラミンとして1日0.2mg/kgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日0.7mg/kgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。また、1日用量として26mgを超えないこと。

  • 〈Lennox-Gastaut症候群〉

    *通常、成人及び2歳以上の小児には、フェンフルラミンとして1日0.2mg/kgを開始用量として1日2回に分けて経口投与し、患者の状態に応じて、1週間以上の間隔をあけて1日0.7mg/kgまで増量できる。1日用量として26mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈Dravet症候群〉
    1. 7.1 患者の状態に応じて、増量する場合には、以下の漸増スケジュールを参考に、増量すること。,
      本剤の推奨漸増スケジュール

      スチリペントールを併用する場合 1)

      スチリペントールを併用しない場合2)

      用量

      1日最大投与量

      用量

      1日最大投与量

      初回投与(0日目)

      0.1mg/kg1日2回

      17mg

      0.1mg/kg1日2回

      26mg

      7日目

      0.15mg/kg1日2回

      17mg

      0.2mg/kg1日2回

      26mg

      14日目

      0.2mg/kg1日2回

      17mg

      0.35mg/kg1日2回

      26mg

      1) スチリペントールはクロバザム及びバルプロ酸と併用
      2) スチリペントールを併用しない場合で、より急速な増量が必要な場合は、4日ごとに増量してもよい

  • 〈Lennox-Gastaut症候群〉
    1. 7.2 *患者の状態に応じて、増量する場合には、以下の漸増スケジュールを参考に、増量すること。
      本剤の推奨漸増スケジュール3)

      用量

      1日最大投与量

      初回投与
      (0日目)

      0.1mg/kg
      1日2回

      26mg

      7日目

      0.2mg/kg
      1日2回

      26mg

      14日目

      0.35mg/kg
      1日2回

      26mg

      3) より急速な増量が必要な場合は、4日ごとに増量してもよい

  • 〈効能共通〉
    1. 7.3 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
    2. 7.4 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)には、本剤の投与量を減量することが推奨される。これらの患者の最大推奨維持用量は1日0.4mg/kgを1日2回に分けて、ただし、1日最大投与量は17mgとする。,

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の有効成分であるフェンフルラミンの投与において、心臓弁膜症及び肺動脈性肺高血圧症との関連性が報告されている。循環器を専門とする医師との連携のもと、以下の検査等を行うこと。,,,,
    1. 8.1.1 本剤の投与開始前は、心エコー検査及び十分な観察(聴診等の身体所見、胸部X線、心電図等)により、心疾患の有無を確認すること。
    2. 8.1.2 本剤の投与期間中も、心エコー検査及び十分な観察(症状、聴診等の身体所見、胸部X線、心電図等)を定期的に行うこと。
  2. 8.2 心エコー検査で心臓弁膜の異常が認められた場合、追加の心エコー検査を実施し、異常が持続していないかを評価すること。心エコー検査で心臓弁膜症又は肺動脈性肺高血圧症を示唆する所見が認められた場合は、本剤の投与開始又は投与継続のベネフィットとリスクを考慮し、投与の可否を慎重に判断すること。,,,,
  3. 8.3 食欲減退があらわれることがあるので、あらかじめ患者及びその家族に十分に説明し、必要に応じて医師の診察を受けるよう、指導すること。また、体重減少があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に体重計測を実施するなど、患者の状態を慎重に観察し、体重の減少が認められた場合には、投与量の減量を検討すること。
  4. 8.4 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、患者又は保護者等に対し、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事しないよう注意すること。
  5. 8.5 散瞳を引き起こし閉塞隅角緑内障を誘発するおそれがある。本剤投与後に急激な視力低下又は眼痛があらわれた場合は本剤の投与中止を考慮すること。
  6. 8.6 てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心臓弁膜症又は肺動脈性肺高血圧症患者

    心臓弁膜症又は肺動脈性肺高血圧症が増悪するおそれがある。,,,,

  2. 9.1.2 閉塞隅角緑内障患者

    閉塞隅角緑内障の前兆となる瞳孔散大がみられることがある。治療開始前に、光輪、視野ぼやけ、眼痛の既往歴について患者に確認すること。

9.3 肝機能障害患者

軽度及び中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類A及びB)への本剤の投与量の調節は必要ない。重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)には、本剤の投与量を減量することが推奨される。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験において、ラットでは臨床曝露量の12倍に相当し、母動物毒性が認められた曝露量で胎児奇形(後肢回転異常及び口蓋裂)及び出生児死亡が認められ、ウサギでは臨床曝露量の0.07倍に相当する曝露量(当該試験の最低用量における曝露量)で母動物の体重及び摂餌量の減少に関連する着床後胚損失率及び吸収胚の増加が認められた。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中へのフェンフルラミン及びその代謝物の移行性、授乳児への影響及び乳汁産生への影響に関するデータはない。

