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劇薬
処方箋医薬品注)
全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)
通常、成人にはジルコプランとして下表に示す用量を1日1回皮下投与する。
体重
投与量
56kg未満
16.6mg
56kg以上77kg未満
23.0mg
77kg以上
32.4mg
本剤投与開始12週後までに症状の改善が認められない患者では、他の治療法への切り替えを考慮すること。
本剤により髄膜炎菌感染症を発症しやすくなる可能性がある。,,,
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。,
,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化するおそれがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。類薬において、髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある。,,,,
肺炎、敗血症等の重篤な感染症があらわれることがある。また、肺炎球菌、インフルエンザ菌、淋菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症があらわれることがある。,
膵炎(0.5%)、血清アミラーゼの上昇(1.9%)、血清リパーゼの上昇(4.2%)等があらわれることがある。,
アナフィラキシー(血管性浮腫、蕁麻疹等)等の重篤な過敏症があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
一般・全身障害及び投与部位の状態
注射部位反応(注射部位内出血、注射部位疼痛等)(22.2%)
感染症及び寄生虫症
感染症(上気道感染、上咽頭炎、副鼻腔炎、尿路感染等)
胃腸障害
下痢、アフタ性潰瘍
皮膚及び皮下組織障害
限局性強皮症
臨床検査
アミラーゼ増加、リパーゼ増加、肝逸脱酵素上昇(アラニンアミノトランスフェラーゼ増加等)
血中好酸球増加
その他
過敏症(注射部位発疹、発疹、蕁麻疹、血管性浮腫、湿疹)
国際共同第III相二重盲検試験(MG0010)において、本剤が投与された86例のうち、本剤に対する抗体が2例(2.3%)、PEGに対する抗体が8例(9.3%)に認められた。
日本人健康成人に本剤0.1及び0.3mg/kg(各群4例)を単回皮下投与したときの血漿中ジルコプラン濃度時間推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す1) 。
投与量(mg/kg)
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
AUC0-last(ng・h/mL)
AUC0-inf(ng・h/mL)
t1/2(h)
0.1
1580(14.0)
3.02(3.00-6.02)
428000(12.5)
480000(12.9)
201(2.2)
0.3
3770(5.1)
3.03(3.00-3.05)
737000(8.6)
808000(9.1)
183(8.4)
各群4例、Cmax、AUC0-last、AUC0-inf及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)
AUCτ(ng・h/mL)
初回投与時
3890(17.3)
3.04(1.00-6.00)
76600(13.0)
−
最終回投与時
13300(14.4)
3.00(1.00-3.08)
272000(14.6)
174(3.9)
各群6例、Cmax、AUCτ及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)
測定時点
評価例数
ジルコプラン トラフ濃度(ng/mL)
1週目
81
11430.7(21.3)
2週目
82
12460.3(22.0)
4週目
79
12981.7(25.6)
8週目
77
12433.2(24.6)
12週目
75
12544.6(22.4)
幾何平均値(変動係数%)
健康成人に本剤0.3mg/kgを異なる投与部位(腹部及び大腿部:8例、腹部及び上腕部:7例)に単回皮下投与したとき、腹部への投与に対する大腿部及び上腕部のAUC0-last及びCmax比の推定値及び90%信頼区間は、0.9700[0.9347;1.007]及び0.9776[0.9260;1.032]並びに0.8642[0.8017;0.9316]及び0.9579[0.8803;1.042]であった3) (外国人データ)。
In vitro試験の結果、ジルコプラン及び主要代謝物(RA103488及びRA102758)の血漿蛋白結合率は99%超であった4) 。
In vitro及びin vivo試験の結果、2つの主要な代謝物として、加水分解によるRA102758の生成及びパルミトイル末端のω-水酸化によるRA103488が認められた。ジルコプランはペプチドとして異化経路を介して低分子ペプチドやアミノ酸に分解されると考えられる。RA103488の生成にはCYP4F2が主に寄与した。RA102758は薬理学的に不活性であり、RA103488はジルコプランと同程度の薬理活性を有するが、日本人健康成人に本剤0.3mg/kgを投与したときの定常状態におけるジルコプランに対する血漿中濃度の割合は約7%であった1),5) 。
ジルコプラン及び主要代謝物(RA103488及びRA102758)の尿中及び糞中排泄率は1%未満と推定された6),7) (外国人データ)。
重度の腎機能障害を有する成人被験者に、本剤0.3mg/kg(各群8例)を単回皮下投与したとき、ジルコプラン及びRA102758のAUC0-last、AUC0-inf及びCmaxは腎機能正常者と比較して同程度であった。RA103488のAUC0-last、AUC0-inf及びCmaxは腎機能正常者と比較し、約1.4~1.5倍高かった6) (外国人データ)。
薬物動態パラメータ
腎機能の程度
正常
重度
CLcr(mL/min)
≥90
<30
4830.33(18)
4468.65(8)
4.0(2.0-12.1)
6.0(2.0-12.0)
789542.7(18)
695854.5(17)
821508.2(20)
717144.3(17)
175.87(18)
165.69(21)
各群8例、Cmax、AUC0-last、AUC0-inf及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)
中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)を有する成人被験者に、本剤0.3mg/kg(各群8例)を単回皮下投与したとき、肝機能正常者と比較して、ジルコプランのAUC0-last及びAUC0-infは0.76倍低く、RA102758及びRA103488のAUC0-last及びCmaxは1.09~1.22倍高かった。ジルコプランのCmax及び半減期は両群で同程度であった7) (外国人データ)。