9.7 小児等

2歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。幼若ラットを用いた毒性試験において、臨床曝露量の0.2倍に相当する曝露量(当該試験の最低用量における曝露量)で神経学的影響(自発運動の減少及び学習・記憶障害)が認められた。また、臨床曝露量の1.3倍に相当する曝露量で体重増加量及び摂取量の減少が認められた。

9.8 高齢者

他の疾患や他の治療等を考慮し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢患者への本剤投与に関するデータはない。

10. 相互作用

  • 本剤は主として肝代謝酵素CYP1A2、CYP2B6及びCYP2D6により代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
    • セレギリン塩酸塩(エフピー)
    • ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
    • サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
  • ,

セロトニン症候群を発症することがある。
MAO阻害剤を投与中又は投与中止後14日以内の患者に投与しないこと。
また、本剤投与中止後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をあけること。
セロトニン症候群が疑われる場合は、直ちに本剤の投与を中止し対症療法を開始すること。

脳内セロトニン代謝の阻害が考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • セロトニン作動薬
  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
  • 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
  • トリプタン系薬剤
  • L-トリプトファンを含有する製剤
  • リチウム製剤
  • トラマドール塩酸塩等
  • 三環系抗うつ薬(TCA)
  • セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

セロトニン症候群のリスクが高まる可能性がある。
セロトニン症候群の兆候と症状(精神状態の変化、自律神経の不安定性、神経筋症状及び/又は消化管症状等)の発現について観察し、異常が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。

体内セロトニンが増加すると考えられる。

  • *スチリペントール
  • ,

フェンフルラミンの血漿中濃度が上昇し、その代謝物であるノルフェンフルラミンが減少する可能性がある。
併用投与する場合には、本剤を減量するなど注意すること。

フェンフルラミンの代謝酵素を阻害するため。

  • CYP1A2又はCYP2B6の誘導薬
    • リファンピシン、カルバマゼピン等

本剤の有効性が低下する可能性がある。

フェンフルラミンの代謝を促進するため(フェンフルラミンの血漿中濃度が低下する)。

  • CYP1A2阻害剤
    • フルボキサミン、シプロフロキサシン等
  • CYP2D6阻害剤
    • パロキセチン、キニジン等

フェンフルラミンの血漿中濃度が上昇し、その代謝物であるノルフェンフルラミンが減少する可能性がある。

フェンフルラミンの代謝酵素を阻害するため。

  • *セロトニン受容体拮抗薬
    • リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン等

本剤の有効性が低下する可能性がある。
併用投与する場合には、患者の状態を適切にモニタリングすること。

フェンフルラミンのセロトニン受容体を介した作用が低下するため。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 心臓弁膜症(頻度不明)

    大動脈弁又は僧帽弁の心臓弁膜症があらわれた場合には、大動脈弁又は僧帽弁の心臓弁膜症の治療に関するガイドラインに従って、適切なモニタリングとフォローアップを行うこと。,,,

  2. 11.1.2 肺動脈性肺高血圧症(頻度不明)

    心エコー検査により肺動脈性肺高血圧症が示唆される所見が認められた場合には、3ヵ月以内のできるだけ早い時期に心エコー検査を再度実施すること。,,,

  3. 11.1.3 セロトニン症候群(頻度不明)

    不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。セロトニン作動薬との併用時には、特に注意すること。,,

11.2 その他の副作用

10%以上

5%~10%未満

5%未満

頻度不明

胃腸障害

下痢

便秘、流涎過多、嘔吐

*一般・全身障害及び投与部位の状態

疲労(10.8%)

無力症、歩行障害、倦怠感

発熱

*感染症及び寄生虫症

上気道感染

気管支炎、耳感染、胃腸炎、鼻炎、インフルエンザ、肺炎

*臨床検査

体重減少、心エコー像異常4)

血中ブドウ糖減少、血小板数減少、拡張期血圧上昇、血中プロラクチン増加

血圧上昇

*代謝及び栄養障害

食欲減退(30.5%)

*神経系障害

傾眠(13.8%)

嗜眠、痙攣発作

振戦、運動失調、平衡障害、よだれ、鎮静

てんかん重積状態、筋緊張低下

*精神障害

異常行動、易刺激性、攻撃性、不眠症、激越、拒絶症

気分動揺

呼吸器、胸郭及び縦隔障害

鼻漏

皮膚及び皮下組織障害

発疹

4) 病的な逆流所見ではない

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    激越、傾眠状態、錯乱、潮紅、振戦(又は戦慄)、発熱、発汗、腹痛、過換気及び散大した非反応性瞳孔が報告されている。

  2. 13.2 処置

    本剤の過量投与に利用可能な特定の解毒剤はない。過量投与の場合には、薬物過量投与の管理のための標準的な医療行為を行うこと。適切な気道確保、酸素投与及び換気を確保し、心調律のモニタリング及びバイタルサイン測定が推奨される。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 薬剤交付前にアダプターをボトルに装着すること。
  2. 14.1.2 付属の経口投与用ピペット(3mL又は6mLを投与量に応じて選択)で処方された用量を正確に量り取り、他の飲料、食品及び他の薬剤と混合せずに服用するよう、患者及び保護者に指導すること。
  3. 14.1.3 冷蔵又は凍結しないよう指導すること。
  4. 14.1.4 本剤は開封後3ヵ月以内に使用するよう指導すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

海外で実施されたフェンフルラミンを含まない複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照比較試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現リスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

*フェンフルラミンの薬物動態を健康成人、小児Dravet症候群患者及びLennox-Gastaut症候群患者で検討した。

  1. 16.1.1 健康成人での単回投与

    スチリペントール及びクロバザムとの併用及び単独でフェンフルラミン(0.35mg/kg)を投与したときのフェンフルラミンの血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。フェンフルラミン及びノルフェンフルラミンの曝露量は、スチリペントール及びクロバザムとの併用の有無に関わらず白人健康成人と日本人健康成人とで同様であった1)

    図1:白人及び日本人健康成人でのフェンフルラミン(0.35mg/kg)単回経口投与後の平均フェンフルラミン血漿中濃度
    STP:スチリペントール、CLB:クロバザム
    表1:白人及び日本人健康成人でのフェンフルラミン(0.35mg/kg)単回投与後のフェンフルラミン薬物動態パラメータ

    白人

    日本人

    本剤単独

    本剤+STP/CLB

    本剤単独

    本剤+STP/CLB

    Cmax
    (ng/mL)

    n

    16

    15

    19

    16

    Geomean
    (CV%)

    25.7
    (18.4)

    34.2
    (18.5)

    26.1
    (13.6)

    33.0
    (10.5)

    Tmax
    (h)

    n

    16

    15

    19

    16

    Median
    (Min-Max)

    2.75
    (1.50-6.00)

    4.00
    (1.50-9.05)

    2.50
    (1.50-9.00)

    2.99
    (1.50-6.03)

    AUC0-inf
    (ng・h/mL)

    n

    16

    14

    17

    16

    Geomean
    (CV%)

    618.6
    (38.2)

    1544
    (37.2)

    594.6
    (29.3)

    1302
    (21.9)

    t1/2
    (h)

    n

    16

    15

    17

    16

    Geomean
    (CV%)

    20.04
    (26.0)

    35.22
    (43.9)

    18.55
    (21.9)

    30.37
    (22.3)

    Geomean=幾何平均、CV=変動係数、Median=中央値、Min-Max=最小値-最大値

  2. 16.1.2 健康成人での反復投与

    健康成人(18~55歳)にフェンフルラミンとして13mg又は52mg5) を1日2回投与したときの血漿中フェンフルラミン濃度及び薬物動態パラメータを図2及び表2に示す。フェンフルラミンの定常状態における全身曝露量(Cmax及びAUC)は用量比をわずかに上回る増加を示した2) (外国人データ)。

    5) 本剤の承認された1日最高用量は、スチリペントール併用で0.4mg/kg(最大17mg)、スチリペントール非併用で0.7mg/kg(最大26mg)である

    図2:フェンフルラミン13mg及び52mgの反復投与後の血漿中フェンフルラミン濃度の推移(Day7、平均値±標準偏差、n=59~60)
    表2:フェンフルラミン13mg及び52mgの反復投与後のフェンフルラミン薬物動態パラメータ(Day7)

    tmax,ss
    (h)

    Cmax,ss
    (ng/mL)

    AUCtau
    (ng・h/mL)

    フェンフルラミン13mg
    1日2回[n=59]

    5.5
    (3.0, 8.0)

    44.84
    (26.0)

    478.2
    (26.8)

    フェンフルラミン52mg
    1日2回[n=60]

    4.0
    (2.0, 8.0)

    233.7
    (31.7)