肝機能の程度
中等度
5128(19.3)
4867(14.4)
8.0(2.0-12)
4.0(3.8-23)
769900(12.8)
581400(21.3)
787000(13.3)
594500(21.6)
148.3(17.5)
152.2(10.7)
全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験は、全被験者が本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種することとされた。
抗アセチルコリン受容体抗体陽性の18歳以上の全身型重症筋無力症患者(MG-ADL総スコアが6以上、かつQMG総スコアが12以上)174例(日本人患者16例を含む)を対象に、多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。12週間の投与期間を通じて用量を一定とする標準治療(ステロイド、免疫抑制剤)が併用可能とされた。本剤又はプラセボを1日1回皮下投与したとき、主要評価項目である投与12週時のMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量は表のとおりであり、プラセボ群に対して統計学的に有意な改善が認められた。また、副次評価項目である投与12週時のQMG総スコアのベースラインからの変化量は表のとおりであった。
プラセボ群a)(88例)
本剤群a)(86例)
群間差b)
p値c)
MG-ADL
-2.30[-3.17, -1.43]
-4.39[-5.28, -3.50]
-2.09[-3.24, -0.95]
<0.001
QMG
-3.25[-4.32, -2.17]
-6.19[-7.29, -5.08]
-2.94[-4.39, -1.49]
a)12週時における総スコアのベースラインからの変化量の最小二乗平均値[95%信頼区間]b)プラセボに対する最小二乗平均値の群間差[95%信頼区間]c)MMRM ANCOVAモデル解析に基づくp値
副作用発現頻度は、本剤群で32.6%(28/86例)であった。主な副作用は、注射部位内出血11.6%(10/86例)、注射部位疼痛9.3%(8/86例)、注射部位反応、挫傷、リパーゼ増加及び頭痛各3.5%(3/86例)であった2) 。
ジルコプランは、補体C5に結合しC5a及びC5bへの開裂並びにC5b及びC6の結合を阻害することにより、膜侵襲複合体の形成及び細胞溶解活性を抑制する8) 。
ジルコプランは、補体古典経路及び第2経路によるヒツジ赤血球の溶血を阻害した9) 。また、野生型ヒトC5及び変異型ヒトC5(R885C及びR885H)を介した補体古典経路によるヒツジ赤血球の溶血を阻害した10) 。
ジルコプランを皮下投与したカニクイザルの血漿試料を用いたヒツジ赤血球溶血アッセイにおいて溶血阻害作用が認められた11),12) 。ジルコプラン0.3mg/kgを皮下投与した全身型重症筋無力症患者の血漿試料を用いたヒツジ赤血球溶血アッセイにおいて溶血阻害作用が認められた2),13) 。
ジルコプランナトリウム(JAN)Zilucoplan Sodium(JAN)
Tetrasodium salt of N2-acetyl-L-lysyl-L-valyl-L-α-glutamyl-L-arginyl-L-phenylalanyl-L-α-aspartyl-N-methyl-L-α-aspartyl-3-methyl-L-valyl-L-tyrosyl-3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-L-alanyl-L-α-glutamyl-L-tyrosyl-L-prolyl-(2S)-2-cyclohexylglycyl-N6-(3-{ω-[(N-hexadecanoyl-L-γ-glutamyl)amino]tetracosakis(oxyethylene)-α-yl}propanoyl)-L-lysine (6→16)-lactam
C172H274N24Na4O55
3650.1
白色から微黄色の粉末である。
*酸性基を持つアミノ酸残基。1つの酸性基にはプロトン化されたアルギニン側鎖が結合し、4つの酸性基にはナトリウムイオンがそれぞれ1つずつ結合している。
ジルコプランナトリウムは、ジルコプランの四ナトリウム塩である。ジルコプランは化学修飾された合成環状ペプチドで、ヒト補体C5に結合する。ペプチド部分は15個のアミノ酸残基からなり、15番目のLys残基は修飾されている。
0.416mL[7本]
0.574mL[7本]
0.810mL[7本]
1) 社内資料:臨床薬理試験成績 UP0113試験(2023年9月25日承認、CTD2.7.6.1.2)
2) 社内資料:国際共同第III相二重盲検試験成績 MG0010試験(2023年9月25日承認、CTD2.7.6.4.2)
3) 社内資料:臨床薬理試験成績 UP0115試験(2023年9月25日承認、CTD2.7.6.1.3)
4) 社内資料:血漿蛋白結合(2023年9月25日承認、CTD2.6.4.4.2)
5) 社内資料:代謝(2023年9月25日承認、CTD2.6.4.5)
6) 社内資料:臨床薬理試験成績 UP0114試験(2023年9月25日承認、CTD2.7.6.2.2)
7) 社内資料:臨床薬理試験成績 UP0094試験(2023年9月25日承認、CTD2.7.6.2.1)
8) 社内資料:C5に対する結合(2023年9月25日承認、CTD2.6.2.2.1.1)
9) 社内資料:補体古典経路及び第2経路における溶血阻害作用(2023年9月25日承認、CTD2.6.2.2.1.2.2)
10) Tang GQ, et al.:Front. Immunol. 2023;14:1213920
11) 社内資料:単回静脈内又は単回皮下投与試験及び7日間反復皮下投与試験(2023年9月25日承認、CTD2.6.2.2.2.1)
12) 社内資料:4、13及び39週間反復投与毒性試験(2023年9月25日承認、CTD2.6.2.2.2.2)
13) Howard JF Jr, et al.:JAMA Neurol.2020;77:582-592
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*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、2024年11月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされています。
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