    2493
    (33.1)

    tmax,ssは中央値(最小値, 最大値)で表示
    AUCtau及びCmax,ssは幾何平均及び幾何変動係数(%)で表示

  3. 16.1.3 Dravet症候群患者での反復投与

    Dravet症候群患者(2~18歳)を対象とした国際共同第III相試験(試験3)及び海外第III相試験(試験2コホート2)等から得られた血漿中データを用いて実施した母集団薬物動態解析から、スチリペントール非併用でフェンフルラミンとして0.2又は0.7mg/kg/日(最大26mg/日)若しくはスチリペントール併用でフェンフルラミンとして0.4mg/kg/日(最大17mg/日)を投与した時のフェンフルラミンの薬物動態パラメータの推定値を表3に示す。フェンフルラミンの定常状態における全身曝露量はほぼ用量に比例して増加した3),4),5) (外国人データ)。

    表3:Dravet症候群患者における定常状態でのフェンフルラミン薬物動態パラメータの推定値(試験3及び試験2コホート2)

    試験名

    STP

    用量

    Cmax,ss
    (ng/mL)

    AUC0-24,ss
    (ng・h/mL)

    CL/F
    (L/h)

    Vss/F
    (L)

    試験3

    非併用

    0.2mg/kg/日
    [N=45]

    17.4
    (32.3)

    348
    (37.1)

    15.2
    (37.3)

    371
    (45.0)

    0.7mg/kg/日
    [N=44]

    64.5
    (36.6)

    1290
    (42.6)

    14.2
    (41.2)

    357
    (49.1)

    試験2
    コホート2

    併用

    0.4mg/kg/日
    [N=43]

    146
    (71.2)

    3150
    (80.3)

    1.51
    (141)

    331
    (46.8)

    幾何平均及び幾何変動係数(%)で表示

  4. 16.1.4 Lennox-Gastaut症候群患者での反復投与

    *Lennox-Gastaut症候群患者(2~35歳)を対象とした国際共同第III相試験(1601試験パート1コホートA)から得られた血漿中データを用いて実施した母集団薬物動態解析から、スチリペントール非併用でフェンフルラミンとして0.2又は0.7mg/kg/日(最大26mg/日)を投与した時のフェンフルラミンの薬物動態パラメータの推定値を表4に示す。フェンフルラミンの定常状態における全身曝露量はほぼ用量に比例して増加した6) (外国人データ)。

    表4:Lennox-Gastaut症候群患者における定常状態でのフェンフルラミン薬物動態パラメータの推定値(1601試験パート1コホートA)

    試験名

    STP

    用量

    Cmax,ss
    (ng/mL)

    AUC0-24,ss
    (ng・h/mL)

    CL/F
    (L/h)

    Vss/F
    (L)

    1601試験
    パート1
    コホートA

    非併用

    0.2mg/kg/日
    [N=84]

    11.9
    (56.1)

    246
    (63.0)

    25.2
    (57.8)

    555
    (54.8)

    0.7mg/kg/日
    [N=80]

    44.8
    (47.0)

    933
    (52.1)

    20.9
    (55.6)

    511
    (53.3)

    幾何平均及び幾何変動係数(%)で表示

16.2 吸収

フェンフルラミンの絶対的バイオアベイラビリティは約68~83%であった。フェンフルラミン及びノルフェンフルラミンの薬物動態に対する食事の影響は認められなかった7) (外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1 血漿タンパク結合率

    フェンフルラミンのヒト血漿タンパクとの結合率は100ng/mLまでの濃度で50%であった8)in vitro)。

16.4 代謝

フェンフルラミンの75%以上は、主にCYP1A2、CYP2B6及びCYP2D6により、ノルフェンフルラミンに代謝された。ノルフェンフルラミンは脱アミノ化及び酸化により不活性代謝物を形成した9),10)in vitro)。

16.5 排泄

経口投与したフェンフルラミンの大部分(90%を超える)は、フェンフルラミン、ノルフェンフルラミン及びその他の代謝物として尿中に排泄され、尿中排泄されたフェンフルラミン及びノルフェンフルラミンの割合は投与量全体の25%未満であった。糞中には5%未満が排出された11),12),13) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

    フェンフルラミン0.35mg/kg単回投与の薬物動態について、重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)及び健康成人(eGFRが90mL/min/1.73m2を超える)を対象に試験した。フェンフルラミンのCmax及びAUC0-infは、重度の腎機能障害患者で20%及び88%高かった。ノルフェンフルラミンのAUC0-inf及びCmaxは、重度の腎機能障害患者で、わずかな変化が認められた14) (外国人データ)。

  2. 16.6.2 肝機能障害患者

    軽度、中等度又は重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類A、B又はC)におけるフェンフルラミン0.35mg/kg単回投与の薬物動態を比較した試験では、フェンフルラミンのAUC0-tが正常な健康成人群と比べて、軽度の肝機能障害患者は95%、中等度の肝機能障害患者は113%、重度の肝機能障害患者は185%増加した。フェンフルラミンのCmaxは、肝機能障害患者において16~29%の範囲で増加した。ノルフェンフルラミンの全身曝露量は、肝機能障害患者でAUC0-tが最大18%増加し、Cmaxが最大45%減少した15) (外国人データ)。,

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 スチリペントール及びクロバザム併用時及び非併用時の定常状態におけるフェンフルラミンへの影響

    定常状態においてスチリペントール及びクロバザムを併用又は非併用下で本剤(0.35mg/kg)を投与したときのフェンフルラミン及びノルフェンフルラミンの薬物動態について、白人及び日本人健康成人を対象に評価した。スチリペントール及びクロバザムを併用又は非併用下でのフェンフルラミン及びノルフェンフルラミンの曝露量は、白人及び日本人ともに同様であった。本剤単独投与時と比較し、スチリペントール及びクロバザム併用下のフェンフルラミンAUC0-infは、白人で148%(2.48倍)、日本人で120%(2.20倍)増加し、ノルフェンフルラミンAUC0-infは、白人で55%、日本人で46%減少した1),

  2. 16.7.2 CYP1A2又はCYP2B6誘導薬の影響

    健康成人にリファンピシン(CYP1A2及びCYP2B6誘導薬)の定常状態(1日1回600mg)でフェンフルラミン0.35mg/kgを単回併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、フェンフルラミンのAUC0-infは58%減少しCmaxは40%減少し、ノルフェンフルラミンのAUC0-infは51%減少しCmaxは13%増加した16) (外国人データ)。

  3. 16.7.3 その他の薬剤
    1. (1) フルボキサミン(CYP1A2阻害薬)の影響

      健康成人にフルボキサミン(CYP1A2阻害薬)の定常状態(1日1回50mg)でフェンフルラミン0.35mg/kgを単回併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、フェンフルラミンのAUC0-infは102%増加しCmaxは22%増加し、ノルフェンフルラミンのAUC0-infは22%減少しCmaxは44%減少した16) (外国人データ)。

    2. (2) パロキセチン(CYP2D6阻害薬)の影響

      健康成人にパロキセチン(CYP2D6阻害薬)の定常状態(1日1回30mg)でフェンフルラミン0.35mg/kgを単回併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、フェンフルラミンのAUC0-infは81%増加しCmaxは13%増加し、ノルフェンフルラミンのAUC0-infは13%減少しCmaxは29%減少した16) (外国人データ)。

    3. (3) フェンフルラミンの併用薬への影響

      フェンフルラミン0.7mg/kg単回投与とスチリペントール、クロバザム及びバルプロ酸の単回併用投与は、スチリペントール、クロバザム及びバルプロ酸の単独投与と比較して、スチリペントールの薬物動態に影響を及ぼさなかった。また、クロバザム、ノルクロバザム(N-脱メチル代謝物)及びバルプロ酸の薬物動態にも影響を及ぼさなかった7) (外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈Dravet症候群〉
    1. 17.1.1 日本人を含めた国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(試験3)

      国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照第III相臨床試験において、2歳から18歳のスチリペントール非併用のDravet症候群患者(143例6) [うち日本人被験者は13例])を対象に、フェンフルラミン0.7mg/kg/日、フェンフルラミン0.2mg/kg/日又はプラセボを1日2回に分けて経口投与した。
      14週間の漸増期及び維持期(治療期間)の28日間あたりの痙攣発作頻度のベースラインからの変化率は、プラセボ群と比較してフェンフルラミン0.7mg/kg/日群で64.8%、フェンフルラミン0.2mg/kg/日群で49.9%の低下であり、プラセボ群に対しいずれの本剤群でも統計学的な有意差が認められた。

      例数

      漸増期及び維持期におけるベースラインからの痙攣発作頻度の変化量a)

      プラセボに対するベースラインからの変化率(%)b)
      [95%信頼区間]

      p値c)

      プラセボ群

      48

      -0.93

      -

      -

      フェンフルラミン
      0.2mg/kg/日群

      46

      -5.10

      49.9[31.3, 63.4]

      <0.0001

      フェンフルラミン
      0.7mg/kg/日群

      48

      -8.15

      64.8[51.9, 74.2]

      <0.0001

      a)中央値
      b)100×[1-exp(ANCOVAモデルに基づく対数変換した漸増期及び維持期の28日間あたりの痙攣発作回数の最小二乗平均値の群間差)]により算出
      c)対数変換した漸増期及び維持期の28日間あたりの痙攣発作回数を反応変数とし、投与群及び年齢群(6歳未満/6歳以上)を固定効果、対数変換したベースライン期の28日間あたりの痙攣発作回数を共変量とするANCOVAモデルによりプラセボ群と比較。主解析はフェンフルラミン0.7mg/kg/日群とプラセボ群との比較でありフェンフルラミン0.2mg/kg/日群とプラセボ群との比較は副次解析として実施

      本剤群での副作用発現率は57.4%(54/94例)で、主な副作用は、下痢8.5%(8/94例)、疲労8.5%(8/94例)、食欲減退28.7%(27/94例)、傾眠14.9%(14/94例)、心エコー像異常7) 11.7%(11/94例)であった。
      本剤群での日本人被験者の副作用発現率は87.5%(7/8例)で、主な副作用は、食欲減退75.0%(6/8例)、傾眠75.0%(6/8例)であった17)

      6) 1例治験薬投与前に中止
      7) 病理的ではなく、生理的と考えられる微量及び軽度の僧帽弁逆流並びに微量の大動脈弁逆流

    2. 17.1.2 海外試験:無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(試験1)

      海外、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照第III相臨床試験において、2歳から18歳のスチリペントール非併用のDravet症候群患者(119例)を対象に、フェンフルラミン0.7mg/kg/日、フェンフルラミン0.2mg/kg/日又はプラセボを1日2回に分けて経口投与した。
      14週間の漸増期及び維持期(治療期間)の28日間あたりの痙攣発作頻度のベースラインからの変化率は、プラセボ群と比較してフェンフルラミン0.7mg/kg/日群で62.3%、フェンフルラミン0.2mg/kg/日群で32.4%の低下であり、プラセボ群に対しいずれの本剤群でも統計学的な有意差が認められた。

      例数

      漸増期及び維持期におけるベースラインからの痙攣発作頻度の変化量a)

      プラセボに対するベースラインからの変化率(%)b)
      [95%信頼区間]

      p値c)

      プラセボ群

      40

      -3.02

      -

      -

      フェンフルラミン
      0.2mg/kg/日群

      39

      -5.18

      32.4[6.2, 51.3]

      0.021

      フェンフルラミン
      0.7mg/kg/日群

      40

      -10.05

      62.3[47.7, 72.8]

      <0.001

      a)中央値
      b)100×[1-exp(ANCOVAモデルに基づく対数変換した漸増期及び維持期の28日間あたりの痙攣発作回数の最小二乗平均値の群間差)]により算出
      c)対数変換した漸増期及び維持期の28日間あたりの痙攣発作回数を反応変数とし、投与群及び年齢群(6歳未満/6歳以上)を固定効果、対数変換したベースライン期の28日間あたりの痙攣発作回数を共変量とするANCOVAモデルによりプラセボ群と比較。主解析はフェンフルラミン0.7mg/kg/日群とプラセボ群との比較でありフェンフルラミン0.2mg/kg/日群とプラセボ群との比較は副次解析として実施

      本剤群での副作用発現率は55.7%(44/79例)で、主な副作用は、食欲減退27.8%(22/79例)、嗜眠11.4%(9/79例)、傾眠11.4%(9/79例)、心エコー像異常8) 10.1%(8/79例)、下痢7.6%(6/79例)、疲労7.6%(6/79例)、運動失調6.3%(5/79例)、痙攣発作6.3%(5/79例)、よだれ5.1%(4/79例)、体重減少5.1%(4/79例)であった18)

      8) 病理的ではなく、生理的と考えられる微量及び軽度の僧帽弁逆流並びに微量の大動脈弁逆流

    3. 17.1.3 海外試験:無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(試験2コホート2)

      海外、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照第III相臨床試験において、2歳から18歳のスチリペントール(クロバザム及びバルプロ酸の併用)を服用しているDravet症候群患者(87例)を対象に、フェンフルラミン0.4mg/kg/日又はプラセボを1日2回に分けて経口投与した。
      主要評価項目である15週間の漸増期及び維持期(治療期間)の28日間あたりの痙攣発作頻度のベースラインからの変化率は、プラセボ群と比較してフェンフルラミン0.4mg/kg/日群で54.0%の低下であり、プラセボ群に対し本剤群で統計学的な有意差が認められた。

      例数

      漸増期及び維持期におけるベースラインからの痙攣発作頻度の変化量a)

      プラセボに対するベースラインからの変化率(%)b)
      [95%信頼区間]

      p値c)

      プラセボ群

      44

      -0.38

      -

      -

      フェンフルラミン
      0.4mg/kg/日群

      43

      -4.29

      54.0[35.6, 67.2]

      <0.001

      a)中央値
      b)100×[1-exp(ANCOVAモデルに基づく対数変換した漸増期及び維持期の28日間あたりの痙攣発作回数の最小二乗平均値の群間差)]により算出
      c)対数変換した漸増期及び維持期の28日間あたりの痙攣発作回数を反応変数とし、投与群及び年齢群(6歳未満/6歳以上)を固定効果、対数変換したベースライン期の28日間あたりの痙攣発作回数を共変量とするANCOVAモデルによりプラセボ群と比較

      本剤群での副作用発現率は72.1%(31/43例)で、主な副作用は、食欲減退39.5%(17/43例)、疲労16.3%(7/43例)、嗜眠14.0%(6/43例)、体重減少9.3%(4/43例)、振戦9.3%(4/43例)であった19)

  • 〈Lennox-Gastaut症候群〉
    1. 17.1.4 国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(1601試験)

      *国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照第III相臨床試験として、コホートA(外国人コホート)及びコホートB(日本人コホート)から成る臨床試験を実施した。1~4種の抗てんかん薬でも転倒を伴う発作が十分管理されていない2歳から35歳のLennox-Gastaut症候群患者(コホートA:263例、コホートB:33例)を対象に、抗てんかん薬併用下でプラセボ、フェンフルラミン0.7mg/kg/日又はフェンフルラミン0.2mg/kg/日(最大26mg/日)を1日2回に分けて経口投与した9)

      • 〈コホートA:外国人コホート〉
        漸増期及び維持期(合計14週間)における28日間あたりの転倒発作10) 頻度のベースラインからの変化率は下表のとおりであり、主要評価項目であるプラセボ群とフェンフルラミン0.7mg/kg/日群の比較において、プラセボ群に対する本剤0.7mg/kg/日群の優越性が検証された。

        例数

        28日間あたりの転倒発作頻度
        上段:ベースライン
        下段:漸増期及び維持期

        ベースラインからの変化率(%)

        プラセボとの比較

        変化率[95%信頼区間]の差(%)a)

        p値b)c)

        プラセボ群

        87

        53.0
        (2.0, 1761.0)

        -7.59
        (-100, 557.1)

        46.85
        (0, 1683.8)

        フェンフルラミン
        0.7mg/kg/日群

        87

        83.0
        (6.5, 1803.0)

        -26.49
        (-95.2, 402.1)

        -19.88
        [-31.02, -8.74]

        0.0013

        54.57
        (0.3, 1562.0)

        フェンフルラミン
        0.2mg/kg/日群

        89

        85.0
        (4.1, 2943.0)

        -14.16
        (-100, 3307.3)

        -10.50
        [-24.99, 3.99]

        0.0939

        61.82
        (0, 5110.9)

        中央値(最小値, 最大値)
        a)Hodges-Lehmann法により推定した中央値の群間差
        b)漸増期及び維持期の転倒発作頻度のベースラインからの変化率の順位を目的変数とし、投与群及び体重群(37.5kg未満/37.5kg以上)を因子、ベースライン期の28日間あたりの転倒発作頻度の順位を共変量とするノンパラメトリックANCOVAモデルを用いて解析された
        c)主要評価項目(フェンフルラミン0.7mg/kg/日群とプラセボ群との比較)の検定の有意水準は両側5%
        副次評価項目(フェンフルラミン0.2mg/kg/日群とプラセボ群との比較)の検定の多重性は調整されておらず、名目上のp値を示した

        本剤群での副作用発現率は47.7%(84/176例)で、主な副作用は、疲労11.9%(21/176例)、体重減少5.1%(9/176例)、食欲減退22.2%(39/176例)、嗜眠3.4%(6/176例)、痙攣発作6.3%(11/176例)、傾眠11.9%(21/176例)であった20)

      • 〈コホートB:日本人コホート〉
        漸増期及び維持期(合計14週間)における28日間あたりの転倒発作10) 頻度のベースラインからの変化率は下表のとおりであった。

        例数

        28日間あたりの転倒発作頻度
        上段:ベースライン
        下段:漸増期及び維持期

        ベースラインからの変化率(%)

        プラセボとの比較

        変化率[95%信頼区間]の差(%)a)

        プラセボ群

        11

        53.0
        (11.0, 337.0)

        -17.89
        (-97.3, 61.8)

        50.91
        (1.4, 172.6)

        フェンフルラミン
        0.7mg/kg/日群

        11

        58.0
        (14.0, 285.0)

        -34.52
        (-69.4, 45.5)

        -20.21
        [-50.86, 17.54]

        37.14
        (5.1, 91.7)

        フェンフルラミン
        0.2mg/kg/日群

        11

        44.0
        (11.0, 253.0)

        -14.12
        (-95.6, 66.4)

        -5.73
        [-41.61, 40.06]

        37.79
        (4.0, 240.6)

        中央値(最小値, 最大値)
        a)Hodges-Lehmann法により推定した中央値の群間差

        本剤群での副作用発現率は63.6%(14/22例)で、主な副作用は、傾眠31.8%(7/22例)、食欲減退27.3%(6/22例)、体重減少22.7%(5/22例)、下痢22.7%(5/22例)であった20)

      9) 0.7mg/kg/日群のスチリペントール非併用時には、フェンフルラミン0.2mg/kg/日から開始し、4日間おきに0.4mg/kg/日、0.7mg/kg/日に適宜増減(最大26mg/日)することとされた
      スチリペントール併用時(本邦ではLGSに対して承認されていない)には、フェンフルラミン0.2mg/kg/日から開始し、4日間おきに0.3mg/kg/日、0.4mg/kg/日に適宜増減(最大17mg/日)することとされた
      10) 転倒を伴う全般強直間代発作、二次性全般化発作、強直発作、脱力発作、及び強直/脱力発作

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤の作用機序は明確ではないものの、セロトニン放出を介した複数の5-HT受容体サブタイプの活性化作用を介して、てんかん発作の減少に寄与すると考えられる21),22)

18.2 In vivo試験

  1. 18.2.1 Dravet症候群のゼブラフィッシュモデルにおけるてんかんの発作頻度及び持続時間を減少させた23)
  2. 18.2.2 Dravet症候群のマウスモデルにおいてペンテトラゾール誘発性強直間代発作を阻害した24)
  3. 18.2.3 マウスにおけるNMDA誘発発作及び死亡を阻害した25)
  4. 18.2.4 ラットの最大電撃誘発痙攣を阻害した26)
  5. 18.2.5 ラットのペンテトラゾール誘発性強直発作及び死亡を減少させた27)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フェンフルラミン塩酸塩
(Fenfluramine Hydrochloride)

化学名

(2RS)-N-Ethyl-1-[3-(trifluoromethyl)phenyl]propan-2-amine monohydrochloride

分子式

C12H16F3N・HCl

分子量

267.72

性状

白色から灰色を帯びた白色の粉末。
本品はエタノール(99.5%)に溶けやすく、ジクロロメタンにやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくい。

化学構造式

分配係数

3.36(オクタノール/水)

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

22. 包装

60mL[1ボトル]

23. 主要文献

1) 社内資料:日本人及び白人健康成人を対象とした薬物動態試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.1.1)

2) 社内資料:健康成人における反復投与薬物動態(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.1.5)

3) 社内資料:母集団薬物動態モデルの検討(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.5.1)

4) 社内資料:薬物動態を含む第III相臨床試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.2.2)

5) 社内資料:薬物動態を含む第III相臨床試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.2.3)

6) *社内資料:薬物動態を含む第III相臨床試験

7) 社内資料:薬物相互作用及び食事の影響(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.1.2)

8) 社内資料:In vitroにおける蛋白結合に関する検討(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.3.1)

9) 社内資料:In vitroにおける遺伝子組み換え酵素に関する検討(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.3.6)

10) 社内資料:In vitroにおけるCYP表現型別の代謝に関する検討(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.3.3)

11) Marchant NC, et al.: Xenobiotica. 1992; 22(11): 1251-1266

12) Bruce RB, et al.: J Pharm Sci. 1968; 57(7): 1173-1176

13) Beckett AH, et al.: J Pharm Pharmacol. 1967; 19(Suppl): 42S-49S

14) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態の検討(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.1.6)

15) 社内資料:肝機能障害患者における薬物動態の検討(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.1.7)

16) 社内資料:健康被験者を対象とした薬物動態試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.2.2.1.4)

17) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.10)

18) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.8)

19) 社内資料:国際共同第III相臨床試験(2022年9月26日承認、CTD 2.7.6.9)

20) *社内資料:国際共同第III相臨床試験

21) Hekmatpanah CR, et al.: Eur J Pharmacol. 1990; 177(1-2): 95-98

22) Rothman RB, et al.: Circulation. 2000; 102(23): 2836-2841

23) Sourbron J, et al.: ACS Chem Neurosci. 2016; 7(5): 588-598

24) Wong JC, et al.: FASEB J. 2017; 31(suppl 1): 813.7

25) Rodríguez-Muñoz M, et al.: Oncotarget. 2018; 9(34): 23373-23389

26) Buterbaugh GG: Life Sci. 1978; 23(24): 2393-2404

27) Lazarova M, et al.: Life Sci. 1983; 32(20): 2343-2348

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日本新薬株式会社 製品情報担当

〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

フリーダイヤル 0120-321-372
TEL 075-321-9064
FAX 075-321-9061

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ユーシービージャパン株式会社

東京都新宿区西新宿8丁目17番1号

26.2 販売元

日本新薬株式会社

京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.